慶應スポーツ新聞会

【男子ラクロス】日本一ならずも、見事準優勝!王者相手に堂々たる戦いを見せる/全日本選手権・決勝 FALCONS戦

ついにこの時が訪れた。泣いても笑っても最後の試合。新チームが始動してから、およそ1年間が経った。選手たちに用意されたのは最後を締めくくるにふさわしい最高の舞台。その名は「全日本選手権決勝」。選ばれし2チームだけがそのピッチに立てる至高の舞台だ。江戸川陸上競技場を埋め尽くすほどの観衆の中、運命の一戦はスタートした――。

第23回全日本選手権・決勝 VS FALCONS

2012/12/16 11:00 F.O @江戸川陸上競技場

チーム 1Q 2Q 3Q 4Q
慶大
FALCONS 14

4連覇中の王者を相手に、堂々たる戦いを見せ慶大

4連覇中の王者を相手に、堂々たる戦いを見せた慶大

2008年、関根幹祐を中心とした黄金世代たちは、FALCONS相手に「日本一」という夢を果たすことが出来なかった。そして、今年その夢を果たすべく決勝の舞台に帰ってきたが、その相手はまたしてもFALCONS。4年前に慶大を倒して以来連覇を続ける王者だ。さらに、その中心にいるのは2008年決勝で涙を飲んだ関根、2007年の慶大のエースで現在日本代表のナンバー9を背負う継ら、慶大のOBたち。「日本一」を目指して努力を重ねてきた慶大チームの前に、最強と謳われたかつての先輩たちが立ちはだかった。

この試合MVPに輝やいた粟田

この試合MVPに輝いた粟田

試合は、序盤から決勝にふさわしい両者ハイレベルな攻防を見せていく。スタメンの大半が日本代表で、個人能力の高いFALCONS相手に慶大は組織で対抗。関根、継ら強力攻撃陣が、慶大陣内で素早いパス回しを見せていくが、相川駿主将(法4)が怒涛のチェックを見せていき、一瞬の隙も与えない。対する、攻撃陣はエース田中篤志(政4)に厳しいマークがつきシュート体勢に中々入れない中で、粟田隆弘(経4)、脇坂俊輝(経2)らがチャンスを窺っていく。緊迫した雰囲気の中始まった試合だったが、6分ついに均衡が破れる。クリース左でボールを持ったのは、かつての慶大のエース、そして現在はFALCONSのエース関根。関根の素早い一振りで、FALCONSに先制を許してしまうと、続く8分にもマンダウンから失点を喫し、2点のリードを奪われてしまう。先手を奪われてしまった慶大だったが、ここから徐々に流れを引き戻し始める。FALCONS陣内でゲームを進め、慶大らしい「人もボールも動くラクロス」で相手を翻弄。得点のチャンスを狙っていく。すると、15分ゴール右からのフィードを受けたのは前田竜太(経3)。前田がそのままカットインシュートに持ち込み、慶大に待望の初得点が生まれる。しかしながら、そこから慶大を勢いに乗らせないのが王者。終了間際にミドルシュートを決められ、再びその差を2点に広げられてしまう。1Qはそのまま終了。2点を追いかける形で2Qを迎える。

この日2得点をあげた三木

この日2得点をあげた三木

2Q、序盤に連続失点を喫してしまったものの、そこから素晴らしいプレーを連発していく。6分、ディフェンス陣を完全に崩され、絶対絶命のピンチを迎える。しかし、ここで小畑和博(環4)がファインセーブ。Stealers戦でも大活躍を見せた頼れる守護神が慶大ゴールに鍵をかける。さらに攻撃陣も奮闘。エース田中にマークが集中する中、大活躍を見せたのが三木鉄平(経4)だ。7分、石黒啓介(商3)からのフィードを受けた三木は、クリース右からダイビングシュート。これが決まりその差を縮める。続く9分にも、三木がネットを揺らすが、クリースバイオレーションを取られてしまい、これは得点とは至らない。

プレーヤーとしてはもちろん、主務としてもチームを裏から支えた斉木

プレーヤーとしてはもちろん、主務としてもチームを裏から支えた斉木

それでも、この三木のプレーから慶大は勢いに乗り始める。FALCONSディフェンスの厳しいチェックをかいくぐり素早いパス回しでチャンスを窺っていくと、12分追加点を挙げることに成功する。クリースからおよそ4mはあろうかという位置で、高橋純(経2)からパスを受けたのはまたしても三木。やや高めのパスにジャンプで反応すると、空中でボールをキャッチ。そのままクロスを振り抜き得点に成功した。さらに、慶大の勢いは止まらない。継の得点で差を広げられた慶大だったが、2Q終了間際、ゴール前からのフィードを受けた粟田がゴーリーの動きを読んだ華麗なシュート。このゴールとともに、2Qは終了。最高の流れのまま、試合は後半を迎える。

