【ソッカー男子】開幕特集第四弾・増田湧介副将

昨季、2年連続のインカレ出場はおろか、残留争いに巻き込まれた1年となった慶大ソッカー部。そして2013年、日本一に向けてのキーマンと目されるのが、今季から副将を務める増田湧介(環3)。昨季はほぼ全ての試合でスタメン出場を果たし、飛躍の1年となった。チームの思いや期待を胸に、今季も日本一への道を走り続ける

 増田湧介副将

「(昨年の出来について)経験やメンタルの差が結果につながってしまった」

今年から副将に就任したこの男にかかる期待は大きい

今年から副将に就任したこの男にかかる期待は大きい

―昨シーズンを振り返っていかがでしょう。

「簡潔に言ったらすごい苦しいシーズンでした。1年生の時は全国3位という良い経験ができた中で、昨シーズンもその勢いで自分の経験を生かして自分がチームを引っ張ろうという形でやっていたんですけど、なかなか結果が出なくて。それでも、一部残留出来たということは今シーズンにもつながりましたし、苦しい戦いの中でも最後しっかり残れたということは本当に大きかったと思います。」

―昨シーズンの中で一番印象に残っている試合は何ですか。

「後期の神大戦です。あそこがターニングポイントだったというか、神大も神大で残留争いをかけて、こっち(慶大)も残留争いをかけていて、その中で4-0という快勝を収めて、その試合で残留が決まったわけではないですけど、あの試合は本当に大きかったと思います。」

―昨シーズン、なかなか結果が出なかった原因は何でしょう。

「経験の部分ですね。一気にスタメンの選手が抜けたというのもありましたし、その中でリーグ戦を経験していた選手が非常に少なかったので、普段この下田のグラウンドや練習試合でやっててそこで上手くいっていたとしても、リーグ戦はまたちょっと雰囲気なども違いますし、プレッシャーもありますし、そういった中でのメンタルの作り方だったりチームとしてどうやって戦っていくのかっていうところが昨年はちょっと出来なかったのかなと感じました。」

―専大や早大といった上位校相手に結果が出ませんでした。何が原因だったのでしょう。

「やっぱりメンタルの部分ですね。上に行くチームはやっぱり堂々としていますし、正直技術面では一部にいるチームはさほど差はないと思っているので、最終的にサッカーの戦うところだったりメンタルの部分でいかに相手を上回れるかというところだと思うので、普段の自分の技術をどれだけ出せるかっていうのも自分のメンタルの部分だと思うので、そこの部分が上位に劣っていたと思います。」

―その苦しい残留争いから得られたことは何かありますか。

「残留争いが一番きつい苦しさだと思うので、その苦しさを経験したことで、多少は例えば点を取られても次に切り替えようとかそういう気持ちの持って行き方だったり、そういう部分は学べたと思います。」

―新チームが始まって3カ月ですが、いかがですか。

「昨年の12月の延世大との定期戦(2-1で勝利)では非常に良いゲームが出来て良いスタートが切れたんですけど、また2月に改めてシーズンインして、そこからは怪我人とかもあったりして色々バタバタしていたんですけど、チームとしてはチームコンセプトを1人1人が理解する段階には達してます。後はどれだけチームがまとめられるかというところまで来ています。館山にも行きましたし、この前まで鹿児島にも行ってたんですけど、結果がちょっと出てないということがありますけど、そこは慌てないでしっかりまずは自分たちのコンセプトをチーム全員が理解すること、そしてチームが1つの絵を描けることが大事だと思うので、そこは慌てずにやっていこうと思います。また、新しい1年生が多く入ってきて、そういう1年生との連携だったり今年のスローガンである「競争」が出来ているので、そういった面では試合に出ている選手が慢心するわけでもなく、良い雰囲気でやれていると思います。」

―昨シーズンは守備面で苦労しているように見受けられました。この数カ月で変化はありますか。

「館山の合宿の時も昨年の反省を生かして、まずは守備から入ろうというのをチーム全員に促がしてて、個人個人の守備の能力は昨年に比べたら格段に上がってると思います。」

―4年生が抜けた影響は何かありますか。

「抜けたことは大きいですけど、その分僕だったり上級生の(岩田)修平さんだったり松下さんあたりが「自分たちがやってやろう」という気持ちで、逆に(4年生が)抜けたことで自覚が生まれていると思うので、僕らがやるだけですね。」

 

開幕で増田と誰がボランチを組むのかに注目が集まる

開幕で増田と誰がボランチを組むのかに注目が集まる

「慶大に来たのはプロになるためなので、残り2年は結果を求めてやりたい」

―3年生から副将を務めることは珍しいと思います。就任した経緯や理由について教えてください。

「僕らの代の3年生の選手がトップチームに多くいるというのもありますし、そういったところで3年生をまとめる自分が役目だと思います。後は自分が1年生から試合に出させてもらっていて、経験もありますし、自分がピッチの中でも外でも引っ張っていく存在にならなきゃいけないのかなというメッセージもあると思うので、自覚を持ってやっていきたいです。」

