【ソッカー男子】第20節 残留が確定もふがいない敗戦 東学大戦

今節は3失点を喫しての敗戦となった

前節、残留を争う神大との直接対決を制し、勝利すれば残留が決定という状況で迎えた第20節東学大戦。自力で残留を決めたいところだったが、開始早々オウンゴールで失点。15分には浮き球のクロスから、32分にはグラウンダーの折り返しから失点し早い時間帯から3点差をつけられる苦しい展開に。武藤嘉紀(経2・FC東京U-18)の3試合連続となるゴールで前半のうちに1点を返すも、引いた相手を最後まで崩しきれず敗戦。11位の神大が敗れたため慶大の1部残留が決定したが不甲斐ない試合で「素直に喜べない」(須田芳正監督)残留決定となってしまった。

2012/11/10(土)11:30KO @笠松運動公園
慶應義塾大学1(1-3)3東京学芸大学大学
【得点者(アシスト者)】得点者 得点者 3分 東学大  オウンゴール、15分 東学大 岡拓磨(茶島雄介)、32分 東学大 遠藤真(柏崎昴大)、39分 慶大 武藤嘉紀
◆慶大スターティングメンバー
GK 辻柾次(環4・近畿大学付属和歌山高)
DF 長尾賢太郎(総2・神戸U-18)
DF 馬場達月(商4・サレジオ学院高)
DF 松下純土(商3・國學院久我山高)
DF 岩田修平(総3・名古屋グランパスU-18)
MF 増田湧介(環2・清水東高)→52分森田達見(経4・川崎フロンターレU-18)
MF 曽我祐馬(政4・慶應NY学院高)
MF 山浦公裕(商4・FC東京U-18)→61分赤木努(経4・大宮アルディージャユース)
MF 藤田息吹主将(政4・藤枝東高)
MF 近藤貫太(総1・愛媛FCユース)46分磨見朋樹(文2・横浜FCユース)
FW 武藤嘉紀(経2・FC東京U-18)

 

今節も中盤でスタメン出場した山浦公と曽我だったが、チームを勝利には導けなかった

前節、1部残留を争う11位神大との直接対決を大差で制し、勝利すれば残留が決定するという状況で迎えた第20節。この日迎えた相手の東学大はすでに2部降格が決定し、現在リーグ戦4連敗中。選手たち全員が「勝って残留を決めたい」(辻柾次・環4・近畿大学付属和歌山高)いう気持ちで試合に臨んだ。しかし、開始早々慶大は思わぬ形で失点してしまう。前半3分、相手のスルーパスに対応しようとした松下純土(商3・國學院久我山高)が処理を誤り、ボールは自陣のゴールへ。流れに乗り切れない慶大に対し、東学大が容赦なく襲い掛かる。15分、裏への浮き球のパスに抜け出した相手選手がボレーシュート。2失点目を喫する。さらに32分にはクロスのこぼれ球を難なく決められ3失点目。思わぬ失点からチームが全体的にバタバタしてしまっている時間帯に大量失点を許してしまう展開となった。このままでは終われない慶大は39分、ペナルティーエリア内で積極的に仕掛けた岩田修平(総3・名古屋グランパスU-18)が倒されPKを獲得。キッカーの武藤が3試合連続となるゴールを決め1点を返して前半を終える。

PKを獲得した岩田

後半が始まると、慶大が徐々にボールを支配し、相手陣内でのプレーも増えていく。しかしリードを奪い、引いて守る東学大相手になかなかフィニッシュまで持ち込むことが出来ない。須田監督はハーフタイムで磨見朋樹(文2・横浜FCユース)、52分に森田達見(経4・川崎フロンターレU-18)、61分に赤木努(経4・大宮アルディージャユース)と攻撃的選手を積極的に投入するが、「工夫がない」(須田監督)単調な攻めが続き、慶大にとって苦しい時間が続く。80分には武藤のスルーパスに磨見が抜け出すも相手GKの飛び出しが一歩早くシュートを打つことが出来ない。その後も慶大は攻め続けるも東学大DFの気迫の前に状況は打開できず、試合終了。自力で残留を決定することは出来なかったが、11位の神大が国士大に敗れたため残り2試合を残して慶大は1部残留を決定した。

