慶應スポーツ新聞会

【ラグビー】歴史に残る激闘の末、惜敗/関東大学対抗戦 早大戦

 

故障で交代するも、ディフェンスの要となった徳永

故障で交代するも、ディフェンスの要となった徳永

 

引き分けに涙を呑んでから一年。今年も、11月23日に伝統の早慶戦が行われた。ラグビー人気の高まりによって、例年に比べ注目度の高かった本試合。超満員の競技場で、両校のプライドがぶつかり合った。慶大は、今季最高のディフェンスで早大を食い止めると、効果的にキックを使い陣地を獲得。5トライを挙げる。しかし、勝利の女神がほほ笑んだのは早大だ。ロスタイムに慶大のオフサイドからペナルティゴールを決めると一発逆転。31-32でノーサイドとなった。

 

 

東大学対抗戦A vs 早

 

2015/11/23 () 14:00K.O.@秩父宮ラグビー場

 

得点

慶大

 

早大

前半

後半

 

前半

後半

PG

DG

14

17

小計

15

17

31

合計

32

 

 

得点者(慶大のみ)

T=金澤、清水2、辻、佐藤大

G=青井3 

 

 

出場メンバー

ポジション

先発メンバー

交代選手

1.PR

加藤 宏(経4・慶應)

→17 細田 隼都(商2・慶應)

2.HO

佐藤 耀(総4・本郷)

 

3.PR

八木 悠太朗(経4・慶應)

→18 大塚 健太(環4・國學院久我山)

4.LO

西出 翼(経4・慶應NY)

 

5.LO

佐藤 大樹(総2・桐蔭学園)

 

6.FL

廣川 翔也(環3・東福岡)

 

7.FL

鈴木 達哉(環3・茗渓学園)

 

8.No8

徳永 将(商4・慶應)

→20高家 章徳(商4・慶應志木)→19辻 雄康(文1・慶應)

9.SH

南 篤志(総4・清真学園)

 

10.SO

矢川 智基(環4・清真学園)

 

11.WTB

清水 祐輔(環3・明和)

 

12.CTB

青井 郁也(商2・慶應)

 

13.CTB

田畑 万併(環4・桐蔭学園)

 

14.WTB

金澤 徹(商2・慶應)

 

15.FB

澤根 輝賢(総4・佐倉)

 

 

 

 

先制トライを決めた金澤

先制トライを決めた金澤

慶大のキックオフでスタート。開始わずか30秒で勝負は動いた。CTB青井が、敵陣深くで相手の裏を突く右隅にボールを蹴ると、WTB金澤が追い付きグラウンディングする。コンバージョンゴールも決まり、7点を獲得した。その後は、早大に攻め込まれながらも、No8徳永を中心に、今季最高のディフェンスで相手を食い止める。アタックでは、SH南のハイパントキックや、SO矢川のタッチキックで陣地を獲得していく。すると、29分。22メートルラインでのマイボールラインアウト成功。南から展開すると、矢川がWTB清水にノールックパス。ディフェンスの穴を突いて清水が駆け抜け中央にトライを決めた。リードをしたまま前半を終わりたい慶大だったが、終了間際にペナルティゴールを決められる。逆転されて14-15でハーフタイムへ。

 

 

 

後半に入るとセットプレーも安定

後半になるとセットプレーも安定

後半、先制を挙げたのは早大だ。しかし、慶大もすぐに反撃。敵陣でのチャンスを作る。54分には、マイボールラインアウトから出たボールをFL鈴木が持ち出した。グラウンディングを決めたと見えたが、これはトライと認定されない。だが、直後に再び、マイボールラインアウトの成功から密集を作ると、途中出場のFL辻が飛び込みトライを決めた。その後は、慶大の連続攻撃。62分には、ゴール前での密集からボールを出すと、矢川が相手ディフェンスの薄い左サイドへロングパス。清水がキャッチし、駆け抜けグラウンディング。69分には、スクラムから出したボールを青井がビッグゲイン、密集を挟んで、最後はLO佐藤大が早大選手を蹴散らして突破し、トライを決めた。10分を残して、31-22でリード。1トライ1ゴールでは追いつけない点差だ。しかし、早大も粘る。75分にスクラムから主将のCTB岡田が持ち出しトライ。ロスタイムの82分、慶大のオフサイドからSO横山のペナルティゴールで逆転。そのまま31-32でノーサイドとなった。

 

 

 

BKを中心に展開する早大を、粘り強いディフェンスで食い止めた。日本代表・FB藤田の復帰にも対応し、なかなか突破を許さない。廣川鈴木の両FLや、復帰したNo8徳永の好セーブが光った。セットプレーは、スクラムもラインアウトも序盤は乱れがちだったが、徐々に調子を上げていく。アタックでは、SH南がハイパントキックを多用し、様々な攻撃展開を見せる。バックスリーは珍しい布陣であったが、うまく連携を取っていた。攻守両面において、今季最高の試合展開ができたといえる。一方で、ペナルティは試合を通して多かった。前に出るディフェンスが持ち味の慶大だが、オフサイドの多さは改善したい。勝ちが目の前に迫ったところでの敗戦。選手はもちろん、ファンにとっても衝撃的なノーサイドだった。一筋縄では進まないのが、早慶戦の怖さなのだろうか。次戦は青学大戦。悔しさをばねに圧勝し、大学選手権への道を切り開いてほしい。

