【バスケ】1部リーグ初戦 大東大相手に逆転勝利、春のリベンジを果たす!

37得点と大活躍を見せた矢嶋

「成長を形にすることが出来ました」(家治主将)。不本意な成績に終わった春シーズン。秋シーズンでの復活を誓い、夏の間厳しいトレーニングを重ねてきた。そうして迎えたリーグ初戦。相手は春のトーナメントで敗れている大東大。春のリベンジに燃える慶大は「落とせないゲーム」(佐々木HC)、「絶対に負けたくない」(家治)と強い気持ちで試合に臨んだ。試合は序盤から相手を追いかける展開になるも、終盤に春シーズンからの確かな成長を見せた。
第87回関東大学バスケットボールリーグ戦
2011/09/03(土)@代々木第二体育館
慶大‐大東大
1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 22 14 23 33 92
大東大 25 24 14 23 86

着々と成長を見せる本橋

慶大のスタメンは家治(環4)、桂(政3)、蛯名(法2)、中島(総2)、伊藤(環1)。
初戦特有の緊張からか、慶大は出だしでつまずく。試合開始直後に立て続けに失点し、0-6といきなりビハインドを負う。慶大は中島がスリーポイントで応戦するも、ミスが続き流れは変わらず。何とか追い上げたい慶大は矢嶋(総2)と本橋(環2)を投入。するとその2人が流れを呼び込む。本橋のリバウンドから矢嶋が速攻に走ると、続けてスリーポイントを決める。さらに本橋がルーズボールに飛び込むと、矢嶋がジャンパーを沈める。22-25で1Qを終える。2Q、好調の矢嶋が速攻からミドルシュートを決めると、ここで投入された金子副将(環4)のアシストから本橋がゴール下で得点。さらに本橋のブロックから、家治、矢嶋と繋がり慶大らしい速攻が決まる。追い上げムードが高まる慶大だが、大黒柱である家治のシュートがなかなか決まらず波に乗り切れない。オフェンスが徐々に単発になると、課題のディフェンスも徐々に機能しなくなる。相手のアウトサイドシュート、そしてドライブを止められず連続失点。2-3のゾーンディフェンスを敷くも簡単に破られ、36-49と13点ビハインドで試合を折り返す。

家治が終盤にチームを勝利に導いた

後半開始早々、家治が得意のターンからタフショットを決め反撃ののろしを上げる。すると、ルーキーながらチームをけん引する伊藤がそれに応える。ドライブからゴール下で強引に決めると、桂のスティールからスリーポイントを決める。相手のシュートが落ちず点差が縮まらないが、それでも慶大は粘り強いディフェンスを続ける。するとオフェンスの流れも自然と良くなる。伊藤のスティールから矢嶋がゴール下で得点し、59-63と4点差まで詰め寄り3Q終了。迎えた最終Q、いきなり相手のスリーポイントが決まるも伊藤がすぐに決め返す。その後も両校譲らぬ展開に。慶大は1-2-2のゾーンディフェンスでボールを奪うと、蛯名が力強いドライブから得たフリースローを決める。だが大東大も意地を見せ、難しいシュートをねじ込み点差は8点。苦しくなった慶大だが、粘り強く続けてきたディフェンスがついに実を結ぶ。疲れからかシュートが落ち始めた相手を尻目に、この日大活躍の矢嶋がここでも3連続得点。一気に2点差まで追い上げると、伊藤がフリースローを2本ともきっちり決めて、77-77とついに同点に追いつく。会場が異様な雰囲気に包まれる中、1つのプレーが勝負を左右する勝負の時間帯を迎える。ここで誰よりもチームの勝利を願う主将が躍動する。起死回生のスリーポイントを沈め、この試合初めて慶大がリードを奪うと、速攻から再び家治がジャンパーを2本連続で決めリードは4点まで広がる。残り時間が1分を切り試合をコントロールしたい慶大は、ボールを家治に託す。「絶対に自分が試合を決めてやる」(家治)と左手から迷いなく放たれたスリーポイントは綺麗にリングに吸い込まれた。その後すぐに大東大がスリーポイントを決め返すが、最後はこの日の主役である矢嶋が37得点目となるミドルシュートを沈め、試合を締めくくった。92-86、慶大が初戦で見事な逆転勝ちを収めた。

