【ソッカー(男子)】1部残留を懸け戦うも惜敗 4年生の思いは後輩へ/関東リーグ 1部参入プレーオフ決定戦 VS法政大学

ソッカー男子

今シーズン、慶大は関東1部において5勝8分け9敗で10位の成績。この成績により入れ替え戦で2部3位の法政大と対戦することになった。引き分け以上で残留が決まる慶大だが7分、相手のコーナーキックの流れからヘディングシュートを決められ失点。同点に追いつきたい慶大は37分、ペナルティエリア角付近でのフリーキックを角田惠風(商4・慶應/横浜F・マリノスユース)が狙うも相手にクリアされ得点にはならず、0-1で前半を折り返す。後半開始早々の49分、右サイドでボールを奪われそのまま中央への侵入を許しシュートを打たれる。一度はGK洪潤太(政4・東京朝鮮中高級学校/三菱養和SCユース)が弾くもこぼれ球を詰められ追加点を決められる。以降は相手ゴールに迫るも堅い守備に阻まれゴールを奪えない。87分には自陣で横パスを相手に回収されて失点。万事休す。なおも相手ゴールに果敢に攻める慶大だが無情にもタイムアップ。0-3で敗戦、そして関東2部リーグへの降格が決まった。

 

2025/11/22(土)11:00キックオフ@味の素フィールド西が丘

 

【スコア】

慶應義塾大学0ー3法政大学

 

【得点者】

7分 法大 小湊絆(浅野直希)
49分 法大 浅野直希
87分 法大 島田春人

 

【慶大出場選手】

ポジション

背番号 選手名(学部学年・出身高校)

GK

1 洪潤太(政4・東京朝鮮中高級学校/三菱養和SCユース)

DF

2 大下崚太(商4・慶應/東京ヴェルディユース)

 

4 斎藤大雅(文3・立命館宇治/京都サンガF.C.U-18)

 

→57分 3 三浦成貴(商3・浜松開誠館)

 

6 永澤昂大(政4・國學院久我山)

 

16 藤平一寿(法4・桐蔭学園)

MF

7 齋藤真之介(経4・桜修館/FC町田ゼルビアユース)

 

8 田中雄大(商4・成城学園/三菱養和SCユース)

 

10 角田惠風(商4・慶應/横浜F・マリノスユース)

 

15 清水皇貴(経4・三田学園)

 

→ 67分 14 村井亮友(商4・桐生/ザスパクサツ群馬U-18)

 

17 辻野悠河(商4・暁星国際)

 

→ 62分 13 藤井漱介(商3・静岡学園)

FW

11 立石宗悟 (法4・桐蔭学園)

 

→ 73分 9 柳瀬文矢(法4・駒大高)

 

関東リーグ最終節・東京国際大戦から若干名スターティングメンバーを変更し、前節は途中出場から同点ゴールを挙げた清水皇貴(経4・三田学園)を初のスタメン起用。そして、ここまでチームを引っ張ってきた4年生が10人、最後のピッチへと足を踏み入れた。引き分け以上で関東リーグ1部残留が決まる慶大だが、先制点を奪いに果敢に攻めかかる。

今季初スタメンの清水

開始直後の2分、右サイドからのロングボールを受けた齋藤真之介(経4・桜修館/FC町田ゼルビアユース)が縦へ仕掛けコーナーキックを獲得。キッカー田中雄大(商4・成城学園/三菱養和SCユース)が相手の意表をついてペナルティエリア外で待っていた角田惠風(商4・慶應/横浜F・マリノスユース)へ浮き球のパスを送るもシュートへは持ち込めない。このまま自分たちのペースで試合を進めたかったが7分、コーナーキックを一度はクリアするも再びクロス上がり、ファーサイドでフリーになっていた相手選手に合わせられて先制を許す。

