【ラクロス(男子)】「絶対に日本一を」明学大に圧勝で2年ぶり学生日本一 全日での王座復権を誓う/第15回ラクロス全日本大学選手権大会 決勝vs明学大

男子ラクロス

日本一を目指す慶大にとって、一つの節目となる全日本大学選手権大会(以下、全学)決勝。学生日本一、そして全日本選手権大会(以下、全日)の出場権をかけて明学大と関東FINAL以来再び激突した。試合は関東FINAL同様に先制点こそ許すも、絶対的エースである主将/AT・藤岡凜大(政4・慶應)がすぐさま2点を返し、2ー1で第1Qを終える。その後は、2年生ながらその得点力で存在感を顕示してきたAT・福田天真 (法2・國學院久我山)がハットトリックの活躍をみせ5ー1。さらに、AT・落合優椰(政4・慶應)が1点、藤岡が2点を追加すると、G・浜地航太郎(経4・慶應)が2失点でゴールを守り抜き、8ー2で明学大に快勝。2年ぶりの学生日本一に輝くとともに、全日の出場権を勝ち取った。

 

◇スタメン

AT

#3  藤岡凜大(政4・慶應)

#7  田代豪(商4・慶應NY)

#9  落合優椰(政4・慶應)

 

MF

#51 石村嶺(経4・慶應)

 

LMF

#21 小川豪(商4・都立青山)

 

DF

#16 奥澤拓馬(商4・慶應)

#19 増田友翔(経3・慶應)

#22 小川健(政4・慶應)

 

G

#2 浜地航太郎(経4・慶應)

 

FO

#63 村田陽世(環4・慶應)

 

♢得点♢

 

1Q

2Q

3Q

4Q

慶大

明学大

慶大得点者

藤岡(2)   

福田      

福田(2)、藤岡

落合、藤岡   

― 

独特の緊張感の中で幕を開けた全学決勝。第1Qは開始早々に明学大ポゼッションを迎えると、ゴール裏の攻防から一瞬の隙を突かれて先制点を献上する。すると、慶大はすぐさま反撃を開始。慶大の絶対的エースである主将/AT・藤岡凜大がゴール左から得意のまくりシュートを鮮やかに決め、1ー1の同点とする。開始8分には、村田陽世(環4・慶應)がFOでポゼッションを勝ち取ると、ボールを託された藤岡が今度はゴール右裏から旋回。迫りくる明学大DFを巧みに交わした後、力強いシュートで再びゴールネットを揺らし逆転に成功する。藤岡は11分にも豪快なダイブシュートを叩き込むが、判定は惜しくもノーゴール。追加点こそならないが、慶大OFは猛攻を繰り広げて明学大ゴールを脅かす。終盤の守備では、小川健(政4・慶應)、増田友翔(経3・慶應)らDF陣の厳しいチェックやマッチアップ、G・浜地航太郎のファインセーブで明学大OFを封じ、第1Qを2ー1で締めくくる。

慶大OFの火付け役を買って出た主将・藤岡凜大

続く第2Q、慶大は勢いそのままに得点を量産したいところだが、明学大DFに阻まれ追加点をあげることができない。パスミスやシュートからポゼッションを奪われる場面もみられたが、ここでも小川健や奥澤拓馬(商4・慶應)らDF陣とG・浜地航太郎の活躍が光り、明学大に一瞬たりとも隙を与えない。そんな彼らの好守に応えたのは、2年生ながらその得点力で存在感を顕示してきたAT・福田天真。パスを受けた福田は相手DFの動きを見定めると、敵陣左中央から強烈なミドルシュートを放つ。野球で培われた強靭な肩から繰り出された弾丸は、吸い込まれるようにゴールへ一直線。福田は、会場中を魅了する圧巻のミドルシュートで待望の3点目を追加し、慶大応援席を歓喜の渦へと誘う。慶大は、その後もG・浜地の好セーブやMF・佐藤孝紀(政4・慶應)のグラウンドボールなど、要所で強さを発揮し、3ー1の2点リードで前半を折り返す。

ゴールを喜ぶ福田天真(左)と藤岡凜大(右)

