【ソッカー男子】アミノバイタルカップ準決勝 大乱戦を制し、頂点まであと一勝 中大戦

2回戦・3回戦とPK戦の末に劇的勝利を収め全国への切符を手にした慶大。今日の相手は1部の中大。リーグ戦では0-1で惜敗を喫した1部屈指の強豪校だ。「本当にチーム力が上がったかどうかを試せる」(保田隆介・法3・横浜F・マリノスユース)この大事な試合は、前半から勢いで勝る慶大が主導権を握る。すると前半23分に近藤貫太(総2・愛媛FCユース)のゴールで先制点を奪うとその後も2点を追加して3-1と理想的なスコアで前半を折り返す。後半もエース・武藤嘉紀(経3・FC東京U-18)を中心に攻撃の手を緩めない慶大であったが連戦の疲労からか「ディフェンスでハードワークが出来なかった」(須田芳正監督)と守備での綻びが見え始める。結局後半だけで両チーム4点を取るという荒れた試合になり最終的には7-5で試合終了。打ち合いを制した慶大が決勝へと駒を進めた。

2013/6/8(土)11:30KO @味の素フィールド西が丘

アミノバイタルカップ2013第2回関東大学サッカートーナメント大会兼総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東予選 準決勝

慶應義塾大学7-5中央大学

【得点者(アシスト者)】 

慶大 23分 近藤貫太(端山豪) 33分 淡野晋一(増田湧介) 45分 端山豪(増田湧介) 50分 岩田修平(武藤嘉紀) 65分 武藤嘉紀(増田湧介) 82分 武藤嘉紀 90分 武藤嘉紀

中大 41分 木村陽一郎 61分 古賀鯨太郎 81分 皆川祐介(砂川優太郎) 85分 古賀鯨太郎(砂川優太郎)

GK

増川翔太(商3・柏U-18)

DF

山田融(総2・横浜Fマリノスユース)→HT岩田修平(総4・名古屋U-18)

DF

望月大知(環1・静岡学園高)

DF

保田隆介(法3・横浜F・マリノスユース)

DF

飯高颯生 (総2・大宮アルディージャユース)

MF

増田湧介(環3・清水東高)

MF

山内浩道(政3・國學院久我山高)→59分 宮地元貴(総1・東京Vユース)

MF

近藤貫太(総2・愛媛FCユース)

MF

淡野晋一(文3・横河武蔵野FCユース)

MF

武藤嘉紀(経3・FC東京U-18)

FW

端山豪(総2・東京Vユース)→71分 平戸奨眞(法3・暁星高)

 

キャプテンマークを巻き出場した増田

キャプテンマークを巻き出場した増田

試合の主導権をまず握ったのは中大。慶大はパスミスからピンチを招くとコーナーキックを献上。そこから相手に頭で合わせられ先制点を奪われたかに思われたが山田融(総2・横浜Fマリノスユース)がゴールライン上でナイスクリアを見せ得点を許さない。その後も、13分、カウンターからキーパーと1対1になりゴールががら空きになる決定的なピンチを迎える。しかし、これは山内浩道(政3・國學院久我山高)がうまく相手に寄って先制点は与えない。14分に相手のスルーパスを望月大知(環1・静岡学園高)が上手くカットすると流れは徐々に慶大に。15分に端山が相手のバックパスをチェイスしてCKを獲得するとそこから飯高颯生(総2・大宮アルディージャユース)がシュートを放つ。さらに、18分には増田湧介(環3・清水東高)のパスカットから淡野晋一(文3・横河武蔵野FCユース)が近藤にスルーパスを送りシュートを放つ。徐々に得点の気配を感じさせると歓喜の瞬間は22分に訪れる。端山からのアーリークロスに反応した近藤が冷静に流し込み慶大が待望の先制点をあげる。リードを奪った後も、近藤と武藤のコンビでシュートまで持っていくと、33分、端山のCKから淡野が押し込み慶大が追加点をあげる。その後39分PKから一点を返されるも、45分増田のスルーパスに反応した端山が貴重な追加点を奪い3-1で前半を折り返した。

