慶應スポーツ新聞会

【ラグビー】後半防御崩れ慶明戦制せず/招待試合・明大戦

秋に課題の残る試合となった

秋に課題の残る試合となった

静岡県草薙球技場で行われた今回の一戦。多くの観客が集い伝統校同士の争いに注目が集まった。大学日本一を目指す慶大にとって明大は倒さなくてはならない相手だ。強いフィジカルの持ち主が揃う明大相手に、ディフンスでどれだけ勝負できるかが試される試合であった。前半慶大は、相手を自陣に踏み込ませず出足の速いタックルで相手にプレッシャーを与える。セットプレーでも互角に戦い、7-12とわずか5点ビハインドで前半を折り返したが、後半には明大の反撃が始まる。明大の猛攻に圧倒される時間が続き、激しいアタックで得点を重ねられる。必死に食らいつく慶大はラストワンプレーで7点を追い上げるものの逆転には至らず。強豪の壁の厚さを痛感させられる試合となった。

 

2016/5/29(日)14:00K.O.@静岡県営草薙球技場

得点

慶大

 

明大

前半

後半

 

前半

後半

1

3

T

2

4

0

3

G

1

3

0

0

PG

0

0

0

0

DG

0

0

5

21

小計

12

26

26

合計

38

得点者(慶大のみ)

T=細田、丹治、中本、堀越

G=古田、堀越2

 

 

ポジション

 先発メンバー

 交代選手

1.PR

細田隼都(商3・慶應)

→長尾昴(環4・茗渓学園)→角田匠輝(法4・慶應)

2.HO

松岡大介(環4・小倉)

→中本慶太郎(経2・慶應)

3PR

角田匠輝(法4・慶應)

→榎本雄一(商4・慶應志木)→吉田雄大(総3・秋田)

4.LO

山中侃(商2・慶應)

 

5.LO

豊田祥平(総4・ 國學院久我山)

→古館健介(経3・慶應) 

6.FL

廣川翔也(環4・東福岡)

 

7.FL

竹田和正(法4・慶應志木)

 

8.No.8

中村京介(文3・明和)

 

9.SH

中鉢敦(経4・慶應)

 →江嵜真悟(商2・小倉)

10.SO

古田京(医2・慶應)

 

11.WTB

高木一成(1・慶應)

 

12.CTB

今成哲(経3・城北)

→堀越貴晴(総3・茗渓学園)

13.CTB

木口俊亮(経4・仙台第三)

 

14.WTB

高野慎也(商3・慶應)

 

15.FB

丹治辰碩(政2・慶應)

 →楠本遼(経4・慶應)

 

明大相手に果敢に攻めた高木

明大相手に果敢に攻めた高木

先制トライを挙げたのは慶大。前半5分、相手陣内でのラインアウトでマイボール確保に成功するとCTB木口のゲインを中心に左サイドへ展開。最後はPR細田が飛び込みトライを決める。流れをつかんだ慶大は、テンポよく球をまわし攻め続け、明大を相手陣に釘付けにする。チャンスが訪れたのは前半17分。No.8中村の縦への突破で22mライン付近まで持ち込むと慶大が数的有利に立つ。あと一歩でトライかと思われたが、自らのミスが響き、好機を得点に繋げることができない。一方明大も巻き返しをはかる。だが攻撃をしかける明大に対し、慶大も好ディフェンスを見せ22メートルライン内に入らせない。試合が動いたのは前半25分。マイボールラインアウトが乱れターンオーバーを許すと、明大はハイパンを用いる。ボールを確保した明大はそのままインゴールへ駆け込んだ。キックも決まり逆転を許すこととなる。さらに、前半37分には、体格の勝るFWの強さに守りきることができず1トライを献上。終了間際、明大にビックゲインを許しピンチを招くも、慶大も必死に食らいつき追加点を許すことなく前半を終了させた。

 

