【ソッカー男子】第6節 昇格組を相手に無念の逆転負け 日体大戦

前節、壮絶な打ち合いの末、今季2勝目を挙げた慶大。連勝がかかる今節は昇格組の日体大と対戦した。試合は7分、加瀬澤力(総4・清水東高)のCKに宮地元貴(総4・東京ヴェルディユース)が合わせ、早々に先制する。しかしその後、サイド、中央を上手く使う日体大の攻撃に対応できず、22分に失点。同点で折り返した後半は両チーム勝ち越しを狙い、一進一退の攻防を見せる。追加点を奪えずに迎えた90分、日体大に決勝点を決められ、そのままタイムアップ。最下位相手に痛恨の逆転負けとなった。

鴻巣など初先発の選手が多く出場

鴻巣など初先発の選手が多く出場した

 

第90回関東大学サッカーリーグ戦 第6節

2016/5/7 (土) 14:00KO @三ツ沢公園陸上競技場

慶應義塾大学 1 – 2 日本体育大学

 

【得点者(アシスト者)】

[慶] 7分 宮地元貴(加瀬澤力)

[日] 22分 関戸祐希(福田圭佑)

[日] 90分 高井和馬(川戸大樹)

 

◇慶大出場選手

GK上田朝都(総1・横浜F・マリノスユース)

DF鴻巣良真(総2・國學院久我山高)

DF望月大知(環4・静岡学園高)

DF沼崎和弥(商1・暁星高)

DF井上大(総4・國學院久我山高)

MF宮地元貴(総4・東京ヴェルディユース)

MF加瀬澤力(総4・清水東高)→65分 田中健太(法3・横浜F・マリノスユース)

MF増田皓夫(商2・桐蔭学園高)

MF小谷春日(環2・藤枝東高)→57分 手塚朋克(環3・静岡学園高)

MF松木駿之介(総2・青森山田高)

FW山本哲平(政4・國學院久我山高)→85分 片岡立綺(総3・桐蔭学園高)

 

 

 

この日の慶大は前節から3人を入れ替え、試合に臨む。鴻巣良真(総2・國學院久我山高)、沼崎和弥(商1・暁星高)、小谷春日(環2・藤枝東高)らを今季初先発に起用し、主将の宮地をボランチに置くフォーメーションとなった。

 

開始早々3分、鴻巣のロングフィードのこぼれ球を拾った松木駿之介(総2・青森山田高)が持ち前のテクニックで相手DFを交わし、シュート。これは枠の上へと外れるが、積極的な姿勢で序盤から主導権を握る。試合が動いたのは7分。加瀬澤のCKに合わせた宮地のゴールで先制点を奪う。

主将宮地のゴールで先制

主将宮地のゴールで先制

幸先の良いスタートを切った慶大だったが、試合の流れは徐々に相手へ。「ディフェンスラインと中盤の間が空いてしまい」(鴻巣)、パスワークや個人技からサイドを崩し、中でフィニッシュを狙う日体大の攻撃に翻弄されてしまう。すると22分、右サイドから中へという同じような形でシュートチャンスを与えると、これが決まって失点。すぐに同点に追いつかれてしまった。43分にも右サイドからセンタリングをヘディングで合わせられ、決定機を与える。ここは上田朝都(総1・横浜F・マリノスユース)のスーパーセーブで難を逃れる。一方の慶大はボールを奪ってもつなぎのミスが目立ち、良い形を作ることができずに前半を折り返す。

 

  両チーム勝ち越しへ向けた残り45分。負けられない慶大は早めの交代策で打開を図る。58分には小谷に代えて手塚朋克(環3・静岡学園高)、65分には加瀬澤に代えて田中健太(法3・横浜F・マリノスユース)を投入。するとこれが功を奏す。中盤で粘った宮地から手塚に展開し、センタリングを上げる。相手のブロックに阻まれるものの、慶大らしい素早いサイド攻撃でリズムを引き寄せていく。

途中出場田中がリズムをつくる

途中出場田中がリズムをつくる

67分には、この日何度もインターセプトを繰り返していた鴻巣が高い位置でボールを奪い、手塚へ。切り込んでシュートを打つが相手GK正面。その直後にはまたもや手塚のセンタリングに松木がヘディングで合わせるが、惜しくもクロスバーに阻まれた。85分、山本哲平(政4・國學院久我山高)に代えて初出場となる片岡立綺(総3・桐蔭学園高)を投入し、さらなる活性化を図る。日体大も今季初勝利に向け、猛攻を仕掛けるが守護神上田を中心にゴールを割らせない。ところが90分、ゴールへの姿勢で上回った日体大にこぼれ玉を豪快に決められ、逆転を許す。90+2分、ラストプレーとなるFKのチャンス。ヘディングでつないで、最後はルーキー沼崎が合わせるも、相手GKのファインプレーで得点とはならず。無情にも試合終了のホイッスルが鳴り、優勝を目指す上で痛い敗戦となった。

