【ラグビー】 大学王者相手につかんだ手応え 帝京大戦

雨降りしきる中戦いは行われた

雨降りしきる中戦いは行われた

山々に囲まれた甲府で行われた大学王者との一戦。竹本組に引導を渡した相手へリベンジしたかったところだが、5-12と惜敗。しかし相手の重量FWに真っ向勝負をした慶大の戦いからは、いかなる相手にも受けにまわらず勝負する姿勢がうかがえた。

招待試合

2011/05/22(日)14:10K.O @山梨中銀スタジアム

得点
慶大 チーム 帝京大
前半 後半 VS 前半 後半
1 0 T 1 1
0 0 G 1 0
0 0 PG 0 0
0 0 DG 0 0
5 0 小計 7 5
5 合計 12
【得点者】(慶大のみ)

T=前35分猪狩

出場選手
ポジション 名前(学部学年) 交代選手
1.PR 古田 哲也(環4)
2.HO 高橋 浩平(経4)
3.PR 山田 亮介(環3)  →後12分17.平野 裕馬(環3)
4.LO 南 善晴(環4)  →後23分18.熊倉 悠太(政4)
5.LO 伊藤 悠(商4)
6.FL 濱田 大輝(総2)  →後6分19.明本 大樹(総4)
7.FL 三輪谷 悟士(総4)
8.NO8 鹿児島 昌平(経3)
9.SH 猪狩 有智(経2) →後35分20.渡辺 諒介(経2)
10.SO 宮川 尚之(環2)
11.WTB 服部 祐一郎(環1) →後6分22.瀧口 晃太郎(文3)
12.CTB 仲宗根 健太(総4)
13.CTB 中村 圭介(総4) →後30分21.高田 英(経3)
14.WTB 位田 陸(法2)
15.FB 新甫 拓(経3)

ゲインする仲宗根主将

ゲインする仲宗根主将

前半は双方ともにミスが相次いだ。その中でも大学王者の圧力は強かった。ショートパントで確実にエリアをとっていく帝京大に受けに回ってしまう。その象徴がセットプレー。マイボールスクラムをターンオーバーされてしまいピンチを招く。だが相手のミスに救われて事なきを得ると、出足の早いタックルから徐々にリズムをつかむ。10分自陣での好タックルからルーズボールを足にかけ、集散の早さでボールを奪いチャンスに。しかし雨の影響からか慶大にもミスが出てしまい、徐々に自陣での試合を強いられる。それでも何とか相手攻撃をしのいできたがついに28分、相手スクラムからのアタックで、タックルを外され失点を許してしまう。ただ受けてばかりはいられない慶大はここで試合のテンポを上げる。SO宮川(環2)がフラットパスでチャンスを作り、CTB仲宗根(総4)が「人に強く当たるプレー」で前進する。リズムをつかんだ慶大は、35分ラインアウトからSH猪狩(経2)が相手ディフェンスとのミスマッチを突きトライ。惜しくもゴールは失敗するものの、これで5-7。前半は我慢の場面が多かったが、前回の関学大戦と比べてタックルの精度が高く、粘り強いディフェンスをみせた。

後半スクラムは安定を見せた

後半スクラムは安定を見せた

後半も慶大はタックルから試合を作ろうとする。NO8鹿児島(経3)やFL三輪谷(総4)の猛タックルからボールを奪い試合の流れを慶大に引き寄せる。すると49分には、ラックから猪狩がパスダミーで持ち出し、大幅に前進する。このチャンスはトライまで繋がらなかったものの、さらに52分にPR平野(環3)の出場をきっかけに、スクラムに安定感が出て帝京大相手に互角に渡り合えるようになる。しかし、帝京大のオフロードパスをはじめとする個人の力はやはり強かった。60分に自陣5m前からのFwd戦で突破をゆるしトライ。5-12となる。すぐに反撃に出たいところであったが持ち味であるはずのラインアウトからの攻撃も「雨が降っていたのでボールが手につかない場面が多くてそこから流れが作れなかった」(PR古田・環4)とミスが目立ち、うまく攻撃のリズムを整えることができない。79分に慶大はLO伊藤(商4)が相手ボールをインターセプトし意地を見せるも、ノックオンを犯しそのままノーサイドを迎えた。

5-12という結果ではあったが、「今日はみんな気持ちが入っていた」(仲宗根主将)と帝京大相手に臆することなく勝負し、通用したプレーは多かった。それは愚直なまでにおこなわれるタックルを基本としたディフェンス力。昨季からの強みでもあり、それに変化はなかった。帝京大とは秋に対抗戦で激突し、また大学日本一を目指す過程では不可避な相手である。この敗戦は必ずや秋につながるに違いない。

【ケイスポ的MOM】 超高速ラグビーの担い手 猪狩

トライを挙げ笑顔がはじける猪狩

トライを挙げ笑顔がはじける猪狩

 昨季は1年生ながらも対抗戦デビューを飾るなど、その新人離れした球捌きに対する評価は高かった。今季の目標が去年以上のテンポを求めている以上、この男の存在は大きい。今試合では得意の捌きはもちろん、自らトライをとるなど、状況判断の高さも見せつけた。

 

 

 

