【野球】投手陣が奪三振ショー演じ完封勝利!第14回オール早慶野球戦

8月25日(火)第14回オール早慶野球戦 @ナゴヤドーム

打っては2安打、守っては投手陣を好リードの活躍で最優秀選手賞を受賞した小笠原

打っては2安打、守っては投手陣を好リードの活躍で最優秀選手賞を受賞した小笠原

両大学OBの選手も参加して行われるオール早慶野球戦。両校の意地がぶつかり合う一戦は、全慶大の5人の投手陣が計13個の三振を奪う快投を見せ、全早大打線を見事に完封。打線は少ないチャンスを得点に結びつけ、8年前に行われた第12回以来の勝利を収めた。

 

早大

慶大

×

早大:佐竹、●大野、小島、竹内―道端

慶大:仲井、○小原大、加藤拓、山田、竹内―小笠原

最優秀選手賞:小笠原知弘

最優秀投手賞:小原大樹

打撃賞:山口翔大

◆慶大出場選手

 

ポジション

選手名(学部学年・出身高校)

[6]

山本泰寛(環4・慶應義塾)

[4]

倉田直幸(法2・浜松西)

 

原田直道(商4・慶應義塾)

[5]

横尾俊建(総4・日大三)

[9]

谷田成吾(商4・慶應義塾)

[D]

山口翔大(環3・桐光学園)

 

岩見雅紀(総2・比叡山)

 

戸谷和真(総4・岡崎北)

[3]

沓掛祥和(商3・慶應義塾)

[8]7

重田清一(環3・佐賀西)

 

吉川智一(経3・時習館)

 

R4

川崎晃佑(環3・智辯和歌山)

[2]

小笠原知弘(環4・智辯和歌山)

[7]

坂田英駿(環3・瑞陵)

 

梅野魁土(環4・福岡大大濠)

 

仲井洋平(H25文卒・三菱自動車岡崎)

 

小原大樹(環3・花巻東)

 

加藤拓也(政3・慶應義塾)

 

山田貴大(H26環卒・東邦ガス)

 

竹内大助(H25環卒・トヨタ自動車)

慶大の現役選手全員が初めてプレーするというナゴヤドームでのオール早慶戦。中部地方の静岡・浜松西高出身の倉田直幸(法2・浜松西)が2番二塁、愛知・瑞陵高出身の坂田英駿(環3・瑞陵)が9番左翼で先発出場した。

全慶大の先発を務めた仲井

全慶大の先発を務めた仲井

全慶大の先発は愛知の進学校、時習館高出身のOB仲井洋平(H25文卒・三菱自動車岡崎)。初回、2回共にヒットは打たれたものの「投げやすい雰囲気で投げられた」と要所を締め無失点に抑えた。3回からは小原大樹(環3・花巻東)が登板。4回は先頭の石井に右中間を深々と破られる三塁打を打たれ無死三塁の局面を迎えるも、後続を内野ゴロ、内野フライ、見逃し三振に斬って取り、ホームベースを踏ませなかった。小原大の魅力であるピンチでの強さをこの舞台でも発揮し、見事最優秀投手賞を受賞した。するとその裏、2死から4番の谷田成吾(商4・慶應義塾)がチーム初安打となるセンター前ヒットを放ち出塁。続くオープン戦好調の5番山口翔大(環3・桐光学園)が「逆方向を狙っていた」と、詰まりながらもしぶとくレフトへ運んだ。この打球で谷田が判断よく三塁を陥れると、レフトからの送球が谷田に当たって三塁ファールゾーンへ転がる間に一気に先制のホームイン。この一打で山口は打撃賞を獲得した。

5回は加藤拓也(政3・慶應義塾)が最速151キロの速球で早大の1番から始まる攻撃を三者凡退に抑え、エースの貫録を見せた。6回から登板したOBの山田貴大(H26環卒・東邦ガス)は、テンポの良いピッチングで2イニングをわずか17球でパーフェクトに抑え、敗戦投手となってしまった昨年のオール早慶戦の雪辱を果たした。

追加点が欲しい全慶大は8回、主将の横尾俊建(総4・日大三)が左中間を割る二塁打でチャンスメイクすると、途中出場の岩見雅紀(総2・比叡山)が三塁線を破り横尾が生還。飛距離はチーム一の男がベンチの期待に応えた。

