【準硬式野球】エース・中場が躍動!早慶戦で4季ぶり勝ち点奪取! 東京六大学秋季リーグ 早大③

9月22日(月) 慶大―早大 3回戦  早大東伏見グラウンド

 早大から勝ち点を挙げた。初戦にエース・中場(商4)が8回に4点を失い逆転負けを喫した慶大。しかし21日の第2戦は初戦で捕手を務めた主将・小西(政4)が肩を脱臼しながらも9回を投げ切り、見事勝利していた。星を五分で迎えた第3戦の先発は中場。初戦のリベンジを果たすべく登板すると、8回を1失点に抑える快投をみせる。打線も初回に幸先良く2点を取ると、4回表には中場の適時打も飛び出し慶大優位の展開に。さらに8回表には足を絡めダメ押しの1点をもぎ取った。一方8回裏のピンチは前日に気迫の投球をみせた小西が粘り抜き、4対2で勝利。投打がかみ合った慶大は、優勝の可能性を残す貴重な勝ち点を奪取した。

 

   
慶大
早大
 慶大:○中場、小西-小田

 早大:●河合、沼座-松下、利光

慶大出場選手

  ポジション 選手名(学部学年・出身高校)
[6] 猪砂雄介(政2・立命館宇治) 
[5] 渡辺裕貴(理4・成蹊)
[7]9 戸田周一郎(経4・東海)
  稲山学人(経4・慶應)
[3] 八田真宏(経4・慶應)
[9] 谷上理樹(経3・小田原)
  H  新井淳起(経4・慶應)
  辻眞貴(政4・慶應)
[8] 堤省悟(経3・慶應)
[4] 澁田夏基(法4・横浜緑ヶ丘)
  福田淳史(政2・春日部)
  伊勢大輝(経3・慶應志木)
[2] 小田洸(経4・慶應)
 9 [1] 中場海和人(商4・鎌倉)
  小西雄介(政4・慶應)
 

第1戦、第2戦と勝ち星を分け合い第3戦にもつれた秋の早慶戦。第2戦では主将・小西が肩を脱臼しながら9回を投げ切る気迫をみせ、10対6で勝利。勝った方が勝ち点を得る第3戦の先発マウンドには第1戦で終盤に崩れてしまったエース・中場が上がった。対する早大先発は春季にMVPに輝いた右腕・河合。試合は両エースがお互いの意地を懸け投げ合う締まった好ゲームとなった。

 

1回表の慶大、2番・渡辺裕(理4)が左前二塁打で出塁するとすかさず三盗。さらに続く3番・戸田(経4)は四球に二盗でいきなり一死二・三塁の大チャンスをつくる。ここで4番・八田(経4)の放った打球を早大遊撃手がエラー。一気に走者が2人還り、足で相手を揺さぶった慶大が初回に2点を先制する。

一方先発の中場は低めにコントロールされた真上から投げ下ろす威力のある直球を軸に、早大打線につけいる隙を与えない圧巻の投球を続ける。安打や四球で走者を背負う場面もあったが、要所で縦の変化球がコースに決まり後続を断つ。7回まで打たれたヒットはわずか3本で無失点。「(負傷した)小西のために、キャプテンのために頑張る」と意気込んだマウンドで、中場が初戦の悔しさを晴らしてみせた。

 

早めに追加点を欲しい打線は4回表、7番・澁田(法4)が2アウトから四球で出塁。すると8番・小田(経4)が左前打で続き、迎えるは先発の中場。2ボール0ストライクとバッティングカウントになった3球目を叩くと打球は左前に鋭く抜け、この試合チーム唯一の適時打に。エースが自らのバットでリードを3点に広げる。中場が投打共に輝いた。

 

さらに慶大は8回表に右前打で6番・堤(経3)が出ると、続けざまに盗塁を2度成功させ1死3塁。足を生かし一気にチャンスメイク。この足が相手の動揺を誘ったか、早大捕手が三塁へまさかの悪送球。三塁走者・堤がこの間に生還し、相手のミスに付け込んだ攻撃で貴重なダメ押し点を奪う。

 

こうして4対0で迎えた8回裏。早大もこのまま黙ってはいない。先頭打者から中場が3連打を浴びついに1失点、さらに四球でなおも無死満塁の大ピンチ。ここで中場はマウンドを前日にケガを負いながら完投勝利を挙げた主将・小西に託す。「中場がずっと頑張って抑えていたので、もう何がなんでも抑えてやろうと思った」という小西はこのピンチを空振り三振、内野ゴロ2つと最少1失点で切り抜ける。「試合に入ったらもう全然痛みは感じない」と二日前に肩を打球したとは思えない気合のこもった投球で、早大に傾きかけた流れを見事に引き戻した。

 

そして4対2の9回裏。マウンドの小西は力みからか四球を出してしまうが、最終打者を遊ゴロに仕留めゲームセット。小西と捕手・小田はがっちりと抱き合い、マウンドには慶大の歓喜の輪が広がる。早慶戦で4季ぶりに挙げた勝ち点にスタンドも総立ちで喜んだ。「みんなでひとつになってやってきたので、そういう気持ちが実った」と小西主将は胸を張る。優勝の可能性を残し迎える後半戦。宿敵相手に奪った勝ち点は大きな自信になるだろう。今日のように機動力を絡めた攻撃、粘り強い守備ができれば勝てない相手などないはずだ。「集大成」(中場)の秋を戦う慶大準硬式野球部が、頂点に輝くことを期待したい。

(記事 砂川昌輝)

 

選手のコメント

 

小西雄介主将(政4)

(今日の試合を振り返って)勝てて嬉しいです。(無死満塁のピンチで登板だったが)本当は最初から出たかったんですけど二日前に肩を脱臼して出られなかったので。中場がずっと頑張って抑えていたので、もう何がなんでも抑えてやろうという気持ちで投げました。(投げている時の肩の状態は)試合に入ったらもう全然痛みは感じないので、一球一球集中して投げていました。(四季ぶりに早大から勝ち点)嬉しいというのに加えて、個人的には1年の秋に自分が登板して早慶戦で逆転負けをしているので、その悔しさを晴らしたいというか。その時の先輩の分までという気持ちがありました。チームも相当苦しんだ時期があってバラバラになりかけたんですが、OB含め選手、スタッフ、マネージャーみんなでひとつになってやってきたので、そういう気持ちが実ったかなと思います。(今後に向けて)やっぱり優勝を目指してやってきているので、そのためにやっていきたいっていきたいです。ひとつひとつ、自分たちはそんなに強いチームじゃないというのは分かっているので、一個一個、一球一球集中してやっていきたいなと思います。

 

中場海和人(商4)

(今日の試合を振り返って)初戦に僕が投げてふがいない結果に終わってしまったので、今日は最後に代わってしまったんですけど初回から投げて勝ちゲームをつくれたことは満足しています。(試合への意気込み)キャプテンが肩を初戦に肩を外してしまい、そのあと泣きながら電話してきて。エースとしてそういうのを聞いたときに絶対にこれ以上負けられないなと。小西のために、キャプテンのために頑張るという思いで臨んでいました。(かなり直球が走っていたが)初戦で手投げになってしまっていたのを、調子がいい時のビデオを見て修正できました。この点は自分でも良かったと思います。(4回には自ら適時打を放った)あまり考えていなくて、来た球にあわせる意識でいつも臨んでいます。上手く対応できました。(試合終盤の心境)8回は完投するつもりでいたのでなんとか自分でミスを帳消しにしようと思っていたんですけど、力んでしまったので最後は小西に助けてもらいました。(今後に向けて)まだ優勝争いができる戦線に残ることができたので、来週また頑張って集大成として良い結果を残せるように頑張りたいと思います。

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