2012/09/09(日)@東洋大学総合スポーツセンター
第88回関東大学バスケットボールリーグ戦
リーグ戦4戦目、前日に関東学院大との接戦を落としてしまった慶大。この日の順天堂大戦は、一部昇格に向けて、絶対に落とせない試合となった。まさかの連敗を喫したショックを断ち切り、次週に繋げる勝利を挙げることが出来るのか。試合は序盤からアップテンポな展開で進み、その中で慶大が順大に自力の差を見せ付ける形となった。
2012/09/09(日)@東洋大学総合スポーツセンター | |||||
第88回関東大学バスケットボールリーグ戦 | |||||
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
慶大 | 33 | 24 | 16 | 33 | 106 |
順天堂大 | 18 | 19 | 19 | 30 | 86 |
◆慶大スターティングメンバー | |||||
選手名(学部・学年・出身校) | |||||
PG | 伊藤良太(環2・洛南高) | ||||
SG | 大元孝文(環1・洛南高) | ||||
SF | 真木達(環1・国学院久我山高) | ||||
PF | 権田隆人(政2・慶應高) | ||||
C | 黒木亮(環1・延岡学園高) | ||||
◆主要選手スタッツ(背番号・選手名・スタッツ) | |||||
#16伊藤良太:26得点(FG 12/14)、#6権田隆人:22得点・7リバウンド、#13大元孝文:15得点(3P 3/5)、#19福元直人(環1・福大大濠高):10得点・7アシスト、#23黒木亮:12得点 |
前日と同じくセンターには黒木が起用され、スタメンが全員1・2年生という若いチームで試合に臨むこととなった。対する順天堂大はセンターがいないスモールラインナップ。それもあってかスタート時からゾーンディフェンスを敷いてきた。だがこの日の慶大はゾーンアタックの鍵となるアウトサイドが好調。ディフェンスリバウンドを拾うと得意の早い展開に持ち込み、そこからアウトサイドシュートを高確率で決めていく。その中でも特に目立ったのが権田。序盤から積極的にシュートを放っていくと、中盤には三連続でミドルシュートを沈め、「点取り屋」(佐々木HC)としての役割をしっかりと果たす。一方のディフェンスではインサイドが薄い相手に対し、黒木がインサイドを制圧。ディフェンスリバウンドをことごとく拾うと、このQだけで2本のブロックショットを決め、オフェンスに繋げていく。すると終盤には、大元がスリーポイントを立て続けに決めると、最後は黒木のブザービーターで締めくくった慶大が、1Qで33-18と大きくリードを奪った。2Qもこのままリードを広げたい慶大だったが、開始早々にターンオーバーから順大に走られ、点差が一気に1桁にまで縮まってしまう。嫌な雰囲気が漂ったが、ここで投入された福元直人(環1・福大大濠高)が奮起。相手のゾーンディフェンスをパスで攻略すると、アシストから大元の連続得点、桂のミドルシュートを演出し、慶大が一歩抜け出す。それに伊藤がミドルシュートで続くと、終盤にも福元を起点としたトランジションが機能し、57-37と順大を突き離して試合を折り返す。
迎えた後半、慶大は2Qに引き続き、またも序盤でつまずいてしまう。外角のシュートが落ち始めた所を相手にリバウンドを拾われ、そこから連続して速攻を許してしまう。慶大が開始から3分間無得点でいると、その間に順大が得点を重ねていき、57-45となった所で慶大がたまらずタイムアウトを請求する。流れを断ち切ると、伊藤のゴール下でようやくこのQ初得点を挙げる。この得点で少し落ち着いた慶大は、黒木がオフェンスリバウンドからバスケットカウントを決めると、その後は伊藤、権田の得点で相手を突き放し、73-56で3Qを終えた。最終Q、今度こそ試合を決めてしまいたい慶大だったが、「点数を離した時に相手に合わせてしまう悪い癖」(佐々木HC)を払しょくすることが出来ない。オフェンスが単調になると、みるみるうちに点差が縮まり、気が付けば73-63と10点差にまで迫られてしまう。逆転を許した前日の試合が頭をよぎるような展開。そんな嫌な流れを断ち切ったのは伊藤、福元の両ガードだった。アシストだけではなく自らも得点を挙げ、チームを鼓舞。すると徐々に流れが慶大へと傾いていく。ディフェンスでも高い位置からプレスをかけると、それが相手のミスを誘発し、ブレイクに繋げていく。ガード陣の活躍で本来のハイテンポなリズムを取り戻した慶大は終盤、速攻からの伊藤の三連続得点で点差を20点とし、試合を決めた。結局試合は106-86で慶大が勝利。100点ゲームでの快勝となった。