昨年は敗れているリーグの初戦を最高の形で勝利した。春に敗れた相手に対し、「夏に練習してきた成果が出せた」(桂)ことは今後にも繋がる。特に前半の13点ものビハインドを跳ね返す底力は春シーズンにはなかった所。試合終盤、相手が疲れている時にも走り負けない走力が「春よりレベルアップした部分」(家治)である。とはいえ、個人の成長なくしてチームは成長しない。9週間と長きに渡るリーグ戦。昨年の家治がそうだったように、矢嶋をはじめとする2年生のリーグ戦を通しての成長が、チームをさらなる高みへと導くだろう。
By Yosuke Okada,Shigehisa Osajima

コメント

佐々木HC

韓国で今日のようにシュートを入れられる試合を3試合やってきてるので、入れられることはしょうがないというような耐性が出来ていたので、それが良かったのかなと思います。(リーグ戦の初戦だったが)春に負けたことで下馬評が悪かったので、今日はそれを元に戻すいいチャンスで、学生も私も今日は落とせないゲームという風に感じていたので、そういう意味でも勝てて良かったと思います。(インサイド陣の出来は)危ない所、危険の察知というのが出来ていないですね。リバウンドもそうだし、自分の頭の上に落ちてこないと取りに行かない。もっと感性を働かせないといけないですね。でも3人とも良くはなってますよ。(矢嶋の活躍について)家治が練習でも全てを背負ってやっていて、少しシュートの精度が落ちていたので、その分を誰かが決めないといけないということを言っていて、矢嶋はそれを感じて積極的にやったんだと思う。(春との違いは)1つはシンスプリントで向こうずねが痛かったのが、少し良くなったんだと思う。春はずっと我慢してやっていたので、それが良くなって少しずつ本来の感じに戻りつつあるんだと思います。(関大戦からの練習もディフェンスを重点的にやったのか)以前は分解練習を随分やっていたんだけど、今はそれを少し減らして、4対4でバックコートからのディフェンスの仕組みと動きを連続でやっているので、その成果が少し出たかなと思います。分解練習ばっかりだったのが、今はゲームをイメージしながらやれているのかもしれないです。でもあれだけ縦に抜かれるというのはまだまだですよ。(早大戦に向けて)30点負けている所からのスタートなので、厳しいゲームになるとは思います。イーブンではないよ、ということは学生にも言います。(キーとなる選手は)桂ですね。今日も彼が頑張ったから踏みとどまった部分があるので。

