【野球】投手戦をものにできず初戦敗退 秋季新人戦

11月3日(火)秋季新人戦1回戦 明大戦

7回1失点の好投を披露した原田。

7回1失点の好投を披露した原田。

今春に6季ぶりの新人戦初戦突破を果たした慶大は、今季初戦は明大と対戦した。春は同率3位だった明大。今季初先発の原田匠(商1)が好投を見せるが、相手投手も踏ん張り投手戦へ。序盤に岩見雅紀(総2)のタイムリーで先制点を奪うものの終盤に同点に追いつかれ、タイブレークとなった。延長10回の末、サヨナラ打を許し2−3と初戦敗退に終わった。

 

10

慶大

明大

2×

 

慶大:髙橋裕、水野、○齋藤―氷見

慶大:原田匠、内村、●亀井―三枝

 

雨天順延のためリーグ戦終了時から1日空いて開幕した秋季新人戦。今春に引き分けで同率3位に終わった明大と対戦した。

試合の均衡を破る2塁打を放った岩見

試合の均衡を破る2塁打を放った岩見

慶大の先発は原田匠(商1)。今季、苦いリーグ戦デビューとなった原田匠は、「打たれても無失点に抑える」という言葉通りに7回1失点と好投を見せ、来季の活躍を誓った。立ち上がりは両校共によく、ランナーを出しながらも無失点に抑えていた。ゲームが動いたのは3回表。四球を選んだ天野康大(環2)が出塁し迎えた4番・岩見雅紀(総2)が追い込まれながらも右中間を貫く適時二塁打を放ち先制点を挙げる。その後は内野陣の併殺などと援護もあり、原田匠は粘りの投球を見せ、要所を締めた。1点リードで迎えた7回裏の守備。先頭のバッターが左中間二塁打で出塁すると、二死まで追い込みながらも二塁手・佐村徳人(総2)の失策により同点のランナーが生還してしまう。

 

対する明大は先発の高橋裕に代わって、1年秋からリーグ戦で登板している水野が6回からマウンドへ。慶大打線は経験豊富な投手の好投に苦戦し、6回からランナーを出せないまま終盤を迎える。8回からは内村僚佑(政2)が登板し、自慢の粘り強いピッチングを披露する。ランナーを背負いながらも無失点に終え、最終回へ。両チーム共にランナーを出すものの追加点とはならず、今年初となるタイブレークを行った。新人戦でのタイブレークは無死1、2塁から始まった。10回表、明大のピッチャーは今季1勝を挙げた齋藤。慶大はランナーに清水翔太(総2)と藤川堯史(商2)を置き、打者の三枝遼太郎(商1)がスリーバントを決めランナーを進めた。続く打者の前川泰佑(商2)への2球目が暴投となり、その間に清水が還り、慶大は勝ち越しの追加点をあげる。

さよなら負けに肩を落とす亀井

さよなら負けに肩を落とす亀井

守り抜けば初戦突破となった守備の場面。マウンドには下級の中で1番多い登板数を誇る亀井倫太郎(商2)があがった。相手の犠打が成功し2人のランナーを得点圏に進めると、次の打者を三振に討ち取る。勝利を目前に、最後のバッターの5番・太田が打席へ。追い込んだ後の5球目を振り抜くと、打球は大きな弧を描きながら中堅手・藤川の頭上を超えた。亀井は特大の2点適時二塁打を浴び、慶大は接戦の後サヨナラ負けを喫してしまった。

 

初戦敗退に終わった秋季新人戦。2季連続の1回戦突破とはならなかった。今日出場したリーグ戦出場経験があるのは13人中4人のみ。残りの9人にとって、水野、齋藤といったリーグ戦で多く投げている投手と対戦したことは今後大きく役立つであろう。松田浩平新人監督(経4)の言っていた通り、終盤になっても力尽きることのなかった「弱いチーム」は大きな成長を見せつけた。今日の悔しさをバネに、今後の課題がはっきりとした彼らは今冬に更なるレベルアップを試みる。主力が抜ける来季に向けて、さらに“神宮でプレーしたい”という気持ちを強めた選手たちの飛躍から今後も目が離せない。

記事:千綿 加華

 

 

◆打撃成績

 

 

10

[6]

小原徳(文2・慶應義塾)

空三振

 

左邪飛

 

投ゴロ

 

 

見三振

 

 

[4]

佐村(総2・岐阜)

左安

 

空三振

 

空三振

 

 

空三振

 

 

[9]

天野(環2・智辯和歌山)

左飛

 

四球

 

 

三邪飛

 

 

三ゴロ

 

[7]

岩見(総2・比叡山)

左安

 

右中2①

 

 

空三振

 

 

遊ゴロ

 

[3]

清水翔(総2・桐蔭学園)

一ゴロ

 

二ゴロ

 

 

左飛

 

 

右安

 

[8]

藤川(商2・慶應義塾)

 

一ゴロ

 

