慶應スポーツ新聞会

【ラグビー】後半苦戦も粘り勝ちグループB 2位で春季大会を終える/春季大会・拓殖大

 

復帰戦で力強いプレーを見せたNo.8松村

復帰戦で力強いプレーを見せたNo.8松村

春季大会もいよいよ大詰めを迎えた。最終戦の舞台は、山梨県・富士北麓公園陸上競技場。相手はここまで1勝3敗と、今ひとつ流れに乗り切れていない拓殖大。試合は先制こそ許したものの、相手ディフェンスラインの隙を上手く突き前半だけで6トライを奪い、ダブルスコアで試合を折り返す。しかし、後半はなかなか攻撃の形を作り出すことができない。一方で拓殖大が自慢のフォワード陣のパワーを生かし、セットプレーを中心に勢いを持ち返す。最後は慶大が格上の意地を見せるトライを決め、56—31で勝利を収めたものの、秋の対抗戦に向けて特に守備面の課題が浮き彫りとなった一戦だった。

 

2016/06/19(日)13:00K.O.@富士北麓公園陸上競技場

 

 

得点

慶大

 

拓殖大

前半

後半

 

前半

後半

6

2

T

3

2

6

2

G

2

1

0

0

PG

0

0

0

0

DG

0

0

42

14

小計

19

12

56

合計

31

 

 

得点者(慶大のみ)

 

T=松岡2、豊田、松村、今泉、金澤2、楠本

G=青井8

 

 

ポジション

 先発メンバー

 交代選手

1.PR

堀切厚輝(環4・國學院久我山)

→後半22分 細田隼都(商3・慶應)

2.HO

松岡大介(環4・小倉)

→後半22分 中川丈豊(経2・慶應)

3.PR

榎本雄一(商4・慶應志木)

→後半22分 坂田拓海(経2・慶應志木)

4.LO

植竹創(商2・湘南)

 

5.LO

永末千加良(法3・慶應)

 →後半28分 古舘健介(経3・慶應)

6.FL

中村京介(文3・明和)

 

7.FL

豊田祥平(総4・ 國學院久我山)

 

8.No.8

松村凜太郎(商3・慶應)

 →後半0分 川合秀和(1・國學院久我山)

9.SH

江嵜真悟(商2・小倉)

 

10.SO

青井郁也(商3・慶應)

 

11.WTB

高木一成(1・慶應)

 

12.CTB

今泉宏健(総3・清真学園)

 

13.CTB

豊田康平(総2・國學院久我山)

→後半11分 堀越貴晴(総3・茗渓学園)→後半15分 高野慎也(商3・慶應)

14.WTB

金澤徹(商3・慶應)

 

15.FB

楠本遼(経4・慶應)

 

 

 

 

インゴールに飛び込んだCTB今泉

インゴールに飛び込んだCTB今泉

開始直後の前半2分、フェーズを重ねられながら徐々に陣地を制圧され、先制のトライを許してしまう。だが、すぐさま慶大もWTB金澤が快速をとばし独走でトライを決め、試合を振り出しに戻す。そこからは奪われては取り返す拮抗した展開に。セットプレーに自信を持つ拓大は前半12分、ラインアウトからモールで押しこみ、そのままグラウンディングでトライを奪う。慶大も前半16分、クイックスローインから速攻でつなぎ、ガラ空きのラインをHO松岡がラインブレイクしてそのままトライに成功。続く前半20分にもSH江嵜の猛チャージからボールを奪取すると、フェーズを重ね最後はCTB今泉が突破しインゴールに飛び込んだ。だが、拓大も食い下がる。前半23分、左サイドに大きく展開されると、スピードに乗った相手WTBを止められず、独走を許してトライを献上してしまう。一進一退の試合の流れが変わったのは前半27分。ラインアウトからドライビングモールで押し込み、最後はHO松岡がトライ。難しい角度からのコンバージョンもSO青井が難なくゴールを決めると、ここから一気に試合は慶大ペースに。松岡が相手の横パスをインターセプトすると、そこからじわじわと前進して最後はFL豊田がインゴールに飛び込む。ここも青井がゴールを成功させる。そして前半 39分、ラックから出たボールを片手にNo.8松村が抜け出しビックゲインを決めると、そこからFL中村、SH江嵜と繋ぎ最後は再び松村が押し込んでトライ。拓殖大を突き放して前半を折り返す。

 

 

