【バスケ】超えられない大きな壁!トーナメントは2年連続でベスト16敗退 筑波大戦

 

オフェンス面で日々成長を見せる本橋祐典(環3・佼成学園高)

第61回 関東大学バスケットボール選手権大会 VS筑波大

2012/5/10(木)@代々木第二体育館

関東トーナメント2戦目。初戦を100点ゲームで制した慶大はこの日、ベスト16を懸けて筑波大と対戦した。1回戦の山梨学院大戦ではバックコートのディフェンスが機能した慶大。そのディフェンスが1部リーグのチームを相手にどれだけ通用するかを試すべく筑波大戦に臨んだ。試合は怪我から復帰した中島祥平(総3・魚津高)がキレのある動きでオフェンスを牽引するなど、最後までもつれる展開となった。

  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 18 23 15 23 79
筑波大 26 22 26 20 94
◆慶大スターティングメンバー
  選手名(学部・学年・出身校)
PG 伊藤良太(環2・洛南高)
SG 田中貴啓(環3・福大大濠高)
SF 真木達(環1・国学院久我山高)
PF 黒木亮(環1・延岡学園高)
本橋祐典(環3・佼成学園高)
 

積極的なオフェンスでチームに勢いをもたらした中島祥平(総3・魚津高)

試合序盤、慶大は課題である試合の入りで立て続けに失点。2-8といきなり出鼻をくじかれる形となる。タイムアウト後、慶大は流れを変えるべく田中に替えて中島祥平(総3・魚津高)を投入。3番から中島、黒木、本橋が並ぶ高身長ラインナップで巻き返しを図る。すると、「実戦の感覚が戻ってきた」(中島)という中島が積極的にゴールにアタックすることで、迷いの見えていたオフェンスに活気が戻る。セットプレーから中島、真木が連続でミドルシュートを決め同点に追い付くと、その後も本橋が連続得点を決め得点を切らさない。ところが終盤、ディフェンスにわずかなズレが生じると、それを見逃さなかった相手の連続スリーポイントが決まってしまい、18-26と8点ビハインドで2Qへ。

2Q開始早々、慶大は大元孝文(環1・洛南高)のスリーポイントで反撃の狼煙をあげる。すると、慶大は中島を中心にアーリーオフェンスを仕掛ける。相手のディフェンスが揃わないうちに、ミートでマークをずらしながら得点を積み重ねていく。ディフェンスでも24秒オーバータイムを誘うなど、攻守にいい流れが生まれると自然と試合の流れは慶大へ。伊藤の鋭いドライブから黒木がバスケットカウントを決めると、今度は黒木のリバウンドからの速攻で伊藤がバスケットカウントを決め、35-34と慶大が逆転に成功する。オフェンスが重くなりそうな所での、中島の積極的なアタックがチームを助ける結果となった。だが、ここで踏ん張り切れないのが今の慶大。中島のシュートが落ち始めると、一気に逆転を許してしまう。ここで慶大は1-2-2のゾーンディフェンスを仕掛ける。それに対し、「相手が少し戸惑った」(佐々木HC)と言うように、相手のシュートが連続して落ちる。慶大にとっては点差を縮める絶好のチャンスだったが、ここで痛恨のパスミスが飛び出し、逆に点差を10点にまで広げられてしまう。オフェンスも停滞し、苦しい時間帯に入るが、中島、伊藤がフリースローから得点し、41-48と何とか後半に望みを繋ぐ。

真木達(環1・国学院久我山高)は1年生ながらチームに欠かせない存在となっている

真木のジャンプシュートでスタートした後半、オフェンスに再び迷いが見られるようになる。24秒ギリギリのシュートが増え、重いオフェンスが続いてしまう。中盤には黒木がオフェンスリバウンドを連続で拾うも、シュートはリングに嫌われ得点には繋げられず、もったいない時間帯が続く。45-56と点差が2桁となった所で慶大はタイムアウトを要求。その後、慶大は真木のミドルシュート、大元のスリーポイントで8点差まで詰め寄る。だが終盤、スタミナに不安がある中島をベンチに下げると、そこからオフェンスが停滞、得点が止まってしまう。ディフェンスでも筑波大のランプレーを止められず、56-74と点差が開いて最終Qへ。

