第88回関東大学サッカーリーグ 第5節
2014/4/27(日)11:30KO@味の素スタジアム西競技場
慶應義塾大学1-0筑波大学
【得点者(アシスト者)】
慶大:19分 宮地元貴(望月大知)
◇慶大出場選手
GK |
峯達也(政4・桐光学園高) |
DF |
溝渕雄志(環2・流通経済大学付属柏高) |
DF |
望月大知(環2・静岡学園高) |
DF |
並木凌介(総4・國學院久我山高) |
DF |
保田隆介(法4・横浜F・マリノスユース) |
MF |
小坂慎太朗(総2・浦和レッズユース) |
MF |
浅間翔太(理4・暁星高)→72分 山本哲平(政2・国学院久我山高) |
MF |
山浦新(総4・東京ヴェルディユース) |
MF |
増田湧介主将(環4・清水東高) |
FW |
加瀬澤力(総2・清水東高)→75分 澤根祐(商4・清水東高) |
FW |
宮地元貴(総2・東京ヴェルディユース)→89分 平戸奨眞(法4・暁星高) |
慶大のスターティングメンバーは前節と変えず、「堅守速攻」を掲げ試合に臨む。前半は開始から攻守の入れ替わりを見せるが、ボールをなかなか保持できず、相手の時間になる。その中でも溝渕雄志(環2・流通経済大学附属柏高)が懸命に右サイドを駆け上がり、相手陣地に持ち込む。11分、コーナーキックを獲得し、ゴール前の混戦からのこぼれ球を小坂慎太郎(総2・浦和レッズユース)が詰めるが、相手に当たりはじかれる。筑波大の、ギャップに通す速いテンポのパス回しにも、増田湧介主将(環4・清水東高)を中心に時には体を張ったプレーを見せ、果敢にくらいついていく。そして19分、左サイドからのフリーキックを獲得。加瀬澤力(総2・清水東高)の大きく弧を描いたボールに、望月がヘッドで折り返し、浮いた球を宮地元貴(総2・東京ヴェルディユース)が頭でゴールに突きさす。セットプレーからのこのゴールは同様の形が第1、第3節でも見られ、宮地自身、「あいつのところにボールが行った時は何かあるんじゃないかと常に思う」と言うように、攻撃の形が出来上がっているようだ。その後32分には相手のコーナーキックが3本続き、先制点を得た後は守備に集中しつつチャンスをうかがう。前半終了間際の44分、慶大がボールを奪い溝渕が再び右サイドを駆け上がるが、ゴールにはつながらない。
前半をプラン通りに終えた慶大は、1点を守り切りたい後半、「我慢比べ」(小坂)の一層厳しい戦いを強いられる。後半開始3分、中盤で小坂から山浦新(総4・東京ヴェルディユース)にボールが渡り、ドリブルで相手ゴールを狙うがキーパーに阻まれる。7分には相手のショートコーナーからボールを奪い、カウンター攻撃を狙いたいところだが惜しくも息が合わなかった。慶大がチャンスをものにできないうちに、筑波大も意地を見せる。7番の車屋、10番の中野を中心に、ポゼッションサッカーを展開される。27分には浅間翔太(理4・暁星高)に代えて山本哲平(政2・国学院久我山高)を投入。流れを変えたい慶大だが、ゴール脇左サイドで中野をフリーにし、混戦の中すきを突かれシュートを打たれる。しかしこれは峯達也(政4・桐光学園高)がキャッチし、危うくピンチをしのいだ。その後攻防が続くが、38分、左サイドで慶大がフリーキックを獲得。これを加瀬澤に代わって出場した澤根祐(商4・清水東高)があげ、ファーで待っていた増田が頭であわせるが、惜しくもゴール横に。残り5分のところでカウンター攻撃を狙える場面が続くが、パスの乱れもありうまくつなげることができない。我慢比べの状況に疲れを見せ始めるが、43分、宮地に代えて平戸奨眞(法4・暁星高)が出場し、最後まで全員攻撃、全員守備に徹した。90分間集中を切らさなかった慶大が1-0のまま守りきり、試合終了。
「チャレンジャーとして、一試合一試合」(須田監督)。謙虚な姿勢がチーム全体に見られる今季の慶大ソッカー部。昨年の残留争いで下を間近に見た慶大は、サッカーは何が起こるか分からないということを実感している。今節は並木凌介(総4・国学院久我山高)と望月の連携を中心としたブロック体制と、セットプレーでの得点パターンの、守備と攻撃の両方が安定して、勝利をつかみ取ることができた。改善点を挙げるとすれば、カウンターの質をあげ、チャンスをものにする確率を上げることだろう。個人技に頼らず全員がレベルアップし、連携を深めている慶大。次戦の相手である東国大は、保田隆介(法4・横浜F・マリノスユース)が「二年前のアミノバイタルカップ一回戦で負けた相手で因縁があって、個人的に絶対負けたくない」というように、上級生にとっては因縁の相手。今年度昇格チーム相手にも慶大は容赦なく力をぶつけるだろう。今節の結果で第4位にのし上がった荒鷲たちだが、ひたむきに試合に臨む姿勢は変わらない。
