【女子ラクロス】攻守共に精細欠くも、劇的試合で勝利もぎ取る 日女体大戦

第25回関東学生ラクロスリーグ第三戦

2012/9/15(土)12:40F.O@葛飾区総合スポーツセンター

慶大10-9日女体大(前半:慶大2-5日女体大)得点者:出原×4、佐藤由、小嶋、細田、谷山、廣野、鈴木早

後半にチーム4連続得点と、逆転勝利の立役者となった出原副将(政3) 

 

現在リーグ戦を2連勝している慶大。厳しい残暑の中迎えた第三戦は強豪日女体大相手に、前半を2-5で折り返す苦しい展開を強いられる。しかし後半、出原副将(政3)の4連続得点の活躍などで流れを掴むと、試合終了間近、鈴木早(政2)が値千金となる決勝点を決め、見事勝利を収めリーグ戦3連勝とした。

 

 

 

 

チーム 前半 後半 合計
慶大 10
日女体大

チーム初得点をもたらした主将の佐藤(法4)

この試合、チーム初得点をもたらした主将の佐藤(法4) 

前半、最初のドローを奪われ、先に守勢をとらされた慶大だが相手のペナルティをきっかけにボールを奪う。それをきっかけに今度は慶大が敵陣に攻め込むもパスミスからボールを奪われると前半3分、日女体大最初のシュートはゴーリー渡邉(政3)の横をすり抜け先制点を許してしまう。直後の前半4分、クリース裏をうまく使った攻撃から2点目を挙げられ、早くも2点のビハインドを背負う。守りの時間が長かった慶大だが、その後徐々に攻撃のリズムを作ると、前半8分、ラストパスが主将の佐藤(法4)に回るとこれを冷静に決め、慶大としてはじめての得点で1-2とする。ここでタイムアウトをとり、「攻め方の修正を早めにかけた」(大久保HC)慶大だったが、再開直後のドローをまたしても奪われると直後の前半9分、細かいパスから点を決められ1-3。依然として攻め込まれる時間が続くが、ゴーリー渡邉が相手のシュートに2本続けてファインセーブを見せた後の前半15分。豪快な攻め上がりから小嶋(経4)のゴールで1点差とするも、前半の見せ場はここまでだった。一時は攻め込むも、パスミスからボールを奪われると前半19分、日女体大4点目となるシュートが慶大ゴールネットを揺らした。同じような流れで前半21分にも5点目を決められ、2-5で前半を折り返す。「前半は0点の出来だった」(大久保HC)というように、守勢に回る時間が非常に長く、攻撃型チームがその影を潜めた。

 

3点のビハインドで迎えた後半、またしても最初のドローを取られるも即座に奪い返すと、後半1分、ボールを受けた細田(政2)がロングランからシュートを決め3-5とすると、ここから慶大が一気に流れに乗る。前半とは打って変ってボールを保持し続けると後半5分、出原がこの試合初ゴールを決め1点差に迫る。その1分後、流れるようなパスワークから、ここでも出原が連続となるゴールを決め、ついに5-5の同点に追いつく。しかし日女体大も黙ってはいない。慶大ディフェンスの隙を突かれ、後半8分、9分と立て続けにゴールを決められ5-7。慶大は一向にリードを奪うことができない。しかしここでチームに活を入れたのはまたしても出原だった。後半12分、谷山(経4)との連携から自身3連続得点となる6点目を決めると、その3分後、セットプレーのチャンスから自身4連続得点となる7点目を決め、またしても同点に追いつく。その後相手に1点を決められるも、ドローから久々にボールを奪うと今度は谷山が同点弾。後半22分、日女体大は圧巻のパスワークから9点目を叩き込み試合を決めにかかるも、執念を見せる慶大は、セットプレーから廣野(政2)がチームとして4度目となる同点ゴールを決め、スコアを9-9とする。

追いついては離され、離されては追いつき、試合時間も残りわずかで引き分けかと思われた矢先の後半24分、DFの鈴木早が積極果敢な攻め上がりを見せると、敵陣で受けたボールをシュート。これがシーソーゲームにピリオドを打つ決勝ゴールとなった。数秒後、試合終了を告げる笛がフィールドに鳴り響いた。

鈴木早

試合終了間際、決勝点を叩き込んだ鈴木早(政2) 

 