 

 

【ケイスポ的MOM】日本中に見せつけた、圧倒的な突破力 FL鈴木

攻守に渡って大活躍した鈴木

攻守に渡って大活躍した鈴木

一度ボールを持つと、相手を次々となぎ倒しゲインする。鈴木達哉が何度も見せたシーンだ。原動力となったのは、チーム1とも言えるフィジカルだ。圧倒的な突破力は、今季の慶大の武器となっている。普段のポジションはFLだが、試合の途中からは、No8の位置へ。スクラムから素早くボールを出して展開するなど、器用さも見せた。試合経験も豊富だが、まだ3年。今後ますます活躍が期待される鈴木に注目だ。

 

(記事・長尾里穂)

 

 

金沢ヘッドコーチ

(ロスタイム直前に、ペナルティキックを蹴らなかった判断について)結果論ですので、最終的にはうちが負けたということしか残らないです。ただ、もし蹴っていたら、次は自陣からの入りになっていました。すこし風も受けていましたし、キャプテンが蹴らない判断をしたことは間違っていないと思います。(辻選手を投入したタイミングは)途中出場のNo8高家が足首をけがしていたので交代させました。FLは本来のポジションではないですが、ジュニア選手権でも経験があったので、一番パフォーマンスを発揮できると思い投入しました。(準備してきたことは発揮できたか)新しく準備してきたプレーは、いくつか決まったと思います。(藤田選手への対策は)スペースのあるところで簡単に彼にボールを渡したくないと考えていました。キックの使い方などで少し工夫ができたと思います。フェーズの中では、意図的にこちらから仕掛けることが難しいので、そのような場面では、CTB田畑やWTB陣が、うまく詰めたり引いたりしてくれました。彼をあまり走らせなかったことは接戦になった一つの要因だと思います。BK陣のディフェンス練習は、藤田選手対策だけでなく、早大のBK全体を想定して行っていました。

 

SO矢川主将

(今の気持ちは)悔しいの一言です。出場できなかった部員の皆に申し訳ないと思います。(開始直後に得点が決まった)最高の入りができたと思います。ディフェンスも粘れていたのですが、あと一歩詰めの甘さが出てしまいました。(ハーフタイムはどのような話を)前半と変わらず、ディフェンスで粘ってアタックに繋げようと話しました。後半にも上手く入ることができたと思います。(キックの手ごたえは)ペナルティのキックを蹴ることが多かったです。流れの中でのロングキックをもう少し工夫しながら蹴って、陣地を獲得できれば、内容も違ったのかと思います。(横山選手のペナルティキックの瞬間は)まだ負けが決まったわけではなかったのですが、呆然と見ていました。負けをなかなか受け入れられなかったというか、本当に悔しくて、涙が出てきてしまいました。(今後に向けて)大学選手権で当たる可能性もありますし、次は絶対勝ちます。

 

廣川翔也

(今日の試合を振り返って)勝ちたかった、その一言に尽きます。(ご自身のプレーは)緊張したりして、いつも入りは良くないんですけど、今日は良い意味での緊張感があって、自分らしく前に進めたかなと思います。(早大の印象は)今季初めて出場した藤田さんを気にしていたんですけど、今日そこは良く止められたと思います。(後半、慶大がトライを重ねていた場面は)あの時はチームに勢いがあって、このまま乗っていきたいなという感じでした。ミスもなくて、本当に良い時間帯だったと思います。(最後の場面、逆転されてしまった時の心境は)悪いのは最後だけではないですし、前半の間際に立て続けにやられてしまったのもあると思います。でも、最後は疲れてしまって、最後の場面でペナルティをしてしまったことはチームとして綻びが出てしまったところだと思います。(今後に向けて)出れるか分からないので、明後日から一個一個頑張っていきたいです。

 

鈴木達哉

(今の気持ちは)惜しかったですが、負けは負けですね。昨年引き分けにしてくれた先輩方のためにも勝ちたかったのですが、力及ばず申し訳ないです。(立ち上がりは)やりたいことがはまって先制もできました。準備してきたことはできたのですが、ペナルティで向こうにリズムを渡していたのかなと思います。(スクラムは)最初はスクラムも押されていたのですが、試合を進める中でフロントローの先輩たちが修正してくれました。後半は、五分五分に持っていけました。(途中からNo8の位置に入っていたが)練習でもやってきましたし、ボールを持つ機会も増えるので、僕としてはやりやすかったです。(惜しくもトライと認定されなかった)僕はグラウンディングしたと思ったのですが、できていなかったです。でも、その後のスクラムでフロントローが押してトライが取れました。得点の起点になったということで良かったです。(逆転されたシーンは)悔しかったです。前半の終わりにもゴールを決められていますし、ペナルティが多かったことは次回に向けての反省点にします。

