【ラグビー】前半エンジンがかからず、春季初黒星/招待試合 明大戦

明大との招待試合が山梨県で開催された

明大との招待試合が山梨県で開催された

ここまで、春季大会Bグループで開幕3連勝を飾る慶大。上位のAグループの明大との招待試合が小瀬スポーツ公園山梨中銀スタジアムで開催された。前半は、なかなか慶大の持ち味を発揮できない。明大に主導権を握られたまま、0―14で折り返す。後半は何とか立て直し、2トライを返すも逆転には至らず、14-28でノーサイド。「大学日本一」を目指す慶大にとって、秋季は絶対に負けられない相手。この悔しさを今後の躍進につなげてほしい。

 

招待試合  vs 明治大  

2015/5/24(日)1300K.O.小瀬スポーツ公園山梨中銀スタジアム  

得点
慶大 明大
前半 後半 前半 後半
PG
DG
14 小計 14 14
14 合計 28
得点者(慶大のみ)

T=松岡、徳永

G=青井2

出場メンバー
ポジション 先発メンバー 交代選手
1.PR 堀切 厚輝(環3・國學院久我山)
2.HO 松岡 大介(環3・小倉)
3.PR 出口 桂(商4・明善) →18 八木 悠太朗(経4・慶應)
4.LO 西出 翼(経4・慶應NY)
5.LO 佐藤 大樹(総2・桐蔭学園) →19 辻 雄康(文1・慶應)
6.FL 廣川 翔也(環3・東福岡)
7.FL 徳永 将(商4・慶應)
8.No8 松村 凜太郎(商2・慶應)
9.SH 南 篤志(総4・清真学園) →21 中鉢 敦(経3・慶應)
10.SO 矢川 智基(環4・清真学園)
11.WTB 清水 祐輔(環3・明和) →23 澤根 輝賢(総4・佐倉)
12.CTB 青井 郁也(商2・慶應)
13.CTB 田畑 万併(環4・桐蔭学園)
14.WTB 佐野 航太(政4・慶應)
15.FB 楠本 遼(経3・慶應)
 

 

アタックでも存在感を見せる佐藤

アタックでも存在感を見せる佐藤

 

前半の試合運びは、明大に軍配が上がる。開始10分、細かくフェーズを重ね陣地を拡大してきた明大がトライ。その後も、スピードやパスで揺さぶり、慶大のディフェンスラインを割っていく。一方慶大は、20分、相手陣のゴールライン近くでラインアウトのチャンスを得るも失敗。チャンスを掴みきれない。ただ、時間を経るごとに動きは良くなっていく。アタックでは、CTBで出場した青井のビックゲインやWTB清水のランがゲームにスピード感を生む。ディフェンスでは、LO佐藤、FL廣川、FLで副将の徳永のタックルが低く刺さった。しかし、これらのプレーも直接得点にはつながらず、終了間際に明大に追加点を奪われると、前半は0-14で折り返す。

 

 

 

 

1年生の辻も躍動した

1年生の辻も躍動した

ハーフタイムで「意識を統一して」(青井)臨んだ後半。前半と比べ、パスのスピードや精度が上がった。他方スクラムにおいては、押され負ける回数が増える。得点は、前半同様明大が先制するも、21分、敵陣深くで密集を作ると、HO松岡が球を持ち出し、明大のディフェンスの穴をついてトライ。勢いづいた慶大は、続く25分にも、WTB佐野、青井のビックゲインでチャンスを作ると、ゴール前の密集から徳永がトライを決めた。30分からは、LO・1年生辻が途中出場。フィジカルを生かして相手のプレッシャーを跳ね除けビックゲインを見せた。しかし、明大の勢いを止めることは出来ず、14-28でノーサイド。伝統校同士の対決は、苦い敗戦を喫した。

 

 

敗因の一つは、前半の主導権を明大に握られたことにある。「自分たちがペナルティを犯して苦しくしてしまった」(矢川)とあるように、セットプレー、パスにおいてミスが目立ち、試合の流れを止めてしまうことや相手にチャンスを与えてしまうことが多かった。組織的なディフェンスも今一つ。個々に好タックルも見られたが、分厚い壁となるようなディフェンスラインを形成することは出来なかった。他方、後半はボールキープ・パス・ゲインをテンポ良く進められた慶大。FW・BK問わず、ランで試合を動かすシーンが見られた。これまでの慶大とは一線を画す、ランニングやテンポを意識したラグビーは、今季の強みとなるだろう。アタック面では手応えを掴んできた慶大。ディフェンスをいかに立て直すかが今後の勝利の鍵となる。

 

【ケイスポ的MOM】積極的な攻めで攻撃の起点に 南篤志

「4年生としてチームを率いる自覚が出てきた」と言う。

球出しのバリエーションも豊富だ

2年次から対抗戦に出場し、チームをけん引してきた南もついに大学生活ラストシーズン。「自分たちで指示をして周りを動かしていくということを意識している」と話す今季、自身のプレースタイルにも変化が見られる。素早く接点に駆けつけ、左右に大きくパスを出すことに加え、状況によって機転を利かせたクイックスタートも使用する。本試合でも、後半持ち直した契機には、緩急のある積極的なパス出しをした南の存在があった。“動き”のあるラグビーを目指す慶大。南の積極的なプレーは、チームを勢いづけるに違いない。

 

 (記事・長尾里穂)

 

 

