第84回関東サッカーリーグ戦【前期】1部リーグ 第6節
2010/5/9(月)11:30 KO@西が丘
慶應義塾大学3-0拓殖大学
{得点者}前半19分 藤田息吹、後半10分 風間荘志、後半44分 河井陽介
前半開始直後から、開幕戦から勝ち星のない拓大は激しいあたりと素早いカウンターで慶大守備陣の裏を突く。ファールも辞さない拓大の当たりに試合序盤は苦しめられるものの、「立ち上がりから勢いをもって(三上(政4))」かけていったプレスと、10分の三上(政4)、17分の風間(商3)のミドルシュートなどで、徐々に試合にペースをつかんでいく。すると19分、開幕戦以来4試合ぶりの出場となった田中が右サイドを山浦(商2)とのコンビネーションで抜け出すと、すかさずクロス。これに藤田(政2)が頭で合わせて先制に成功する。しかし、これ以上負けられない拓大も必死の反撃。21分、24分、25分と拓大、藤川勇らにペナルティエリア内からのシュートなど決定的な場面を作られてしまう。この場面を守護神中川(環3)の好セーブなどで無失点で切り抜けると、35分には河井(政3)のパスから抜け出した深澤(理4)がポストをかするシュートを放つなど、1-0とリードを保って前半を折り返す。
「立ち上がりから相手のペースになった(李監督)」後半、慶大はなかなかボールキープ出来ず、苦しい展開。しかし、前半に引き続き、積極的にシュートを狙っていくと55分、今季初先発松下(総1)のスルーパスから山浦公裕が抜け出すと、ここは一旦相手DFにカットされるものの、こぼれ球を風間が拾い冷静にゴール。決定的な2点目が決まる。64分にはDFラインのパスミスを拓大三村真に拾われ、GKを抜き、無人のゴールにシュートされるものの、ゴールラインギリギリで三上が懸命のブロック。得点を許さない。その後慶大は危なげない試合運びで、試合終了間際89分にも途中出場の川久保(理2)のドリブル突破からパスを受けた河井が確実に決め、勝負あり。慶大が今期リーグ戦3勝目を挙げた。
結果としては堅守、サイド攻撃、2トップの裏を狙う攻撃と、慶大の持ち味が存分に発揮された試合となったわけだが、「内容は3-0の試合ではなかった(李監督)」部分があることも確か。しかし何よりも、前節までの課題であったシュートへの意識やフィニッシュの精度など歯明らかに改善の兆しを見せており、また、田中の復帰や一年生松下の活躍など、次節筑波大戦での勝利も期待させる試合となった。
by Hiroki Sugimoto
コメント李監督
(快勝でしたが振り返って)結果的にはそうかもしれないが、3―0の内容ではなかった。(ここ数試合のようなフラストレーションはなかったか)選手たちは結構大事に大事にしようと思ってやっていたと思う。この前の前半、その前の試合の後半ともシュート数が0だったので、相手が入れてくれないかぎり入らないと散々言ったし、選手たちも意識したと思う。シュートを打たないと点は入らないので、そういうところを試合に向けて話した。(ここ最近の試合と比べて前半から流れをつかんだように見えたが)今年のチームはちょっと若い。というのは、もちろん1人1人はちゃんとやっていると思うが、ゲームの流れの中で先に点を取られてしまうと少し慌ててしまう傾向がある。点を取られても取り返りかえせばいいだけで慌てることはない。ところが、それでもう自分たち本来のプレーができなくなって、大事に大事にしようとしてシュートが打てなくなってしまう流れの傾向がある。(得点はリードしていたがボールを相手に支配される場面も多かったが)そうですね、後半立ち上がり45分から相手のペースになった。相手も点も取っていなかったし必死だったのは間違いないなくある思う。ただ、そこでバーンとうちのミスで決定的な場面もあったように、本当に楽ではなく、うちとしては悪かった。それが入ってたらリズムも変わったと思う。3―0だけど3―0の試合ではなかった。(つないでくる意識のある拓大に対してスピードを生かした戦い方が特に前半はできていたのでは)今年のチームの良さはそうところ。足がわりと速い選手たちなので、前からしっかり追いついて裏をどうやって取るかとか。そういったところを狙ってゲームプランを立てた。(田中選手が5試合ぶりに復帰したが)久しぶりに復帰してちょっと心配だったが、あのくらいやってくれれば。(3試合ぶりの無失点は田中選手の活躍が大きかったか)田中も良かったが、最終ラインもこの前よりは集中していた。決定的なミスはあったが、それ以外は良かった。(2―0の状態でFWを2枚代えた理由は) 基本的にはその時間帯は守備を代えるよりも、前からプレッシングをかけようと。それがこのチームのプラン。(今日はスタートからボランチに松下選手を起用したが)運動量を増やさないとということで。大塚はちょっと運動量が少ない選手なので。ただ、間違いなく(大塚は)やってもらわなきゃいけない選手。足元とかのセンスは持っているので、運動量を増やしてくれれば、はい。(松下選手が後半から上がりめになったのは何か指示を出したのか)指示ではなく本人が判断したこと。2列目から自分で持っていくか出して上がるか。前半からそういう場面は何回かあったし、そのくらい運動量に自信がある。そういう風に長い距離を走ってくれれば相手の守備のストレスともなる。(相性の悪い筑波戦に向けて)相性悪いですね。30何年か勝っていないチーム。向こうは多分気にしてないと思うんですけど(笑)。対戦した監督に聞いてみると強いと答えるかか強くないかと答えるか二極化している。それはもうやってみないと分からない。筑波は技術が高い選手がほとんどなので、サボった瞬間やられてしまう。だからしっかりと最後まで守らないといけない。特にゴール前は細かいパスを回してくるので、サボったり弱気になったり行けなかったりするとやられてしまう。しっかりと強い気持ちを持って戦いたい。
