【野球】春秋連覇への第一歩! むかわキャンプ

8月9日(土)~22日(金) 夏季・むかわキャンプ @田浦野球場

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高多助監督を中心に円陣を作る慶大ナイン

 

春季リーグ戦を優勝という形で締めくくった慶大野球部。さらなるチーム力向上を図るべく、8月9日~22日にかけて北海道・むかわキャンプを敢行した。すべては春秋連覇、その先の日本一のために―。新たに監督代行に就任した高多助監督の下、鍛錬を重ねる選手たちを取材した。

 

※取材は8月20日、21日に行ったものです。

キャンプの舞台となったのは北海道勇払郡むかわ町にある田浦野球場。連日30℃超という酷暑が襲う日本列島にあって、真夏の暑さを全く感じさせない環境の中キャンプが行われた。

「打のチーム」を掲げ春季リーグ戦制覇を果たした慶大。春の石垣島キャンプでは打撃練習に多くの時間を割いていたという。一方で、佐藤旭主将(商4)は、「春は守備のミスなどもあった」と振り返る。そこで今回のむかわキャンプでは、春同様打撃練習をメインとしつつも、打撃、守備、基礎体力向上の3要素をバランス良く行った、と高多助監督は言う。「自分の自信になった」(藤本知・環4)、「来る前よりは絶対に良くなっている」(三宮・商3)という選手たちの言葉にもあるように、充実した練習を積むことができたようだ。

 

涼しい気候の中練習に打ち込んだ

涼しい気候の中練習に打ち込んだ

20日には今季初のA軍オープン戦が行われた。相手は札幌六大学野球リーグで5季連続優勝を果たしている道都大。これまでのキャンプの成果を試すには絶好の相手だ。試合はWヘッダーで行われ、3-2、6-2で2連勝。さらに21日は旭川大とオープン戦が組まれ6-0で勝利した。

さらなるレベルアップを印象付けた打撃陣。中でも谷田(商3)は道都大1試合目で2打席連続本塁打を放つなど、大学日本代表やむかわキャンプを通じてさらなる成長を見せた。春季谷田とともに強力クリーンアップを形成した藤本知、横尾(総3)や、定位置確保に燃える齋藤(商2)らも鋭いスイングを披露。また、3試合を通じ相手のミスに付け入り効率よく得点を重ねた。

投手陣は3試合で4失点という内容。加藤拓(政2)や三宮など、オープン戦に登板した全6投手が順調な調整ぶりをアピールした。春は加嶋(商3)、三宮、加藤拓の三本柱で多くのイニングを消費したが、秋はこの3投手以外にも石崎(総4)、明(政4)といった投手の登板も多くあるかもしれない、ということを予感させた。

 

各選手が順調な仕上がりを見せる。写真は藤本知

各選手が順調な仕上がりを見せる。写真は藤本知

さらに、むかわキャンプでは新たな若い力が目を引いた。道都大2試合目ではリーグ戦経験の浅い選手たちが多く出場し、それぞれ自らの持ち味を発揮。競争によりチームが活性化している。「春とはまた違ったメンバーが出てきてくれることでチームの底上げになる」(佐藤旭主将)と言うように、新戦力の台頭が慶大に新たな風を吹き込んでいるのだ。

秋季リーグ戦開幕まで3週間を切った。各5大学も打倒慶大を果たすべく、厳しい夏を過ごしていることだろう。しかし、「チャンピオンシップを争う、争える一員としての準備をしっかりしていきたい」(高多助監督)と、慢心などは存在しない。今後もオープン戦を通じ熾烈な競争が繰り広げられる。再び歓喜の瞬間を迎えるために、慶大野球部は歩みを止めない。

(記事・取材 山内貴矢 角谷明香 脇田直樹)

 