「決めなければいけないシュートを決めればこれくらいの試合にはなる」(佐々木HC)との言葉通り、アウトサイドのシュートが高確率に決まったことが大きな勝因となった。今まで敗れた試合はイージーシュートを落としてしまった末の敗戦が多かっただけに、しっかりと勝ち切ったことは大きな一歩となるはずだ。だがその一方で、「それを一過性ではなくチーム力にしなければいけない」(佐々木HC)のも事実である。1・2年生が中心の若きチームに求められている「安定感」。それを手にすることが出来た時、慶大は悲願の一部昇格に大きく近づくことだろう。
(記事・岡田 洋介)
◆試合後コメント佐々木三男HC
前半にあれだけシュートを入れればこういう試合になるわけで、落とした試合もイージーシュートを落として負けているだけなので、本来ならばこれぐらいの試合にはなるはずです。(前日の試合からの切り替えは)昨日の試合はしょうがないんだけど、ただ点数を離した時に相手に合わせてしまうのは悪い癖ですね。でもリーグ戦なので切り替えが大事だよという話はしていました。(順天堂大は走ってくるチームだったが)まあ普通にやれば20点は開かないといけない試合なんですが、うちの決めなければいけないシュートが入っているからこういう試合になったので、これが一過性ではなくてチーム力にならないといけませんね。例えば権田は、点取り屋さんなんだから、前半ぐらいやれないとダメです。そういう役割分担なので。再現性を高くしなければいけません。(80失点だったが)早攻めをやっているので仕方ない部分はあるんだけど、ただあまりにドライブで抜かれ過ぎですね。ディフェンスがいないような状態なので。夏にかなり取り組んだんだけど、負けが混んできてしまうとどうしても形になりません。(4Qでの福元選手のプレーが流れを引き寄せたように見えたが)彼はパスもドライブも出来る子なんですが、ディフェンスが出来ないのがもったいないですね。あとパスのセンスはいいんですが、少し独りよがりなブレーになってしまう時があります。(次週に向けて)この一週間の練習がすごく大事ですね。この夏はいい練習をした回数が少ないので、この一週間はいい練習をして欲しいなと思います。
PG伊藤良太(環2・洛南高)
今日は自分達の課題である出だしが良かったですが、3Qの出だしでは突き放すところで突き放せなかったです。前半は外からのシュートがよく入りましたが、3Qではそれが入らなくなり、そこから流れが傾いたので、自分達が苦しいときこそディフェンスをしっかりして、そうしていれば相手を突き放すことができたので、40分しっかりと集中してまた練習したいです。(3Qのベンチの指示は)シュートが入らないときこそディフェンスをしっかりするように言われましたが、シュートが入らないことで、焦りがでて引いた守りをしてしまったため、切り替えがうまくいかなかったです。(オフェンスについて)相手はディフェンスがルーズであることはスカウティングからわかっていて、速攻がうまく決まりました。また、ディフェンスがうまく機能した時間があったことも三桁得点に繋がりました。(ディフェンスについて)今日も1人のプレイヤーにやられてしましました。これから一対一の強い相手と戦うので、チームが一丸となり守ることが大事になると思います。また、昨日は後半ディフェンスから流れをつかめたためオールコートで守りました。自分達の強みでもありますし、勝つためのポイントでもありますので、しっかりと自分が先頭にたちやっていきたいです。(今後について)今日勝ったことは本当にうれしいですし、これから負けられない戦いが続きます。また、相手も強くなりますが、ディフェンスから速攻を続けていきたいです。
F権田隆人(政2・慶應高)
(今日の試合の自己評価は)今までなかなか思うようにシュートが入ってこなくて、結構苦しい時期だったんですけど、今日は今までとはちょっと違うふうに入りを変えてみて、その結果割とシュートも入ったので、まぁ、前半のシュートは良かったとして、弱点はやっぱり後半にシュートが入らない時間っていうのがやっぱりあったことなので、そのような時間というものをどんどん短くしていってもっと点を取れるようになったら良いなと思いました。(昨日競り負けたことをふまえて、どのようなことを念頭に置いて順大戦に臨んだか)まず、昨日の負けっていうのをただの負けというもので終わらせないということで、ちゃんと切り替えることも大事なんですけど、ちゃんと負けだったということを忘れないように対策などを練って今日の試合に臨もうっていうふうに思っていました。