三上主将
(今日の試合を振り返って)ここのところ勝てていなかったので、勝利というのは最高の結果なので、そこは一つ良いとして、3対0だったが、前半先制していなかったら違った展開になっていたかもしれないので、紙一重だった。(手応えは)ここ何試合かで出来ていなかった、立ち上がりから勢いをもってプレスをかけるというのが、今日の試合ではある程度出来ていたこと。(DFとしては)相手は10番など、前線に能力の高い選手が多かったので、結果的に0に抑えられたのは大きかった。(後半は相手にペースを握られる場面が多かったが)前半よりは後半の方がセカンドボールを拾ってキープするというところが出来てなかった。来節筑波大は強いので、セカンドボールを拾ってシュートで終わるというのを徹底したい。(田中奏一選手がDFラインに戻ったが)もともと能力が高い選手なので、攻撃でも持ち味を発揮してくれて頼もしかったです。(次節筑波大戦は)個人的に知ってる選手も多いいので、単純に負けたくないというのもあるし、チームとしても30年程勝てていないので、歴史を塗り替えられるように、モチベーション上げてがんばりたいです。(これから波に乗るために必要なのは)今日みたいな立ち上がりが出来るように、チームの雰囲気の部分で、1人1人がチームを担っているということを意識して、自立してくれればと思う。
笠松
(ふりかえって)久しぶりに3対0という形で勝てたということは良かったんですけれど、ディフェンス全体として、また自分個人としてもミスがあったというのもありますし、セットプレーの守り方なり、守備では反省点があったと思うので、そういうところをもう一度修正しなきゃいけないなと思います。(セットプレーの修正というと、具体的には)マークの付き方であったり、先に敵に触られている部分があるので、そこの誰がどの人につくのかという部分をもう一度修正したいと思います。(スコアは快勝なのですが、後半の前半など主導権を握られる時間もありましたが)セカンドボールを相手に拾われてしまったり、自分たちがシュートで終われずに中途半端な形のカウンターを許してしまった部分があって、押し込まれる時間帯があったのかなと思います。(シュートで終われないというのはここ最近監督も口にしてらっしゃる部分ですが)シュートでまず終わろうということ。自分たちが繋げると思ってしまったときに手数をかけてシュートで終われなかったという部分で、もっとダイナミックにシュートを打ってこうというところをもっとチームで話し合って、シュートで終わらなければ逆にピンチにされてしまうということを全員が意識しないとと思います。(次の筑波大戦は相性が良くないなという印象もあるのですが)筑波は本当に一人ひとりがうまいチームなので、回される部分もあると思うんですけれど、自分たちが今までやってきたものを出していけば十分渡り合えると思うので、相性うんぬんはあまり考えないで、今年のチームで全力を尽くしたいと思います。
中川
(試合を振り返って)相手は関係ないが、とにかくこの試合の重要性はわかっていたので、勝点3を取れたことはほんとに嬉しい。(完封での勝利だが)久々に自分としても気持ちのいい試合ができた。(完勝だったが反省点は)後半30分前後に中盤の選手の疲労とかもあって、結構押し込まれたので、こういう暑い中での試合が続くのでもっと中盤の選手も走らないといけないし、ミスから2つぐらいピンチがあったので、ディフェンスにもっと安定感がほしい。(DFとの連携は)連携としては一節一節よくなってきていると思う。(次節筑波大戦に向けて)筑波はほんとに上手いし強い相手だと思うので、今日みたいに簡単に勝たしてはくれないことはみんなわかっている。でも上位に行くためには倒さないといけない相手だと思うので、また完封で気持ちよく勝利したい。
田中
(試合を振り返って)内容はあまり良くなかったんですけど、勝ったことは良かったと思います。(試合展開は)裏を狙いすぎて自分たちのリズムを作れなくなったので、縦に速い攻撃を意識してやっているんですけど、その中でもワンクッション入れることが大事かなと思います。試合展開は押し込まれるシーンが多かったので、キツかったです。(久しぶりの実戦でしたが)1点目のクロスについては自分の思ったところに上げられたので良かったです。後半と前半、特に後半にポジショニングのミスで高い位置をとりすぎて裏をとられるシーンがあったのでポジショニングを意識してやっていきたいなと思います。(試合前にフォーカスした点は)勝つっていうことですね。今は流れが悪いので、どんなプレーでも勝つことができればと。そう思って試合に入りました。(ピッチの外から試合を見ていて足りないなと思ったことは)サイドでのパスコースの作り方とかで少し甘い部分があったのでそこを意識してやることと、中盤の守備がガタガタなのが見えていたので指示しようと思って入ったんですが、まだまだでしたね。(反省点は)最初に裏を狙いすぎてボールを失うシーンが多かったので、パスコースをちゃんと作ってワンクッション入れてやるということですね。あとは勝っている時の戦い方ですね。(次戦に向けて)筑波は細かくつないできてうまくて、去年も勝てていないのでちゃんと準備して臨みたいと思います。
