【レスリング】無念の全敗 42年ぶりの定期戦勝利とはならず/第74回早慶レスリング定期戦

レスリング

今年で74回目を迎えた早慶レスリング定期戦。慶大は全日本大学選手権で3位に輝いた佐藤秀一郎(環2・八千代松陰)や東日本新人戦で優勝をおさめた出久根慈英(経2・St. Mary’s International School)など将来有望な若手選手を軸に1982年以来、42年ぶりとなる早慶戦勝利を目指す。しかし、笹沼拓己(政1・淑徳)がわずか1分弱で敗れると、その後の試合もなかなかチャンスを生み出すことが出来ず。最終試合では松居俊伍(環4・敦賀気比)が4年目の意地を見せるもシーソーゲームの末に敗戦。結果的に1試合も勝ち取れず、無念の完全敗北となった。

 

2024年12月8日(日)@慶大蝮谷レスリング道場

 

【試合結果】

〈第1試合 男子フリースタイル57㌔級〉

●笹沼拓己(慶大)[VFA 0:45=0-4]尾西大河(早大)○

 

〈第2試合 男子フリースタイル125㌔級〉

●佐藤秀一郎(慶大)[VSU 5:54=1-12]金澤空大(早大)○

 

〈第3試合 男子フリースタイル65㌔級〉

●出久根慈英(慶大)[VFA 2:10=1-10]計良涼介(早大)○

 

〈第4試合 男子フリースタイル86㌔級〉

●李晨暉(慶大)[VFA 3:50=0-8]北脇香(早大)○

 

〈第5試合 男子フリースタイル61㌔級〉

●髙橋慧大(慶大)[VSU 2:04=0-10]山口太一(早大)○

 

〈第6試合 男子フリースタイル74㌔級〉

●近藤太朗(慶大)[VSU 2:38=1-11]山路健心(早大)○

 

〈第7試合 男子フリースタイル70㌔級〉

●松居俊伍(慶大)[VPO 6:00=7-8]ズート麟(早大)○

 

〈スコア見方〉

(例)[VSU、4:30=11-1]

・VSU→勝利方法、詳しくは下の図を参照

・4:30→試合終了時間(この場合は試合開始から4分30秒後に試合終了)

・11-1→試合終了時の点数(フォールによる勝利は点数を問わない)

VFA

victory by fall   フォールによる勝利

VIN

victory by injury   負傷棄権による勝利

VCA

victory by 3 caution   警告3回による勝利

VSU

victory by technical superiority  テクニカルフォール(10点差)

VPO

victory by points   ポイント判定勝ち

VFO

victory by forfeit   不戦勝 危険試合による勝利

DSQ

disqualification   罰則による失格

2DSQ

double disqualification   両者失格

(詳しいルール解説は日本レスリング協会公式サイトを参照)

 

12月8日(日)、日吉蝮谷レスリング道場にて行われた第74回早慶レスリング定期戦。慶大は1982年以来、42年ぶりとなる早慶戦勝利を目指し、宿敵・ワセダに立ち向かう。また会場には應援指導部も駆けつけ、試合前には慶大が世界に誇る名応援歌中の名応援歌『若き血』を熱唱。試合に備える出場選手の背中を名曲と激励で後押しした。

應援指導部と一緒に『若き血』を歌い上げた

第1試合の男子フリースタイル57㌔級には1年生の笹沼拓己(政1・淑徳)が出場。初めての早慶戦を迎えた笹沼だったが、世界選手権出場経験を持つ尾西大河(スポ3・鳥栖工)相手に手も足も出ずわずか1分弱でテクニカルフォール負け。華の早慶戦デビューは悔しい結果に終わった。

1年生ながら奮闘した笹沼

第2試合の男子フリースタイル125㌔級には内閣総理大臣杯で3位に輝いた佐藤秀一郎(環2・八千代松陰)が金澤空大(スポ1・日大柏)と対戦。対格差もあるなか、外に押し出されての失点を重ね第1ピリオド終了時点で0-5とされる。第2ピリオドでは相手を外に押し出し1ポイントを奪い返すも、なかなか技を決めることが出来ず。試合終盤には両者ともに苦しい表情を見せるなど激しい試合展開となった。結果は1-12で敗戦。天皇杯前の大事な一戦を勝利で終わらすことは出来なかった。

苦しい戦いの末に敗れた佐藤

第3試合の男子フリースタイル65㌔級は東日本新人戦で優勝をおさめた出久根慈英(経2・St. Mary’s International School)と計良涼介(スポ4・花咲徳栄)が対戦。いきなり4ポイントを奪われると、その後も立て続けにポイントを奪われ0-8とされる。なんとか1ポイントを奪い返すも最後はフォール負け。持ち前の「へんてこムーブ」を活かしきれず、試合終了となった。

出久根は自身の持ち味を出し切れなかった

 第4試合の男子フリースタイル86㌔級は主将の李晨暉(経4・Western Academy of Beijing)が北脇香(スポ3・韮崎工)と対戦。序盤から相手のペースに押され、第1ピリオド終了時点で0-8とされる。巻き返したい李だったが、第2ピリオド開始直後にフォールで敗北。なかなか自分のペースで攻めることが出来ず、1ポイントも取れず敗戦した。