3戦連発となる得点を決めた近藤

3戦連発となる得点を決めた近藤

前半イエローカードをもらった山田に変えて投入されたのは「昨日のトレーニングを見ても体が動いて判断力が良かった」(須田監督)岩田修平(総4・名古屋U―18)。この大会慶大初の4年生の投入であったが、岩田が副将の意地を見せいきなり結果を残す。後半5分、左サイドにいた武藤からパスを受けるとキーパーの股を抜く技ありのゴールでいい時間にさらに追加点を奪う。その後も「CBの横のスペースが空く」(保田)と相手の裏へ抜け出すパスを有効的に使った慶大が試合の主導権を握る。12分に淡野と武藤のワンツーでチャンスを作ると最後は端山がシュートを放つ。また、14分には増田のパスカットから武藤のスルーパスに反応した近藤がシュートを放ち、こぼれ球を淡野が詰めるなど慶大の時間が続いたが、その直後に相手CKのこぼれ球を押し込まれ2点差に追い上げられる。しかし20分、増田からパスを受けた武藤がPA外から豪快なミドルシュートを決め慶大が再び突き放す。その後は「連戦の疲れ」(須田監督)からかお互いディフェンスに綻びが見え始める。21分、22分に連続して中大にチャンスを作られるとここからは高さを生かした中大の時間となる。31分には慶大のCKのこぼれ球を拾われ一気にピンチを作られるがここは保田のクリアでピンチを脱する。しかし36分、CKからのクロスを頭で合わせられ再び2点差に追い上げられる。それでも慶大は直後の37分、武藤がバックパスのカットからそのままドリブルでゴールを奪い点差を元に戻す。砂川を中心とした中大の精度の高いクロスと空中戦での強さに苦しめられると、40分・ロスタイム2分に砂川からのクロスに頭で合わせられるも、対する慶大も武藤がこの日3点目となるゴールを決めるなど終盤は正に打ち合いに。結局慶大が2点のビハインドを守り切り見事勝利。アミノバイタルカップ決勝へと駒を進めた。

守備の要保田

守備の要保田

正に打ち合いだった。連戦の影響もあり、後半ディフェンス面でかなり苦しい時間もあった。クロスやセットプレーなどで相手の高さに苦しみ5失点を喫してしまったのは反省点としてあげられる。しかし、その中でも点を取られても下を向かなかったことは大きくチームとして成長した点であろう。また、1部の強豪校相手に7点取れたことは大きな自信につながるはずだ。決勝の相手は昨年リーグ戦2位の強豪・明大。また、この試合3アシストを記録し、守備でも非常に安定していた増田がイエローカードの累積で決勝戦に出場できない。しかし、今の慶大はどんな相手が来ても恐れることはない。自分たちのサッカーをすれば必ずや関東王者の称号を勝ち取ってくれるだろう。 (記事・住田 孝介)

須田芳正監督

(今日の試合を振り返って)トーナメントなので、次に進めてよかったです。どんな大会でも優勝狙ってやっているので決勝に残れたことは誇りに思っています。(今日の試合に向けての意気込み)中大は非常に攻撃的で両SBが非常に高い位置にいます。ポゼッションを重視する非常にいいチームなのでまずは自由にやらせないことです。逆に自分たちの攻撃の時はボールを取った瞬間裏を狙うことを徹底して心がけました。(岩田選手が出場したことについて)試合に出てすぐに得点して、その後も良いインターセプトでチームを救いました。昨日のトレーニングを見ても体が動いて判断力が良かったので思い切って出しました。7点を取ったオフェンスについて)非常に暑くお互い疲れている中、最後はこの力が重要視されます。その中で武藤のスピードやシュートの精度は流石です。5失点を喫したディフェンスについて)連戦の中で中々ハードワークができない中で、相手も能力が高い選手が揃っているので仕方ないかなと思います。(増田選手をゲームキャプテンに指名した意図)元々副将で、非常に安定した守備を見せている増田に期待して彼をゲームキャプテンにしました。(決勝戦に向けて)ここまで来たら選手たちを信じてお互いいいゲームにして最後勝てたら良いと思います。