何度も力強い突破を見せた木口

何度も力強い突破を見せた木口

後半追い上げたい慶大。開始後すぐに試合は動いた。後半1分、FB丹治が抜け出すと、一気に独走。そのスピードに明大は追いつくことができずそのままトライを決めると、SO古田のキックも成功。後半開始早々同点に追いつく。しかし徐々に流れは明大に。ここから慶大の我慢の時間が始まる。自陣でのプレーも増え、ピンチの場面が増えていく。後半17分自陣ゴール前で明大ボールスクラムを組むと、そのまま押し込まれトライを献上。さらに22分にもトライを許してしまう。再び慶大が攻撃へと転じたのは、後半30分。SO古田からCTB木口へのサインプレーで厚いディフェンスラインを割ると、SH江嵜からHO中本へとボールが渡る。走り込んだ中本は、ゴールポスト付近へトライを決めた。しかしその後は再び明大の反撃が始まる。後半32分には、明大バックス陣の華麗にボールをつなぐとトライ。さらに後半38分にも、ディフェンスラインを割られトライを許してしまう。それに対し慶大も最後まで粘り強さをみせた。後半40分、キックで陣地を回復するとタイミングを合わせて走りこんCTB堀越がキャッチしトライを決める。自らキックも成功させ7点を追加するも、ここでノーサイド。明大の壁を破ることはできなかった。

 

 今季慶大がフォーカスするディフェンスの成果が試される試合だった。序盤には、よく動き明大を自陣に入らせない好守備をみせていた。ブレイクダウンにおいても、CTB中心に力強いプレーでゲームを展開し、ターンオーバーから攻めに転ずる場面が多くみられた。しかし後半になると明大のペースに飲み込まれ、試合を支配されてしまう時間が増える。終わってみれば計6トライを献上する結果となった。「ディフェンスで個人のタックルミスのところがあって、それが元でトライをとられて点数がとられてしまっている」(金沢ヘッドコーチ)。タックルの精度を上げ、強豪校相手に80分間徹底して守り切ることが今後の課題となるだろう。一方、選手が口を揃えていったのはフィジカルで互角に争えた点である。前半ではスクラムやモールで押され負けることが少なく、FWの奮闘が功を奏した。「フィジカルは負けていない部分があった」(LO豊田副将)「(100キロ差があるといわれる相手に対してスクラムは)まずまずの出来」(PR中本)。明大相手に自信のついたフィジカルは、このあと控える強豪校との戦いで、より磨きのかかったプレーを見せてくれるにちがいない。次戦は春季大会第4戦、早大が相手だ。早慶戦として、決して負けるわけにはいかない。「チームとしては一つにまとまって良い方向に進んでいる」(金沢ヘッドコーチ)。今年慶大蹴球部がスローガンに掲げる「one team」は十分に機能している。その団結力と伝統のディフェンスを武器に勝ち切ってほしい。

 

【ケイスポ的MOM・慶大が誇る強烈なタックラー廣川翔也】

 

タックルの絶妙なタイミングを見計らう

タックルの絶妙なタイミングを見計らう

この男の低く刺さるタックルはこれまで幾度となく相手を仕留めてきた。二年生からAチームに定着。試合経験は豊富だ。献身的なプレーを積み重ね、今ではチームにとって欠かせない存在となっている。今試合でも、何度もタックルをしては起き上がり、ブレイクダウンでボールを奪い、チャージに走りと人一倍多くの仕事をこなした。だが彼は決して自分のプレーに満足することはない。「80分間フルで出て、まだまだということを実感しました」。理想のラグビーを追求し続ける姿勢は、ラグビーへの熱意の高さをうかがわせる。彼の取り組みが慶大の部員に刺激を与えていることは間違えない。迎えたラストイヤー、有終の美を飾るそのときまで彼の成長は止まらない。

 

(記事・室塚あす香)

 

コメント

 金沢HC(試合を振り返って)ブレイクダウンと、ディフェンスという今週課題にしている部分の出来をしっかり見ていこうという話をしていていました。実際に試合をしてみると、できた部分もあり、できなかった部分もあったという印象です。(この試合での収穫は)明大相手にそれなりにフィジカルの点で対抗できたのはよかったところです。それは選手自身も自信がついたところだと思います。(今回の得点をどうとらえるか)今日の試合に関しては、アタックよりもディフェンスで個人のタックルミスのところがあって、それが元でトライをとられて点数がとられてしまっていることのほうが問題だなと感じています。(春季ここまでの試合を振り返ってディフェンスの出来は)よくないですね。単純にトライを取られている数がすごく多いです。慶大はそんなにトライをとれるチームではないので、もっとディフェンスを高めていかないといけないというのは正直なところです。ただ、個々のスキルを見ればできている部分もあるので、一歩ずつ上げていきたいなと思います。(主将がチームを欠いている現状があるがチームの状態は)副将の豊田がフィールドでは引っ張ってくれていますし、鈴木(主将)も今日も試合に来て外から声をかけたりしているので、チームとしては一つにまとまって良い方向に進んでいると思います。(早大戦に向けて)早大と当たるときはいつも厳しいゲームになるので、しっかり準備をして春やってきたことをしっかり出せるように頑張りたいと思います。

