【バレーボール】新旧主務が語る、慶大スタッフの魅力と「選手でも、副務でも見えなかった世界」/新旧主務対談 山木柊×細野一真

バレー企画

ケイスポバレー班は、4年生の門出と3年生率いる新チームの始動に際して、全3弾の「新旧対談」を企画!第2弾は「新旧主務対談」。前主務・細野一真選手(経4・慶應)と新主務・山木柊選手(文3・慶應湘南藤沢)の対談をお届けします。選手としても活動しながら主務・副務として共にチームを支えてきたお二人の想いや、慶大スタッフ陣の魅力にも迫ります。“落ち着きがすごい”お二人の対談を、ぜひ最後までご覧ください!

お二人について

ーーまずは、他己紹介からお願いします!

2024年度 主務

細野一真(経4・慶應)

ポジション:S(セッター) 

山木細野細野一真さんは経済学部の4年生で、去年の主務をやってくださっていた方です。ポジションはSでした。主務というと堅いイメージがあると思いますけれど、すごく気さくな方です。よく後輩にだる絡みをしたりだとか、僕が多分一番受けたと思いますけれど雑ボケとか、いろんなボケをするタイプの先輩です。

 

2025年度 主務

山木柊(文3・慶應湘南藤沢) 

ポジション:OP(オポジット)

細野山木山木柊くんは文学部の3年生で、2025年度の主務を務めてくれます。ポジションはOPで左利きです。人柄は、とにかく優しいのが印象的なのと、すごく落ち着いていてあまり変な思考を持っていないというか(笑)。持っているとは思いますけれど、そこはうまく自分の中で留めて中立的な立場を常に保っているなというイメージがあります。さっきも言ってくれたように自分はボケることが多いので、スルーされる時もありますけれど、しっかり対応してくれるところに彼の人の良さが表れているのかなと思います。

 

ーー山木選手が年バレの「恋人にしたいランキング」2冠なのは、納得ですか

細野:いや、でもちょっと疲れちゃうかもしれないです。恋人だったら(笑)。

山木:(笑)

細野:優しすぎるので、気を遣わせすぎてるのかなって女の子は心配しちゃうのかなと思うので。

山木:なんかリアルですね(笑)。

細野:俺はね。そう思うよ?以上です(笑)。

左から、細野選手と山木選手

 

ーーバレーボールを始めたきっかけと、大学で体育会に入った理由を教えてください

山木:僕がバレーボールを始めたのは、(慶應義塾)中等部の時です。きっかけとしては、中学で新しいスポーツを始めたいなと思っていて、見学した時に顧問の先生から「人数が少ないから、うちは試合に出られるよ」と聞いて、クラスメイトと一緒に「じゃあここかな」と言って一緒に入った思い出があります。それが、今でも一緒にバレーボールをしている新主将の山元康生くん(法3・慶應)なので、なんか変な縁だなという感じです。高校(=慶應湘南藤沢)はあまり強豪校ではなくて、初心者が多いチームでやっていました。監督の先生は強豪校を経験されている方だったので、いろいろな高校との練習試合を組んでくれたりだとか貴重な経験をさせていただいたので、その中で自分も強豪校の一員として戦いたいな、バレーをしたいなという思いがありました。あとは、バレーボール選手としてもうちょっと上を目指せるんじゃないかなと思って、自分がどこまで通用するのかを大学4年間で知りたいなと思ったので、大学でも続けようと思いました。

 

ーーバレーボールの前は何のスポーツをされていたんですか

山木:バレーする前はサッカーですかね。がっつり習い事という感じではなかったですけれど、フットサルを習い事としてやっていました。基本は勉強か、公園で遊んでいるかという子供でしたね。

細野:真面目だね。

 

ーーちなみに、サッカーがバレーボールに活きたことは

山木:特にないです(笑)。脚力くらいですかね。

 

ーー細野選手がバレーボールを始めたきっかけは

細野:バレーボールを始めたきっかけは、父が体育会のバレーボール部のOBなので、柳田将洋選手(=2015年卒、東京グレートベアーズ)とか、星谷監督(=星谷健太朗監督)がちょうど現役の時に試合をよく見に来ていて、それで早慶戦がカッコ良いなと憧れて、早稲田を倒したいと思ってバレーボールを始めました。慶應の体育会に入りたいから中学受験をして、そこから迷うことなくバレーボールを続けてきました。

ーーありがとうございます!