4Q、慶大は最初のオフェンスで、黒木がフリースローを2本しっかりと決める。しかしその直後、伊藤がイージーショットを落としてからは集中が切れてしまったのか、筑波大に立て続けに速攻を決められてしまう。追い上げたい慶大はその後、ゴール下のスクリーンから本橋がバスケットカウントを決める。さらには途中出場の福元直人(環1・福大大濠高)がアシスト、ミドルシュートとオフェンスで持ち味を発揮。最後の追い上げを見せる。だが、ここでもディフェンスで踏ん張ることが出来なかった慶大。トランジションから連続で失点し、万事休す。79-94と1部の力を見せつけられる結果となった。

得点源として期待の懸かる伊藤良太(環2・洛南高)はこの日20得点

ベスト16という大きな壁が2年連続で慶大の前に立ちはだかった。「ベスト8に行けなかったということ以上に戦えていないということが我々にとっては痛手」(佐々木HC)と言うように、リーグ戦1部昇格を目指す慶大にとっては、敗戦という結果以上にその内容に大きな不安が残った。ただ、怪我で離脱していた桂主将、中島が復帰するなど好材料もある。特に中島の復帰はオフェンス面でチームに安定感をもたらしている。この日も得意のアーリーオフェンスから得点を重ね、得点源として機能していた。スコアラーの矢嶋瞭(総3・福大大濠高)が欠場する中、今後は中島の3番起用も多くなりそうだ。

そして、3週間後の6月2日(土)には運命の早慶戦が待っている。早大とは3月の六大学リーグ戦で対戦し、その時には約20点という点差で敗れている。だがしかし、今はその時とは状況が異なる。慶大には怪我人が復帰し、1年生という新たな力が加わっている。一方の早大はこのトーナメントで慶大と同じベスト16で敗れるなど、両校の力は均衡している。昨年の大敗から1年――。第70回という節目の年を、慶大が勝利で飾って欲しい。

【慶應スポーツではHPにて、バスケットボール早慶戦直前特集を組む予定です。こちらもお楽しみに!】

(記事・岡田洋介)

◆試合後コメント

佐々木三男HC

2Qの最後にゾーンディフェンスを仕掛けて、相手が少し戸惑ったんですが、そこでパスミスになってしまったのがターニングポイントとなってしまいました。あとはディフェンスであれだけ抜かれてしまってはやりようがないですね。(ベスト16という結果について)こういう所を乗り越えていかないと我々にとっては結果を出したとは言えません。筑波に負けたとしても10点以内の差に抑えないといけませんね。ベスト8に行けなかったということ以上に、戦えていないということが我々にとっては痛手です。(リバウンドについて)身体接触をしながら、ボックスアウトをして自分の空間を確保した上で取らないといけないんだけど、飛ばないで押すことばかりに意識が向いてしまっています。リバウンドに対する考え方がマズイですね。(黒木がオフェンスリバウンドを連続で取ったシーンもあったが)彼に対してはまだそこまで指導はしてないんだけど、彼がリバウンドを取らないと試合にならないので、あれくらいは当たり前という風に思ってます。ただ少し単発ですね。こういう風に落ちて来るということを頭に描きながらやれないといけません。まだ全然力を出していないですね。(中島の3番起用が流れを変えたが)中島は合宿なんかで体調を壊して、チームに迷惑を掛けたという気持ちがあって、自分がやらないといけないという気持ちが整っていると思うんです。去年なんかは随分頑張って、あいつが1番上手になったと言えるようなプレーヤーだったので、今年これまで迷惑を掛けてきたという気持ちがいい方向にいっていると思います。ただ、まだスタミナがないですね。(この2試合で真木がチームに欠かせない存在になっているように見えるが)真木は運動能力が高くて、バスケットにおいて相手に向かって行くということを、うちのチームでは珍しく表面に出せる子なので、そういう意味では欠かせなくなってきています。(早慶戦までの練習は)早稲田も背が小さいとはいえ、ディフェンスを頑張ってくるし、中距離のシュートも入るので、今日みたいな受けて立つようなディフェンスでは戦えません。(早大対策は)アウトサイドをしっかり守って、シュートが落ち始めれば、後はリバウンドの問題なので、アウトサイドのディフェンスですね。

F中島祥平(総3・魚津高)