今試合で初のAチームでの出場を果たした河合

今試合で初のAチームでの出場を果たした河合

後半、WTB高木の勢いの乗ったタックルや、独走する相手選手を間一髪で追いついて防いだ青井のファインプレーなど、いくつか見せ場はあったものの、お互いに得点を奪えない時間帯が続く。均衡が破れたのは後半20分。右サイドを徐々に攻め込まれると最後までターンオーバーできないままトライを奪われ、後半最初の得点は拓殖大に入る。雲行きが怪しくなり始めたその矢先、江嵜が自身のグラバーキックを自ら取りに行って技ありのトライ。流れを簡単には渡さない。後半22分、慶大はフロントローを総入替する。劣勢だったスクラムに新たな風を吹き込みたいところではあったが、圧倒される状況は変わらず。後半29分スクラムからビックゲインを許し、そのまま失点を許すと、以降拓殖大はスクラムを起点に激しい攻撃を組み立ててくる。トライこそ防いだものの、数人がかりのディフェンスも相手に突破される場面が続く。このままでは終われない慶大。後半42分相手ボールのブレイクダウンから江嵜がプレッシャーをかけボールを奪い、そこから青井に繋いで、最後は左サイドインゴールにFB楠本がボールを押し込んだ。そしてこの日キックが冴えわたった青井がここもしっかりと決め、56—31でノーサイドとなった。

 

 

スクラムでは体格の勝る相手に奮闘した

スクラムでは体格の勝る相手に奮闘した

先週は招待試合である同志社大と、その前週は春季大会第4戦目の早大と、ライバル校を次々撃破して臨んだ最終戦。ここは格の違いを見せつける快勝で春季大会を締めくくりたいところだった。だが、事はそう簡単には運ばないことを痛感させられた。今回苦戦を強いられた要因はディフェンス。「ずっとフォーカスしてやってきているディフェンスに関しては、80分の中で良いディフェンスをしていると感じられるのは5分くらいしかなかった」(金沢HC)との言葉通り、終始相手の攻撃に手を焼いた。セットプレーでは、サンウルブズにも参戦中のPR軍を擁する拓殖大のFW陣の前に手も足も出なかった。更には、昨季と比較して大きく進歩が見られていたタックルも、「低さで勝負しようとしたんですけど、やっぱり重さのところで負けてしまった」(豊田副将)と、今回はボール奪取にはなかなか繋がらず。フェーズを重ねられてターンオーバーできないままトライを奪われるといったシーンがしばしば見られた。だが、収穫がなかったわけでは決してない。SHの江嵜は幾度となく単独でプレーの流れを変える活躍を見せたし、加えて、青井や金澤といった昨季の主力選手も終盤戦で戦線に復帰し、そこでしっかり健在を印象付ける活躍を見せてくれたということは今後に向けて明るい要素だ。

 4勝1敗の2位で幕を閉じた春季大会。昨季から大幅なメンバー入れ替えがなされたが、花園出場経験のある若手を中心に、今まで下のチームにいた選手たちが続々と活躍を見せ、むしろ選手層にも厚みが生まれて勢いのあるチームになったと言っていいだろう。だが、「春季リーグといってもBですし、僕らが目指しているのは帝京大学に勝つことなので、まだまだ満足できる現状ではない」(豊田)「去年も春は勝って秋に負けているので、夏頑張って秋季に臨んでいきたい」(江嵜)と、好成績にも選手たちに慢心する様子は微塵もない。最終戦で思うような試合運びができなかったことをプラスに捉えて、夏合宿で課題の克服に取り組んでもらいたい。秋の対抗戦での躍進は、その延長線上に必ず見えてくるはずなのだから。

 

【ケイスポ的MOM】流れを呼びおこすアグレッシブなプレー SH江嵜

 

すばしっこい動きで敵を翻弄した

すばしっこい動きで敵を翻弄した

春季大会には3試合に出場。その度にその存在感をどんどん強めつつある。彼の持ち味は、SHという身体が比較的小さい技巧派が務めるポジションでありながらも、積極的に接触を伴うプレーを仕掛けるところ。今試合でも、攻撃面では、自身がグラバーで蹴ったボールを再度追いかけてトライを決め、一方守備面では、ブレイクダウンから出た相手ボールに対し何度もプレッシャーをかけボールを奪取した。試合後、「今回秋に向けて良いところと悪いところがわかったので、秋もスタメン出場を狙って頑張るというよりは、自分の能力を伸ばしてその延長線上でスタメンに選ばれればいいかな、というぐらいの気持ちでいます。」と謙虚にこれからを見据えた江嵜。SHはチーム内競争の激しいポジションではあるが、今試合の活躍は秋本番での活躍に向けて確実にステップアップとなったはずだ。この小さな、しかし勇猛な若虎の活躍に今後も目が離せない。

(記事:江島 健生)

 