 

  これで今季の黒星は4つ目。なかなか不調から抜け出すことが出来ず、「自分たちのサッカーが見えない」(松木)のが現状だ。昨季からは想像もできない厳しいシーズンが続くなか、まずは目の前の1戦1戦で勝利を積み重ねていくことが重要となる。次節の相手は順大。自分たちよりも上位な相手だけに、もう1度謙虚さを思い出し、戦えるはずだ。再びチーム全員で一丸となり、「戦う姿勢」(須田監督)を見せること。それが復活への鍵だ。

慶大はこれで早くも4敗目となった

慶大はこれで早くも4敗目となった

(記事 氏家 滉登)

試合後コメント

 須田芳正監督

(今日の試合を振り返って)勝とうとする勢いやエネルギーがない練習試合のような試合でした。(内容について)ボールロストが多すぎます。ボールを奪っても流れをつかめませんでした。(昇格組かつ最下位の相手に敗戦したことについて)昇格組とは言え相手もレベルは変わらないので、別に負けたことに対して満足がいかないわけではないですが、全力を出し切るとか、チームとして点を取りに行くとか戦う姿勢が感じられなかったです。(宮地選手をボランチに、沼崎選手をCB に起用した意図は)今日は前から行こうと思っていたからです。(失点シーンを含め、サイドから中へという形で崩されることが多かったですが)中に行かせるのか、外に行かせるのかがはっきりしていなかったですね。練習の時から中を締めて、外に行かせようというのが狙いでした。中でしっかりマークにつけば失点しないですから。人にマークについていなかったのがいけなかったです。そういう基本的なところで集中していませんでした。まずはフォーメーションやサッカーがどうとかではなく、戦う、本気で取りに行くとかのところが足りません。明日から猛練習して、来週は大幅にメンバーを変えて臨みます。(次節に向けて)戦える選手で臨みます。

 

宮地元貴(総4・東京ヴェルディユース)

(今日の試合を振り返って)やっぱり勝てなかったというのが、2勝3敗という状況で迎えた中で、3勝3敗ということでイーブンに戻そうと思ったのですけど、負けてしまったのが本当に残念です。(ボランチとしての出場だったが、どのようなことを考えて試合に臨んだか)チームとして徹底しようといっていたセカンドボールとか攻守の切り替えだったりとか、リスク管理のところだったり、球際のところだったり、そういうベースの部分で、まずは自分の良さを出そうと思ってやりました。(中盤のスペースが空いていたことについて)チームとしてプレスバックと、ラインアップなどの基本的なことを徹底できていないので、その結果空いてしまったと思います。1年生が多く試合に出場したことについて)1年生ながらよくやってくれているとは思い、1、2年生が試合に絡むということはすごく嬉しいことですけど、やっぱり3年生、4年生が足りないというか、3、4年生が抜かれているという状況なので上級生がサッカー面でも引っ張るという意識を持たないとこのチームは勝てないと思います。(次節への意気込み)こういう結果になっても前を向くしかないし、僕は関東リーグ優勝という目標を諦めたくないので、今日の試合終了のホイッスルが次の試合開始のホイッスルだと思うので、この瞬間から次の試合に向けて、個人としても準備していきたいと思いますし、チームとしても猛練習していきたいと思います。

 

鴻巣良真(総2・國學院久我山高)

(試合を振り返って)もったいない試合だったという感じです。(初のスタメンとなったが)自分のタイプ的にはそんなに声を出すタイプとかではなく、いつも通りプレーしようと心掛けていました。自分のプレーが悪かったというわけではなかったですが、チームとして勝ちきれないということがすごくもったいない気がします。(随所に良いインターセプトが見られたが狙っていたのか)そうですね。色々と相手の情報を調べて左サイドの2番と10番はすごくストロングポイントだったので、まずは10番にボールを触らせないということを意識して強く行こうと思っていました。(この敗戦をどう改善したいか)まずは、守備のところでディフェンスラインと中盤の間がぽっかりと空いていたところです。個人としてもクロスの対応が全然良くなかったので、そういうところを改善していきたいです。(次節に向けて)まずは自分がスタメンで出られることだけを意識して練習からやっていきたいです。

 

小谷春日(環2・藤枝東高校)