5番手として登板した竹内。2イニングで5つの三振を奪う快投を演じた

5番手として登板した竹内。2イニングで5つの三振を奪う快投を演じた

無失点でつないできた投手陣のバトンを最後に受け取ったのは、山田と同じ中京大中京高出身の竹内大助(H25環卒・トヨタ自動車)。しかし竹内は8回に2死からヒットと2つの四球で満塁のピンチを招いてしまう。それでも「8回は自作自演」と笑う竹内にはマウンド上で余裕があった。この場面で迎えた道端をストレートで空振り三振に仕留め、三塁側慶大席を大いに沸かせた。そして最終回は圧巻の三者連続三振で試合を締め、全慶大が2-0で第12回以来の勝利を収めた。

全慶大がOBの投手陣の活躍もあって完封勝利を飾り、今年のオール早慶野球戦は三塁側観客席が大いに盛り上がりを見せた。加藤拓の150キロの剛速球や横尾の鋭い打球を、普段リーグ戦を神宮球場まで観に来る機会の無い人々も大いに楽しんだことであろう。今夏、慶大野球部は新潟の第1回大学野球サマーリーグや、四国でのオールスター、愛知でのオール早慶戦など全国各地で試合を行っている。こうして関東以外の地方で試合を行うことは、六大学野球の発展、人気上昇のためにも有意義なことと言える。その遠征のラストは、29日に福井フェニックススタジアムで行われるオール早慶戦だ。秋季リーグ制覇に向けて成長を続ける慶大ナインが、福井の街を盛り上げる。

記事:菅谷 滉

◆打撃成績

 

 

[6]

山本泰

二飛

 

左飛

 

左安

 

中飛

 

[4]

倉田

空三振

 

 

二ゴロ

中飛

 

 

 

原田直

 

 

 

 

 

 

 

見三振

[5]

横尾

見三振

 

 

中飛

 

三ゴロ

 

左中2

[9]

谷田

 

三飛

 

中安

 

空三振

 

空三振

[D]

山口

 

二ゴロ

 

左安

 

空三振

 

 

岩見

 

 

 

 

 

 

 

左安①

戸谷

 

 

 

 

 

 

 

 

[3]

沓掛

 

遊飛

 

空三振

 

 

三ゴロ

三ゴロ

[8]

重田

 

 

二ゴロ

 

見三振

 

 

 

吉川

 

 

 

 

 

 

四球

 

R4

川崎晃

 

 

 

 

 

 

 

 

[2]

小笠原

 

 

四球

 

三安

 

右2

 

[7]

坂田

 

 

一ゴロ

 

空三振

 

 

 

梅野

 

 

 

 

 

 

一直

 

◆投手成績

 

投球回数

打者数

球数

被安打

三振

四死球

失点

自責

仲井

36

○小原大

10

38

加藤拓

21

山田

17

竹内

42

◆選手コメント

竹内大助(H25環卒・トヨタ自動車)

(久々に慶大のユニフォームに袖を通した感想は)なんというか、感慨深かったですね。一言でいうと楽しかったです。最初は楽しみ半分、緊張半分という感じでした。今の4年生たちは1年被っているので、彼らがどれぐらい成長をしているのか、どんな選手になっているのか見るのが楽しみでした。(その4年生の中で成長を感じた選手はいましたか)僕が(慶大在籍時に)投げていたときから横尾や山本泰だったり、谷田だったりという選手は出ていたんですけど、そのとき1年生で周りに引っ張られていた彼らが今はキャプテンになったり副キャプテンとなって引っ張る立場になっていて、大人になったなと思いました。(ご自身の今日の投球を振り返って)8回は自作自演だったんですけど…(笑)。8回と9回にいくぞともともと言われていて、緊張感もあったんですけど、9回はきっちり3人で締めて勝ちに貢献できてよかったです。(最終回の3者連続三振は狙っていたのですか)いえいえ、僕は三振狙って取れるピッチャーではないのでたまたまです。(大久保監督と接してみていかがでしたか)常にどっしり構えていて存在感があると思いました。8回にマウンドに来てもらったときもすごく落ち着かせてもらいました。社会人で何度も日本一になっている監督なので、大久保監督についていけば間違いないなと思いました。(秋季リーグに臨む慶大の選手にメッセージをお願いします)今日見ていて本当に大人の集団というか、頼もしい選手がたくさんいるなと思ったので、今日みたいな戦いをしていけば優勝できると思います。慶應大学がリーグ優勝して、日本一になった姿をOBとして楽しみにしているので、頑張ってもらいたいと思います。

仲井洋平(H25文卒・三菱自動車岡崎)