家治主将

まず個人としては、前半緊張してしまってシュートが入らずに、チームに迷惑をかけてしまったんですけど、そういう時にしっかりチームで守って攻めてというのが出来たので良かったと思います。春に負けた相手ということで絶対に負けたくないというのがあったので、そこに勝てたのはリーグ戦を戦うという意味でも、春の雪辱を果たせたという意味でもすごく大きい1勝だったかなと思います。(リーグ初戦だったが)8月は合宿だったり遠征で、チームとしてレベルアップできたと思うので、その成長した部分というのをどれだけ発揮できるかというのは、個人的には楽しみでした。春の雪辱を晴らすというのもあったんですけど、それを言うとみんな緊張してしまうかなと思ったので、今までやって来たことを変わらずに出そうということを言いました。(レベルアップしたのは)先生もディフェンスをしっかりと強化していくことをおっしゃっているんですけど、その部分で前半は相手に流れに持っていかれて厳しかったです。でも後半はしっかりとディフェンスを頑張って、ディフェンスリバウンドも取れるようになったので、そこからは夏にずっと走る練習をしてきたので、40分間走り続けるという部分で大東に走り勝てたと思うので、それは春よりはレベルアップした部分だと思います。(最後はシュートが決まっていたが)個人としてはなかなかチームに貢献できてなかったので、最後は絶対に自分が試合を決めてやるという気持ちを持ってやっていたので、それが決まって良かったと思います。(今のチームの状態は)8月中はずっとみんなで頑張ってきて、手ごたえはあったんですけど、試合に勝つという目に見える形での成長というのがなかったので、今日しっかりと形に出来たのは良かったと思います。これでチームの雰囲気もさらに良くなったと思いますし、若いチームなので勝つことでどんどんみんな成長していけると思うので、これからのリーグ戦もいい形で戦えると思います。(早大戦に向けて)大東と一緒で、春は早慶戦でああいう形になってしまったので、悔しい気持ちはすごい強いです。でも負けたからといって臆する気持ちは全然ないので、絶対にリベンジしてやるという強い気持ちを持って、でもプレーはいつも通り冷静にやっていけば必ず勝てると思うので、しっかりやりたいと思います。

この試合に勝ちたくて7月からずっと練習してきたので結果が出てすごい嬉しいですね。(公式戦での勝利は久しぶりだがチームの雰囲気は)自分達の中で一つ成功体験が出来てプラスになったと思うんですけど全体ではすでに明日の早稲田戦に切り替えているので、今日の勝利に慢心することなく切り替えてやっていきたいと思います。(自身のプレーを振り返って)夏休みはオフェンスの調子が良かったんですけど今日やってみて調子がよくなかったので、切り替えてディフェンスやリバウンドで貢献して、矢嶋とかシュートが当たっている選手にボールを回していこうと意識しました。(春の大東戦と今日とで違った所は)自分達の走る量ですね。あとは春はミスが多かったんですが今日修正できていたので夏練習してきた成果が出たかなと思います。(速攻も多く見られたが)序盤は相手も体力が残っていて競った状況が多かったんですけど、終盤は相手も疲れてきて隙が出来てきたのでそこを上手く突けたし、40分間走り切るといううちのスタイルが出せて良かったです。(声を出してチームを盛り上げる所が見られるが上級生になって意識が変わった部分はあるか)試合に出ている時も上級生が少なくて下級生が多い場面があるので自分が引っ張らなければいけないし、一番大きいのは、来年は僕がチームを引っ張る立場になると思うので今のうちからしっかりそういう意識を持つようにしています。(明日の早大戦に向けて)早慶戦で負けて悔しい思いをしているので、明日絶対勝って秋シーズンは春とは違うものにしたいと思います。

本橋

春シーズンにトーナメントで大東に負けて早慶戦も負けていい材料がなかったんですけど、今日こうやって春に負けた相手にリベンジ出来たことと、夏のオフを短くして練習してきたディフェンスだったり、リバウンドからの速攻という、慶大のスタイルが出せたことが嬉しいです。(春と今日で違った所)まずは守備を頑張って精度の悪いシュートを打たせてリバウンドを取るということが徹底出来たこと、後は家治さんだったり矢嶋だったり点を取るべき人がしっかり点を取ってくれた点が春と違ったと思います。(自身のプレーを振り返って) ディフェンスで相手の七番につききれなかったことが大きな反省です。後は前半ディフェンスが悪かった時に、今までだったら焦って自分の世界に入ってしまっていたんですけど今日は落ち着いて気持ちを立て直すことが出来たのでそういう部分は去年や春シーズンと比べて成長出来たと思います。(試合経験を重ねることで心に余裕が出来てきたか)そうですね、周りからもお前は余裕が無さすぎると言われていて、自分一人でミスしてただ焦るのではなくチーム全体の事を考えてプレーすることが課題だったので、それを意識して夏に練習してきた甲斐がありました。(3Qに反撃を見せたが前半終わって監督に言われたこと)前半終わってリバウンドの本数ではそこまで引けを取っていなかったのでそれを速攻につなげること、無駄なファウルをなくすこと、後は相手にフリーでシュートを打たれていたのでもう一度ディフェンスをしっかりすることを言われました。(久しぶりの公式戦勝利ですがチームの雰囲気は)ただ1勝したことよりも、自分達のバスケをやって勝てたということがとても大きいですし、いい雰囲気だと思います。(明日の早大戦に向けて)早稲田は久保田さんが柱になっているので久保田さんの得点やリバウンドに気をつけたいです。センター陣が頑張らないといけないので今日以上に足を動かしていきたいです。