10番を背負う副将・角田

早い時間に先制を許し、同点に追いつきたい慶大だが相手の組織的な守備を前になかなか相手陣内へと攻め込めず一進一退の展開が続く。しかし37分、ビルドアップから相手陣内でボールを握り永澤昂大(政4・國學院久我山)からパスを受けた角田が左サイドペナルティエリア角付近でフリーキックを獲得。もちろんキッカーは左右両足で神秘的なキックを持つ角田。ゴールを目掛け右足を振り抜いていくもここは相手選手のクリアに阻まれる。前半はこのまま得点を奪えず0-1で終了。

黒子のような活躍を魅せる永澤

ハーフタイムでの選手交代はなし。残留に向け何としても得点が欲しい慶大は最後の円陣を組み、気合を入れる。ボールを握りながら攻めたい慶大だったが開始直後の49分、ビルドアップの流れから右サイドハーフウェイライン付近でボールを失い中央への突破を許す。そのままシュートに持ち込まれ、一度は守護神洪潤太(政4・東京朝鮮中高級学校/三菱養和SCユース)が弾くもこぼれ球を押し込まれ失点。追加点を許す。

大怪我からの復帰を遂げた大下

これを受け慶大応援団は「まだ終わってないぞ!」とピッチで戦う選手を鼓舞。2点のビハインドを背負ったが応援団、選手が一丸となって相手ゴールへと迫る。これ以上失点が許されない慶大は57分にはセンターバックの斎藤大雅(文3・立命館宇治/京都サンガF.C.U-18)に代えて三浦成貴(商3・浜松開誠館)を投入。さらに62分には辻野悠河(商4・暁星国際)に代えて藤井漱介(商3・静岡学園)を投入し攻撃の活性化を図る。しかしなかなか相手ゴールまで迫れず、ボールを持たされる展開が続く。67分には清水に代えて村井亮友(商4・桐生/ザスパクサツ群馬U-18)を、73分には立石宗悟 (法4・桐蔭学園)に代えて柳瀬文矢(法4・駒大高)を投入し村井のサイドのドリブル突破、柳瀬の強烈なフィニッシュから突破口を作る。

主務と選手の二刀流を成し遂げた辻野

徐々に攻撃のリズムをつかんできた慶大は78分、バイタルエリアで縦パスを受けた藤井が反転しそのまま強烈なミドルを放つ。しかしこれはわずかに枠を捉えきれない。このまままずは1点返したい慶大は80分、左サイドでの軽快なパスワークから角田がペナルティエリア角付近でボールをキープ、中へクロスを送る。これに反応した柳瀬が合わせ、こぼれ球に反応した藤井がネットを揺らすも相手ゴールキーパーへのファウルと判定されゴールにはならない。

リーグ最終節で復帰した柳瀬

さらに攻めかかる慶大は85分、巧みなフェイントで相手を躱した角田がミドルシュート。これが相手のリフレクションを誘いゴールに向かっていくも相手ゴールキーパーの好セーブで決められない。時間が無くなっていく中でいち早く攻めたい慶大だったが87分、左サイドから相手のカウンターを受け一度はカットするも危険な位置で横パスをカットされ、そのまま押し込まれて失点。痛恨の3失点目を喫した。以降は果敢に相手ゴールへと攻めるもシュートまで持ち込めず、45+5分、無情にもタイムアップ。0-3で敗戦となった。

非情にも2部降格が確定した

苦しい1年だった。下級生時代から活躍を積んできた世代が最高学年になり、「このメンバーなら1部でもやっていける」そう思っていたシーズンだった。しかし、現実はそう甘くはなかった。勝てると思った試合で引き分け、引き分けたと思った試合で負けた。リーグ戦では第9節から第16節まで8試合連続で勝ち無し、「全国制覇」を掲げ挑んだ総理大臣杯では初戦で0-4で大敗、インカレ出場も叶わなかった。それでも、オノノジュ慶吏(政1・前橋育英)や霜田晟那(理1・都立八王子東/ FC町田ゼルビアユース)を始めとする新戦力の台頭、西野純太(総4・駒大高)と齋藤真のゴールで掴み取った4年ぶりの早慶戦勝利、主将・田中の横浜F・マリノス内定など、光のなかったシーズンでは決してなかった。第8節の東洋大戦、アミノバイタルカップの明大戦、第19節の流経大戦など部員全員で掴み取った勝利もいくつもあった。来年は1年での1部復帰を目指すことになる慶大。4年生が流した涙を、彼らが果たしきれなかった悔しさを胸に。2部の舞台で、強い慶應をもう一度。今年の勝利の全てに意味があったことを、「復帰」という結果で示せ。