ーーちなみに、お二人が一番最初に会ったのはいつですか

山木:喋ったりとかはなかったですけれど、一貫校が集まる会では会っているはずです。中等部と普通部が戦う「普中戦」という定期戦みたいな試合があるので、おそらくそこでも対戦しているはずです。

 

ーーお互いの第一印象は

山木細野僕が入部した時はスタッフをされていて、その時はスタッフに敏貴さん(=今田、2024年卒)と一真さんがいらっしゃって、基本的には今田さんが色々な窓口になってくれていましたけれど、多分ブレーンはこっちなんだろうなって思ってました(笑)。

細野:本当に?(笑)

 

ーーどんなところで「ブレーン」だと感じましたか

山木:一真さんは、言葉が端的で的確というか。敏貴さんは人柄がすごく良いし、新入生としてはその人柄がすごくありがたいところではあるんですけどね。なんかズバッとモノを言うのが一真さんだなと言うイメージがあって、敏貴さんよりも落ち着いているイメージもあったし(笑)。学年よりもちょっと上に見えたイメージがあります。

細野選手の印象を語る山木選手

 

ーー山木選手の第一印象はいかがですか

細野山木柊の第一印象はまじであんまりない(笑)。これはボケじゃなくて。

山木:多分、去年からの付き合いが多かったからかな…(笑)。

細野:あ、思い出しました!塾高の時に1回練習にきたんですよ。自分が高1から高2に上がって、柊が中学を卒業して高校に上がる時の2月か3月くらいに塾高の練習に来て、すごく良い選手だったんですよ。左利きでスパイクも強くて、良いな〜と思ったのが第一印象ですね。大学体育会の第一印象はあまりないですね(笑)。

 

ーー落ち着いてるからですかね…?

細野:そうですね。同期に久保田健介とかがいて…

山木:坊主になったり…(笑)。

細野:そうそう(笑)。そっちに目がいってしまったので。強烈な奴が来たなと思って。

山木選手の印象を語る細野選手

 

ーー主務・副務として一緒に頑張ってきたからこそ知る、お互いの凄さは

山木:一真さんとは、僕が去年副務になってからプライベートとかでも一緒の時間を過ごすことが増えましたね。その中でいろいろなイベントが一区切りついた時に、一真さんの別荘に連れて行ってくれたりだとか、いろいろ面倒を見ていただきました。人生経験が他の大学4年生とはレベルが違くて、お父様とすごく仲が良いから大人の世界を一足早く見てきているので。僕の落ち着きとかも言ってくれましたけれど、落ち着きすごいです(笑)。

細野:(笑)

山木:良い意味で大学4年生に見えないところが随所にあるかなと思います。

 

ーー山木選手の凄さは

細野山木彼は勉強熱心なところがすごくて。部活も忙しいし、副務の仕事をやりながらも、多分自分の将来のことも考えながらそれに向かって勉強とかもしているので。自分は全然勉強してないのに彼は本とかも読んでいますし、そこは真面目だなと尊敬しています。あと、筋トレもすごいですね(笑)。俺には考えられない重量を持ち上げるからね。そこはすごいなと思います。

 

慶大スタッフ・主務について

ーー慶大スタッフ陣の魅力とは

細野:特に、女マネはすごい尊敬しています。僕たち2人は選手もやっているので、「試合に出る」という勝つための手段を持っているんですよ。けれど、女マネは絶対試合に出られないし、バレーボールをやってきていない子たちもいて。最近はSNSも頑張ってくれていて、SNSを見て女マネ目指したいですってくる子もいるくらいになっているので、チームを組織する上で大事な「人」を集められるほどの発信力はすごいなと思いますね。スタッフという括りでアナリストも含めると、まじでチームへの愛がすごい。アナリストは特に。彼らもバレーボールをやらないから手段としては勝てないですけれど、多分選手以上に勝ちたいという気持ちが強くて。そこを随所に感じられるのがこのチームの良いところかなと思います。

山木:アナリストと女マネのチーム愛は、僕もすごく感じるところではありますけれど…

細野:今ね、俺たちは愛がないみたいになってる(笑)。

全員:(笑)

