【端艇】 第90回 全日本選手権大会 1日目

力漕が光った男子エイト

第90回全日本選手権大会が9月13日、戸田ボートコースにて開幕。大学、社会人の垣根を越えた4日間の戦いの火ぶたが切って落とされた。1日目の予選には慶大から男子シングルスカル、女子ダブルスカル、女子舵手付クォドルプル、男子舵手なしペア、男子舵手付ペア、男子ダブルスカル、男子舵手なしクォドルプル、男子舵手付フォア、男子エイトから1クルーずつ、計9クルーが準決勝を目指して出漕した。

 

慶大端艇部の先陣を切ったのは男子シングルスカルの飯塚(法2)。「腰痛を患っていて、3カ月半というブランクがあった」というものの、そんな不安を吹き飛ばすかのような快漕をみせる。1000メートル以降はトップの座を譲らず、1着でフィニッシュ。慶大では一番乗りで15日の準決勝進出を決めるとともに、続くクルーにも追い風となるようなレースであった。

しかし、女子ダブルスカル、女子舵手付クォドルプルは思うような結果を残せずともに4着。男子ダブルスカルと男子舵手付フォアはともに5着、男子舵手付ペアは3クルー中3着のフィニッシュとなった。男子舵手なしペアは1000メートルまで首位の座を守る健闘を見せるも、後半失速し惜しくも2着。いずれのクルーも敗者復活戦に回ることとなった。

準決勝進出を果たした男子舵手なしクォドルプル

そんな中、慶大に希望の光をもたらしたのが男子舵手なしクォドルプルだ。男子舵手なしクォドルプルは、「予想以上にタイムは出なかった」(松沢・文4)としながらも、序盤から相手を引き離し、1着でフィニッシュ。社会人チーム相手に盤石のレース展開を見せ、準決勝へと駒を進めた。

男子エイトは、「出来が良くなかったわりには前半がんばった」(畠山監督)というように課題に挙げられていた前半の入りを克服。結果的には中部電力に約1艇身差で敗れてしまい敗者復活戦に進むこととなったが、1500メートル地点までリードするなど、翌日以降のレースに期待の持てるレース内容であった。

2日目はこの日敗れた慶大の全てのクルーに女子エイトを加えた8つのクルーが準決勝へと挑む。絶対に負けられない戦いとなるが、「後がないので、本当に死ぬ気でやる」(荻野主将・政4)との言葉通り、慶大の奮起が望まれるところだ。

(記事・古尾谷 拓真)

 

畠山監督

(今日の男子エイトのレースを振り返って)

ちょっとあまり出来はよくなかったと思いますね。出来が良くなかったわりには前半がんばった、という感じですかね。

 (インカレから今日までどこを重点的に練習してきたか)

まずクルーが大幅に変わった。ストローク、5番、4番、変わったことによるそのへんのマッチング。全く別物のクルーなのでね。練習をよくしてきたんですけど。あと力はまああるので、逆にテクニック的にちょっと不十分な部分がいっぱいあって、そこを色々と補ってきたというのがここまでの経緯です。

 (インカレのときに課題としていた前半部分はよかったがそのことについて)

そうですね。前半に関しては。レース2000メートルでいうとまだ全然だね。3Qでの落ち込みも大きいし、一艇身近く出ていながらさされてしまうというのは、相当すっとこどっこいなので。なんかちょっと精神的な脆さがあるかなという感じですよね。

(明日のレースに向けて一言)

修正をどんどんしていって。まあ学生なのでどんどん上手くなってくれると思うのでね。あとはその試合のメンタリティーというのかな、精神的な部分で成長してくれればいいかなと思います。

 

荻野和樹 主将 (男子エイト B)

(今日のレースを振り返って)

負けてしまったので、結果的には…。まあ、負けですね。

(前回の大会からの修正点は)

クルーチェンジしてクルーが全体的に大きくなったので、とにかくみんなで大きく漕ぐということをポイントとしていました。

(そのポイントはレースで出せたか)

そうですね、大きく漕ぐということはできました。あと、最初の800メートルでトップをとるということもポイントとしていたので、ひとつポイントを達成できました。

(この大会で最後になるが)