残留を決定したものの、「大変がっかりした、残念な、不甲斐ない、何も残らないゲーム」と振り返った須田監督。2連勝と良い流れで試合に臨んだが今節は結果を残すことが出来なかった。残り2試合、2部降格もインカレ出場もない状況ではあるが、4年生に残された試合は残り2試合。「ひとつでも多くのことを後輩に残して」(藤田主将)いくため、また「4年生を良い形で」(松下)送り出すためにも、全力で最後まで戦う選手たちの姿が見たい。「慶應らしいフットボールをしてほしい。選手たちに期待したい」(須田監督)。

 

(記事 西野英樹)

 

試合後コメント

須田芳正監督

(今日の試合振り返って)大変がっかりした、残念な、不甲斐ない、何も残らないゲームでした。(開始直後の失点がチームに与えた影響は)なんで開始2,3分でしてしまったオウンゴールを引きずってしまうのか。まだ立ち上がりなんだから落ち込む必要もないのに、そこからチーム内の声も出ないし、鼓舞するような、何かやってやろうという雰囲気もない。こういう試合になってしまった原因がわからない。選手にも聞いたんだけど、体が重いとも言わなければ、残留がかかっているから硬くなったのかと聞いてもそんなことはないと。原因がわからないし、本当に何も残らない残念なゲームだった。(後半ペースをつかんだものの、引いた東学大を崩しきれなかった)工夫がないよね。一言で言うとフットボールをやってない。相手のCBが大きいのにただボールをそこに放り込むだけだし、カウンターを狙えばいいだけの相手に対しても何の工夫もない。サッカーは判断のスポーツだから自分たちで判断してゴールを目指そう、それが全くない。ただボールを前に蹴りだして、跳ね返されて、拾われて。フットボールを何もやってない。質の悪いというか全く何も残らないゲームだし、気持ちの面も強く持ってやろうとかがないし、負けているのにゆっくりゴールキック蹴ったり、フリーキック蹴ったり・・・何がしたいのかわからない。(交代枠をいつもより早く使い切ったのもそのような状況からか)それしかないよね。あと5,6人変えたかったけど、3人しか変えられないからね。(早い時間に交代した主力選手もいたが)違うところに心が行っていたんじゃないかな。サッカーに集中してたというよりもスタンドに集中してたんじゃない?負けているのに笑顔で笑ったり、スタンドに手振ったり。負けていて不甲斐ない試合やってんのにそういう態度を取るっていうのが信じられない。サッカー選手としては最低。そういう気持ちでやってる選手は上のレベルでは絶対通用しない。プロなんて絶対無理だね。負けていて厳しい状況だったら次の試合に向けてどういうプレーをしどういう態度を取るのか、自分で考えられないと伸びない。もう一度よく考え直したほうがいいと思う。ほかの選手もそうだけど。(神大が敗れたことで残留が決定したが)残留に関してはシーズントータルで見るわけだから、それに関してはひとつの目標も達成したわけだし良かったんだけれども、やっぱりこういうゲームのなかで決めたことが喜びを半減させるよね。逆に残留が決定してこれから2試合がとても大切だと思う。相手チームの学芸大はこの前降格が決定しているのに、新たな目標を設定してモチベーション上げて今日すごく良い試合をしたと思う。長い目で見るとそういうチームがとても良いチームになると思う。だから我々も終わってしまった今日の試合は仕方ないにしても、残り2試合、私たちスタッフではなく、自分たちで気持ちを盛り上げて戦ってもらいたい。慶應らしいフットボールをしてほしい。選手たちに期待したい。(次節に向けて)今言ったように何かモチベーションを持たないと残り2試合は良いゲームは出来ないと思うので、選手たちにそのモチベーションを高く持って出来る雰囲気を作ってもらいたい。自分たちで作ってもらいたい。選手たちに期待します。

MF藤田息吹主将(政4・藤枝東高)

(今日の試合を振り返って)今日は最初から最後まで自分たちのサッカーが出来なくて、不甲斐ない試合になってしまいました。(後半ペースをつかんだが、東学大を崩しきれなかった点について)相手もすごい必死でやってきていて、それを上回るような攻撃が出来なかったですし、監督にも言われたんですけどこの試合に懸ける意気込み、勝ちたいという気持ちが足りなかったから点取れなかったのかなと思います。(神大が国士大に敗れたため1部残留が決定しましたが)その点については本当に良かったと思いますが、残留は最低限の目標だと思っていたので。自分たちが勝って、決めたかったので少し後味が悪い形にはなりましたが、本当にほっとしてます。(残留が決定したが次節はどんな目標を持って試合に臨みたいか)もう残り2節なので、4年生としてひとつでも多くのことを後輩に残していきたいと思うのでとにかく試合で出来ることはやっていきたいです。お互い(慶大、順大)残留争いも上位もない状況なんですけど少しでも良いゲームやっていけるように頑張りたいです。