山木:俺らもありますよ!(笑)基本的にスタッフ全員そうなんですけれど、練習中に自分の仕事はできないんですよ。ボール拾いとかもやってくれているし、アナリストにはバレーボール経験者がいるので球出しとかもやってくれますし、基本的に練習中は練習のことをする。練習時間外で、自分の仕事とかアナリストの仕事をやっているので、練習は選手がしていますけれど、部活という意味ではスタッフが誰よりも長い時間を使っているんじゃないかなと思います。それに加えて能力自体も高いなと思っています。いろいろなイベントで他の大学の主務とかと関わることもありますけれど、学生だけで見た時の運営の能力でいうと、早慶戦とかで培われたものがあるのか慶應はすごく自立している人たちだなというふうに感じます。特に慶應のスタッフは、早稲田よりもそこはいけてるんじゃないかな(笑)。

細野:確かに。スタッフ専門で入ってきているからな。

練習を支えるスタッフ陣

 

ーー細野選手が主務になられたきっかけは

細野:自分は体育会に入る段階ではスタッフを選んでいて、主務になりたいからスタッフを選びました。小学生くらいの時に早慶戦を観て、会場の管理や司会進行をしているカッコ良いお兄さんたちに憧れて、イベントとか早慶戦を自分の力で運営してみたいなという思いがあったのでスタッフを選びました。

 

ーー2年生から選手にも挑戦されましたが

細野:1、2年生の時はスタッフでしたけれど、主務・副務と先輩がいたのであまり仕事が回ってこなかったんですね。ずっとボール拾いをして、ネットを立てて帰るというのはチームには貢献していたと思いますけれど、自分としてはあまりやりがいがなくて。バレーボールが好きなのと、高校まではバレーボールをやっていたのでやっぱりバレーボールをしたいなと思いがあったので、自分から監督に言いました。

 

ーー主務としての1年間を振り返っていかがですか

細野:関わる人の幅が広がったのが一番大きかったです。去年は、東日本インカレが富山の方で開催されたんですけれど、宿泊するホテルと連絡を取ったり、ホテルと会場が遠勝ったのでバスを旅行会社に発注したり、その旅行会社と打ち合わせしたり、他の大学の人と打ち合わせしたり。プラスで選手もやっていたので、試合に出るためのモチベーションとか体調管理をした上で、主務としても仕事をしなければいけないというのはすごく大変でした。

 

ーー細野選手が主務を務める上で大事にされていたことは

細野:2年生の時に自分が選んだ道だったので、辞めたくないなというのが1番でした。主務は正直やれるんですよ、自分にとって。でも選手としては出られないと苦しい。もちろん出たいと思う気持ちが強い分、出られないと苦しいので。バレーボールが嫌いになったり、嫌だなと思う時期もあったんですけれど、そこを支えたのは自分の気持ちだったと思います。

主務の1年を振り返る細野選手

 

ーー山木選手が副務・主務になられたきっかけは

山木:僕は大学2年生の11月くらいに、監督から「来年の副務をやってもらおうと思っている」というお話をいただいて。その時は全然イメージがついていなかったんですけれども、その話をいただいたことをきっかけに主務をしていたOBの方々にお話をいただく機会があって、その中で自分としても学生時代にそういうことをできるのは良い経験なのかなと思ったのでお受けして、そのまま主務になりました。

 

ーー主務を務めてみていかがですか

山木:まだ2ヶ月かという感じですね(笑)。引き継ぎ業務があるのと、試験があったのが大きいと思いますけれど、自分が想像していたよりも結構キツくて。2年生の頃に副務になって、選手としてやっていただけでは見れない世界があるということを知って、主務になってから副務になっても見えてなかった世界があるというのを知って、うわこれやばいな(笑)というのを最初に思って。一真さんも選手と主務を兼任していたのは当然分かっていますし、自分も同じ道を進む中でもうすぐ2ヶ月経ちますけれど、まじでよく1年やったなという感じですね(笑)。

 

ーー山木選手は、主務として目指す姿はありますか

山木:「淡々とこなしている」というのが一番かなと思っています。自分たちの仕事は人から見えない、分からない事が多いので、分からない仕事をしていてヒーヒー言っている姿を見せても何の意味もないし、自分の価値を下げるだけなので。主務としては正直当たり前のことなので、当たり前のことを当たり前にやっていくのが自分の目指す姿かなと思います。

 

ーー副務になって見えた世界とは

山木:一番は、自分たちが活動していく中でこれだけの書類が出ていて、これだけの人に会いに行ったりとか、許可を取ってという手続きの多さが一番驚きでしたね。

副務としてベンチに入る山木選手(中央)