左飛

 

 

三ゴロ

 

見三振

 

[2]

三枝(商1・慶應義塾)

 

遊ゴロ

 

左飛

 

 

一飛

 

 

投犠打

[5]

前川(商2・慶應義塾)

 

四球

 

二ゴロ

 

 

空三振

 

 

空三振

[1]

原田匠(商1・慶應義塾)

 

三ゴロ

 

 

右中2

 

 

 

 

 

明渡(政2・桐蔭)

 

 

 

 

 

 

 

空三振

 

 

[1]

内村(政2・慶應義塾)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

石井(総2・鎌倉学園)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一飛

[1]

亀井(商2・慶應義塾)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆投手成績

 

投球回数

打者数

球数

安打

三振

四死球

失点

自責

原田匠

29

121

内村

38

●亀井

0 2/3

11

 

 

◆監督・選手コメント

松田浩平(経4)新人監督

(今日の試合を振り返って)悔しいです。(今日のベストプレーはどこだったと思うか)1点先制した場面ですかね。岩見の右中間ツーベースかなと。(今日一番頑張ったと思う選手は)勝てなかったので難しいんですけど、よく投げた原田匠(商1)だと思います。(試合前には選手にどんな言葉をかけたか)とにかく守備からリズムを作っていけるように、というのとベンチを最後まで盛り上げて、なんとか全員の力で勝とうということを言っていました。(どんなチームを理想としたか)バッティングでは長距離打てる打者が少なかったので、低い打球を打って逆方向に飛ばして1点を取ろうとは言っていました。(これからのチームに期待することは)今の2年生のチームは弱い弱いとずっと言われているんですけど、この1年間の成長をずっと見てきて、この成長は相当なものだと感じているので。来年、再来年は必ず優勝してくれると信じています。(今日で引退。4年生の中で一番長くユニフォームを着た感想は)一個人としては今日の明治戦はリーグ戦のリベンジというふうに捉えていたので絶対に勝ちたいと思っていたんですけど、勝てなくて同期の4年生には少し申し訳なかったかなと思います。最後まで長く野球ができて本当に幸せでした。(4年間を振り返ると)しんどいことばかりでしたが、最後は慶應で野球がやれてよかったなと思います。いろんな人の支えがあったのでそこには本当に感謝しています。(最後に後輩たちにひとこと)来年も再来年も、引退しても神宮に応援に行くので絶対に優勝してください!

 

岩見雅紀(総2)

(本日の試合を振り返って)勝てなくて残念です。(1,2年生だけのチームは新鮮でしたか)春もやっているので、それほど新鮮ではなかったです。(3回には低い球を拾って適時二塁打に)うまく反応して打てました。思ったより飛んでくれました。(この冬の目標は)もっともっと成長したいです。明大の斎藤投手、水野投手からはヒットを打てなかったので、リーグ戦で活躍している投手を打てるようにレベルアップしたいです。

 

内村僚佑(政2)

(今日の試合を振り返って)今日勝って、明日明後日もやりたかったんですけど、負けてしまったのはとても残念です。(ご自身の投球は)春(の新人戦)と一緒で、1点も取られてはいけない中で、粘り強くピッチングが出来たと思います。(ランナーを出しながらもゼロで抑えましたね)粘り強く、低めに投げれたと思います。(今季重点的に練習したことは)夏にケガで離脱して、そこから少しずつ実戦に入りながら、という感じで。リーグ戦も投げられたら良いなとずっと思ってて、ランナーがいる場面でどうやって抑えるか、コントロールだとかを意識してやってました。(内村投手のアピールポイントは)今日みたいな、粘り強いピッチングが出来るところだと思います。(今後の目標は)リーグ戦で活躍することです。(これからどのような練習を積み重ねていくか)まず、絶対的にボールのスピードも足りないですし、変化球のコントロールも甘いところがあるので、神宮で投げられたことを生かして、これからもしっかり練習していきたいです。

 

原田匠(商1)

(今日の投球を振り返って)できるだけチームを勝たせるようなピッチングをしようと臨みました。どれだけ打たれても粘り強く0点で抑えるっていうのを目標にしていたので、合格点はあげられたという感じです。(調子は良かったか)そうですね。最初の方は調子が良かったんですけど、中盤からちょっと球が浮いたりバラバラになってきて、そこは今後の課題です。(今日は最速144km/hでていました)球速も意識はしているんですけど、試合になったら意識せずに、低め低めをついていくピッチングを心掛けています。(今年1年間を振り返って)辛いこともあって、リーグ戦で打たれて、4年生に本当に迷惑をかけてしまって。お世話になった4年生に恩返しができるように、4年生に少しでも自分が成長した姿を見せるチャンスが新人戦しかなかったので、いいピッチングができて良かったです。(来季に向けて)来年は三宮さん加嶋さんの2人が抜けてしまうので、ちょっとでもチームの力になれるように頑張っていきたいと思います。

 

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