長い間試合から離れていて、今日もバックアップという役割でのスタートとなりました。長い時間出させて頂いたんですが、ディフェンスとリバウンドを継続して出来なかったことが課題として残りました。(どのようなことを意識して試合に望んだか)バックアップというポジションはどうして試合に出させて頂いたのかを考えなければいけないので、それは常に考えていました。あとは流れを変える意味で声を掛けることを意識していました。(3番での出場もあったが)3番として点数を取ることは出来たんですけど、僕の3番起用はどちらかというとリバウンドを重視していると思うので、そういう意味ではあまり貢献出来ませんでした。(3番をやってみての手応えは)これだけ長く3番をやったのは初めてでした。ディフェンスに関しては付く相手にもよるんですけど、下と違ってバックコートでダブルチームに行ったりだとか、前からプレスにいかないとならないので、難しさはありました。(オフェンスの出来については)本当に求められているのはそこではないと思うんですけど、チームの攻め手が伊藤しかないので、僕が点を取ることも必要かなと思っていました。(早慶戦に向けて)相手が早稲田で、六大学の時にも1度やっているので、チームの攻め方とかもはっきりしているので、そういった対策をチームとしても個人としても頑張っていきたいと思います。(コンディションは)実戦の感覚はだいぶ戻ってきているんですけど、スピードとか落ちてしまった所があるので、そういった所を早慶戦までに戻していきたいと思います。

C本橋祐典(環3・佼成学園高)

(トーナメントを振り返って)チームとしての当初の目的を果たせなかったです。チーム全体でこの結果を真摯に受け止めて、今後にどう繋げていくかが重要だと思います。(インサイド陣の出来について)電鉄杯では、インサイド陣が全然ダメだという話になって、トーナメントでも決して良くはなかったと思います。ただ、インサイド陣とかガード陣ではなく、チーム全体の問題だと思うので、どういうところがいけなかったのかというところを突き詰めていかないともう一つ上のところにいけないと思ってます。(具体的な課題について)チーム全体としては、追いついたところで逆転できなかったことです。試合中も散々声をかけたり、5点くらい差をつけられたところでしっかり離されないように付いて行こう、もしくは逆転しようと声を掛けていたにも関わらず、粘りきれず離されてしまいました。あとはディフェンスのピックアップの遅さとか、いろいろ悪かったところはありますけど、チーム全体でのミスが目立ちました。個人的にはオフェンスではやれてなかったというわけではないですけど、リバウンドの連携が出来ていなかったです。今後は僕がチームリーダーという意識を持って、みんなをまとめて良い方向に持っていくという意味でもリーダーシップを発揮して、試合中常に声を絶やさないで、チームの士気をあげることに注視したいと思います。(早慶戦に向けて)今日の試合で先生に非常に悔しいお叱りをいただいたので、今日のトーナメントの結果を踏まえて、自分たちが1ヶ月でどれだけ成長できるかというところをもう一度見つめ直します。試合後の反省ではチーム全体のことを言われたのですが、各個人が今まで以上の厳しい努力をしていかないと勝てないと思うので、この1ヶ月間、死に物狂いで頑張りたいと思います。

PG伊藤良太(環2・洛南高)

(トーナメントを振り返って)怪我人が多いなかで下級生主体としてやっていかなければいかなかったんですけど、2試合通してガードとしても2年生としても引っ張りきれなかったことが悔やまれます。それでも練習中から引っ張っていかないと試合でも出せないと思っていますし、そういった面では少し甘かったと思います。(3Qについて)3Qで一気に離されてしまって、チームとしてディフェンスから頑張って速攻を出そうという意思統一をはかれなかったことが離された原因だと思ってますし、あのような場面でガードがしっかりみんなに声を掛けて一本作ろうということを伝えるべきでした。(笹山選手について)もう今日で対戦は4回目なんですけど、本当に絶対に勝ちたかったんですけど、今回も負けたという形になってしまいました。やっぱり笹山選手も他の選手も上手かったのですが、誰が出てこようと自分のプレーをしっかりやってチームを引っ張っていかないといけないと思ってますし、そういった面で今日は引っ張れなかったというか、プレーでも声でも引っ張れなかったことが悔しいです。(現在のチーム状況について)1年生がすごい能力が高いですし、ハツラツとやってくれてるのが一番なんですけど、2、3、4年生がもうちょっと頑張って、1年生がより一層自分のプレーを出せるように引っ張っていかないといけないと思ってます。チーム状況としては本当に辛くて、得点も取れませんし、ディフェンスも練習してきたことを活かせなかったので、下向いてても、早慶戦も新人戦もあるので、もう一回上を向いて、一部昇格という先を見てコツコツと頑張っていくしかないと思っているので、練習していくしかないです。(早慶戦に向けて)今回負けてしまった反省はしっかり自分たちのなかで反省して、前を向いてやっていくしかないと思います。もう一度慶應の伝統であるオールコートマンツーから速攻というところを徹底して早慶戦に臨みたいと思ってます。

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