By Kentaro Kurose

選手のコメント

仲宗根主将

(昨季の大学王者帝京大との一戦だったが)今日はみんな気持ちが入っていました。先週の関学大戦はよくない試合内容だったが、その試合よりはチームの動きは良化していました。(先週からの修正点は)ディフェンスのバランスが良くなくて、一週間コミュニケーションをとりながら練習をしかり行いました。結果的に受けずに試合を進められました。(試合内容を振り返って)雨という天候だったので、ある程度のハンドリングミスはやむをえないと思いますが、ミスの後のルーズボールへの反応が少し遅かったなと思います。(個人的にはゲインラインを突破するシーンが多かったが)人に強く当たるのが僕のプレーだと思っています。しかし今日のディフェンスは反省です。(主将としてチームにどのように影響を与えていきたいか)自分は口がうまいタイプではないんで、大学日本一になりたという気持ちを抱きつつ、体を張ったプレーをすれば全部員が付いてきてくれると思います。

古田

(今日の試合を振り返って)セットプレーの安定ができなかったことが今日の敗因だと思います。(フォーカスしていた点は)魂だけでして、Fwdとしてはセットプレーを安定させて相手に走り勝つ仕事量を意識してやってました。(相手スクラムを回すいいプレーも見られたが)最初の3番が出ている時は結構こっちのスクラムが組めてて良かったんですが、途中変わった相手がちょっと組みにくい相手で特徴的な人だったのでペナルティを重ねてしまったのが良くなかったですね。(ラインアウトに関して)雨が降っていたのでボールが手につかない場面が多くてそこから流れが作れなかったのが良くなかったですね。(前半を振り返って)トライを取りきれないのはミスがあったり、入り込んでいるにも関わらずラインアウトを取れなかったりしたところが問題だと思います。(ハーフタイムで修正した点は)ディフェンスはすごく我慢できているので、後半も我慢してチャンスで畳み掛けようと意識していました。(後半は自陣で釘付けになる時間が長くなってしまったが)そこも我慢我慢だったんですけど、後半最初の1本目のトライの時にちょっと簡単にやられてしまった部分があった。そこでもうちょっと我慢していれば流れが変わったのかなと思います。(帝京大相手に12点で抑えられたのは自信になったが)良くないことだが相手を上に見ていた点があったので、自信にはなったと思います。(前回の関西学大戦で田中監督が二人目の寄りが課題だと言っていたが)関西学大戦よりもちょっとは意識できたと思ったんですがまだまだなんでもっと意識してやっていきたいですね。(今日の収穫は)自分達も帝京相手にやっぱりこれだけ戦えるんだという自信が一番大きいですかね。ディフェンスもしっかりできていて、タックルも魂持って入ればしっかり止められるという自信になりました。(次の試合に向けて)やっぱり変わらず魂を全面に出して俺達はチャレンジャーだという意識でやるっていうのと技術的な面ではセットプレーの安定とブレイクダウンの寄りの速さを意識したいですね。

三輪谷

(久しぶりに黒黄ジャージに袖を通すことになったが)4年生として、去年帝京大に負けていたので、しかも自分は試合に出場できなかったこともあって、気持ちをいれて試合に臨みました。今日は怪我人が多かったので選ばれたと思うので、しっかりアピールしていきます。(FLとしての出場だったが)FLをやったことはなかったが、野澤HCにとにかく地味なプレーを行うように指示が出ていたので、献身的なプレーを心掛けました。こういうプレーはLO・FL関係なく自分の特徴なので、それを出せたと思います。(相手のノックオンを誘う猛タックルがあったが)それはたまたまです。狙ったプレーではないです。あくまでも自分の役割は地味なプレーです。(帝京大のような重いFwdと対峙したが、印象はどうだったか)スクラムでもターンオーバーできましたし、対等に戦えたという気はします。あまり重くて強いという先入観は消えました。(後半になって良いスクラムが組めていたが、FLの位置から見てどう感じたか)まずは後半になって平野が相手のタイミングと合っていたのがありました。しかしそれよりも、後半になってすごいまとまりが出てきて、8人で押すというイメージがあったから良かったと思います。(雨天の中での試合だったせいかハンドリングミスが両チーム多かったが)自分も含めて、慶應全体にハンドリングミスが多い中で、帝京大をロースコアに抑えられたのは自身になりました。

猪狩

(今日の試合を振り返って)前回の関西学院戦の反省だったディフェンスはチームとして凄く良かったと思いますが、セットプレーが安定しなかったこととそこからのアタックがうまく行かなかったのが得点出来なかった原因かなと思います。(今日の試合フォーカスは)とにかくディフェンスでした。そこは前回の試合に比べて全然良くなったと思います。アタックのフォーカスとして3次攻撃までのアタックをして前へ出ようって話をしたんですけどそれが出来なかったので、そこを修正して行きたいと思います。(帝京の印象は)今回だけじゃなく毎回やる度にFWが強いなって思うんですけど、うちのFWも思ったよりも戦えていたと思います。(パスの出来は)プレッシャーかかってる中で速いパス捌きをすることが難しかったんでそこは自分のこれからの課題として頑張って行きたいと思います。(スクラムからのパス出しで苦しんだように見えたが)そうですね。あそこからうまく出せればもっとアタックの展開が広がったと思うんで次までにそこを修正して行きたいです。(トライの場面を振り返って)前が空いていてあとは自分が取りきるだけだったんでFwdのおかげだと思います。(次戦東海大戦に向けて)東海大も帝京大と似たFwdのチームだと思うんで気持ちとディフェンスで負けないように頑張りたいと思います。

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