【ラグビー】春の早慶戦。学生相手最終戦を白星で飾れず

 強風が吹き荒れる中、ラグビー招待試合・早慶戦が行われた。試合は前半に作られたリードを覆すことができずに14-24で敗戦。春の伝統の一戦は悔しさが残るものとなった。

6月20日 招待試合 対早大@ニッパツ三ツ沢球技場

得点
慶大 チーム 早大
前半 後半 VS 前半 後半
T
G
PG
DG
14 小計 19
14 合計 24
 

【得点】慶大のみ

T=落合、明本

G=仲宗根2

慶大選手
ポジション 名前(学部学年) 交代選手
1.PR 古田 哲也(環3) →17.小田 基貴(商2)
2.HO 金子 大介(総4)  
3.PR 髙橋 浩平(経3)  
4.LO 佐藤 大朗(総2) →18.上田 元樹(経4)
5.LO 立石 真也(総4)  
6.FL 柴田 翼(環4)  
7.FL 阿井 宏太郎(環4) →19.髙橋 立寛(環4)
8.NO8 明本 大樹(総3)  
9.SH 小斉平 聖人(商4) →20.古岡 承勲(経4)
10.SO 和田 拓(政4) →21.宮川 尚之(環1)
11.WTB 三木 貴史(経4)  
12.CTB 仲宗根 健太(総3)  
13.CTB 落合 陽輔(経4)  
14.WTB 小川 優輔(環3)  
15.FB 小林 俊雄(経4) →23.児玉健太郎(環1)
16.FR 渡辺 祐吉(経2)  
22.CTB 岩淵 功太郎(法3)  
 

 前半、慶大は「前半耐えてアタックしたい」(和田・政4)という考えから風下で戦うことを選択。試合は早々に動く。前半4分、慶大はオフサイドから早大に自陣トライエリア前でのラインアウトを与えてしまう。直後にできたラックから、マークが外れたLO岩井にトライを決められた。その後、慶大も反撃に出るが風に悩まされることになる。早大のペナルティにより、好位置でタッチキックを得るが強風によってキックが押し戻され外に出ずにチャンスを作ることができない。自分たちの形を作れない慶大に対し、早大は早大らしい素早いアタックの形を作っていく。「ボールを大外にふってくる」(柴田・環4)オフェンスに対し、外で数的不利を作られて29分、34分に続けてトライを許してしまい、得点は0-19まで開いた。しかし、慶大は終了間際の39分に相手スクラムから明本(総3)が隙を突いてボールを奪い立石(総4)、三木(経4)と回して好機を作る。ハンドリングエラーによってトライにはつながらなかったものの、好材料を残してハーフタイムを迎えた。

 後半、風上に立つ慶大は攻勢に出ようとするが、早大の激しいプレッシャーの前にボールを確保できずに守勢に回ってしまう。転機が訪れたのは5分、風を生かしたキックで一気に陣地を回復して敵陣での攻防にすると、早大NO8土屋が故意にボールを離さずシンビンを受けて一人多い状況になる。流れは慶大に向いていたが、ここから早大の試合巧者ぶりが光る。「うまく敵陣でプレーできなかった」(柴田)慶大はトライ目前までいくが決めきることができない。早大の素早いパス回しやCTBのスピードに乗ったアタックにも苦しめられ、もどかしい状況が続いた。ようやく得点を挙げたのは26分。柴田がラインブレイクし、その後ボールは三木へ。トライエリアまで走り念願のトライと思われたが、ラン中にラインを割っていたと判定を受けて得点は成らなかった。だが、その直後のプレーで落合(経4)が隙を突いてパスカットしてそのままトライにつなげる。コンバージョンも仲宗根(総3)が決めて7-19とした。追加点を狙う慶大だが、待っていたのは火が着いた早大のオフェンスだった。早大Bks陣の早いオフェンスによって自陣に釘付けにされる慶大は、38分にトライを許してしまい7-24と引き離されてしまった。しかしこのままでは終わらないのが伝統の一戦。ロスタイムに柴田がまたも鋭い飛び出しでラインブレイク。できたラックから明本が飛び出して中央にトライを決めた。コンバージョンキックも決まって14-24でノーサイドの笛が鳴った。