(本日を振り返って)久々に慶應のユニフォームを着させていただいていい緊張の中でいい経験をさせてもらったなと思いました。(どのようなチームでしたか)声も出ていて、活気があって、いい雰囲気でした。投げやすい雰囲気で投げられました。(ご自身の在籍時から監督が変わりましたが)投げやすいように声をかけていただいたので、気持ちよく投げられました。(ご自身の投球を振り返って)初回からランナーを背負ったのですが、点をやらなければいいやと思っていました。勝ててよかったです。OBの方も喜んでくれたかなと思います。(後輩にメッセージを)いいチームなので、秋頑張って優勝してほしいです。

山田貴大(H26環卒・東邦ガス)

(本日を振り返って)久しぶりに慶應のユニフォームを着て戦える喜びを感じながら楽しく投げることができました。(昨年に引き続いての全早慶戦でしたが)昨年は負け投手になってしまったので、今年は何としてもチームに貢献しようと思っていました。(ご自身の投球について)基本まっすぐが多いので、まっすぐで押して最後は変化球というピッチングスタイルなのでそれをいつも通り貫きました。(後輩にメッセージを)秋は優勝して日本一になってほしいと思います。

小笠原知弘(環4)

(最優秀賞おめでとうございます。MVPに選ばれた感想は)ありがとうございます。それは素直に嬉しいです。何くれるんですかね?50万くらいもらえたら良いですね。(笑)(今日の試合を振り返って)OBさんの方々を中心にピッチャーがよく頑張ってくれたと思います。(初めてナゴヤドームでプレーしてみた感想は)広いなと思いました。(笑)(3打席連続出塁でヒットも2本出ました)特に狙ってはなく、振ったら当たりました。OBのピッチャーの球を受けた感想は)球自体もやっぱり良いんですけど、自分たちよりも経験が多くあると思うので、捕っていてすごい楽でした。(今日出た今後の課題は)やっぱりバッティングですよね。もうちょっと点は取れたかなと思いますね。細かいところも見つけてリーグ戦までには完成させて来月から臨みたいと思います。(福井のオール早慶戦に向けて)福井でも勝って、良い調子でリーグ戦に入れるように頑張ります!

坂田英駿(環3)

(地元・名古屋でのオール早慶戦に出場していかがでしたか)結果は出せなかったのでそういう意味ではまだまだかなというのはありますけど、社会人で活躍されている投手と対戦できたのは貴重な経験になりました。ナゴヤドームという大舞台で、知り合いを含め観客も多く入った中でプレーできたというのは、自分の中ですごく大きかったです。(ナゴヤドームの大舞台、楽しめましたか)まさかスタメンで出られるとは思っていなかったので、気持ちも高ぶりましたし、楽しむことができました。(秋季リーグに向けて)今日の結果で反省するところは反省して、リーグ戦はできるだけ多く出場して活躍できるよう頑張りたいと思います。

山口翔大(環3)

(今日の試合を振り返って)今まではどの試合もけっこう点を取られていたので、今日のオール早慶戦で無失点で試合を終えたことはかなり良い結果だったと思います。(2打席目の先制点を演出したヒットについて)左ピッチャー(大野投手・早大OB)が出てきた時から逆方向狙って打とうと思っていました。そこできたインコースを思い切って振ったらいいところに飛んでくれました。OBがたくさん出場した試合だったが、一緒にプレーしてみた感想は)社会人の選手と比べると自分たちはまだまだだと思うことが多かったです。ピッチングも社会人の方々はとても落ち着いていて、だいぶ違うなと思いました。すごいなと思いました。(オープン戦からバッティングが好調だが、その要因は)前までは長打を狙っていることが多かったんですけど、今では単打を狙っていて、とりあえず芯に当てようという気持ちで振っています。たぶん、それで大振りになることが減ったからだと思います。(今日出た今後の課題は)こういうピッチャーが踏ん張って投げてくれる試合展開で野手全体が1点でも多く取って、ピッチャーに気楽に投げさせてあげられるようにできればと思います。(福井のオール早慶戦に向けて)福井でもこれ以上の結果を出せるように頑張ります。

倉田直幸(法2)

(今日の試合を振り返って)オール早慶戦ではあったんですけど、早稲田と試合をするのが夢の一つだったので試合に出られてよかったです。次はリーグ戦で出て活躍できるように頑張りたいです。(初めて早慶戦に出た感想は)球も速くて必死に食らいついていくのが精一杯でした。もっと練習しなきゃなと思いました。(地元でのプレーだったが特別な思いはあったか)そうですね、プロ野球などでよく見に来ていたナゴヤドームで試合ができたのはすごく嬉しかったです。(今日出た今後の課題は)チャンスでヒットが打てなかったので次はそういうところで打てるように頑張りたいです。

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