昨季まで、慶大のエースとして君臨していた武藤嘉紀(経4)。当然今季も、慶大攻撃陣を引っ張ることが期待されたが、武藤は卒業を待たずにプロへの道へ進むことを選んだ。プロになって約3か月。日々どのような思いでサッカーに打ち込んでいるのか。そして慶大ソッカー部への思いを語ってもらった。
―大学サッカーを振り返って
すごい自分のためになったなと感じています。ここに入ってくるにあたって大学サッカーのおかげで成長した状態でこれたのでスムーズにプロの世界に入れました。
―大学時代には大ケガも経験されたが
しないにこしたことはないですけど、それのおかげでケガに対する考え方も変わりましたし、どうやったらケガを少なくできるかということも学べたので自分にとってプラスになったと感じています。
―3年間で一番成長した部分は
フィジカルの部分だと思います。人間的にもソッカー部という厳しい環境だったから大きくなれたのかなと思います。
―プロでプレーして大学時代にもっと鍛えるべきだったと思うところは
全然特にないですね。
―プロはいつから意識していたか
プロは小さいころからずっとなりたいと思っていました。
―大学卒業後でなくこのタイミングでプロ入りした理由は
大学のころから特別指定選手としてプロの練習に入っていってJリーグでも1度出場機会を頂いたんですけど、そのときに早くこのレベルの高い環境、何万人もお客さんが入るこの環境でサッカーをしたいという気持ちが強くなって、こういう決断をしました。
―須田監督とは何か話したか
だいぶ監督とも話をして最後はすごい須田さんが頑張ってこいよと背中を押してくれたんで、1年目から絶対活躍しなくちゃ慶應を出た意味がないと思ったので、その面からも開幕スタメンの座も掴むことができてよかったなと思います。
―このタイミングでのプロ入りを決断した時期は
大学3年生が始まってちょっとのころにお話を頂いて、サンフレッチェ戦に出たときに大学では感じられないものを感じて、プロ入りしようと思いました。
―初めてプロになったと感じた瞬間は
お給料が入ったときです。今まで親に色々やってもらって、お金も出してもらっていたんですけど、そこで自分のお金を使うことになって、税金なども払うようになって、プロになったんだなと感じました。
―大学と何が1番違うか
真剣さですね。生活がかかってるので出れなければその分お金も稼げないですし、逆に試合に絡めればもらえるますし、そういう面では1人1人家族もいますし、生活がかかってるので、練習からピリピリしています。大学の練習がピリピリしていないわけではないですが、ちょっと異質な空間です。緊張感があります。
―プロにいると、今後指定選手など外の環境から入ってくる選手がいるが、アドバイスはあるか
思い切って、最初は緊張すると思いますが、自分のプレーを出せれば、大学でできてることがプロでは通じないということはないと思うし、大学で1つストロングポイントがあれば、トップでも強みになると思うので、そこを隠さないように思う存分出すことが大事だと思います。
今シーズン10点を目標にしたい
―ピッチからスタンドを見たときの感想を一言で
責任感かなー。すごいワクワクもしますけど、何千円もお金を払って1人1人来てくれているので、その人たちの前で変なプレーできないですし、1回のミスも命取りになるのでその部分の緊張感や責任感を感じます。
―ワクワクと緊張どちらが大きいか
最初は緊張のほうが大きかったてまさね。今は6対4くらいで緊張ですかね。
―開幕スタメンを知ったときどう感じたか
なっちゃったなーって感じです(笑)1週間くらい前からだいたいメンバーが固まっていたのでわかってたとは言えないですけど、とにかく嬉しかったです。最初の1試合目は本当に緊張したので1週間前くらいからずっと緊張してました。
―プレーした感想は
日本を代表する選手が相手にもいましたし、自分がどのくらい通用するのかなと思っていたのですが、なんだ結構通用するじゃんと思って自信がつきました。
―うまいと感じた選手は
レアンドロ・ドミンゲス(柏レイソル)。凄かったですね。あとは大久保(嘉人)さん、中村(憲剛)さん(川崎フロンターレ)が凄かったですね。
―同世代で負けられない選手は
今はケガしてるのですが、宇佐美(貴史・ガンバ大阪)とか岳(柴崎・鹿島アントラーズ)とかですね。自分も安定して試合に出場して、今はまだゴールを決めていないのでゴールを奪えればいいなと思っています。
―今シーズンの目標は
まず1点。それがとれればどんどんとれると思います。大学のときも入学して1点を取るまで長かったので、プロでも1点をとれればポンポンとれると思うので今シーズン10点を目標にしたいです。
結果云々より楽しんでプレーして欲しい
―慶應ソッカー部今シーズンの注目選手は
山浦新(総4・東京Vユース)。やっぱり新は最終学年ということもあるのですごい気持ちが入っていると思うし、プロを目指しているので。人がもっていないドリブルのセンスを持っているので注目してほしいです。あとは端山豪(総3・東京Vユース)と増田湧介(環4・清水東高)。端山は天才肌でいかに豪がチームのためにがんばれるかによって今年の順位は変わってくるのではないかと思います。
―ピッチの外での注目選手は
増田ですね。主将だけどみんなから愛されていますし、イジられてます。キャプテンとしてやることはやりますし、すごいいいチームになるのではないかと思います。
―幹部について
ヤス(保田隆介副将・法4・横浜Fマリノスユース)はみんなと幅広く絡めるのでマス(増田)に足りないところをヤスが補ってあげればうまく回るのではないかと思います。ちょる(並木凌介副将・総4・国学院久我山高)は自信さえつけば絶対にポテンシャルは大学トップレベルのものを持ってるのでそれを出せれば不動のセンターバックになると思います。
―最後にソッカー部へメッセージ
自分はソッカー部をやめてしまって試合の応援とかもあんまり行けないですけど、いつも慶應のことを気にしていますし、自分を育ててくれたのはソッカー部だと思っているので、そのなかで悔いは残さないで欲しいと思うし、同級生はラスト1年ですけどサッカーやめる人も続ける人も結果云々より楽しんでプレーして欲しいと思います。
―お忙しい中、ありがとうございました
(取材 太田悠貴・池田麻里子)
<武藤嘉紀の出場記録>
3月1日(土) |
Jリーグ1節 |
柏レイソル |
1△1 |
71分out |
3月8日(土) |
Jリーグ2節 |
ヴァンフォーレ甲府 |
1△1 |
72分out |
3月15日(土) |
Jリーグ3節 |
ヴィッセル神戸 |
1●2 |
66分out |
3月19日(水) |
ナビスコ1節 |
鹿島アントラーズ |
3○1 |
59分in |
3月23日(日) |
Jリーグ4節 |
川崎フロンターレ |
0●4 |
ベンチ |
3月29日(土) |
Jリーグ5節 |
清水エスパルス |
3○1 |
85分out |
4月2日(水) |
ナビスコ2節 |
ベガルタ仙台 |
1△1 |
ベンチ外 |
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