(今日の試合を振り返って)今季初スタメンということもあって点を取りたかったんですけど、守備に回ることが多くて、そこでも自分が相手の選手を潰すことができなかったので、今日は良くなかったと思います。(スタメン出場にあたって監督から何か言われたことはあるか)今週の練習は怪我明けだったんですけど調子が良かったので、監督からは行ってこいということを言われました。自分としても得点というかたちでその期待に応えたかったんですけど、それができなくて残念です。(交代出場時とスタメン出場時の違いは)交代出場の時は相手も疲れている状況のなかで自分のスピードやドリブルが活きるんですけど、今日はスタメン出場でそこの部分が上手くできなかったです。(今後、スタメン出場するためにはどの様なことを改善すべきか)まず今日思ったのは守備の部分ですね。交代出場時は攻撃の部分を意識してプレーすれば良かったんですけど、スタメン出場するためには、慶應は特に守備のチームなので、守備が出来なければいけない。自分としても、良い守備をすることでより自分のストロングポイントを出していけると思うのでこれからそこをもっとやっていくしかないです。(なかなか勝ち続けられない理由は何か)チームとして、勝ちにこだわるという姿勢が足りていないんだと思う。今日も後半は、監督に鼓舞されていた中で逆に1点をとられて負けてしまった。チームとしての勝負弱さも勝ち続けられない理由だと思う。(次節に向けての意気込み)2連敗は許されないので次はもう勝つしかないし、やるしかないです。

 

山本哲平(政4・國學院久我山高)

(今日の試合を振り返って)相手が最下位だったこともあって、優勝を目指している上では絶対に落とせない試合だったのですが、落としてしまったということは自分たちの力が足りなかったということです。4敗目となり、うまくいかない点など)最初は点を取れなかったりしたのですが、最近の試合では点が取れているので、攻撃というよりは守備面が少し課題だと思っています。(前線からの守備も含めてなのか)そうですね。失点したときも7番が空いていて、危険な場所に7番が空いてしまっているということ自体がありえないのに、それで後手を踏んでしまってサイドに展開されて、クロスを上げられるという感じで、守備がしっかりできていないというイメージがあります。1トップや2トップを変更しながら試合をやっていることについて)どちらも動き方はそれぞれあるので、特にやりにくいとかはないです。(次節へ向けて)もう絶対に落とせないので、守備の面で改善するのはもちろんですけど、やっぱりまず勝つことを意識してやりたいです。

 

松木駿之介(総2・青森山田高)

(今日の試合を振り返って)なんとも言えない、という感じです。最下位である日体大に対して、試合の流れも慶應ペースの時間が多かった中で、勝ちきれず、最後に失点して負けてしまって、自分たちの力のなさを感じました。(前半は流れの中でのチャンスがあまり多くなかったが、攻撃が機能しなかった原因は)相手のサイドバックがセンターバックと同ラインでポジションをとっていて、そこにサイドハーフが出るのか出ないのかはっきりせず、良い守備ができなかったことで、良い攻撃に繋がらなかったのかなと思っています。(後半のヘディングの決定機を振り返って)もう一歩スタートダッシュが早ければ、相手の前に入 ってもっと良い状態でヘディングできたと思うので、そういう一歩目というのを大切にしていきたいなと思います。(なかなか継続して良いサッカーを続けられていないが、どう考えているか)リーグが始まる前の練習試合から、なかなか自分たちの中で良いサッカーが掴めないままリーグが開幕して、徐々に自分たちのサッカーが見えてきたところだったんですけど、今日の試合なんかは一本二本もパスが繋がらないし、だからと言って蹴っても、競り合いに勝った次のボールも拾えないし、なにか自分たちのサッカーがはっきりしない、というのを感じています。(次節に向けて)本当にやばい状況で、個人個人が危機感を感じて、ひたむきに泥臭くやらなければ勝てるチームでは今はないし、本当に自分たちは今一番 力がないチームだと思っているので、気持ちの面で絶対に相手に負けないということだけをこだわってやっていきたいです。

 

上田朝都(総1・横浜F・マリノスユース)

(今日の試合を振り返って)今日の試合は落とすような試合ではなかったので、勝ちたかったですけど、思ったより全体として勢いが出ずに、結果も出なかったのだと思います。(ピンチが来た時に心がけていたこと)所々、流れの中で、絶対に必要になってくるプレーでしたが、特にこの場面だからということは意識せずに、いつも通り練習でやっていることが出たと思います。(初先発となった沼崎選手が入ったディフェンスラインの統率で心がけていたこと)先発した沼崎も頑張ってくれていましたし、ラインの統率も元貴君(宮地元貴)をはじめ、4年生が頑張ってくれていたので、自分はそこで見えないところを声やプレーで知らせることを心がけていました。(次の試合に向けて)僕らは6戦で4敗しているので、自分たちがどういう状況なのかを1週間でしっかり見ながら、次の試合はしっかり戦っていきたいです。

 

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