(記事 須佐奈月)
慶大の試合後のコメント
須田芳正監督
(今日の試合を振り返って)
相手がギャップで受けて速いテンポで回してくるチームだったので、それに対して縦パスを入れさせないことと、自由にやらせないことを、90分間全体的に出来たので良くやったと思います。守備がすごく集中していたのが良かったですね。
(攻撃陣の交代の意図は)
浅間がつっちゃったから、増を真ん中に入れることで守備の安定をはかれたので、左の澤根はバランスが良くて、もちろん攻撃の選手だけれども守備がとても良かったと思うので、そういうところでは攻撃的な選手を入れたということではないですね。
(ベンチメンバーの新しい顔ぶれと、端山選手の不在について)
端山は怪我で一か月ちょっと様子見なので、体作りをするのが彼の将来的にも良いと思っています。総力戦なので、コンディションの良い選手を入れていく、そんなことで磨見なんかをね、入れてきました。
(相手の筑波大の10番を自由にしてしまうシーンが見られましたが)
10番はポイントになる選手だから、彼らはギャップで受けるのが特徴で、その練習をやっているので、フリーになるトレーニングもやっているだろうし、フリーにはしているんだけども見ておいて、入った瞬間粘り強くっていう形で、彼は非常に良い選手なので、崩されることもあったんだけども結局最後のところで集中して守れたので全体的にはすごくよかったと思います。
(未だ負け無しの、良い状況について)
うちらは常にチャレンジャーで、去年ラッキーに残留できて、基本的には一番下のチームだっていうことを自覚して、どんな相手でもチャレンジャーとしてやっていく、目の前の相手に対して一戦一戦やっていくことですね。失点しないのはすごく評価できるんだけども、次のまた試合に向けて準備をするだけです。
並木凌介副将(総4・國學院久我山高)
(今日の試合を振り返って)
非常に厳しい試合でしたが、守備陣が中心となって絶対に無失点で抑えるという強い気持ちで勝つことができたのでほっとしています。
(ポゼッションしてくる相手への守備が課題ということでしたが)
相手の7番と10番が中心となってボールを回してきていたので、とりあえず個々の1対1で負けないようにということと、ボールの出し手をしっかりマークするということを意識して臨んでいました。
(望月が後ろをカバーしてくれる分、競り合いのボールに出やすいように見えるが)
そうですね。それもありますけどお互いに特徴を理解して鹿児島から連携を深められているので、お互いにカバーできていて連携という面では盤石ですし、やられる気はしてないです。
(それはスタメンを固定してやってきているのが大きいか)
そうですね。特徴をお互いに理解するようになっていると思うので、固定しているのは大きいと思います。
(4年目で初のリーグ戦の最初の1ヶ月を無敗で終えたが、この1ヶ月を振り返って)
体力的にも精神的にもきつかったですけど、このきつさが自分もチームも成長させてくれると思うので、充実した1ヶ月だったと思います。
(次節の東国大戦に向けて)
絶対に無失点で勝つということと、(東国大は)二部から上がってきたチームですがチャレンジすることを忘れないで東国大戦に勝って、その次の早大戦に弾みをつけられるようにこの一週間準備していきたいと思います。
保田隆介(法4・横浜F・マリノスユース)
(今日の試合を振り返って)
先制点を取って、相手をゼロに抑えて逃げ切るというプラン通りでした。
(攻め込まれる時間が長い中で勝ち点3取れたポイント)
攻め込まれてはいたが、そうなることはわかっていたので、監督からも我慢しろと言われていたし、みんなが割り切って守ることができたところはよかったと思います。
(課題と収穫)
課題は奪ったボールをどう運ぶか。収穫はテーマにしてやってきたセットプレーで、ピンチを迎えなかったことですね。
(得点シーンについて)
中大との試合の時にもあの形で決められたので、練習通りだし、形になってきたんだと思います。
(次の試合に向けて)