 

辻雄康

(辻選手が入ってから流れが慶應に向いたように感じたが)先輩方が中心になって頑張って頂いたので僕だけのおかげではないと思います。(トライを決めたシーンについては)率直に嬉しかったです。(次の試合に向けての意気込みを)まずはスターティングメンバーに入れるように頑張って、そこから修正していきたいです。

 

南篤志

(早慶戦までの準備は)最善を尽くせるように準備してきました。結果につながらなくて悔しいですが、切り替えるしかないと思います。(今日のアタックはかなり効果的でした)そうですね。ただキックでエリアをとることは上手くいったのですが、もう少し敵陣側でプレーできたら簡単なゲーム運びになって、点数も変わってきたのかなと思います。ディフェンスの時間が長かったですね。(次の青学戦は選手権がかかった試合になります)はい。選手権は絶対に出ないといけません。意地でも勝って、得失点差で順位も変わるので、取れるだけ点を取ります。早慶戦と同じように良い準備をして、あとは結果につなげるだけと思ってやります。

 

清水祐輔

(試合を振り返って)チームとしての出来は良かったのですが、早大との紙一重の差で負けてしまいました。これから修正するところが多いです。(試合前のチームの雰囲気を振り返って)今日はとてもいい雰囲気でした。いつもスタートはあまり良くないのですが、アップの段階から良くて、試合開始早々点も取れたので良かったです。(前半のトライのシーンを振り返って)あれはサインプレーで決めていたので、あのスペースは空くと思いボールを貰って、結果的に空いたのでトライが決まりました。(後半を振り返って)最初は早大のペースでしたが、途中から慶大のペースで試合ができて、敵陣にも長く入れました。ただ、一番最後に油断ではないですが、少しの差が出てしまったのだと思います。(後半のトライを振り返って)チームとしていいゲインがどんどんできていたので、そこで外が空いていて、矢川さんが的確なパスを出してくれてあとはボールを置くだけでした。(まだ対抗戦は続きますが今後に向けて)青学戦は大学選手権出場に向けて大事な試合になると思うので、気を引き締めてもう一戦戦って行きたいと思 います。

 

青井郁也

(今のお気持ちは)僕があと1本でもコンバージョンキックを決めていれば勝てていたので悔しいというか、自分にいらだっていますね。(開始1分の金澤選手のトライの場面では見事なキックパス)あそこの場面の判断ひとつだけ見ればいい判断でいいキックが蹴れたので良かったかなと思います。(勝利のカギはラインスピードだとおっしゃっていたが)いつもの試合よりも前に出る意識がみんなありましたし、体を張ることもできたので、そこの部分はできたのかなと思います。(後半から早大には縦に激しいアタックが見られたが)食い込まれることも多かったんですが、内からのディフェンスを意識して崩れることがなかったので良かったかなと思います。(早大・藤田選手の印象は)反応であったりスピードであったり、ひとつひとつのプレーを見て強いと思いましたが、それでも慶大が引かなかったのが良かったと思います。(逆転を許した試合終了間際のディフェンスについて)あそこでペナルティは絶対にしてはいけなかったと思います。規律がまだチームとして意識しきれていなかったのかなという印象があります。ゴール前まで自分たちが行っていてそこでターンオーバーされてペナルティをしてしまって攻められた、という結果なので。最後のディフェンスだけに注目するのも良くないんですが、ゴール前でキープできるところでペナルティを犯してしまったり、最後の我慢しなければならないところでもペナルティがあったり、そこの規律をもう少し意識しないといけないのかなと思います。

 

 

澤根輝賢

(試合を振り返って)ディフェンスがしっかりしていて、相手に合わせて前に立って両サイドで面を作れていたので、ディフェンスという意味ではとても良かったなと思います。(早慶戦が久しぶりの対抗戦になったが)僕は5年前の早慶戦を見て、慶大でラグビーをやりたいと思って来たので、その舞台に立てたことは非常に嬉しかったです。緊張はしましたけど、楽しかったです。(ロングキックを多用していたが)相手に藤田選手がいるのであまりカウンターをさせたくなかったんですけど、まずはしっかり陣地を取るというのがうちのラグビーなので、そこで自陣で無理をしないでしっかりキックをして、陣地を取ろうということはチームで決まっていたことなので、キックを使いました。(藤田選手と同じポジションだったが)FBだと特にマッチアップすることはないので意識したことはなかったですね。ウイングがしっかり藤田選手をみるので、抜けてきた選手をFBが止めようと思っていました。(自身の調子は)プレーになかなか絡むチャンスが無かったのですが、タックルミスが幾つかあったので、そこは後悔の残るところです。つぎはもっと積極的にプレーに絡んでいけたら良いなと思います。(今後に向けて)次に負けると大学選手権にも出られないので、勝つことだけを考えてプレーをしたいと思います

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