 敗戦を喫したものの、シーズン前に課題に挙がっていたスクラムやシーズン中に苦しめられたブレイクダウンが安定してくるなど、明るい材料もあった試合といえるだろう。「もっともっと伸びる」(和田)というように、昨季はAチームでの出番が少なかった選手が経験を積んでいることを考えるとチームの伸びしろは大きい。次戦はいよいよ春シーズン最終戦となる、サントリーサンゴリアス戦。名実ともに格上相手の試合で厳しい戦いが予想されるが、各選手が口を揃える「チャレンジ」精神で好材料を発見し、良い形でシーズンを終えたいところだ。

 

 

By Tomoki Kakizaki

 

選手のコメント

和田ゲームキャプテン

(試合を振り返って)風も強かったということで色んなゲームコントロールが試される試合だったんですけど、そこは早稲田さんのほうが上手だった。風下だったらまわしていくとかはっきりとチーム全体の意志として動いていたのは早稲田さんでした。(フォーカスした点は)まず1v1で相手に勝ってそこから切り開いていこうという話をしていた。結果は後手後手になることが多くて、できてるところがないわけではないんですけど、もうちょっと1v1こだわってやっていかなきゃいけないなと思いました。(風下を最初にとったのは)前半耐えてアタックしたいなと思って。いまいちでしたね。チーム全体として意思統一していかなくちゃいけないんだなと思いました。(自分の出来は)全くよくなかったですね。自分だけ良くてもしょうがないので、チーム全体として動けなくちゃいけないと思うので。そこの意志疎通というか全員が同じ考えでやらなくちゃいけないところをもっと伝えないといけない。(春の学生相手の試合を終えての感想は)もっとうまくなると思います。全然できてないところもあるんですけど、もっともっと伸びると思うので、そこはしっかり日々の練習でやってくしかないと思うので。もうちょっとですね。(早大のイメージは)いつもと変わらず、早いテンポで展開していきたいチームなんだなと思いました。勝負所とかでのチーム全体の意思統一は早稲田さんのほうが上手で、そこで差があったんだなと思います。(サントリー戦は)名実ともにチャレンジするしかないので、春最後の試合となるので何も後先考えず目の前のプレーに集中していきたいです。

金子

(試合を振り返って)ポンポンボールを回されてしまって、競ってプレッシャーをかけられなかった。勝ちたかったんですけど。ボールを回されてしまって、我慢し切れなかったという印象はあります。(自分のプレーについて)全然駄目でした。スクラムではプレッシャーをかけられたが、フィールドで相手の2番より目立とうと思ったが、自分自身は目立てなかったと思います。(ジャッカルが成功したシーンもあったが)もっといけたが、ルール改正のせいでジャッカルがしにくくなったんで。自分の持ち味のジャッカルがもっと成功するために、もっと日吉で練習していかなくてはいけないと思います。(強風の影響は)ラインアウトが投げにくかったですね。でも、それは相手もイコールコンディションなので、もっと僕が相手よりも上手くなればいい話なので、日吉で練習していきたいです。(早大の印象は)一人一人が強くて、器用でした。パスもできてすごい繋げて、もっとプレッシャーをかけて山中(亮平)とかの長いパスを狙っていけたらよかったです。(サントリー戦に向けて)相手は社会人なので、僕らはチャレンジなので、もう単純に今日よりもいい試合をしたいです。