GK辻柾次(環4・近畿大付属和歌山高)

(今日の試合を振り返って)個人的にもチーム全体としても、やっぱりちょっと悔しかったです。前半で3失点してしまって、後半から目の色を変えたところで時すでに遅しというか、しっかり反省しないといけないなと思います。(3失点した後、自身はどのようなプレーを心掛けたか)前の選手が点を取ってくれると信じて、とにかくこれ以上失点しないという気持ちで臨みました。(残留が決定したが、今の気持ちは)今日勝って残留を決めたかったので、嬉しいですけど素直に喜べないところもあります。(残り2試合になったが、意気込みを)自分がチームを勝たせるとかそういうのではなくて、4年生として最後この2週間で後輩たちに4年生の姿を見せて、来年以降につなげられるようにしたいと思います。

DF岩田修平(総3・名古屋グランパスU-18)

(今日の試合を振り返って)今日は前半の始めにいきなり失点をしてしまって、チームが全体的にバタバタしてしまって、2点目3点目と入れられてしまって本当に残念な結果になってしまって悔しい気持ちです。(今日の相手はすでに降格が決まっている東学大でしたが)相手が最下位だからといって、なめていたというわけではなかったんですけど、球際だったり1対1の部分で負けてしまった場面が多くあったので、そこの部分はしっかりと修正していきたいです。(PKを獲得したシーンを振り返ると)あの場面は自分の持ち味が出たというか、いい形で仕掛けられたので良かったです。PKを取れたというのはラッキーでした。(神大が敗れたことによって残留が決まったが)残留できたということは素直に嬉しいですけど、自力でそれを決められることが出来たにも関わらず、それが出来なかったというのはチームとしてまだまだ力不足なのかなと思います。(次節に向けての意気込みは)今の4年生と一緒にプレー出来るのもあと2試合しかないので、絶対に悔いを残さないように頑張りたいと思います。

 

DF松下純土(総3・國學院久我山高)

(今日の試合を振り返って)今日試合に出た選手はそういう気持ちを持っていませんでしたが、立ち上がりが不安定で、自分のミスからオウンゴールで失点してしまい、その後も立て直すことが出来ずにズルズルいってしまい、前半だけで3失点してしまったことがこの敗戦に繋がってしまいました。(今日の試合に向けてどのような意気込みで望んだか)まだ自分たちは何も成し遂げておらず、今日結果的に神大が敗れましたが、神大の結果に依らず自分たちが東学大に勝って残留を決めたいという気持ちで皆試合に臨みましたが、それがピッチ上で体現出来ずに残念です。(東学大で意識した選手は)10番がボールを持ったら危険でありましたが、セカンドボールを拾われてしまい、後手後手になってしまいました。(1部残留を決めたことについて)正直ホッとしていますが、自分たちの手で決めたかったので後味が悪いです。ただ、あと2試合残っているため、4年生を良い形で送り出してあげたいですし、来季に向けて良い形で入れるようにしたいです。(自身のプレーについて)オウンゴールをしてしまい、自分ではそう思ってはいないのですが、周りにはその後も引きずっていたと指摘されました。(後半無失点に抑えたことについて)自分たちのプレーを見直しましたが、前半の失点が大きかったです。(今後に向けて)まだ、2試合残っているため、4年生を良い形で送り出し、また自分たちが来季に向けて良い形で入れるようにしたいです。

FW武藤嘉紀(経2・FC東京U-18)

(今日の試合を振り返って)勝って降格圏内を脱出したかったんですけど、気持ちが抜けていたというか、しっかりと戦えなくて、ふがいない試合でした。(ご自身のPKを振り返ると)あれは修平くん(岩田)が取ってくれたPKで、自分の得点というよりは修平くんの得点だと思います。(攻撃面での反省点は)自分たちのやりたかった、裏に抜け出すとか、そういうことができなくて、あわててしまって背の高い相手に競り負けることが多くて、自分たちのやりたいことができませんでした。(残留が決まりましたが、次節以降どのようなモチベーションで臨みますか)ここで安心しないで、一つでも上の順位にいけるように絶対に勝ちたいと思います。(次節に向けて意気込みを)自分たちは降格圏内を抜け出て、モチベーションを保つのが難しいんですけど、絶対に勝って、一つでも上の順位を目指せるように頑張ります。

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