MF松下純土主将

(今日の試合を振り返って)ここ4試合は怪我で試合に出られてなくて、今までの3試合は正直びくびくしながら観ていました。今日の試合に関してはまず前提に全国出場が決まっていたことがあって、選手は思い切ってやってくれるという信頼もあるので、キックオフの時からいつもの緊張感で観るというよりは安心して観られたというのがありました。試合も僕らが常に先制するという展開だったので、正直ほっとして観られたという印象です。(主将として試合前にチームメイトにかけられた言葉は)この間までの3試合は勝たなくてはいけないというプレッシャーがあったので、プレッシャーをかけつつも選手達のことを信じているということを話していました。ピッチに出ている11人だけじゃなくてベンチもそうですし、監督やスタッフの方も応援してくれる方々も皆が一丸となって戦っている、ということを今一度自覚させて臨ませていました。今日に関しては思い切ってやってきてくれの一言で選手を送り出しました。(同じ4年生の岩田の活躍もあったが)この4試合は4年生が一回も出ていなかったので、ハーフタイムの時に(岩田に)替わるというのを聞いて、直接「4年の代表だから頑張ってくれ」って話をしました。彼も副将をやっていますし、自分のやるべきことに対して理解して今までも取り組んできていたので、僕もそういうことを全て分かっているので、ゴールを決めた時は正直嬉しかったです。(仲間が決勝の舞台まで連れてきてくれたが)まずずっと試合に出られなくて正直僕自身もどかしさとかやりきれなさとか悔しさがあって、特に主将でチームを引っ張る立場でサッカーをやって初めて存在意義があるので、それが出来ていないという状況でチームにプラスになっているのかなって思っていました。御殿場や今日の試合を通じて練習の時からサポートを100%以上の力でやるということを決めて今までやってきているので、それに応えてくれている選手達には本当に感謝ですね。(決勝に向けての抱負を)ここまで来たらやっぱりチャンピオンを獲りたいという気持ちは僕も持っていますし全部員が持っていることだと思います。それを代表してピッチに立つ11人の選手達はその責任を果たして、優勝しなければならないという責務がありますので、今日は試合前に思い切ってやってこいって言いまいした。明日も思い切ってやれと言いますが、「優勝しなければならない」というプレッシャーもかけられたらと思います。

DF岩田修平副将(総4・名古屋U―18

(今日の試合を振り返って)点をお互いに取り合う展開の中で、まずは勝てたということが本当に大きかったと思います。(ゴールシーンを振り返って)ファーストプレーだったんですけど、思い切って上がって行こうと思ってて、落ち着いて決められて良かったです。(一方で守備陣が5失点を喫してしまったが)セットプレーから3失点と、自分の前からクロスボールをあげられてて、明日の決勝では0に抑えたいなと思います。(一週間前にこの大会が始まった時にここまで来ると予想出来ていたか)ここまで来たいと思っていましたし、自分はここまで出場してなくて、4年生がいない中で後輩の3年生達が厳しい試合を勝ち抜いて全国の切符を取ってくれて、自分も貢献したい気持ちがあったので、決勝に行けて本当に嬉しいです。(決勝に向けて)もうここまで来たらチームが一丸となって、本当にチャンピオンになるんだという気持ちの部分がまずは大事だと思います。あと今日はセットプレーからの失点が多かったので、改善出来るところは改善して、チャレンジしていきたいと思います。

DF 保田隆介(法3・横浜F・マリノスユース)

(今日の試合を振り返って)前節同様荒れた試合になりましたが、先に2点取れたのが大きかったのと、失点しても前を向くことが出来たのが勝因です。(今日の試合に向けての意気込み)今まで勝ち上がってきましたが、まだ1部と戦ったことはなかったので、本当にチーム力が上がったかどうかを試せると思ったので楽しみにしていました。(自身のプレーを振り返って)ポゼッションのところであったり、前線の選手と呼吸が合わなかったりと課題が多かったです。よかったところは自信のある対人の所で負けなかったことです。(高さに苦しむ場面が多かったが)中でフリーにされてしまうことは分かっていたので、簡単にクロスを上げさせないとかCKを簡単に献上しないといったことがチームとして徹底出来ていなかったことは反省点です。5点取られてことについて)セットプレーとサイドを攻略されたことです。また、砂川くんがいいクロスを持っているのにみんなそこへの意識が低く彼にクロスを余りにもいい形であげられすぎました。7点とったことについて)相手がまえがかりになってCBの横のスペースが空いているのは事前が分かっていたのでそこをうまく攻めれました。(決勝に向けて)ここまで来たら総力戦ですし、しっかりとやっていきたいです。