殆どのドローでボールを奪われるなど、終始苦しい試合展開で苦戦を強いられた慶大だが、これでリーグ戦は強敵の明大、日女体大戦を消化しての3勝と、早くもFINAL4に手がかかったとも言える。取りこぼさず1抜けをしっかり決めるべく、次の法大戦へ向けてもチームは更なるレベルアップを図る。既に彼女達の視界は、学生日本一の称号を捉えているに違いない。

 (記事:福井崇之)

 

以下、選手コメント

大久保HC

(今日の試合を振り返って、良かった点、悪かった点は)悪かった点は全てです。良かった点は勝てたことだけです。(結果を出せたことが大きなプラスということですか)選手にも言っているのですが、こういう試合を勝って終われせるのは強さの一つであるので、これだけ内容が悪くても勝てたのは、力がついてきた証拠だと思います。(強敵日女体大が相手ということで、いつもと違う意識などはあったか)一番警戒していたのは、日女体大は大差で明大に負けていて、今日慶大に勝たなければ終わる、要は背水の陣だったわけで負けを怖れずどんどん向かってくる。今年一番のパフォーマンスを見せてくるのは間違い無かったので、それにどう対抗していくかということでした。実力的には慶大、明大、日女体大の三つ巴の可能性が一番残されるので。(前半は攻め込まれる時間が非常に長かったが)具体的に言えばドローが一回もとれていなかったですね。それで常に先手で相手に攻撃されて、点を取られたあとのまだ次のドローで…というように後手後手に回っていた感はありました。(前半のタイムアウトではどのようなことを)最初は少し浮足立っていて、攻め方もだらけていたのでその修正を早めにかけました。今日9月の半ばは毎年コンディションが悪い時期でもあって、主力陣が殆どコンディションが悪かったです。今活躍しているのは準レギュラーや脇役で、頑張って主力を助けてくれていましたね。(後半は攻める時間がだいぶ増えたが、ハーフタイムを境に変えた点は)大きくは変えてませんが、相手の攻めに対する対処とこちらの攻めの明確化という点を見直しました。前半でビハインドを背負ってて、ドローも殆どとれてない上にオフェンスのシュートミスやパスキャッチミス、ディフェンスの甘いマークで失点したりと前半は0点の出来だったのに、スコアが2-5というのは戦っている上では悪くないとは伝えました。ビハインドで後半に入るのは決して悪いことではないし、こちらが3点目を取ると案の定相手もバラバラになって4、5点目とすぐ同点に追いつくことができました。(後半出原副将の4連続得点が光りましたが、それで勢いをつけられたのでは)いつもの中心選手が調子を落としている中、彼女はコンディションが良い選手の一人だったのでパフォーマンスの差は出ていたと思います。(決勝ゴールを決めた鈴木選手について)誰が決めたというよりも、最後に決めたのが割とディフェンス寄りの選手であったというのは、最後まで全員が攻めの意識を持っていたわけで、うちの点を取るというスタイルが最後の最後に出た点は一つの収穫かもしれないです。(後半に点数をつけるとしたら)10点ですかね。内容は決して良くなかったです。10~30点、少なくとも50点はいってないですね。(これまで3戦中で最悪の出来か)そうですね。必ずこういう厳しい試合はあるので、それを早めに、しかも実力のある相手で経験できたのは今後の財産になると思います。FINAL4に早くも手がかかっていますが)残りを取りこぼさず1抜けをしっかりと決めて、あとはこれからの一か月でもう一段階上の力を身につけるためクラブチームと練習したり合宿したり、もう少しレベルアップしていかないといけないと思います。(次の試合に向けて)これまで明大、日女体大を倒して3勝しているので油断が出るのですが、しっかりとして目標をおいて油断に負けないようにしていきたいです。

佐藤由佳主将(法4)

(今日の試合を振り返って)接戦を制して勝ちきれたことは今後につながる良かった点だと思いますが、それ以外の部分ではまだまだ修正が必要です。(学習大戦から修正したことは)1対1での強さが足りなかったため、攻守共に1対1の練習をしてきて、その成果が出来たと思います。(今日の試合の意気込みは)相手が落とせない試合であるために、点をたくさん取ってくると思ったので、その気持ちに負けないようにと思いました。(攻撃の組み立てで意識したことは)練習してきた1対1を生かすために、しっかりとスペースを作り、そこで1対1で勝ち、またスペースを作るという循環を作ることを心がけました。(自身のゴールシーンを振り返って)いつもディフェンスの近くまで行き過ぎる癖があるのですが、今日は良い距離からうつことが出来ました。(前半を振り返って)ドローからボールを取られ、流れをつかむことが出来ませんでした。(今後に向けて)最高のチームで日本一を取りに行きます。