(記事:甲大悟、塩田隆貴 取材:愛宕百華、重吉咲弥、長掛真依、塩田隆貴、甲大悟、小野寺叶翔、首頭千紘、柄澤晃希)

 

【試合後インタビュー】

◇田中雄大(商4・成城学園/三菱養和SCユース)

主将としての矜持を胸に戦った田中

ーー今の率直な感想

1年間結果が出てなかったなかで、今日こそはなんとか「1部に残す」ということを掲げて、プレーオフ決まってからの1週間、部員全員でそのことに向かってやってきたんですけど、それが全く手の届かなかったというのは、悔しいというのと、主将として情けないところだなと思います。

ーー前半から苦しい展開が続いたが、後半はどのような気持ちで臨んだか

同点でも残留できるという状況なかで、後半1点でも取れば、流れも変わるし、逆転まで持っていけるという気持ちは部員全員で思っていたので、前半終わったタイミングではネガティブな印象はそこまでなかったんですけど、後半始まってすぐ、点を奪われてしまって、そこで自分たちの首を絞めってしまったなと思います。

ーー1、2、3部の舞台を通して感じた慶應の強み

本当に慶應の強みは「考えてサッカーする」というところで、そこは1部2部3部通して通用したのかなと思います。それと1試合に部員全員で向かって戦うっていうところは武器としてあった一方で、ゴール前のところであったり、最後の局面で自分達が決めるのか失点するのかというところで、簡単に負けてしまったり、簡単に決められてしまったりというところは今年1年特にまだまだだったかなと思いますし、自分たちはこれで卒部ですけど、後輩たちにはいい経験として次に繋げてほしいと思います。

ーー後輩に期待すること

本当に1部の舞台を守りきれなかった主将が言う権利があるかわかんないですけど、必ず1部の舞台に1年で戻ってきてほしいと言うのと、それだけの選手たちは揃ってると思うので、監督中心に新しいチーム作りをしていくなかで、1年での1部復帰というのは、必ずブレずにやって欲しいと思います。

 

◇藤井漱介(商3・静岡学園)

来年はチームを先導する藤井

ーー今の率直な感想

本当に4年生のことは大好きだったので、こういう形でのお別れになって、ただただ悔しいという気持ちと、残念だなという気持ちしかないですね。

ーービハインドの場面での起用になったが、監督陣からどのような声かけがあったか

なかなかシュートを打ててない状況だったので、自分が入ってゴール前で自分がシュート打つってところだったり、チャンスメイクしたりという、チャンスを演出する、自分でもゴールを獲りに行くというところを中町さんに言われて試合には入りました。

――1部と2部で感じた違い

チーム全体で考えると、2部で通用していたサッカーが1部ではなかなか通用しないと言うのはなかなか感じていました。自分としては2年生のときは、センターフォワードをやっていて、自分としても不慣れなポジションで、自分の良さがなかなか活かしきれてないポジションだったので、1部と2部の違いは感じましたけど、むしろ今年の方が、トップ下やウィングという自分の長所が発揮されやすいポジションでの起用が多かったので、1部と2部の違いを感じずに自分の良さを出せる試合も多かったのかなと思います。

ーー来年の開幕までどのように過ごすか

本当に多くの4年生が今年は出場していて、ガラッといなくなってしまうというところで、自分がまずは先頭に立って、特に攻撃においては自分が引っ張っていかなきゃいけないと思うので、もっと自分にプレッシャーをかけて、もっと責任を持って、慶應の勝利のために自分が先導して、いい準備をできたらなと思います

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