エース田中は厳しいマークを受ける中1得点を挙げた

エース田中は厳しいマークを受ける中1得点を挙げた

2Qを最高の形で終えることのできた慶大は、このQ序盤互角の戦いを見せていく。2分に失点を喫するものの、その直後田中の豪快な一振りでその差は再び2点差へ。両者譲らぬ攻防を見せていくが、徐々に流れがFALCONSへと傾いていく。8分FALCONSが得意の速攻から得点を決めると続く11分にも追加点。5-9とリードを広げられる中、優勝のためにはこれ以上点差を広げられるのは避けなければいけない。慶大が正念場を迎える。勢いに乗り、慶大ゴールに次々に襲いかかるFALCNS攻撃陣を何としてでも止めたい慶大だったが、容易には止まらない。ボールを奪ってもパスミスから、相手ボールへと渡り作り出すことのできない攻撃のチャンス。相手の電光石火の速攻を遅らせることができず、崩されてしまう守備陣。気付けば、3Q終了時にはFALCONSの得点ボードには「13」というスコアが。慶大も粟田の得点で1点を返したものの、6-13という大きすぎるリードを奪われ最終Qを迎える。

フェイスオフからチャンスを作り続けた陣野

フェイスオフからチャンスを作り続けた陣野

7点差――。王者相手にあまりに大きいリードを奪われてしまった慶大。観客席の誰もが負けを覚悟する中、4Qが始まった。3分失点を喫し、更なるリードを奪われてしまうが、その後のフェイスオフからチャンスが。慶大の絶対的なFOerである陣野クリス(法2)がこれに競り勝つと、粟田へとつなぎそのままゴール。粟田がこの日3ゴール目を挙げる。続く8分斉木慎一郎(経4)がグランドボールを拾った所から、11分には加藤亮平(経4)のフィードから脇坂がそれぞれ得点。5点差に詰め寄り慶大が諦めない姿勢を見せていく。残り時間が徐々になくなる中で、攻撃に急ぎたい慶大だったが王者の巧みな試合運びの前に攻撃に転ずることができない。刻一刻と時間が過ぎていく中で、ついに運命のホイッスルが。その笛の音は、慶大の敗北を現す笛。選手たちはピッチに崩れ落ちた。

試合に敗れたとはいえ、見事準優勝に輝いた男子ラクロス部

試合に敗れたとはいえ、見事準優勝に輝いた男子ラクロス部

この一年間「打倒FALCONS」を目指して練習を重ねてきた。4連覇を誇る王者にいかにして勝つか――。全てはこの日のために、準備をしてきた。しかしながら結果は準優勝。負け知らずの「陸の王者」もFALCONSの前にはその力が及ばなかった。 思えば今年の初めは苦難の連続だった。「春先は出だしが悪くて後輩たちが中々結果が出なかった。」(相川主将)就職活動で4年生不在の中、臨んだ6大学対抗戦では予選で全敗。下級生主体とはいえ、大いなる屈辱を味わった。しかし、そこから「一人一人きちっと考えて」(相川主将)変わることができたからこそ、8月からのリーグ戦圧倒的な強さを見せることができたに違いない。関東リーグを一位で突破し、9月下旬に行ったボルチモア遠征。ラクロスの本場アメリカへ渡り選手たちが目にしたのは、そのレベルの高さ。技術的にも優れている上に「基本的なことがしっかりとできていた」(田中副将)。8試合を行い1勝7敗と大きく負け越したものの、得られるものは大きかった。近年、遠征を行ってもコンディションを崩してしまう選手たちが多く出た中で、今回の遠征は大きな成功を収めたと言えるだろう。そして迎えた全日本学生選手権と、全日本選手権。京大を下し、さらにはStealersをも下した。決勝のFALCONSには敗れたものの、準優勝という素晴らしい結果を残すことができた。

過去3年間関東の壁すら超えることができず、プライドを傷つけられた慶大はもういない。今年は学生王者として、そして全日本選手権準優勝チームとして歴史に名前を残した。来年は「打倒慶大」を目指して勝負を挑んでくるチームが多くあるはずだ。4年生はこの試合で引退となるが、ラクロス部の夢は終わらない。今年唯一得られなかったもの。それは「日本一」という至上の栄冠。優勝目前で奪われたその栄冠は、来年慶大チームのものになっているに違いない。「日本一」を目指す戦いはすでに始まっている。  (記事 石塚大樹)

 

相川主将率いる今年のチームは、多くの感動を与えてくれた

相川主将率いる今年のチームは、多くの感動を与えてくれた

 

※選手コメントは後日掲載いたします。

毎試合後、インタビューに応じてくださった男子ラクロス部の皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

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