開幕3連敗で迎えたこの日。開幕初勝利を掴みたい慶大は、桜美林大学に対して前半からプレッシャーをかけ続けるも得点に至らない。しかし第2QにはWR・黒木哲平(経4・大宮開成)がタッチダウンを決め、念願の先制点を奪取。慶大の攻撃はここで止まらない。WR・田村遼(法4・慶應)へのミドルパスで敵陣深くに侵入すると、再び黒木がショートパスをがっちり掴み、この日2つ目のタッチダウンを決める。第4Qに桜美林大にタッチダウンを許すも、タッチダウン後に行われるTFPで相手のキックをブロックするなど、要所での好守が光った。試合は17-6と快勝。慶大が開幕初勝利を掴んだ。

開幕初勝利を掴みたい慶大
曇り空のもと、富士通スタジアム川崎で臨んだ第4節。ここまで開幕3連敗と波に乗れない慶大は、桜美林大との一戦に臨む。第1Q序盤は両チームともに堅い守りを見せ、チャンスを作りながらもスコアは動かない。慶大はショートパスとランを織り交ぜ、テンポよくボールを進める。WR・飯塚奏太(経4・慶應)の力強いランも随所で光り、じわじわと敵陣に迫る。しかし、桜美林の粘り強い守備に阻まれ、得点には至らず。一方、ディフェンス陣も集中を切らさず、相手QBにプレッシャーを与え続け、無失点で第1Qを終えた。

ランで"魅せた"WR・飯塚
第2Q序盤、慶大はQB・山岡葵竜(政4・佼成学園)の正確なパスを軸に、着実に攻撃を進める。するとミドルゾーンでのパスをWR・猪ノ原浩臣 (経4・慶應)がキャッチし、一気に敵陣12yd付近まで前進。そこからWR・黒木がエンドゾーンでパスを受け取り、先制のタッチダウンを奪取する。K・北村朔也(商2・宇都宮短大附属)のキックを決める。桜美林大の堅守を破り、スコアは7-0と先制点を掴む。ここで慶大の攻撃は止まらない。その後の攻撃でWR・飯塚へのショートパスで1st downを更新すると、さらにWR・田村へのミドルパスで敵陣深くに侵入。最後は再び黒木が3ydのショートパスを確実にキャッチしてエンドゾーンへ。この日2本目となるタッチダウンを決める。北村もキックを再び成功させ、スコアは14-0。桜美林はパスで前進を試みるも、DB・山下遥(経2・慶應)の鋭いカットが光り、相手の攻撃をシャットアウト。最後はフィールドゴールアテンプトも失敗に終わり、慶大が攻守両面で圧倒したまま前半を締めくくる。

2タッチダウンで圧倒したWR・黒木哲平
後半戦は桜美林大のキックからの再開。RB・橋口塁(経3・慶應湘南藤沢)のナイスリターンで、自陣43yd付近から慶大の攻撃が始まる。RB・田中玄樹(理2・本郷)やWR・石井和輝(商3・慶應)のチームを勢いづけるランプレーもあり、1st downを着実に重ねていき、敵陣25ydまで侵入成功。しかし、フレッシュを獲得できないまま4th &6を迎えると、慶大はフィールドコールを選択。ここは、K・北村がしっかりとゴールを捉え、17-0とリードを広げる。後がない桜美林大は、積極的に攻撃を仕掛けていき、慶大陣地まで侵入を試みる。だが、慶大はそれを許さない。DL・山田向洋(経3・慶應義塾)が3ydのロスタックルを決めると、ディフェンス陣のプレッシャーで攻撃権を奪取。しかし、直後にファンブルでターンオーバー。慶大にとってはかなり痛いプレーになってしまう。この悪い流れを断ち切ったのはDL・山田だった。強烈なQBサックをお見舞いし、この流れを断ち切ることに成功。そのまま両者譲らず、試合は最終Qに突入する。

ラストイヤーとして意地を見せたWR・田村
今シーズン初勝利が現実味を帯びてきた慶大。何としてでも守り抜いて勝利を掴みたいところで、第4Qは慶大のディフェンスからの再開。しかし桜美林大も粘りを見せる。再開後、ワンプレー目で相手WBが強靭なフィジカルで魅せ、40ydのタッチダウンを記録。試合は、17-6となる。ここで慶大ディフェンスの好プレーが光る。タッチダウン後に行われるTFPで相手のキックをブロックし、失点を阻止。勝利への執念を見せる。その後は両者とも好ディフェンスが続き、試合は動かず。最終スコアは17-6で、慶大は4節目にしてついに今季初勝利を手にした。

LB・国井をはじめ、随所にディフェンス陣の好守も光った
第2Qの黒木の2タッチダウンがこのゲームの決着をつけるにあたって、大きな役割を果たした。後半では、DL・山田やLB・国井智暉(経3・慶應)を中心としたディフェンス陣が好守を魅せ、守り勝つことに成功した。次節は、慶大の因縁のライバル早大との一戦となる。2016年以来、リーグ戦での早慶戦勝利からは遠ざかっている慶大。9年前に勝利を飾った富士通スタジアム川崎で、勢いのまま臙脂の壁を打ち破るリーグ戦2勝目に期待したい。
(取材:佐藤凜汰朗、水野翔馬 写真:神戸佑貴、中原亜季帆)
※一部写真はアメフト部にご提供いただきました。