 

出原由佳子副将(政3)

(今日の試合を振り返って)最後勝ち切れたのは本当によかった、チーム力で勝てたと思う。前半ビハインドで折り返して後半逆転できたのはよかったんですけど、やはり圧倒的ラクロス目指している中でまだまだだなと思うことと前半接戦で折り返してしまったことが情けないしやっぱりまだ日本一にはふさわしくないチームだと思うので、これからまた頑張っていきたいと思います。(後半の入りに何を意識したか)前半終わった時に、自分たちの目指している圧倒的ポゼッション、圧倒的ラクロスに自信があったので全然焦りは正直なかったです。前半のやられ方って相手にポゼッションされちゃって慶應ボールで攻めきれなかったんですけど、ディフェンスが守ってくれたのもあってもっと点差つけられてもおかしくない試合内容だったんですけどその割に三点差しかつけられてないんだという感想でした。だから後半でも自分たちのいつも通りのラクロスやれば逆転できるし不安はなかったです。(後半入ってから4連続得点、今振り返ってみてどうか)前半自分たちがポゼッションした時に焦りのプレーが多かったので、自分がボール持った時はしっかり攻めきって最後までシュートを打ち切ること、目の前の相手と一対一の勝負をすることは練習してきたことでもあったのでそこだけは強気でいった結果がつながったのかなと思います。(課題は)個人的な課題は前の学習院戦でもそうだったんですが、5点目6点目でシュートコントロールミスで決めきれることができなかったので課題はそこで決めきることと、やはり自分にとっての5点目6点目はチームにとっても勝敗を分けることになるのでその精度を上げることが課題だと思います。(チームの課題)圧倒的ポゼッション圧倒的ラクロスということでそれができれば絶対日本一にふさわしいゲームができると思うのでそこを信じて体現できるところまで精度の高いプレーとか意識してこれから頑張っていきたいです。(今日勝ったことでFINAL4も見えてきたと思うが)自分たちが目指しているのが日本一なので、やはりFINAL4,FINALも予選ではない大舞台ですけどそこは通過点に過ぎないなと考えているのであんまり強い意識はしてないです。(法政大戦に向けて意気込み)全勝優勝目指しているのでしっかりまず勝ちきるということと自分の課題である強くゴールに向かうことと決めきるところという自分の強みを生かしたプレーというのを引き続きもっともっと成長させていきたいなと思います。

 

鈴木早紀(政2)

(今日の試合にはどのような意気込みで臨んだか)「学生日本一までの9戦を1戦も落とさずに圧倒的強さを見せて勝つ」というのがチームのコンセプトで、私のポジションはディフェンスなんですが、そのひとつを担えるように、後ろからアグレッシブなディフェンスをしてボールを取り、圧倒的なポゼッションで試合を運べるように考えていました。あとはニュートラルボールの支配も目標の一つですが、そこに特に強く関われるように意識して試合に臨みました。(今日の試合を終えて)自分に負けてしまったり、弱い選択をしてしまったプレーが沢山あったが、チームにとっても負けて競ったりする時間の長い試合だったが、最後はコーチの方々やキャプテンから出たように、勝利できたことがこの1年間の目標である「9戦9勝」の達成につながったので、勝利できたことはチームにとっても大きなことですし、個人としても嬉しいことだとは思います。(劇的な得点を決めたことについて)「ボールをマイボールにできた時に、ディフェンス陣全員狙えることは上に走ってゴールを狙える準備をしなさい」といつもコーチから言われていたので、私もいつもできているというわけではないが、その意識があったので1番前でボールを受けることができて、まぐれではあったが勝利に繋がるシュートができました。こういうプレーが勝利に結びつくことを自覚して、強化していけたら良いなと思います。(次の試合に向けての意気込み)次の試合では、今日の反省である「チームとして弱いプレーや自信のないプレーが多い」という部分を、自信をもっとつけることで強いプレーを選択できる選手として頑張ることができたら良いと思います。

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