主将として戦い抜いた李

第5試合の男子フリースタイル61㌔級は髙橋慧大(商2・慶應)が4年生の山口太一(スポ4・自由が丘学園)に立ち向かう。試合序盤は拮抗した展開が続くも、徐々にポイントを奪われていき、最終的には2分経過したところで0-10で敗戦。4年生相手に自分の持ち味を上手く活かせなかった。

難しい試合展開となった高橋

第6試合の男子フリースタイル74㌔級では近藤大朗(総1・名古屋)が山路健心(社3・和歌山北)に挑む。1年生ながら3年生相手に奮闘するも、なかなか自分のペースに持っていくことが出来ず。第1ピリオド終了間際に1-11とされ敗戦。こちらも早慶戦デビューを勝利で飾ることは出来なかった。

3年生相手に苦しんだ近藤

この日一番の盛り上がりとなった第7試合男子フリースタイル70㌔級。4年生の松居俊伍(環4・敦賀気比)とズート麟(政経4・アメリカンスクール)の対戦。試合序盤は松居のペースで進んでいく。しかし、第1ピリオド中盤でポイント差を詰められると、そのあとは取って取り返してのシーソーゲームに。最終的には6分間戦い抜いたのち7-8で敗北。最後に1勝をもぎ取ることは出来なかった。

勝利まであと一歩だった松居

7戦全敗と悔しい結果に終わった今回の早慶戦。4年生の李や松居が意地を見せるもなかなか勝ち切ることは出来なかった。ただ、未来ある1、2年生の台頭も目立ち、来年再来年の早慶戦勝利の可能性が見えたことも事実である。今回の試合で得た反省を活かし、来年の12月には43年ぶりの快挙を成し遂げてほしい。

来年への架け橋としたい

(取材:塩田隆貴、河合亜采子、牧瀬藍)

 

【選手インタビュー】

◇笹沼拓己(政1・淑徳)

――今日の試合を振り返って

最初組んだ時からこの相手は強いなという印象を受けました、一瞬の隙をつかれて負けてしまったので悔しかったです。

来年以降の勝利を目指す

――来シーズンへの意気込み

高校生もこれから入ってくるので、次回の早慶戦は勝利を目指して頑張りたいと思います。

 

◇佐藤秀一郎(環2・八千代松陰)

――今日の試合を振り返って

前半は結構いい感じに接していたと思うんですけど、後半は体力がなくなって相手の組み手でコントロールされてしまったので、そこはちょっと反省点ですね。

来年は最上級生になる佐藤

――来シーズンへの意気込み

代が変わって自分たちが最上級生になってくるので、しっかりと引っ張っていこうと思います。

 

◇出久根慈英(経2・St. Mary’s International School)

――今日の試合を振り返って

最初に相手と組んだときに「あ、いけるかな」と調子乗って、普段通りに試合を進めなかったことで負けてしまったので、悔しいです。

落ち込んだ様子を見せなかった出久根

――来シーズンへの意気込み

来シーズンは余裕っす!(笑)

 

◇李晨暉(経4・Western Academy of Beijing)

――試合を振り返って

実力差を感じました。僕はこれで早慶定期戦は3度目なんですけど、毎年もっと近づいている感じはなくて…。来年僕は出ないですけど、部員も増えてきたので、実力もついてくると思いますし、来年こそは必ず勝てると思います。

後輩たちに未来を託した

 

◇髙橋慧大(商2・慶應)

――今日の試合を振り返って

今日は結果的には何も出来なかったです。でも自分なりに戦い方を考えて試合をできたとは思うのでそこは自信を持ってこれからの試合に繋げたいと思います。

来年は主将としてチームを引っ張る存在に

――来シーズンへの意気込み

来シーズンは主将としてチームを引っ張っていかなくてはいけないので、早慶戦も他の公式戦もたくさん勝てるように頑張っていきたいと思います。

 

◇近藤大朗(総1・名古屋)

――今日の試合を振り返って

子供の頃から夢だった早慶戦に出れたことがまず嬉しかったのと同時に負けてしまったという悔しさ、何も出来なかった悔しさは心残りなので、あと3回(早慶戦)があるので、それに向けて3年後は勝てるように頑張りたいです。

来年の早慶戦までにレベルアップを目指す

――来シーズンへの意気込み

来年からは新戦力の塾高の子達が入って来るのでその子たちと一緒にスキル、力、精神的にもレベルアップできたらと思います。来年こそは勝利を掴めるように頑張ります。

 

◇松居俊伍(環4・敦賀気比)

――今日の試合を振り返って

自分にとって最後の早慶戦であって、最後勝って盛り上げようと思ったのですが、それができず、悔しいです。

悔しさを滲ませた松居

【お知らせ】

12月20日(金)、21(土)にはレスリング天皇杯全日本選手権が行われます。慶大レスリング部からは佐藤秀一郎(環2・八千代松陰)、淺野稔理(法2・慶應女子)、尾﨑野乃香(環4・帝京)が出場予定です!そちらもあわせてご注目ください!

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