【庭球(男子)】王座前特集① 有本響×菅谷優作 複全勝ペアが歴史を塗り替える!

庭球男子

いよいよ開幕する全日本大学対抗テニス王座決定試合(王座)。昨年準優勝の慶大男子は関東大学リーグ戦で46年ぶりに優勝し、1位で王座進出を決定させた。悲願の全国制覇に向け、選手・コーチ・監督にお話を伺った。

第1弾はダブルスでもペアを組んでいる有本響(総2・慶應)(写真右)と菅谷優作(法2・慶應)。小さい頃からお互いを知る2人はリーグ戦でダブルス全勝と勝利に大きく貢献。昨年からの成長や意気込みを語ってくれた。

 

――他己紹介

菅谷:有本響君はやっぱりジュニアの頃からずっと活躍している選手で、全国のタイトルを何回も取っています。センスのあるテニスをすることが魅力的なところで、タッチも柔らかくて、小さい頃から魅了させるようなテニスをやっていたことが印象に残っていることです。小さい頃から合宿や遠征で一緒になることが多くて、その時からの付き合いだったので、高校で慶應に入ると聞いて時はびっくりしました。それでここまでやってこられて「そんなことあるんだ」という感じです。昔はすごい元気でやんちゃな子でしたが(笑)、今はテニスも大人になって、すごい優しい感じです。

 

有本:優作が言っていた通り小さい頃から全国大会とかで知っていて、優作は自分と違って変わらず優しいです。プレースタイルも結構パワー系で、サーブを打ってストロークで押して決めるので、見ていて面白いというか、派手なプレーをやっています。自分と比べてプレースタイルも違うのですが、高校が一緒になってダブルスを組んだ時にうまくマッチして全国取れたり、今も大学のリーグでも1年生から組んで結構いい成績残せていたり、すごく良かったと思います。

 

――プライベートで遊ぶことは

菅谷:響は結構予定忙しいから……(笑)下村さん(=亮太朗、法3・慶應)とは遊ぶことあるんですけど。

有本:なかなか予定が合わなくて…‥(笑)

 

――部のみんなで会うことは

菅谷:昨日バーベキューしました。大人数で遊ぶというより、少ない人数で、学部とかでも分かれていて、僕も下村さんと学部が一緒だったりするので。

 

――2年生から見た上級生は

菅谷:3年生は真面目ですね。4年生は結構パリピですが根は真面目な人が多いので、やるときはしっかりやるようなタイプです。オフの遊びの時はいろいろなところに連れて行ってもらったりしました。

有本:自分はそんなに遊ばないですが……3年生は結構真面目で、4年生は結構遊んでいる印象もありますが、部活に来たら色々支えてくれているところがあるので、尊敬しています。

 

――では同期はどんな人が多いですか

菅谷:癖強い……(笑)人数少ないけど色が強い人が多いよね。

有本:(笑)たしかに個性が強い人しかいないというか。面白いんですけど、自分の代になった時にしっかりやっていけるのかなと不安なところはあります。

菅谷:一番終わっているのは吉田昌弘(商2・慶應湘南藤沢)で、大分破天荒で(笑)。面白いです!(笑)

 

――インカレからリーグ戦までの1ヶ月を振り返って

菅谷:率直に充実していたと思います。普段だったら学校があり、テニス以外に頭がいくこともあるのですが、この1カ月は夏休みの期間ということもあり有意義にテニスに集中できました。団体戦が始まってくるとサポートに回ってくれる人たちがいて、自分たちがテニスしやすい環境を作り上げてくれたというのもあり自分の中で充実していて、テニスだけに集中してできました。そのおかげで昨年より個人的にもチームとしてもいい成績を出せたというのは、チーム力で勝っていたような感じがしていて、充実していたなと思います。

 

有本:自分はほとんどダブルスなのですが、団体戦の雰囲気にも1年いて慣れて、優作とサイドを変えたのですが、そこからいい形で団体戦で今のところダブルスは負けていないので、だいぶかみ合っていていい状態です。自分は他の学部と違ってテストとかで追い込まれる感じではないので、テニスに集中できました。

練習に集中的に取り組み試合でも成果を発揮している

 

――ダブルスを組んでいて、お互いを分かってくるような実感は

菅谷:昨年は高校から大学でテニスが変わったのもあり、苦戦していました。高校生なら何とか押し切れたところも大学生だと相手も押し返してという展開も多くて。昨年苦戦しましたがやり続けたことで2人の中でうまくかみ合ってきたということあります。早慶戦の時が一番自分たちの成長を感じられた時でした。少しずつつかみつつあります。昨年苦戦しながらもやり続けたことが実ってきた感覚が、リーグ戦5戦ともダブルスで勝てたりしたこととかに出てきたところがあります。

