【男子ラクロス】東西対決制し2年ぶりに“悲願”達成/全大選手権 関西学院大戦

大学日本一を決める大一番の相手は、関西王者・関西学院大。1Qこそ相手にリードを許していた慶大だったが、2Q以降は木島(経4)の活躍で勢いに乗り、大量得点で試合の流れを奪い返した。最強攻撃陣に加えて守備陣も堅い守りで相手を圧倒。王者の実力を80分間とことん見せつけた慶大が、2年ぶりに学生日本一の座に輝いた。  

 

全大選手権決勝戦 vs関西学院大 2014/11/30(日) 11:30F.O. @駒沢公園陸上競技場

チーム名

1Q

2Q

3Q

4Q

慶大

1

3

3

9

16

関西学院大

2

0

3

3

8

 

雨がぱらつく中で行われた決勝戦。試合は開始6分にしていきなり動いた。慶大が以前から課題点として挙げていた「試合の入りの遅さ」が見え、動きが鈍ったところから相手に先制を許してしまう。すぐさまAT高橋(経4)のショットで同点に追いついたが、簡単なミスから再びリードを奪われるなど勢いに乗り切れない。それでも、主将であるG安藤(商4)がナイスセーブで何度もピンチを乗り切り、1Qは我慢の時間帯が続いた。

切り替えて臨んだ2Qでは、「チームの流れが悪い時でも思い切ってプレーすることを意識している」という木島(経4)の活躍が光る。開始から9分、相手の守備陣をぬって素早く放ったショットは見事ゴールに突き刺さった。相手の厳しいマークにあいながらもゴールを狙い続け3得点を奪う好調ぶりを見せた。“慶大の切り込み隊長”が己のクロスでこの日もチームを鼓舞する。

得点を喜び合う選手たち

得点を喜び合う選手たち

10分の休憩をはさんでから行われた3Q。相手にショットを決められ1点差に迫られるも、“攻撃陣の大黒柱”AT脇阪(経4)が落ち着いてゴールを狙い相手を突き放す。MD井上(商3)、そして脇阪が再びショットを決め、リードを広げてこのQを終えた。

運命の4Q。悲願である「日本一」を達成するためには「学生王者」にならなければならない。何としてでもリードを守りきる―。ここで意地を見せたのは“大学リーグ最強”との呼び声高い攻撃陣だ。MD林(経4)、木島が鮮やかにショットを決めれば、何とMD陣野(法4)までも得点を奪う。相手からクロスチェックを申請されるもクロスは合法だったため、得点が認められた。さらにケガから復帰したAT大西(経4)、高橋、MD伊藤(法4)らも追加点を決め、圧巻のプレーで関西王者の息の根を止めにかかる。攻撃陣に火がつけば、呼応するように守備陣も踏ん張った。終盤相手に追い上げられるも厳しいマークで寄せつけない。圧倒的な攻撃力と鉄壁の守備で、慶大が見事な勝利を収めた。

今大会最優秀選手に輝いた陣野

今大会最優秀選手に輝いた陣野

2年ぶりに学生リーグを制した慶大。原動力となったのは、2年前に同じ栄光を味わった4年生たちだった。しかし「自分たちの代で(達成できた)、というのは特別」(脇阪)と彼らが語るように、あの頃とは見える景色がまったく違う。次に見たいのは、先輩たちが誰も見ることのなかった光景だ。「学生日本一」はあくまでも「日本一」になるための通過点でしかない。試合の入りの遅さなど課題点も残るが、今の慶大は弱点をカバーし試合の流れを奪えるだけの勢いとパワーがある。学生より練習時間が減るため体力面では劣るが、技術力の高い社会人チーム相手にどこまで善戦できるか。学生ラクロスの頂点に立った今、“DEFEAT”すべきは弱い自分たち、そしてさらなる高みだ。

表彰台に上がる脇阪、安藤、林(左より)

表彰台に上がる脇阪、安藤主将、林(左より)

(記事 河合美紀)

 

【選手コメント】

 

安藤圭祐主将(商4)

(試合を振り返って)勝てたことはとても良かったんですが、相手がとても強くてタフな試合になったという印象です。(以前から課題となっていた試合の入りの遅さについて)今日も入りが遅かったですし、簡単なミスから相手に失点を許してしまったというのは反省すべき点だと思います。(試合中「DF陣とコミュニケーションを取れ」と指示を受けていたが)シュートを打たせて良い位置なのかそうではないのか、1番大切な部分でコミュニケーションエラーが起こっていたので、しっかり取るようにという指示を受けました。(4年生攻撃陣が好調だったが)4年生が好調なのは良いことですけど当たり前なので、次も同じかそれ以上のパフォーマンスを期待しています。(2年ぶりの学生王者だが)率直に嬉しいです。先輩方に少しは恩返しできたかなと思っています。ただ目標達成まではあと2つ残っているので、気を引き締めてしっかりやっていきたいです。

 

木島薫(経4)

(試合を振り返って)大学選手権を制することができたのは素直に嬉しいです。(4得点決めたが)チームの流れが悪い時でも思い切ってプレーすることを意識しているので、それが上手くいったというような感じです。(2年ぶりの学生王者だが)嬉しいですけどあくまで通過点だと思うので、自分たちの目標を達成できるようにしっかり精進したいです。

 

脇阪俊輝(経4)

(試合を振り返って)ずっと言ってきたことなんですけど、試合の入りの部分が悪かったです。ただ、慶大は攻撃陣が強くて守備陣が弱いと自分たちでも思っていたんですが、今日は守備陣もすごい良くて、相手に点を取られずに流れが来たので、そこはとても感謝しています。(チームの好調の要因は)全員がしっかり攻めることができて点が取れるというのが相手にとって脅威だと思うので、それが調子が良い要因だと思っています。(トロフィーを掲げた時の気持ちは)すごく嬉しかったです。2年前に学生日本一になった時もいたんですけど、やはり自分の代で、というのが特別ですね。(次の試合に向けて)今までは相手が学生でしたが、社会人は運動量では劣る代わりに技術が高いので、そこに焦点を当てて練習していきたいです。

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