柴田

(試合を振り返って)風が強く、うまく敵陣でプレーできなかったのが負けにつながってしまったと思う。(風が強い中でチームで意識したことは)敵陣でプレーすることと、前半・後半の最初の10分で慶應のペースでラグビーをしようということだったが、うまくボールを回せず、課題が残った。(早大の印象は)早稲田はボールを大外にふってくるので、ラックができたときにFwdが外が余られてというように振られてしまったので、そこが上手く対応できなかったと思いました。(自身の出来は)タックルは良いのが何本かあったんですけど、アタック面でボールを持った時に自分が何ができるかと考えた時に上手くゲインできなかったというのがあるので、修正していかなければいけないと思います。(ブレイクダウンについては)相手はもう少し絡んでくるかなと思ったんですけど、1次は強かったんですけど2次3次と回数を重ねる毎に絡んでこなかったのでそこに関しては慶應も上手くプレーできたと思います。(サントリー戦に向けて)相手は社会人で失う物は何もないので、僕たちの強みを出していけるように頑張っていきたいです。

三木

(試合を振り返って)オフェンスは外に振って行くことをテーマに取組みましたが、相手の圧が強く、振る前に止められてうまく出来ませんでした。ディフェンスは1対1で止めることをテーマにしましたが、相手は個の力が強くて、トータルで相手が上回って後手に回ってしまいました。相手に(ボールを)回されてしまいました。(後半のゲインの場面があったが)ごちゃごちゃの中で偶然あまりました。ラッキーでした。(早稲田という相手について)やはり早慶戦ということで特別な思いはありました。勝ちたかったのでこのような大差がついて悔しいです。(学生相手の春の試合は終了したが振り返ってどうか)始まる前は去年ベスト4だったので自分達は強いと思っていましたが、やってみて真ん中より下なのかもしれないとも感じました。これから練習していくだけですね。(来週社会人のサントリーとの試合があるがどうか)自分達より格上の相手なので、吹っ切れて自分達のラグビーが出来るのではないかと思います。

落合

(試合を振り返って)負けたのが悔しいというのが率直な感想。(チームとしては)前半風下に立って、やはりもっと積極的にボールを長い時間持たなくてはいけなかった。そのあたりの攻め方がまだ上手く出来なかったという印象。(自身は)ただひたすら一生懸命やった。まあまあできたかと思うが、アタックの面でもっと自分で仕掛けなくてはいけなかったシーンがたくさんあった。練習で修正していきたい。(早大の印象は)試合運びが上手いと感じた。(今日の試合でフォーカスした点)とにかくタックルを1本も抜かれないと決めてやっていた。しかし抜かれたシーンがあったのでまだまだ甘かった。(風の影響は)風の影響を受ける中での試合運びが下手だった。それを修正するのが課題。(今日の自身のトライを振り返って)大ピンチだった。たまたま出来ただけ。あのようなシーンを招いてしまうこと自体が駄目だった。もっと試合を通して皆で集中しなくてはいけなかった。あれは本当にラッキートライ。(タックルの出来は)だいたい決められたとは思う。しかし致命的なところでタックルミスがあった。次の試合に向けてもっと集中してやっていかないと、と思う。(次戦にむけて一言)出場できた場合、良いチャレンジが出来ると思うので、それぞれチャレンジしていきたい。

小川

(試合を振り返って)DFで差されてその間にゲインされたのが痛かったですね。(フォーカスしていた点は)外にふっていこうと。最初自分も外にふってそれからゲインしていこうとしたが、相手DFに合わせてしまった。もっと前に出ればよかった(風の影響は)相手もハイパントを蹴ってきてそこのキック処理のミスなどもあり、もったいなかったです。またどんどん前に出たほうがよかったと感じています。(エリアマネージメントに関して)キックを蹴るにしても最初のフォーカス通りに外に打っていくことを意識していました。この点に関してはミスはあまり無かったと思います。(DFで数的不利に立たされることもあったが)相手Fwdが浮いてこないで外から余られることがあったんですが、その時にもっと前にプレッシャーをかけていればよかったかなと思います(WTBとFBの併用が多いが)そこまで違いはないですが外からどんどんコールしていくと。両方とも一番外側なので周りを見れるポジションなので積極的にコールしていきます。(サントリーB戦に向けて)一人一人が勝負してゲインしていかなければならないので力強く前に出るようにしていきたいです。

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