―増田選手はソッカー部の中で年々存在感が増してきているように感じます。

「上級生になるごとに存在感を出していくことが当たり前だと思うし、その中でやることは今までと変わりません。副将だからといって威張るわけでもないし、今まで通り初心を忘れずにやるだけだと思います。」

―昨シーズンは副将を松岡選手(商卒)が務めました。松岡選手と似たスタイルか違うスタイルのどちらで副将をやっていくのでしょう。

「真面目に松岡さんみたいにやるのはもちろんですし、自覚もあります。それに加えて上に立つ存在として責任がありますし、行動の面でも仕事の面でもピッチのプレーの面でも自分が見せなきゃいけないと思うので、今は自分の中で模索しながらどういった存在がこのチームにとって良い副将なのかを考えながらやっています。」

―副将として目指すチーム作りはどういった所にありますか。

「部員が100人もいますし、大きいチームをまとめるには全員が同じベクトルを向いていかなくてはいけないと思っているので、1番意識しているのは試合に出ていないCチームの選手だったり新しく入ってきた1年生とはよくコミュニケーションをとって、自分がより近い存在になれるようにしようと考えています。」

―大学サッカー生活の折り返し地点にあたって、ここまでの評価をお願いします。また残り2年間をどうしていきたいですか。

「大学生活の半分が終わって、自分の中では着実に成長出来ているとは思っています。1年生の頃は本当にがむしゃらに、河井君(政卒)であったりそういったプロに行った選手が5人もいたので、その人たちに色々教えてもらいながらやっていたシーズンでした。昨年はそういった経験を生かそうと思ってて臨んだシーズンだったんですけど、ああいう形になってしまいました。それでもメンタル的にも強くなれたシーズンだったので、自分にとってもすごいプラスになりましたし、順調に出来ていると感じています。ここからは後2年ということで、自分がここ(慶大)に来たのはプロになるためなので、後2年でどれだけ出来るかで将来が変わってくると思うので、ここからは本当に結果を求めてやっていきたいと思います。」

―今プロにいる河井選手や藤田選手(政卒)たちの活躍が刺激になっていますか。

「そうですね。河井さんは(清水)エスパルスで10番を背負っていますし、(黄)大城選手(総卒)も(田中)奏一さん(環卒)も(日高)慶太さん(総卒)も笠松さん(総卒)も皆活躍しているので、そういった面では刺激になっています。」

―昨年は関東選抜、全日本選抜を経験されていました。選ばれた前後で何か変化はありましたか。

「選抜に入ることで自信にもなりますし、そこに行くことでもっとやらなきゃいけないんだというのを改めて感じることも出来たので、すごい良いきっかけになりました。」

「(目標は)日本一と大学ナンバー1のボランチになること」

―新シーズンを迎えるにあたって、須田監督から言われていることは何かありますか。

「個人としては自分の良さを生かしてくれというのは常に言われていて、セカンドボールであったり、目立たない部分でそういったプレーをやることが自分の良さだと思っているので、そこは今まで通りその質を高めることを求められています。チームとしては昨シーズンと特にやりたいサッカーが変わっていないので、その中で自分が2年間やってきた経験をチームに還元出来ればいいかなと思っています。」

―昨シーズンは開幕ダッシュが出来ませんでした。今シーズンは開幕から上位校との戦いが続きますが、どのように戦っていきたいですか。

「相手がどこであろうと一戦一戦やるだけだと思っています。」

―特に開幕2戦目は昨年3連敗を喫した早大が相手です。

「昨シーズンは3戦全敗で負け越していますし、早大がああやって日本一(インカレ優勝)になってしまったので、すごい刺激は受けています。逆に、その早大がああやって日本一になれたのだから自分たちもなれるんじゃないかっていう気持ちになれたので、良い刺激になりました。」

―その日本一に向けてのライバル校やライバル選手は

「やっぱり早大ですね。早大には負けられないですね。選手は・・・全員です(笑)。」

―今シーズンのスローガンが「KYOSO(競争・共創)」に決まりましたが、このスローガンをどのように考えていますか。

「難しいですね(笑)。自分がチームを引っ張らなくてはいけないという確固たる自覚が生まれてきているので、ここの慶大の中にいる選手の誰にも負けないという思いがあります。他のトップチームであったり、BCチームでも今シーズンは入れ替えが激しくて、スローガンに沿って競争出来ているので、良い雰囲気でやれていると思います。」

―チームとして、個人としての、今シーズンの目標を教えてください。

「チームとしては日本一を獲ること。個人としては、大学ナンバー1のボランチになることですね。」

―その日本一に向けて必要だと感じていることは何でしょう。

「慶應の一体感をどれだけ出せるかというのは考えています。僕らはずば抜けた選手がいるわけでもありませんし、周りの上位校とも違って選手層が厚いわけでもないので、いかに真面目にひたむきにどれだけやれるかっていうことをABC(チーム)問わずに全チームでやれるかっていうのが大事だと思います。」

―今シーズンの意気込みをお願いします!

「自分も今年から副将になって、3年生になって上級生にもなったので、昨年の経験を生かして自分がしっかりチームを引っ張って、必ず日本一になりたいと思います。」

お忙しいところありがとうございました!

(取材・飯田駿斗)

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