 

有本:昨年勝てなくて、その中で今年はやり続けるところと、サイドを変えたり自分がサーブを打って前に出たり試しながら、自分たちの武器を生かしつつ、厳しい場面を自分たちで考えて乗り越えてきました。メンタル面でも、勝負どころで1年目は引きがちになっていたのですが、お互いが上がっていくといういい形で、すごくかみ合っていると思います。

 

――シングルスでも出場、結果を振り返って

菅谷:シングルス、ダブルスで8戦出て、7勝1敗だったのですが、全勝で行きたかったところで……4戦目の日大の一番大事なところでシングルスで負けてしまったので。正直今年はシングルスでも全勝したいなと思っていたところで、今の調子だったらいけると思っていたのですが、最後に負けてしまって惜しいことしたなと。昨年は微妙な結果で、大事なところで(負けてしまった)という感じだったので、そこから比べたら成長しているなとは思います。しかしその1敗が日大ということで、王座に向けてまだできることがあると示されたということなので、王座では全勝を目指したいです。

王座では単複で全勝を目指す

有本:自分は優作ほどシングルスに出ていなく1試合だけで、しかも番手の低いところだったので勝つことはできたのですが、それでも簡単に勝てた試合ではなかったですし、相手も我慢強いプレーもしてきたところで自分が焦ったり自分からのミスが多かったりしました。ただ、そこをしっかり勝ち切れたのは成長なのかなと思います。

 

――お二人のペアの強みは

菅谷:同級生なので仲が良いというところです(笑)。他のペアにない一番大きいところです(笑)。また、他のペアに比べて前に出ます。前に出て攻めるのでリスクはすごい取るのですが、その分は行った時にポイントが取りやすいということがあるので、自分たちが不利な状況でも前に行ける状況を探して、2人で前に攻めていくという展開が自分たちの持ち味だと思います。

 

有本:結構2人で前に出てプレッシャーをかけるということも強みですし、2人の中で変化が付けられていることもあります。自分がサーブでスピードの遅いボールを打って優作が速いボールを打って緩急が付いていたり、自分が前でプレーして優作がしっかりとしたボールを打ったり……変化がペアの中でありつつ前でプレッシャーをかけられるという2つが強みかなと思います。

 

――リーグ戦から王座までの過ごし方は

菅谷:2週間しかないので何かがうまくなるとかそんなにできることはないと思うので、気持ちの面で自分の中で自信をつけることなど、ミスしても「今のは良かったかな」と自分で勝手に気持ちを上げたりしながら……繊細になりがちなので気持ちを下げないようにポジティブに捉えたり前向きになれるような練習を心がけています。

 

有本:いつもと変わった練習とかはしていなくて…‥ただいつもの練習に加えてその日に気になったショットなどを練習するくらいです。あとはそこまでちょっとずつ気持ちを引き締めています。

 

――関東1位で王座に出場、プレッシャーなどは

菅谷:ドローが第1シードだったり関東を優勝していたりありますけど、昨年の王座決勝で早稲田とやった時にこれでもかというくらいボコボコにされていて(笑)、そのイメージが強いので受けて立つというようなイメージはあまりできていないです。逆に「やってやる」という気持ちを持っていた方がやりやすいかなと。僕は自分たちが(関東を)優勝したとか受けて立つとかは今のところ覚えていないです。

 

有本:第1シードとはいえ、王座をここ最近取れていないということで、チャンピオンという気持ちでやるということは全くないです。気持ち的にも向かって行く方が伸び伸びプレーしやすいですし、受け手側で試合すると最初にちょっとリードされたら焦ってしまって(自分の)プレーを見失うこともあると思います。チャレンジャーとしてプレーすることで、自分がリードしようがされようが関係なく思いっきりプレーできると思うので、チャレンジャー精神でやりたいなと思います。

 

――王座で注目してほしいプレーは

菅谷:サーブかなと思います。一番自信のあるショットですし、ダブルスにおいては響は前に行ってくれるから自分のサーブはより生きるし、自分のサーブがいいところに入れば響きが簡単に決められます。サーブは最初に打つショットで、流れを決める意味でも大事になるショットということで自分は一番気を付つけて練習しているショットなので、その練習の成果を見てほしいなというところで、サーブで王座の優勝を決めていきたいと思います。

菅谷のサーブに注目だ

有本:ボレーでいかに動いて、流れを引き寄せるような決め方・ショットを見てもらいたいなと思います。

 

――意気込みをお願いします!

有本:出るところで全勝して、自分で歴史を変えられたらと思います!

菅谷:全勝優勝!

 

――ありがとうございました。応援しています!

 

(取材:長沢美伸)

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