よりよい成績をとるだけです。

(明日の抱負は)

後がないので、本当に死ぬ気でやるだけなので、頑張ります。

 

松沢 遼 (男子舵手なしクォドルプル B)

 (今日のレースを振り返って)

そうですね。スタートですごい失敗をして、隣に突っ込むくらいにいっちゃったので、そこはすごい反省点としていて。全体的なスピード感とかはそこまで悪くなくて逆風が吹いている中でそんなに悪くはないかなという風に思っているんですけど、その中で課題が見つかったので。土曜日には準決勝に行けるので、今日と明日でもう一度修正していいレースができるように頑張りたいと思います。

 (今日のレースプランは)

800メートル間をすごいスピードを出して、あまりコンスタントで変に落とさないでスピード感を追及してとりあえず300メートル駆け抜けるという風にやってそこからレースを作るというイメージで常にこの3週間くらいクルーを組んでからずっとやっているので、そういう意味ではまああまり予想以上にタイムは出なかったかなという、もっともっと出てもおかしくないような感じのタイムだったと思うんですけど、まあ周りと比べてそこまで悪くないのでもっともっとできるけど、及第点かなという感じですね。

 (インカレから重点的に練習してきたこと)

クルー自体が軽い、軽量級のクルーで。今日なんか逆風になってちょっとつらかったんですけど、やっぱり軽い分どんどんスピード感というか、すごい軽くて簡単にスピードが出る船なので舵手なしのクォードなので。その部分でどんどんスピード感を維持して楽に行こう、スピード感を出して続けていくというイメージをしていきたかったので、それをずっとアプローチしてきて、結果どうなるかなという感じですね、これから。

(準決勝に向けての意気込み)

そうですね。せっかく土日行けると決まったので、ひとつでもいい順位に行けるように。たぶん準決勝自体も4艇全部同じようなタイムを出せるようなクルーが集まると思うので、まあ何が起こるか分からないのでもう一回いい準備をしていいレースになればいいと思います。

 

 

飯塚翔 (男子シングルスカル)

(今日のレースを振り返って)

腰痛を患っていて、3カ月半というブランクがあってタイムも不安だったのですけど、その中でスタートで出られて、不安だったコンスタントも思ったほど悪くなくて、1位を取ることができました。

(今日のレースプランは)

最初とばして、あとコンスタントでひたすら同じ漕ぎをし続けるってことを普段から意識していたので、レースでもやっていくことができました。

(明後日に向けて)

準決勝はどこも遥かに格上の人たちばかりなので、気持ちを切り替えて臨みたいと思います。

 

 

西山玲子 主将 (女子舵手付クォドルプル 2)

(今日のレースを振り返って)

そうですね、自分たちでやるべきことはまあまあできたのですけど、課題となっていたトップスピードの遅さが出ちゃったなという感じです。そこが明日に向けての改善点ですね。(大学選手権が終わってからの練習はいかがでしたか)

タイムは圧倒的に上がっていて、20秒くらい上がっていたので、そこは詰まってきているのですけど、全日本選手権ということで、レベルは上がっているので…そこをどうにかするために、今日、トップスピードをみんなでもう一回考えたいと思います。

(4年生として最後の大会ですが)

それは自分的にはまだ実感が湧いていなくて、国体もあってボートを引退するのはまだなのですけど、慶應で漕げるのは最後なので、そこだけには悔いを残したくないと思って。実感はまだないのですけど、悔いを残さないというのが今の気持ちです。

(敗者復活戦に向けて)

良い組み合わせに入っていて、やっぱり自分たちは「持っているな」というのはあるので、持っているのに逃すのは本当にもったいないと思うので、とにかくやるだけですね。

 

 

種目 予選タイム
男子シングルスカル 07′43″72
女子ダブルスカル 08′13″17
女子舵手付クォドルプル 07′38″01
男子舵手なしペア 07′17″18
男子舵手付ペア 07′59″39
男子ダブルスカル 07′18″26
男子舵手なしクォドルプル 06′37″40
男子舵手付フォア 07′28″50
男子エイト 06′08″04
 

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