二年前のアミノバイタルカップ一回戦で負けた相手で因縁があって、個人的に絶対負けたくないので、今の順位に関係なくチーム全体でそういう気持ちを持って戦いたいです。
山浦新(総4・東京ヴェルディユース)
(今日の試合を振り返って)
戦う前から筑波大は自分たちより上手いチームだと分かっていたんですけど、予想以上に長い時間ボールを保持されて苦しい時間が続いたんですけど、峯を中心に耐えて勝ち点3が取れたことは良かったと思います。
(好調の要因は)
戦術理解というか、やることがはっきりしていて、チーム全体が同じベクトルを向いてやれているというのと、4年生が6人出ているんですけど、4年生がしっかりと下級生を引っ張っていけているのも大きいかなと思います。
(守備がベースとなっているが意識していることは)
いくら回されたとしても最後のところで体を張って、10cmでも寄せてシュートコースを消すとか、ディフェンスは気持ちと言われることが多いですが、そこがしっかりとできていると思います。
(改善点は)
取ったあとのボールを攻撃に繋げられなかったので、チームとして取ったあとどこに動き出すかとかどこにパスを出すかとかをはっきりさせて、簡単に取られないようにしていきたいです。
(次節に向けての意気込みは)
次の相手(東国大)もうちと似たようなサッカーをしてくるので、自分たちが余裕を持ってボールを保持しているとカウンターを受けてしまうので、カウンターを受けないようにどういうサッカーをしていくのかを1週間確認したいです。
加瀬澤力(総2・清水東高)
(今日の試合を振り返って)
自分としては、勝ってはいますけどふがいないという一言です。
(具体的には)
前でしっかり収められなかったし、シュートも打てていなかったし、一人だけゲームから離れていたのかなと思いました。
(いまだ無敗という成績については)
ディフェンス陣がしっかり守ってくれているというのが一番大きいと思います。今日も無失点だったので、そこじゃないかなと思います。
(次節に向けて意気込みを)
自分は本当に後がないぐらいに思って、もっと追い込んで自分の成長のことについて必死に考えて取り組みたいです。
宮地元貴(総2・東京ヴェルディユース)
(今日の試合を振り返って)
監督がずっとFWで使い続けてくれるので、その期待に応えられたのは良かったかなと思います。
(相手がつなぐチームで、戦術がうまく機能したように見えたが)
監督からも、今まで自分たちはこの試合のためにやってきたというのを試合前に言われたので、自分たちもそういった統一意識を持って試合に臨めたので良かったと思います。
(ゴールシーンを振り返って)
自分はFWなので、ゴールに向かって飛び込んだだけです。
(望月とのホットラインが出来つつあるが)
あいつのところにボールが行った時は何かあるんじゃないか、と常に思っているので、これからも狙っていきたいです。
(5試合で3点という得点ペースを振り返って)
全然足らないと思います。試合数を超えるぐらいゴールを奪いたいので、今日は他に何回もチャンスがありましたし、次はそういうところを決め切れるようにしたいです。
(若大将と呼ばれていることについて)
(宮地)笑。加山雄三が好きで、個人的にはすごい嬉しいんですけど、周りはそれを意識しているかは分からないですけど、いい意味でチームを引っ張れるようにしたいです。
(次節に向けて)
謙虚な気持ちを忘れずに、また自分がしっかり点を取って、絶対に慶應を勝利に導けるように頑張りたいと思います。
小坂慎太郎(総2・浦和レッズユース)
(今日の試合を振り返って)
相手がポゼッションサッカーで、自分たちはブロックを作るという我慢比べのサッカーでしたが、なんとか勝てて良かったです。
(筑波大について)
車屋選手を中心によくポゼッションしてきて、後半の最後は早く試合が終わってほしいと思いました。
(無失点に抑えました)
ブロックは作れましたが、縦パスを入れられたのとサイドから個人技で突破されてしまいました。
(自身のプレーを振り返って)
セカンドボールを拾えず、ボールも散らせなかったのでダメでした。
(次に向けて)
まだ負けなしですが、ちょっとしたことですぐに流れが変わるので、まずは守備からやり直したいです。
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