【バスケ(男子)】王者相手に奮戦 わずかに及ばずも今後に期待持てる一戦に/第68回関東大学バスケットボール選手権大会vs東海大

一昨日の埼玉大戦に勝利し、昨年のインカレ覇者・東海大との大一番を迎えた慶大。東海大は「全国でもトップレベルのチーム」と工藤翔平(政4・慶應)が語ったように圧倒的な実力を誇る強豪だ。一年生が加わりチームとしての層も厚くなった慶大は王者相手にどのように戦ったのだろうか。

 

2019/4/30()@駒沢オリンピック公園総合運動場・屋内球技場

第68回関東大学バスケットボール選手権大会vs東海

 

Q

Q

Q

Q

合計

慶大

1120

22

2679
東海大20

18

31

21

90

慶大スターティングメンバ

 

#4 山﨑純 (総4・土浦日大)

 

#5 髙田淳貴(環4・城東)

 

#6 工藤翔平(政4・慶應)

 

#8 甲谷勇平(環3・東山)

 

#14 人見快(法2・慶應志木)

1Q開始からわずか10秒、東海大がインサイドで得点を挙げ早々と先制する。慶大も工藤がリバウンドからレイアップを決め同点とするも、その後は東海大の圧倒的な高さの前に苦戦しリードを8点とされてしまう。だが慶大のタイムアウト後、工藤が「狙っていた」とスティールからレイアップを決めると、その後も2連続でトップ付近でパスをカットしレイアップを沈める。工藤のプレーに触発され山﨑も3ポイントをウイングから決めるなど慶大は果敢なオフェンスを見せたが、東海大の堅いディフェンスを攻略できず11-20でこのQを終えた。

攻撃の起点となった髙田

2Q、巻き返したい慶大だが先制を許すと連続で得点を許しリードを16点とされてしまう。しかし慶大も負けじと工藤、途中出場のルーキー・水谷祐葵(環1・四日市工業)、髙田が3連続で3ポイントを決め、さらに山﨑も獲得したフリースローを確実に2本決め、得点を積み重ねる。だが東海大も昨年インカレ優勝校の意地を見せる。スクリーンを効果的に使われ、再びリードを17点とされてしまう。たまらず取った慶大のタイムアウト後、慶大は展開の早い積極的なオフェンスで連続得点を決め点差を縮めた。慶大は最終的には7点差で前半を終えた。

甲谷はスティールで貢献

 

3Q、鍛えてきた慶大のディフェンスが効果を発揮し始める。確実にパスコースをつぶし、相手のシュートをチェックし得点を最小限に抑えた。オフェンスでは積極的にオフェンスリバウンドを奪取しセカンドチャンスに繋げた。山﨑が技ありのジャンプショットを決め、高田がタフなゴール下を決める。山﨑髙田コンビが中心となって追加点を挙げ、一時は点差を5点まで縮めた。強豪・東海大相手に一歩も引かない慶大の攻勢に会場は大いに盛り上がり、このQは双方チームファールが5を超える意地の戦いを繰り広げた。山﨑は主将として、このQ11得点を挙げる大活躍を見せた。

工藤は体格差のある相手に対抗

4Q。途中出場の寺部勇佑(環3・洛南)が鋭いパスで、マークマンの裏を取った泉友樹雄(経4・慶應志木)の得点をアシストすると、今度はゴール下に飛び込みリバウンドを奪取した岩片悠馬(環3・広尾学園)のパスを受けた髙田が華麗なフェイダウェイを決め切る。連携の取れたオフェンスで慶大は流れに乗り、同じく途中出場のルーキー・蛇谷幸紀(環1・近大付属)が3ポイントを決めるなどスタメン以外の選手の活躍も目立った。ディフェンスでは相手の速攻と高さに苦しみながらも24秒オーバータイムと8秒オーバータイムを勝ち取り、大きな盛り上がりを見せた。最後は髙田、山﨑、髙田と両エースが得点を決め、得点差を11点まで縮めて試合終了となった。

山﨑は会場の視線を集める圧巻のプレー

結果的には敗れる形となった慶大。その事実は変わらないが、結果以上に内容の大きな試合だった。試合後に会場で起こった大きな拍手がそれを物語っていた。春シーズン磨き続けてきたディフェンスは東海大相手にも十分通用し、「全員吹っ切れてプレーできていた」と山﨑が語ったように慶大の選手は堂々と戦った。ディフェンスでは慶大が上回っていたと言っても過言ではないだろう。オフェンスでも「出だしで点差を付けられてそこから追いつくことができたのは本当に良かった」(山﨑)とチームがリズムに乗り、多彩なバリエーションを見せることができたのは大きな収穫だ。次戦は5月11、12日に関西大学で行われる慶関定期戦。早慶戦に向け、日に日に高くなっていくチームの完成度をもってすれば、勝利はすぐ目の前だ。

(記事:染谷優真、写真:船田千紗)

 

阪口HC
――トーナメントを試合を振り返って
春の目標は早慶戦優勝なので、それに向けて特に1年生はいい経験ができたと思います。相手が東海だから萎縮しちゃってる部分はあったと思うけど、少しずつ慣れてくればね。
――ディフェンスに今季力を入れていますが
12月の合宿からずっと宿題を出していて、このまま続けて早稲田とどういう風に戦うか。山﨑と髙田からボールが出てきてどのように得点につなげるかというのを今作っているので、6月22日までにもう少しできるようになれば。