 

LO豊田副将(今日の試合を振り返って)ディフェンスで受けた時にゲインされてしまうので、次はそれを受けずにしっかりゲインラインで止めるというところをしっかり意識したいです。(今日のゲームプランは)自分たちのラグビーをするということで、ディフェンスにフォーカスしていました。テンポも上げて、体重差もある中で、相手よりも早く起きて走り勝つことを目標にしていました。(明大の印象は)結構フィジカルで負けていない部分も多かったので、そういう意味では、自信に繋がったと思います。(この試合を通して見えてきた課題は)大きくて重い相手に対してのセットプレーをもっと安定させなくてはいけないということと、ディフェンスのゲインラインを守るということです。(次戦に向けて)早大は伝統の因縁の相手なので、きっちりと勝利して秋につなげていきたいと思います。

 

PR細田(今日の試合を振り返って)明大はフィジカルが強いとわかっていたので、そこでどれだけ負けないようにということを意識して臨みました。(スクラムを組んだ印象は)僕の対面が大学5年目で代表歴もある選手で強いのはわかっていたので、できるだけ自分たちのスクラムが組めるようにと松岡さんを中心に組みました。一回ペナルティはありましたがまずまずの出来だったかなと思います。FW全体の出来は)体重差が100kgといわれている中で、自分たちの強みは、相手より軽い分走るということだと思っているので、走り勝とうというイメージで臨みました。(ご自身のトライを振り返って)相手のFWのディフェンスが遅れていたときに自分たちが走って取れたトライだと思うので、よかったです。(次戦に向けて)大事な早慶戦なので、相手の実力関係なく自分たちのラグビーができるように頑張ってやっていきたいと思います。

 

HO中本(試合を振り返って)明大が結構体が大きく、ブレイクダウンなどやられてしまっていまい、自分たちがディフェンスの面で前に出ることができなかったのが反省点です。(ご自身のトライを振り返って)結構テンポが出ていて、相手のディフェンスが揃っていない状態だったのいけると思って走り込みました。(今季Aチームとして試合に出る機会が増えた)昨年は一年間けがをしていて、特にセットプレーで全然4年生の方に敵わなかったのですが、今年4年生が抜けて自分が上の学年に上がり、試合の経験が積めるようになったかなという感じです。(強味としている部分は)アングルのある縦のプレーやアタックです。(次戦に向けて)次の相手は早大なので、早慶戦に出場できることに感謝して頑張りたいと思います。

 

FL廣川(今日の試合を振り返って)チームとしては、最初のほうはかなり良かったです。FWは結構体重差があるといわれていたのですが、コンタクトの部分ではまずまずやれたかなという印象です。僕自身は、タックルの部分で何回かミスがあって、それが直接トライにつなげられてしまったこともあったので、(タックルは)僕自身が一番やらなくてはならないことだと思っているので、反省点として挙げられます。(ここまで春全体を振り返ってご自身の調子は)春は、金沢ヘッドコーチからブレイクダウンを意識してやるように言われているので、そこは意識していやっています。ただ結果としては出たり出なかったりなので、100パーセント結果を出せるようにしていかないといけないと感じています。(明大の印象は)予想通りコンタクトの部分で体が大きいことに加えて、ハーフの周りやスタンドもうまくて、強くてうまいという明治大学らしいことをやられてしまいました。(ご自身のプレーを振り返って)ブレイクダウンなどもやっているのですが、一番の部分ではタックルをやらなくてはならないので(タックルは)反省点です。(フィットネスでは走り勝てたところはあるか)前半20分くらいまでは結構走れたと思うのですが、前半の後半の部分はあまり良くなかったです。後半は、日差しが弱くなってからは走れたのですが、やはりコンタクトが激しかったにしても、もっと走れないといけないし、まだままだだなと思います。フィットネスが落ちてしまってタックルの精度が落ちてしまったところもあると思うので。初めて80分間フルで出て、まだまだということを実感しました。(次戦に向けて)今回タックルが課題となったので、日吉に戻って出場できるようにまた一から頑張ります。

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