(走るチームと試合をした感触は)まぁ、小さいチームだっていうことは分かってたんですけど、その中でもやっぱり、僕たちも走るスタイルだったり、ディフェンスを頑張るスタイルというものをすごく意識しているので、そういうチームに対してやっぱり競り勝たないと自分たちのスタイルっていうものをこれから突き通せないと思っていたので、トランジションバスケットで絶対に負けないという気持ちで戦いました。(連敗を止める一戦となったが)これから順天堂より強い大学だったり、あとは留学生っていうのを相手にしていくと思うので、今日勝てたのはすごく良いことだったんですけど、満足せずにこれからもやっぱり勝ちというものを良い感触にはしたいんですけど、おごったりすることなくこれから一週間頑張っていかなきゃなっていうふうに思っています。
PF黒木亮(環1・延岡学園高)
順天堂大ということで、昨日やった関東学院とはまた違ったタイプのチームということで、アウトサイドとかで機敏な動きをするチームということを意識して試合に臨んで。(点数が)開いた時間帯とかあったんですけど、やっぱり3Qのはじめとか、気の緩みじゃないですけど、個人がもっと集中して、この時間に集中ということができてなかったのかなと。だから点差あけてもまた縮められたと思いました。(自身の出来は)僕自身はリバウンドとかディフェンスには結構絡めた方ではあったのですけど、ちょっと今日はファールがかさんじゃったんで、佐々木先生にも、ファールをしちゃうとプレータイムも短くなっちゃうし、ケアしないといけないっていうのを指示されたんで、次の試合からもファールをケアしながら、自分のマークマンに対してのディフェンスとかリバウンドをがんばっていければいいなと思います。(昨日は非常に悔しい負け方をしたと思うが、昨日の試合から気をつけたことは)出だしを重視するんで、昨日も出だしは良かったんですけど、やっぱり3Qの中盤あたりがすごい相手に決められたり、ディフェンスの足が止まっちゃったりして、(点差が)縮められたりとか、そういうのがあったんで、昨日もそこは気をつけて、行こうみたいな話だったんですけど、やっぱり今日もこういう時間帯があったんで、そこを次の試合からは修正しなきゃいけないと思います。(次週に向けての意気込みを)来週は国士舘と神奈川大なんで、そこも能力高い選手が多いし、その波に乗られたら絶対相手ペースになっちゃうと思うんで、まずは自分たちがやってきている速いトランジションのバスケを展開して、出たしも良くしていければ。そして中盤での集中力、一瞬一瞬のプレーとかに集中して、ディフェンスをがんばっていきたいです。
G福元直人(環1・福大大濠高)
自分達の流れが1Qから凄く作れたと思うんですけど、その反面ダメな流れをそのままズルズル引き摺っちゃって…。勝ったんですけど、内容的にはまだまだ甘い部分が出たかなと思います。(後半の失速の理由は)自分達の攻撃が上手く行かない時に、どうしてもオフェンスで打開しようとして、前半は外のシュートが入ってていい流れが出来てたんで。と思って外の流れを続けていた部分があったんで、そこでしっかりディフェンスから一本流れを作るっていう意思が、皆で共通理解が出来て無かったのかな、と思います。(ゾーンアタックについて)僕らは中々上手くゾーンアタックが出来ていないですけど、今日の順大がハイポスト付近のプレッシャーが凄く弱いっていうことがスカウティングで分かっていたんで、そこにCが飛び込んだり、大元や真木が飛び込むことでスペースを作って、そこからのジャンプシュートや合わせを上手くやって行こう、という話でした。それが今日は前の3試合に比べてよく出来たので、その分前半の流れが作れたかな、と思います。(4Qのフルコートディフェンスについて)淳さん(鈴木淳AC)から昨日の試合後に言われた反省で、勝負所でどうしても引いてしまうディフェンスが昨日の敗因でもあるので、勝ってる時こそ前から行って、強いプレッシャーから引くことなく流れで押し続ける。そのタイミングが4Qの途中だったと思うんで、そこでしっかり前から当たるのと、ボールキープの所でしっかりスナップしてカットしてブレイク、っていうのは心掛けました。(来週に向けて)次は神大と国士舘で、大きい相手だと思うんですけど、自分達がトランディションバスケをしっかりやるっていうことがまず第一だと思うんで、ディフェンスから走るっていうことを徹底して、課題である”悪い流れの時にどう打開するか”っていうことは、一週間でしっかり打開して臨みたいと思います。
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