 

山﨑純(総4・土浦日大)

――今日の試合を振り返って

六大学だったり電鉄に比べてチームとして良かったところが多くて、それはディフェンスだったりリバウンド、ルーズボールだったりが手応えあったんですけど、一試合通してミスも出続けていたんでその良かった部分と悪かった部分が半々くらいでした。なのでやり切った部分とまだモヤモヤしてる部分の気持ちが半々くらいです。

――相手は昨年度インカレ優勝校の東海大でした

本当にこういう機会ってなかなかないと思うので、胸を借りるつもりで、本当にこっちは失うものがなかったので全員吹っ切れてプレーできていたのかなと思います。

――その相手を一時は5点差まで追い詰めました

途中は出来過ぎ、というか波に乗れたので。ただ今までだったら出だしで点差つけられてそのままずるずる行っちゃってた部分が今日はもう一回追いつくことができたんでそこは本当に良かったかなと思います。

――ディフェンスのチームとしての完成度については

気持ちの部分だったりは結構良くなってきてるんですけど、ノーミドルだったり相手がスクリーン来たときの対処だったりそういう細かい部分が疲れてきたときにまだまだ抜けているので、その気持ちの部分で守り切ることと、そういう細かい部分をどちらも詰めていけるようにやっていきたいと思います。

――次の関大戦までの課題は

オフェンスの部分だったら今日一試合続けてミスが出続けていたんでそれを一つでも少なくするところと、ディフェンスに関しては細かい部分をもっと徹底してチームの組織力を上げていくというところですね。

 

髙田淳貴(環4・城東)
――今日の試合を振り返って
去年のインカレ優勝校ということで、いい機会なので胸を借りるつもりで全部出し切ろうという気持ちでみんなで臨んでいたので、予想よりは遥かにいい試合ができたと思います。
今までやってきたことは出し切って、それが間違いではなかったということがわかったので、本当にいい経験になりました。

――課題を挙げるとすれば
やはり最初の入りで10ー0位のランをやられてしまったり、試合の入りが毎回課題なのですがそこが詰めきれなかったりというところです。相手が大きいというところでリバウンドなどのこちらが主導してやらなければいけないところを、相手がもうひとつ上のレベルでやってきたところがあるので、そこは見習わなければいけないと思いました。

――慶関戦が控えています
東海とここまでできて、関大も強いのですが東海と比べたらレベルは下がると思うので、東海とここまでのゲームができた以上はしっかりと対策をして2試合勝ち切ることができるように、1週間作っていきたいと思います。

 

工藤翔平(政4・慶應)

――今日の試合を振り返って

本当に東海大学は全国でもトップレベルのチームでみんな全国レベルの選手の中で自分たちのやりたいことが少しは出来たのかなと感じてて、良いところは次につなげて早慶戦に向かいたいなと思いました。

――インサイドが高い相手でした

六大学、電鉄と自分より高いセンターの相手と戦っていたんでそれなりにやれるかなと思っていたんですけど、やっぱり上手かったですね(笑) その中でやってきたことはできたのかなと思います。もう少し頑張っていきたいと思います。

――パスカットが多かったですが狙っていましたか

そうですね、相手ディフェンス結構強いんでああいうところで最初点取りたいと思っていたので、それが上手く良い方向に向かってくれたのが今日よかったなと思います。

――オフェンスについては

オフェンスは山﨑と髙田がああやって点取ってくれる時間は任せるということで今日は良かったんですけど、やっぱりあの二人がシュートが入らない時間帯が来るかもしれないので、その時は僕とか人見とか甲谷が点取んなきゃいけないと思ってるので本当にオフェンス力も課題だと思って次に向かってやっていきたいと思います。

――次の関大戦に向けて

関西大学も本当にいいチームでいい練習相手だと思っているので、まずは自分のディフェンスだったりオフェンスをやりながらチームとして一体感持って勝てるように臨んでいきたいと思います。

 

甲谷勇平(環3・東山)
――今日の試合を振り返って
思った以上に自分たちのやっていることが通用したというのが今日の感想です。努力の方向性が間違っていないなと再確認できたのでよかったです。

――スティールを多く取っていたが
今年のチームは自分がガツガツ攻めていくというよりかは、しっかり2人のエースに合わせていくというスタイルなので、チームのディフェンスの秩序を守るというか、チームルールを徹底することが自分の役割だと思っているので、その結果がスティールに現れてよかったです。

――HCから檄を飛ばされていることが多いが
自分の去年の課題がディフェンスだったので、そこを今年は徹底して直していただいているので、基本的にアドバイスに関してはディフェンスのことがほとんどです。

――今日の収穫は
自分が相手に通用するディフェンスの距離感と、どのようなときに抜かれてしまうのかということが最近見えてきたことが大きな収穫だと思います。

――慶関戦に向けて
慶関戦もやはり相手は強いですが、その中でも自分のチームの中での役割をしっかり徹底すれば結果はついてくると思うので、さらに自分の役割に徹しようと思います。

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