前半終了間際の相手ファウルにより数的有利で幕を開けた第3Q。全学決勝の大舞台で、またも2年生AT・福田天真が躍動する。相手ゴール付近でこぼれ球を掬い上げた福田は、混戦から抜け出すと冷静にクロスを一振り。早くも2ゴールをマークし、4ー1とする。4分には、相手DFと交錯しながらボールを叩き込みハットトリックを達成。5ー1でリードを4点に広げる。12分には、DF・奥澤拓馬が厳しいチェックで相手のボールダウンを誘うと、DMF・佐藤孝紀がフルフィールドを駆け上がりそのままシュート。得点こそならないが攻守で慶大の強さを見せつける。さらに、慶大オフサイドにより迎えたピンチもG・浜地航太郎が難なくセーブ。ボールを託されたMF・石村嶺(経4・慶應)のシュートは惜しくも枠外となるが、直後にAT・藤岡凜大が強烈なスタンシューを叩き込みスコアは6ー1に。そして、長瀬太輔(法4・慶應)のFOから攻撃を展開したところで第3Qが終了。リードを5点に広げ、ラスト15分へと繋ぐ。

僅かにシュートが外れ悔しがる石村嶺(中央右)

最終第4Qは、慶大ポゼッションでスタート。早々にパスミスからピンチを迎えるが、ここは明学大のオフサイドで難を逃れる。慶大はAT・藤岡凜大、MF・大類慈英(商2・慶應)らが果敢にゴールを狙うも、明学大も意地のDFで応戦。ポゼッションを握りながらも、7点目を奪うことができない。苦戦を強いられる中で迎えた7分、MF・落合優椰が均衡を打ち破るまくりシュートで7点目を追加。すると、今度はG・浜地航太郎が明学大の絶対的エースの一撃を仕留め、攻守でチームを勢いづける。再び勢いを取り戻した慶大は13分、絶対的エースのAT・藤岡凜大がこの試合4点目となるダメ押しの追加点を挙げ、8ー1と明学大を突き放す。後がなくなった明学大は、起死回生の切り札として慶大FOに対するクロスチェックを要求。検証の結果、慶大はイリーガル判定を受けて3分間のマンダウンを強いられる。数的不利の状況下で悔しくも1点を返されるが、最後までAT・藤岡を中心に攻め切ったところで「慶大の学生日本一」を告げる笛が鳴り響く。慶大は8−2で明学大を圧倒し、2年ぶりの学生日本一に返り咲き。そして、社会人クラブも含めた「日本一」を決める全日の出場権を勝ち取った。また本試合のMVPには、そのリーダーシップと4ゴールの活躍で学生日本一へとチームを牽引してきた主将/AT・藤岡凜大が選出された。

慶大の守護神・浜地航太郎

「学生日本一は、日本一への通過点にすぎない。」そんな言葉を、選手インタビューの中で何度も耳にしてきた。チーム藤岡の圧倒的な強さと、確固たる意思を肌で感じるほどに「学生日本一は当たり前に成し遂げられる」という錯覚に陥りそうにもなるが、学生日本一は決して簡単に成し遂げられるものではない。強さの裏に隠された選手一人ひとり、そして部活を支える部員一人ひとりの頑張りを心から讃えたい。そして、待ち受けるは日本ラクロス界の最強チームを決める全日。対するは、2021年創設にして昨年度の全日で初優勝を果たした新鋭・Grizzliesだ。泣いても笑っても、これがチーム藤岡のラストマッチ。残りの1ヶ月で学生の強みである「組織力」をさらに強化し、集大成となる全日の舞台でこれまでの練習の成果と思いの丈を余すことなくぶつけてほしい。昨年度の悔しさを糧に慶大が再び日本一に返り咲く、そんな最高の瞬間をこの目で見届けたい。ついに、チーム藤岡・最終章の幕開けだ。

2年ぶりの学生日本一に輝いた

                   (取材:牧瀬藍、竹腰環、長沢美伸、長掛真依)

 

▽以下、選手インタビュー

主将/AT・藤岡凜大選手(政4・慶應)

ーー学生日本一おめでとうございます!今の率直なお気持ちを教えてください

去年負けたところから、学生日本一というのは最低条件というか、そこは絶対に達成しなければいけないと思っていたので本当にほっとしています。

 

ーー試合を振り返っていかがですか

DFとGが完璧に相手の強みであるOFを抑えてくれたので、それが一番の勝因かなと思っています。

 

ーー4得点の活躍でしたが、ご自身のプレーや戦い方を振り返っていかがですか

前回の名城大戦はアシストに回るという戦い方で、今回は、いつもOFの試合の入りが悪いので僕がアイスブレイクというか点を決めてOFを流れに乗せられたらなと思っていたので、それがうまくいって良かったかなと思います。

 

ーー特に1点目は藤岡選手の気合いで勝ち取ったゴールのように感じましたが、先制されたことに焦りなどはありましたか

焦りというか、第1Q序盤で2点、3点と失点していたら全く違うゲーム展開になっていたと思っていて、その中でいつもの「OFのエンジンがかかるまでが遅い」感じだと流れを持っていかれてしまうので、自分で点を取らなければいけないなとは思っていました。