◆監督、選手コメント

高多倫正助監督

(就任後初のキャンプですがここまでを振り返っていかがですか)天候に恵まれまして、順調に思ったとおりのキャンプができています。(どんな練習を中心に行っていますか)野球の場合は3つの要素があります。1つは攻撃すること、それと守ること、これは野球の2つの要素ですが、もう1つは基礎体力をつけること。これはスポーツ選手が誰もがやることですけれども、キャンプでは特にそれぞれの向上・強化というのを狙って野球漬けの日々を送っています。(どれを特に重視していますか)どれがというのではなく、バランスよく行っています。バランスが悪いと、良いときと悪いときが出てきますので、安定した力を出すためには3つの要素をバランスよく。野球という1つのカテゴリーですけれども、その中に色々な要素が加わっていますので、それをひとつひとつ丁寧に、まあ時間はかかるのですが、積み上げていくというのが、キャンプの一番の目的です。(キャンプを通じて得た成果の実感はありますか)一日中練習しますので、ずいぶん疲労していると思います。今実感できるのは疲労だけで、これが本当にゲームの中で効果が出るのかどうかというのは、これからの仕上げの練習にかかっています。(本日(20日)がオープン戦初采配。ダブルヘッダーでの2試合を共に勝利で飾りましたが)逆転勝ちしたというのがいいですよね。それだけ粘れたということですので。それは良かったと思います。ひとつひとつのプレーを見ていくと、まだまだ完成度が低いところもありますので、リーグ戦までに、優勝チームということではなくて、もう一度秋に挑戦することができるチームを作っていきたいと思っています。(谷田の2本のホームランについて)本当にいいところで効果的なホームランが出たと思います。なかなかああいうふうには打てませんよね。ご覧頂いたとおりだと思います。(2戦目では下級生の活躍が目立ちましたが、下級生の成長は見て取れるものがありますか)レギュラー選手ではない選手たちが、こういう練習を積み重ねることによって、レギュラーの選手たちを脅かす存在になれる時期ではありますよね。脅かすだけではなくて、取って代わるぐらいの選手になってほしいと思います。4年生は秋で終わりますし、今レギュラーは3年生や2年生も多いのですが、その中でもまた、秋のリーグ戦の前も、あるいはリーグ戦に入ってからも、競争を促していきたいと思っています。(今後の抱負をお願いします)先ほど言いましたように、チャンピオンとしてリーグ戦を迎えるのではなくて、チャンピオンシップを争う、争える一員としての準備をしっかりしていきたいと思います。

 

佐藤旭主将(商4)

(ここまでキャンプを振り返って)涼しい気候でいつもより打ち込める環境の中で、2週間弱ですけど充実したキャンプを送れているかなと思います。(チームとしてはどのような練習を)春は「打のチーム」ということでやってきたので、どちらかというと打撃の方を中心にやりつつという感じで。ただ春は守備のミスなどもあったので、そういうところをなくしていくためにも守備の時間も増えました。キャンプの中では打撃の方が多かったかなと思います。(高多助監督からの指導というものは)技術的な指導というものは個人個人にはありましたがチームとしてというものはあまりなくて、一球に集中していこうだとか、チームとしてやっていこうという方針は示していただいたので、そういう言葉を信じてここからのオープン戦を通じてやっていこうという風に思います。(個人として打撃等で変化はあるか)春あれだけの成績しか残せなかったのでやはり何かを変えなければいけないなと。これまでやってきたものでは同じ結果になってしまうと思ったので、自分なりには細かい点ですけれども打撃においてはすごく考えてキャンプに臨んだので、この2週間を重点的にやってきました。ある程度形にはなってきているかなと思います。(本日(20日)のWヘッダー2試合目では若い力も台頭してきていると感じられた)春とはまた違ったメンバーが出てきてくれることでチームの底上げになりますし切磋琢磨してみんなで競争してやっていくことがチームとしてのレベルアップなので、どんどんみんなで高め合っていきたいなと思います。(今後に向けて)春優勝という結果で終えることができたのは、オープン戦に勝ち続けて自分たちの自信となってリーグ戦に入ることができたことが大きいと思うので、この秋のリーグ戦前のオープン戦も大事にしていきたいです。勝ち癖をつけることも大事なことだと思うので、勝つことにこだわってリーグ戦同様の気持ちを持ってやっていけたらなと思います。

 

杉山由泰学生コーチ(商4)