 

「関東1部」の舞台について

ーーお二人にとって「関東1部」とは

山木:魔境ですね。関東1部は、やっぱりバレーボールに人生を捧げてきた人と、これからも捧げていく人がいる場所なので、熱量も2部とは全然違うし、もちろんレベルも全然違うし、本当に一瞬でも気を抜いたら蹴落とされるし、しがみつくのも相当大変なので。得体の知れなさというのは感じますね。すごいところであると同時に、怖いところでもありますね。特に僕たちはギリギリのところをずっと推移しているので、そういうところでの怖さみたいなところも感じているかなと思います。

細野:やっぱり強敵ばかりなので、スポーツをやる身としてチャレンジャー精神が燃える場所かなと思います。2部ももちろん強いですけれど1部の方が全員の意識が高くて、春高とか高校の全国大会で活躍していたような選手たちと一緒にバレーボールができるというありがたさもあるので、自分のモチベーションにもなります。あとは観客の注目度も違うので、そういう意味でチームを見てもらえるという良さもあると思います。

入替戦で仲間と抱き合い喜ぶ山木選手(中央右)

お二人の「これまで」と「これから」

ーー細野選手は、10年間のバレーボール人生を振り返っていかがですか

細野:いろいろなポジションをやったなというのが正直なところです。中学はそんなに人数が多くなかったので自分はスタメンでした。高校は2年間ベンチ外で全国大会も経験しましたし、3年生の時はスタメンで春高にも出て、塾高を見てもなかなかそんな選手はいないと思います。大体、推薦で入ってきて3年間バーって輝かしく出続ける人とかが多いので、自分は最後に主務と春高のスタメンにもなりましたし、大学に入ってスタッフもやって、主務も副務もやって、いろいろなポジションをやってきたなというのが10年間振り返ると思うところです。あとはバレーボールが好きだなというのは引退してからも思いますし、引退して2日後くらいに後輩の練習とかに行きたくなって…

山木:まじですか。来てくれるんだ(笑)。

細野:寂しくなっちゃって…(笑)。ちなみにバレーボールは会社で続けるので、昨日もやってきました。山梨で大会があって。

山木:勝ったみたいで(笑)。

細野:勝ったんですよ!俺たちの代はあまり勝てなかったから、勝って終わるっていいなと思って(笑)。改めて思いました。

大学では、Sと主務を務めた細野選手

ーー最後に、一言ずつお願いします!

細野:まずは、先輩方に感謝したいなと思います。先輩方なしに、絶対ここまで来れていないので。チームを作ってきてくれたという面でもそうですし、生意気だった自分にもちゃんと言うべきことを言ってくれたのがありがたいし、本当にここまで連れてきてくれてありがとうございましたと伝えたいです。後輩には、本当に自由にやってほしいなと思って、選手だからとかではなく、スタッフ挑戦してみたいですって人がいてもいいし、ちょっと厳しいかもしれないけれどアナリストもやってみたいとか、いろんなことにチャレンジしてもらいたいなと思っています。もちろん1部に昇格して、勝って日本一というのも応援したいですけれど、大学4年間は勝ちが全てではないので。いろいろな自分にフォーカスを当てて、自分がどう成長していくかも大事にしてほしいなと思います。山木くんに関しては、大変だと思うんですけれど、まあそんな大変じゃないと思う…

山木:(笑)

細野:柊にとっては多分。

山木:できるとは思ってますけどね。

細野:俺にはできなかった「自分のことだけではなくて、周りを巻き込んでうまく導いていく」というところは頑張ってほしいなとは思っています。

山木:僕は、中学から始まった10年のバレーボール人生の最後ということで、自分が納得できるような1年にしたいなというふうには思っています。やっぱりここに来るまでに自分なりにすごい葛藤というか、いろいろな選択肢がある中でこの道を選んで、今まで捨ててきた選択肢もあるわけなので。それを含めて自分がしてきた全ての選択が正解だったと言えるかどうかは、今年1年の自分の頑張り次第だと思うので。自分の選んだ道が正解だったなと言えるような1年にできたらいいなと思っています。

お互いに、メッセージを書いていただきました!

ーー貴重なお話をありがとうございました!

最終回は、新旧副将対談を予定しております。お楽しみに!

(取材:村田理咲、長掛真依)

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