河井
(今日の試合を振り返って)今日の試合は最近勝ててなかったので、拓殖という最下位の相手でしたけど、チーム状態を取り戻すためにも、気持ちを入れて望んだんですけど、それが結果に表れたんでよかったと思います。(この試合に向けて意識したことは)とりあえずもう一度自分達のサッカーを思い出そうということで、色々フォーメーションを試したりしたんですけど、まあやっぱり今季は3ボランチでやっていくという監督の思いがあって、それで今日選手がしっかり動けたことで結果が出たんで、また来週は自信を持っていけるかなと思います。(終了間際の得点だったが)そうですね、あれは理がよく突破してくれて、上げてくれたので9割ぐらいは理のゴールだと思います。(今季はシステムを併用する形になっているが)3ボランチも良さはあるんで、その良さを最大限に活かせるように、まだまだ完成していないので、それを関東リーグを通じて成長して、完成に近づけるように頑張っていきたいと思います。(次節に向けて)次節は筑波という強豪が相手なんですけど、自分達のサッカーが出来てる時は勝てているので、先制点を大事に次の試合も戦っていきたいと思います。
風間
(試合を振り返って)3‐0でしたけど、内容はそんなに圧勝ではなかったのでフォワードの自分とかが早い時間に点を獲って、もっと良い流れにするゲームにしたかったです。(得点シーンについて)こぼれ球とかを狙っていたので、決めることができて良かったです。(今季初ゴールですが)久しぶりに(点を)獲れたので、今までチームに迷惑をかけていた分これからもっと点を獲っていきたいです。(フォワードのレギュラー争いへ良いアピールになったのでは)そうですね。でもフォワードとしてシュートで終わる場面とかあったので、そういうところが課題なのでもっとできるようにしたいです。誰が出ても良い状態なので、とりあえずチームが勝って良かったと思います。(4試合ぶりの勝利ですが、チームの状況は)最近勝っていなくて点も獲れていなくてフォワードがもっと点を獲って盛り上げなきゃいけない場面が多かったので、ディフェンスが頑張っている分フォワードで盛り上げていきたいです。(反省点は)2、3点目を獲るタイミングが遅かったのと、攻められている時間が長かったので、不用意なパスミスとかを無くしていければ良いと思います。(次戦に向けて)筑波は強い相手で、次に勝つか負けるかでこれからのリーグ戦変わってくると思うので、良い準備をして点を獲れるように頑張りたいです。
藤田
(試合を振り返って)拓大は現在調子が良くない。その相手に負けるようだと、自分たちも下で争う事になってしまう。そういう意味でも、この一戦は大事だという話が、試合前に福井総監督からもあった。内容としては、前の試合よりも自分たちから何かをやろうという意識を持って戦えたと思う。(素晴らしいゴールでしたが)そうですね。良い時間帯に決める事ができました。そのあとも90分間集中して戦えたと思う。まだ修正点はあるが勝ち点3が取れて良かった。(修正点とは)パスミスが多いのでそれは減らさないといけない。(前に、玉際で強くいけるかが課題とおっしゃっていたが)自分たちは守備をさぼったらいけないチーム。まずは守備から入るというのは間違いない。李監督から守備とはボールを奪ってゴールをするためにやるということをよく言われるが今日は前線からそれが出来ていたと思う。(スタメンだった松下選手について)。初スタメンで90分間しっかり戦ってくれたので、自分もやりやすかった。良かったと思います。(筑波戦について)筑波には、高校の先輩も多いし、37年勝てていないみたいなので勝てるように頑張りたい。
川久保
(今日の試合を振り返って)後半からの出場だったが、アシストでチームに貢献し、なによりもチームが勝ててよかった。(前回まで悪い流れだったが、今節に対するプレシャーは)むしろみんな開き直って練習通りにやろうと言っていたので、その通りになってよかった。(後半からの出場で、1アシストの活躍だったが、自身のプレーについて)アシストはできたが、無駄なオフサイドが何回かあったので、なくしていきたい。(次節に向けて)筑波戦は今後を占うターニングポイントになると思うので、必ず勝ちたい。
慶大出場選手
中川翔太 |
黄大城 |
三上佳貴 |
笠松亮太 |
田中奏一 |
藤田息吹 |
松下純土 |
山浦公裕→88分加美義人 |
河井陽介 |
風間荘志68分→森田達見 |
深澤良→80分川久保理 |
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