(これまでキャンプをやってきて、チームの状態は)今日の試合まではしっかり練習して、結構体を追い込んでやってきて試合に臨んだので、ちょっと疲れはあるんですけど、そのなかで一人一人が頑張ってくれたかなという感じです。(どのようなことを重点的に練習してきたか)もう1回個人のレベルアップをメインとしてやっていて、基本的にはさらにバッティングを良くしようという形で練習を行っています。(新たに指揮する高多監督代行について)監督が高多監督になっても選手たちがやることは特に変わらないので、それを全力でやるということだけなので、あとは采配は高多監督に任せるという感じです。(試合をして感じたことは)全体的にちょっとミスが多かったので、そういうところを明日からのオープン戦でなくしていかないといけないかなと思います。(今後に向けて)チームの目標はやっぱり連覇することなので、それに向けて1試合1試合のオープン戦を大事にやっていきたいと思います。

 

藤本知輝(環4)

(キャンプを振り返って)涼しい環境でやらせていただいて、すごくバットも振れたので、自分の自信になったと思います。チームとしても自信がついたと思います。(キャンプでの自身のテーマは)とにかくバットを振って、自信を持って打席に立てるようにするために、練習量を増やすということを意識してやっていました。(現時点での仕上がりは)まあ、ぼちぼちです。(体のコンディションは)普通です。(試合をして)これからって感じなので、また日吉に戻って練習するので、これからもっと上げていければいいなと思います。(これからオープン戦が続いていくが、開幕までにどういう調整をしたいか)オープン戦とかで結果が出なくてもあまり落ち込まずに、もう最後なので、ポジティブにやっていこうと思います。(秋のシーズンに向けて)春優勝して、いろんな人が喜んでくれる顔を見て本当に嬉しかったので、もう1回喜べるように頑張りたいと思います。

 

三宮舜(商3)

(キャンプを振り返って)充実していたと思います。みんなが自分の足りないところを考えてやっていたので、来る前よりは絶対に良くなっていると思います。(現段階で自身の投球については)点数を付けると低いんですけど、まだ自分の投球スタイルが定まっていないというところがあって、このキャンプではいろいろ考えて走り込みや投げ込みをしてきたので、日吉でこれをもっと考えてリーグ戦に合わせたいなと思います。(春は大車輪の活躍だったがその上で秋に向けて)春は序盤だけ良くて終盤はダメだったので、この秋は序盤も調子よく終盤もそれを継続できるようにしたいと思いますし、春よりも良い投球をしたいと思います。自分にできることを精一杯やっていきたいです。

 

谷田成吾(商3)

(キャンプを振り返って)春にレベルアップしないと、と思ってバットをたくさん振ってきたので、北海道のオープン戦で結果が出てすごく良かったなと思います。(主にどんな練習を行ったか)体を大きくするというのは春から常にやっているのですが、それを継続してやっていくのと、スイングが春のシーズン終盤、早慶戦では本塁打を打ちましたけれども、ちょっと乱れかけていて、シーズンが終わってからもあまり調子が良くなかったので、もう一回調子を取り戻そうと思って、バットをたくさん振ってきました。(世界大会に出場したこともあり日程が立て込んでいる中だと思うが、疲労は感じるか)体の疲労はそんなになかったのですが、ちょっと精神的に疲れちゃったんですけれど、間も少しあったので、上手くリフレッシュしてキャンプに来られたのは良かったと思います。(昨日2本塁打、今日(21日)も長打と結果を出したが手応えは)甘い球は確実に打てているので、これを継続しつつ、まだちょっと打てる球を打ち損じたのも何球かあったので、そういうのを確実に打てるようにしていきたいなと思います。(これからオープン戦が続くが、どんな調整をしたいか)長打を打ちつつ、春より打率を上げて、ホームランも数を増やしていくのが目標なので、それをやるためにはオープン戦から打率を残して、ホームランも打ち、自信を持ってリーグ戦に臨めるようにしていきたいと思っています。(今後に向けて)日吉に帰ったら暑い中の練習が続きますけれど、精一杯頑張って、秋も活躍できるように頑張りたいと思います。

 

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