MF淡野晋一(文3横河武蔵野FCユース)

(今日の試合を振り返って)良かった点と悪かった点が多く出た試合だったと思いますが、個人的には初めて右サイドで出させてもらって、やはりトップ下とは違って守備の面での課題が浮き彫りになったと感じています。(前半の自身のゴールシーンについて)折り返しが良い形で来て、多分相手ディフェンスと僕が半々ぐらいで触ったと思うのですが、やはり相手が触ってくれたので僕自身だけのゴールではなかったかなと思います。(試合全体を通しての自分のプレーを振り返って)後半相手が前がかりになってきたときに自分と慶大のサイドバックで、相手のサイドのマークにつくことがあまりうまくできていなくて、自分のサイドから崩されたってゆう場面が多かったので執念での課題を修正したいと思っています。(明日の決勝に向けて)もし出場できれば、今日出た課題を克服して攻撃面での良さも出せるようにして、優勝できたらいいなと思っています。

MF武藤嘉紀(経3・FC東京U-18)

(決勝進出おめでとうございます。今のお気持ちは)素直に嬉しいの一言です。(ハットトリックとなったが、ご自身のプレーを振り返って)点を取ったのは自分が得意なかたちだったので、勝利に導けたのかは分からないんですけど、良かったです。失点が多いところや、自分が右サイドで突破させて失点してしまったシーンもあったので、そこは本当に改善していかなければと思います。(慶大、中大ともに大量得点だったが)自分たちが大量得点で終われるのはいいんですけど、守備のところで同じかたちで何点も失点してしまったので、そこは本当に改善していかなければと思います。(明日の決勝では増田選手が出場できないが、課題は)マスが出られないこともあってやっぱりきつくなると思うんですけど、そんな中でも総力戦だと思うので、誰が出ても慶應のサッカーをして、明日はタイトルを穫ることができればいいなと思います。

FW端山豪(総2・東京Vユース)

(今日の試合を振り返って)ここまでのアミノバイタルカップ全体を通して、特に関学大戦がそうでしたけど、点を取られたとしても慶應が諦めないでプレーすれば、トーナメントで何かあるっていうことはわかっていました。逆に先制したのですが何があるかわからないし引き締めていこうということで、先制出来て後半最後の方はばたばたしてしまいましたが、トータルで勝ち切れたので良かったです。(7得点と攻撃陣が爆発した要因は)1人1人が足下で受けるだけじゃなくて裏に抜ける動きを意識していました。中で空いたスペースを誰が使うのかっていうことと、自分が受けるだけじゃなくてスペースメイクをすることを意識してるので、前が流動的になってボール受けた時に良い形で受けれるようにしたことが得点力につながったと思います。(ゴールシーンを振り返って)あれはショートカウンターみたいな形だったと思うんですけど、自分も裏に抜け出して、もしボールが出て来なくてもそのスペースを誰かが使ってくれれば良いと思って動き出したんですけど、増田君が使ってくれたので、決めるだけでしたね。(前節は出場停止の中、仲間が準決勝に導いてくれたが)自分が退場した試合もそうですし、青学大との試合も本当に皆が助けてくれてここに連れてきてもらったという感じでした。今日の試合で、恩返ししようと思ったんですけど、ちょっと脱水症状みたいになって足がつってしまいました。自分の前半の得点がなくて、他の選手も上手く回らなかったら今日の試合もどうなってたかわからないですし、自分の得点も久々だったのでそれは良かったんです。最後までピッチでプレーしたいという思いがあったのでちょっと悔しかったですけど、次に向けて良い準備をして決勝に臨みたいと思います。(決勝に向けて)トーナメント戦なので、どうしても今までは勢いで勝ち抜いて来た感がありますが、相手もそれは同じ条件ですし、明日は本当にどっちがこのタイトルを強く欲しいと思っているか、気持ちの戦いになると思うので、その中で自分達のサッカーを冷静に出せるかという部分で、熱くかつ冷静にプレーをしたいと思います。

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