 

ーー関東FINALで戦った時と比較して、明学大の戦い方に変化などはありましたか

両チームともにすごい緊張していたなというのが正直なところですかね。前回戦った時よりも僕にボールが入らないようにしてきたという点は、明学の対策だったんだろうなと思います。

 

ーー全日までにまだまだ伸ばせそうだなと思う点はありますか

学生が社会人に勝てるのは組織力だと思いますし、個々のレベルでは(社会人チームには)日本代表クラスの選手がたくさんいるので。一人一人の連携だったり阿吽の呼吸で、チームとして組織として勝てるように残りの1ヶ月は頑張っていきたいです。

 

ーー1ヶ月後の全日に向けて、意気込みをお願いします!

学生日本一ではなくて社会人を倒した上での「日本一」を目標にしてきたので、最後まで走り抜けて絶対に日本一を取ります!

 

副将/DF・小川健選手(政4・慶應)

ーー学生日本一おめでとうございます!今の率直なお気持ちを教えてください

去年FINAL4で負けてしまって、今年は目標として全日本選手権優勝を掲げていたので、まず通過点である学生日本一を達成できてすごく嬉しいです。

 

ーー試合を振り返っていかがですか

DFとしては先制点を取られてチームとしても苦しい時間があったのですが、自分たちのやりたいことや戦術をしっかりと練習通りにできたので、そこからリズムを作ってオフェンスの得点につなげられて、DFとしてはすごくいいゲームを作れたのかなと思っています。

 

ーー関東ファイナルで一度対戦した明治学院大学と今回試合で戦うにあたって対策などはされましたか。

戦術のところでキーマンをシャットしたりという戦術もありつつ、やはり自分たちが今シーズン一番軸としている1on1のところで負けなかった、失点をしなかったというところが関東FINALも今回の試合も良かったと思います。

 

ーー1ヶ月後の全日に向けて、意気込みをお願いします!

今シーズン日本一を目標にこれまで練習してきましたし、きついことも乗り越えてきたので、残り1ヶ月もチーム一丸となって「真の日本一」を達成して終われたらいいなと思います。

 

 

G・浜地航太郎選手(経4・慶應)

ーー学生日本一おめでとうございます!今の率直なお気持ちを教えてください

明学大は練習試合でずっと勝てていなかったこともあり、苦手意識のある相手でした。関東決勝では勝つことができましたが、正直「大丈夫なのかな」という不安が心の中にあったのですごく安心しています。

 

ーー学生日本一に大きく貢献されましたが、試合を振り返っていかがですか

関東決勝では僕自身が不調ですぐに岩城敦大に代わっていたということもあり、ここでリベンジしないとたとえ勝てても気が休まないなと思っていました。小峰(拓真=経4・明治学院東村山)選手のシュートを止められたのはすごくうれしかったです。

 

ーー明学大を2点に抑えたことについては、どう評価されますか

明学大のOFは強力で、もっと失点するだろうなという覚悟で臨んでいたので、2失点に抑えられてびっくりしています。DF陣一丸となって、コンパクトに守れた結果だと思います。

 

ーー2点目を決められた瞬間はとても悔しそうな表情をみせていましたが

最後の3分はマンダウンで1人少ない状態になってしまい、意地で止め切るしかないという中での失点でした。角度のない位置からで「僕が止めるからDFは出なくてもいい」という一対一の勝負だったので、負けたなという悔しさはあります。

 

ーー1ヶ月後の全日に向けて、意気込みをお願いします!

13か月以上、全日を見据えてやってきたので。最後にすべてをぶつけて必ず勝利したいと思います!

 

 

AT・福田天真選手(法2・國學院久我山)

ーー学生日本一おめでとうございます!今の率直なお気持ちを教えてください

今年ずっと目標にしてきた全日本選手権の切符を掴み取れたということで、率直に嬉しく思います。

 

ーーハットトリックの活躍でしたがご自身のプレーを振り返っていかがですか

割と練習通りに出てきていたので、日々の練習の成果が出せて良かったなと思います。

 

ーー全体の試合内容は振り返っていかがですか

先制されてしまいましたが、慶應OFは得点力があるのでそこは気にせずにいつも通りのOFができて大量得点できて良かったなと思います。

 

ーー全日までにまだまだ伸ばせそうだなと思う点はありますか

学生の強みは組織力だと思っているので、ここから下級生も上級生も連携してチーム力を上げて行きたいと思います。

 

ーー1ヶ月後の全日に向けて、意気込みをお願いします!

社会人を倒して絶対に日本一になります!!

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