矢嶋

夏の合宿・遠征を重ねてリーグはまず初戦を大事にしていこうとみんなで話し合っていて、今日はこういう勝ちゲームができて嬉しく思ってます。(春の大東戦と違った部分は)春のトーナメントでの大東戦で自分はあまり出場時間をもらえずに、悩んだ時期がありました。そういう意味で、夏は自分で意識改革をして、自分でやるべき部分、先生から期待されている部分を今日は全面に出したことがこの結果につながったと思います。(今日は30得点を越えましたが)これをスタンダードにしていきたいです。点をとるのが僕の役割だと思うので、それを基本に、リーグ戦始まったばかりなんですけど続けていきたいです。(劣勢の時間が長く続いたが)流れが途中でくると思っていたんで、夏がんばってきた成果っていうのを出して、点差を離さずについていったのが、最後に逆転できた要因になったと思います。(春から成長した部分は)1本1本のシュートだったり、自分の強気で責めていく部分が取り戻せたかなと思います。チームに順応して自分のプレイを出せるようになってきました。(リーグを通してどういうプレイヤーになっていきたいか)矢嶋にパスしたら得点を取ってくれるという周りの信頼をこのリーグ戦で得られればいいかなと思っています。それで自分に寄ってきたら味方にパスをするという、視野を広くしてポイントゲッターとしてオフェンスの中心になれればいいかなと思っています。(リベンジも含めこの1勝は大きかったと思うのですが)この1勝は大きいと思うんですけど、まだ初戦なんで勝ちにおごらず1戦1戦がんばっていきたいです。(早大戦に向けて)この前の早慶戦は苦しい負け方をしたんで、絶対勝ちたいです。始めの週に2勝するということが大事だと思うので、勝って次に繋げていきたいです。

伊藤

夏の練習が結果として表れたのが本当にうれしかったです。前半負けた形から後半追い上げられたのは夏から練習で積み重ねてきたものだったので良かったです。(序盤にアンスポ(※アンスポーツマンライク・ファウル)を取られたがどう切り替えたか)あそこはミスからのアンスポでした。自分としては結構落ち込んでしまったんですけど、ガードがあそこで落ち込んでいたらチームの雰囲気が悪くなってしまうと思ったので、切り替えて次頑張ろうという気持ちでいました。(チームとしての課題は)オフェンスは矢嶋さん、家治さんが点を取ってくれたのですが、周りの人ももっとみんなで頑張っていかないと、得点が取れないのでしっかりそこを補強していきたいです。(相手のシュートが落ちない時間があったが)ディフェンスが甘かったのもあるんですけど、ああいう場面こそしっかりディフェンスを頑張っていかないとこれからも勝っていけないので、明日からディフェンスも相手の足元までつこうと意識していきたいです。(チームの雰囲気は)すごく良いと思います。ただやっぱり今日であれば蛯名さんの調子が良くなかったと思うので、明日は切り替えてがんばってくれると思います。一人一人が頑張れば明日も勝てると思うので、しっかりプレイしていきたいです。(これからの意気込みは)チームとしては優勝が目標なので自分のできることを精一杯やって、優勝に向けて少しでも貢献できたらいいなと思っています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました