慶應スポーツ新聞会

【野球】エースが魂の213球完投も無念のサヨナラ負け 初戦を落とす 明大①

10月18日(土) 明大1回戦

まさかの暴投サヨナラ負けに肩を落とす加藤拓

まさかの暴投サヨナラ負けに肩を落とす加藤拓

熱投と呼ぶにふさわしい投球を見せたエースに、打線が応えられなかった。慶大先発・加藤拓(政2)がマウンドを一人で守り抜いたものの、打線は3得点のみの不完全燃焼。加藤拓は延長12回裏2死一,三塁の場面で迎えた打者を敬遠しようとするも、その初球、この日投じた213球目がまさかの暴投。あまりにもあっけない幕切れで、慶大の優勝が大きく遠のく試合となってしまった。

  10 11 12  
慶大
明大 1×
 慶大:●加藤拓―小笠原  

 明大:山﨑、○上原―坂本

◆慶大出場選手

ポジション 選手名(学部学年・出身高校)
[7] 佐藤旭(商4・慶應)
[6] 山本泰寛(環3・慶應)
[9] 谷田成吾(商3・慶應)
[5] 横尾俊建(総3・日大三)
[8] 藤本知輝(環4・慶應)
  梅野魁土(環3・福岡大大濠)
[4] 竹内惇(商4・慶應)
[3] 齋藤大輝(商2・慶應)
  北村祐樹(商3・丸亀)
  近藤俊(環4・國學院久我山)
  沓掛祥和(商2・慶應)
  羽入田雄大(環4・長野)
  鈴木隆史(経4・仙台二)
  山口翔大(環2・桐光学園)
[2] 小笠原知弘(環3・智弁和歌山)
[1] 加藤拓也(政2・慶應)


213球の大熱投も実らず

213球の大熱投も実らず

4勝2敗の勝ち点2で明大戦を迎えた慶大。優勝するために1敗が命取りとなりかねない状況の中、慶大は先発をエース加藤拓に託す。

加藤拓は初回、四球と犠打で1死二塁とされ、打席には現在首位打者の明大3番・髙山。しかし加藤拓はこのピンチで早速ギアチェンジ。151キロを計測する直球で空振りを取り、最後は変化球で三振に仕留める。続く4番・糸原には痛打されるも三塁手・横尾が華麗にダイビングキャッチ。立ち上がりを無失点で切り抜ける。

 

明大先発は六大学通算20勝左腕・山﨑。その明大エースに対し慶大打線は3回、下位打線の連打でチャンスを作り、無死一,二塁でトップバッターの佐藤旭(商4)が打席に入る。セーフティ気味のバントなどで揺さぶるも追い込まれ、粘ること7球目。「思い切って何とか後ろにつなげていきたい」という思いで放った打球はしぶとくライト前にポトリ。打球が大きくイレギュラーバウンドする幸運もあり、先制の適時二塁打となる。

なおも無死二,三塁の大チャンス。しかしここで山本泰(環3)、谷田(商3)が相次いで凡退。この嫌な流れを断ち切ったのは4番・横尾(総3)だった。ライトへ上がった打球は一瞬平凡な右飛かと思われたが、打球は驚くべき伸びを見せあわや本塁打の2点適時三塁打。慶大が3点を先制する。

 

併殺打に倒れた沓掛。まずい攻撃で好機を逸した

併殺打に倒れた沓掛。まずい攻撃で好機を逸した

150キロを超える豪速球で打者を抑えこんでいた加藤拓だったが4回、第1打席は抑えこんだ髙山に本塁打を献上し1点返されてしまう。さらに糸原の放った左中間への打球は中堅手・藤本知(環4)がグラブに当てるも落球し三塁打。その後ゴロで追加点を許し3-2。試合の行方は突如曇り始める。

6回には1死一,二塁のピンチで明大5番・石井の放った打球は三塁手正面へ。5-4-3の併殺打でピンチ脱出と思われたその時、二塁手・竹内惇(商4)が一塁へ痛恨の悪送球。ミスが失点につながり同点に追いつかれてしまう。なんとか勝ち越したい打線だったが、3回以降は山﨑の鋭く落ちる変化球になかなかバットを当てることができない。9回は無死一,二塁とするものの、犠打失敗と併殺打であっさりチャンスを潰してしまう。

加藤拓は中盤以降疲れからか直球もほぼ140キロ台中盤にとどまったが、要所を抑える粘りの投球。10回には球数が180球に達する中で上位打線から連続三振を奪うなど力投を見せ、仲間の援護を待つ。しかし打線は代わった上原からも得点を奪えず、延長12回表を終了してなおも3-3。

 

横尾の適時打に沸くベンチ。奇跡の逆転Vへ勝利あるのみ

横尾の適時打に沸くベンチ。奇跡の逆転Vへ勝利あるのみ

規定により最終回となる延長12回裏、慶大は2死一,三塁と窮地に追い込まれる。ここで髙多助監督はマウンドへ。バッテリーと指揮官が選んだのは敬遠策。本日加藤拓が投じた213球目―。これが大きく逸れてしまい、三塁走者が生還。エースの孤軍奮闘には、暴投によるサヨナラ負けという非情な結末が待っていた。

主将の佐藤旭が「ミスをした方が負けるということを象徴する試合」と振り返るように、今日は勝負どころで投打に渡ってミスが目立った。優勝した昨季に比べ、現在の慶大ナインは投打ともに本来の実力を発揮できないでいる。しかしそんな手痛い敗戦の中で気を吐いたエース・主将・4番。チームを引っ張る彼らの活躍はナインを改めて決起させたはずだ。正真正銘の「背水の陣」(髙多助監督)となった慶大。ナインがプレッシャーに負けず真の力を発揮したとき、形勢逆転へ一筋の光が差し込むはずだ。

 

【Keispo pick up】またまた「先輩」討ち!守備も復調の美技 横尾俊建

日大三高の先輩から放った強烈な一撃

日大三高の先輩から放った強烈な一撃

前カードの法大戦後、横尾が今日へ向けてこう話していた。「高校の先輩である山﨑投手を打ちたいです」。六大学の好投手の中でも特別意識する日大三高の先輩から、昨季に続いてまたも適時打を放ち見事に有限実行。今季失策が見られた守備でも本来の安定感を取り戻し、初回にはピンチを救うダイビングキャッチを披露するなど9度におよぶ守備機会を無失策でこなした。後がない慶大を、横尾が攻守の活躍で救う。

 

(記事 角谷明香)

 

 

 

◆打撃成績
10 11 12
[7] 佐藤旭 左飛 右2① 見三振 空三振 左線2
[6] 山本泰 右安 遊ゴ 空三振   空三振 遊直
[9] 谷田 空三振   空三振   三飛 一飛 遊飛
[5] 横尾 遊直 右越3② 空三振 中安 左飛
[8] 藤本知 三ゴ 中飛 中飛 右安 空三振
8 梅野
[4] 竹内惇 二ゴ 一ゴ 二安 投ゴ 遊ゴ
[3] 齋藤 一ゴ 一失
H 北村 一ゴ
3 近藤
H 沓掛 三併
3 羽入田
H 鈴木隆 捕飛
3 山口
[2] 小笠原 中安 三併 三ゴ 空三振 空三振
[1] 加藤拓   左安 空三振 遊ゴ 右飛
◆投手成績
投球回数 打者数 球数 安打 三振 四死球 失点 自責
加藤拓 11 2/3 47 213 11
◆監督、選手コメント

髙多倫正助監督

(今日の試合を振り返っていかがですか)加藤がよく頑張っていたので勝たせてあげたかったのですが、上手く行きませんでしたね。(本日の敗戦により優勝戦線から後退してしまいました)もし明日立教が連勝すると、我々は優勝の目がなくなるのですが、早稲田が勝てば一縷の望みがつながるので、第一試合の結果にもよるのですが。そうは言っても対抗戦なので、一生懸命やって明治にはなんとか勝ちたいですよね。(加藤投手が延長12回を213球で完投したが、投手起用についてはどうお考えでしたか)投球数がかなり多いというのも気がついていましたので、9回が終わった時点で代えてやろうとも思ったのですが、責任感が強いので、自分で最後まで投げる気だろうなと思いました。加藤にも一応確認したのですが、投げられるということだったので。(加藤投手の意思を尊重した形でしょうか)そうですね、他のグラウンドにいる選手も加藤に投げさせてくれという話だったので。ちょっと多すぎましたが、投げてもらいました。(最後マウンドに行かれたのは敬遠の指示ですか)はい。バッテリーと相談して、髙山君を敬遠し、次のバッターで勝負をしようと決めたのですが…。(本日の敗因は)3点取った後、明治のピッチャーを立ち直らせてしまったことですね。攻撃がうまく行かなかったです。もう1点2点取れていた場面もあったと思うのですが、監督の采配ミスですね。(相手先発はプロ注目の山﨑投手だったが印象はいかがでしたか)振り負けている感じはなかったので、いつかもう一度捕まえられると思っていたのですが、なかなか点を取れるまでになりませんでしたね。(打線の調子はいかがですか)相手のピッチャーもいいですからなかなかうまく行きませんね。バットはよく振れているのですが、少しタイミングがずれているのかなという微妙なところです。全く当たっていないというわけではないので。明日明後日頑張ります。(明日へ向けて一言お願いいたします)今日も負けては困る試合だったのですが、今日以上に負けられなくなってしまいましたので、背水の陣を続けながら頑張って行きたいと思います。

 

佐藤旭主将(商4)

(試合を振り返って)負けるべくして負けたなと思います。ミスをした方が負けるということ象徴する試合でした。反省材料がたくさん出たという感じです。(加藤拓の投球について)本当によく投げてくれました。打線が点を取れなかったので加藤には申し訳ないなと思います。(第2打席はバントの可能性がある中で強行策に出て適時打)最初はランナーを送れればいいかなと思ったんですけど、追い込まれてからは思い切って何とか後ろにつなげていきたいなという思いで。あわよくば点も取りたかったので、どんな形であれ最高の結果になりました。(今日の試合を踏まえていかに修正して明日に臨むか)粘り強く戦うことはできていると感じています。ただミスをどれだけカバーできるかというところで明日明後日に向けて修正していきたいです。まだ終わったわけではないので、明日勝つことだけを考えて準備していきたいです。(明日以降の戦いに向けて一言)本当にもう崖っぷちなので明日明後日勝ってつなげていきたいなと思います。

 

鈴木隆史(経4)

(今日の試合を振り返って)加藤が頑張っていたので、打撃陣がなんとかしたかったんですけど、それが叶わず残念な結果になってしまいました。(4年目にして自身初打席の感想)ここをずっと目標にして四年間頑張ってきたので、今日は結果がでなくて残念でしたけどまたチャンスがあれば頑張りたいという気持ちですね。(神宮のグラウンドの雰囲気は)やっぱりオープン戦とかとは違って観客がすごくいて、すごくやってて楽しかったですね。(明日以降に向けて一言)自分はバッティングが売りなので勝負所で打てるように頑張りたいと思います。

 

小笠原知弘(環3)

(加藤投手のリードを振り返って)よく頑張ってくれたな、という感想です。もともと実力のあるピッチャーなので今までは抑えて勝ってきたんですけど、今日は制球の乱れやエラーがあったので苦しかったです。でも、その中でよく投げてくれたなと思います。最後の暴投のところは、勝負すればよかったかなと思います。(12回裏、髙多助監督とはマウンド上でどのような話を)助監督ご自身は(敬遠でも勝負でも)どっちでもいいという感覚だったと思うんですけど、僕と加藤の意見としては歩かせた方がいいのかなということで、敬遠をしました。その結果、暴投ということになってしまったので、加藤が抑えてくれることを信じて、勝負すればよかったかなと思います。(ご自身の打撃面について)調子は悪くないんですけど、相手もいいピッチャーでなかなか打ちづらいですね。今日は自分が先頭打者の場面で打つことができてよかったです。先頭打者の場面や打点を取れる場面で打ちたいといつも思っているので。(次の試合に向けて)もう勝つしかないので、連勝して優勝できるチャンスが残るように、今日は練習してゆっくり休んで明日に備えたいと思います。

 

谷田成吾(商3)

(今日の試合を振り返って)加藤が頑張ってくれたのに、野手が点をとることができず、本当に申し訳ないです。(山崎、上原両投手を打ちあぐねた)各自で自分のバッティングをしていこうとしたんですけど、チャンスであと一本が出せませんでした(明日に向けて)勝つしかないので、今日勝てなかった分を明日取り返したいと思います。

 

山本泰寛(環3)

(今日の試合を振り返って)一つのミスが明治の粘り強さにのまれてしまった試合でした。(明治戦に向けての対策は)いつもと変わらず、で きる準備をしてきました。(10回のチャンスでの打席について)2アウトでランナー2塁だったので、僕で返す気持ちでやりました。(明日に向けて一言)もう負けられない試合なので、明日も全力で1回から最終回まで、延長でも勝つつもりで頑張ります。

 

横尾俊建(総3)

(試合を終えて)勝てた試合でしたね。(高校の先輩の山﨑投手が先発だったが)負けてしまったので山﨑投手の勝ちです。(高校の同期の高山選手のホームランについて)えぐいですね。あんなの打てるのかと思いました。(守備のファインプレーについて)今日は試合に集中できていました。調子が悪いわけではないので、しっかり自分を作って準備して試合に臨みたいです。(明日に向けて)頑張ります

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