  コメント

松岡大介

(試合を振り返って)スクラムが少し悔しい試合でした。(ディフェンス・アタック面で良かった点は)個人的には、低いタックルは出来たほうかなと思うのですが、アタックではプレッシャーをかけられ、自分たちのアタックが全く出来ていなかったので、そこは課題だと思います。(スクラムでの明大の印象は)自分たちよりすごく重いので、トレーニング不足が目立ちました。(スクラムの今後の課題は)練習では上手くいっていたんですけど、試合では上手くいっていないので、もっと考えて工夫して色んな相手と練習したいなと思います。(春季大会Aグループの大学との今季初の試合であったが)今まで春季大会では全部勝っていたんですけど、他のチームに比べて明大はプレッシャーが全然異なっていて。もっと走りを始めとした練習の必要性を感じました。(青学戦に向けて)とりあえず自分はラインアウト、スクラムどちらも100パーセント出すということを課題にして頑張ります。

徳永将副将

(試合を振り返って)今日は明大という伝統校相手にみんな気合いを入れて臨めていたのですが、一個一個細かいセットプレーでのミスが重なって最終的に勝ち切れなかったのがもったいない試合でした。(ディフェンス・アタック面の印象は)ディフェンス面では、総じて前に出ることが出来なくて。組織で出ることが出来なくてタックルの成功率が低い試合だったのかなと思います。アタック面では、今までの試合に比べて継続して相手を走らす試合が出来たので良かったかなと思います。(春季大会三戦を経て課題となっていたディフェンスの反省を生かせた点はあるか)ブレイクダウンで一人ひとりがファイトする意識が出てきたのは良かったと思うんですけど、チームで今練習している足下に入るレッグタックルが今日はあまり多くなかったので、引き続きそこは修正していけたらなと思います。(徳永選手自身のタックルについては)個人としては成功率はそんなに低くなかったので継続していけたらなと思います。(青学戦では何を頑張りたいか)引き続きディフェンスにおいて、組織でしっかり守れるように、秋に向けて努力していきたいと思います。

南篤志

(試合を振り返って)もっと速いテンポで試合を進めたかったのですが、明大のテンポに合わせてしまって、FW戦に持ち込んでしまったのが敗因だと思っています。(ディフェンスの出来は)タックルなど、低く入るというのが目標だったのですが、高くなってしまいました。(アタックについては)前半は、自分たちのペナルティですぐに自陣に入られて点を入れられることが多かったのですが、後半、2トライ連続で決められた時は良いテンポで出来たと思うので、あれがいつでも出来るようにしていきたいです。(明大の感触は)やはりレベルの高いチームだということを再認識しましたし、僕たちは帝京大を目標としているので、越えなければならない壁だと思いました。(これまでも打倒帝京を目標にしてきたが、ご自身が昨年度から強化した点は)昨年や一昨年は、先輩方に指示を任せることが多かったのですが、今年は最高学年ということで自分たちで指示をして周りを動かしていくということを意識しています。(本試合では、南選手自身も前半より後半の方が動きが良かったですが)後半の方がアタックの時間が多かったということもあるのですが、前半押されてしまったので後半意識して積極的に攻めました。(今後に向けて)春シーズンはラグビーを作る時期なので、自分たちのラグビーを作るために練習していきたいです。

矢川智基主将

(春季Aリーグのチームと初対戦だったが)結果的には自分たちがペナルティを犯して苦しくしてしまって、自分たちのラグビーができなかったです。相手が強かったのもあるのですが、自分たちのスキル、意識にも問題があったと思います。(アタックでクイックリスタートを多用していたが)攻撃のテンポをあげて相手を疲れさせようと思っていて、そういうラグビーをしたいのでわざわざ外に切ってというのもあって、あのような形になりました。そこもまだ徹底できてないので改善しなくてはと思っています。(ディフェンス面は)タックルが高くなってしまって、相手の強いプレーヤーにゲインされてしまいました。このままでは秋勝てないと思うので改善したいです。(来週の青学大戦に向けて)相手がどこであれやることは変わらないので、しっかりと自分たちのラグビーをして勝ちたいと思います。

青井郁也

(試合を振り返って)慶大らしいテンポのあるラグビーができるように、試合前から意識していたのですが、結局ブレイクダウンで負けてしまいテンポが出なかったので、修正していかなければならないと思います。(明大の感触は)フィジカルが強く、ブレイクダウンでの圧力が全然違いました。(ここまで課題としてきたディフェンスの出来は)体を張って出来たのですが、スクラムやラインアウトなどセットプレーでプレッシャーを掛けられてしまいました。(アタックについては)後半からは、テンポの良いラグビーを出来たと思っています。あれを80分間継続させられるように、試合の入りから意識していきたいです。(試合の流れを変える契機はあったのか)ハーフタイムで、全員集まって、意識を統一することが出来たためだと思います。(CTBとして出場する際、意識していることは)今はインサイドセンターをさせてもらっているのですが、金沢ヘッドコーチから指示されているのは、矢川さんとダブルスタンドのような形でセンターに入ることです。センターからも指示を出して、後ろからコントロール出来るように意識しています。(今後に向けて)まずはスタメンに残ることを意識して普段の練習に取り組み、試合に出られたらディフェンスから体を張って慶大らしい試合をしていきたいと思っています。

楠本遼

(試合を振り返って)慶大のやりたい早いテンポのアタックを明大のブレイクダウンやプレッシャーで思ったようにやらせてもらえませんでした。(アタックでよかった点は)後半の最後のほうのアタックはよかったと思うので、それが80分間続けられるように練習しなくてはと思います。(ディフェンスについては)明大が1人1人圧力が強くて、レッグタックルができているときはいいディフェンスが出来たのですが、高くなってしまったときはやられてしまいました。(ご自身の調子は)自分は(試合に)出れるか出れないか瀬戸際で戦っているので、練習から日々アピールして頑張っていきます。(来週の試合に向けて)青学大も対抗戦のチームなので、絶対に負けないように1週間しっかりと練習していきたいです。

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