コメント

 金沢HC

(今日の試合を振り返って)すごくフラストレーションのたまる試合でした。特にずっとフォーカスしてやってきているディフェンスに関しては、80分の中で良いディフェンスをしていると感じられるのは5分くらいしかなかったので、パフォーマンスとしてはよくなかったと思っています。(春全体を通して成長を感じた選手は)今日出場していた川合は、今までAチームには出たことがなかったのですがすごくよくなってきていると思います。(開幕前には前3の経験層が薄いという話だったが春を終えて)急に経験値が上がるということはないと思いますが、特に今日は相手が日本代表やサンウルブズに出場している選手だったので、そういう意味では選手にとってはいい経験だったと感じています。(夏合宿で強化していきたい点)ディフェンスのところでもっともっと高めて、自分たちの軸がディフェンスだといえるようにしっかり良い練習をしていきたいと思っています。

 

HO 松岡大介(4)

(今日の試合を振り返って)早大戦もそうだったのですが、スクラムで負けてしまったのですごく悔しい試合でした。(スクラムが押された原因は)相手の重さに対応できなかったです。体の大きさや力の部分です。(春のリーグ戦を振り返ってFWとして良かった所は)アタックで順目に走る意識やFWから守ろうという意識は強くなっていたのでその部分が良かった所です。(改善したい部分は)セットプレーです。スクラムとラインアウトを秋はしっかりできるようにしたいです。

 

FL豊田祥平(総4)

(今日の試合を振り返って)相手にトライを許してしまったという点では、僕らが目標とするディフェンスができていなかったのかなと思うので、反省点の多い試合だったかなと思います。(相手と体格差もあったが、スクラムはどのように対応したか)相手にサンウルブズの選手もいたので、低さで勝負しようとしたんですけど、やっぱり重さのところで負けてしまって押されたので、そこは低さの部分をもっと改善していかないといけないなと思いました。(春季リーグのご自身のプレーを振り返って)やっぱりもっとアグレッシブにボールに絡んでいけるプレイヤーになりたいなっていうのはありまして、そういう意味ではもっとボールを持ってアタックに参加できるようにすればよかったなとは思います。秋はできるように改善していきたいです。(チームの春季リーグの成績を振り返って)春季リーグといってもBですし、僕らが目指しているのは帝京大学に勝つことなので、まだまだ満足できる現状ではないです。春季リーグで自分たちのディフェンスに対する反省点が出るようではまだまだだと思うので、打倒帝京を目指してステップアップしていきたいなと思います。(主将が怪我でいない中で、副将としてチームの雰囲気をどう見ているか)主将やフォワードリーダー、バックスリーダーもいない中、僕の中でいっぱいいっぱいになる部分もあるんですけど、4年生が下級生を支えてくれるので、リーダーがいない分、みんながリーダーになろうっていう意識は高まっています。逆にそういう意味ではチームに一体感が出てまとまってきているのかなと思います。(夏合宿で改善していきたい部分は)もっと全員が体力をつけて、アタックでは慶應らしい走って崩すプレー、ディフェンスでは低いタックルと完璧なディフェンス組織作りを夏でしっかり作り上げていきたいなと思います。

 

SO青井郁也(商3)

(今日の試合を振り返って)試合前の目標として、一試合通して慶大のディフェンスを意識し試合の入りからやろうという話だったんですけど、それができませんでした。最初は取り合いのような展開になってしまい、そのままずるずると自分たちのやりたいラグビーができなかったです。(ご自身のプレーを振り返って)復帰して三試合目か四試合目でやっとAチーム戻ってくることができました。一応今日の試合をフォーカスにやってきたので、復帰できたのはよかったのですが、自分のプレーとしてはまだまだで、不用意なキックだったりタックルミスだったり色々反省点はあるので、そこを修正していきたいと思います。(ケガをしていた間はどのような調整をしていたか)足首の捻挫でリハビリをしていました。その間にどんどんチームは練習を重ねていってみんな成長していっていたので、そこで置いていかれないように、まずは自分の強みであるアタックやキックは精度を落とさないようにしました。加えてディフェンスは自分の課題なので、復帰する一週間から二週間前くらいからはタックルにフォーカスして調整していました。(リハビリの間に客観的にチームの状態を見てどのように感じていたか)良いとは思わなかったのですね。強い相手には負けて、弱い相手には勝てるという当たり前のチームだったので。自分が復帰してから、相手がどんなに強かろうが弱かろうが慶大のラグビーをできるようにやっていこうと思っていたのですが、それがこの試合ではできませんでした。次いつ試合になるかわかりませんが、次の試合に向けてはそこを修正していきたいと思います。(夏合宿で取り組んでいきたい点)ヘッドコーチから言われているのですが僕の課題はディフェンスですね。慶大はディフェンスのチームと言われているので、そこの精度を上げていかないと秋の試合に使ってもらえないと思っています。なので、ディフェンスの精度を上げるよう取り組んでいきたいです。

 

 

SH江嵜真悟(商2)

(今日の試合を振り返って)春はずっとディフェンスをフォーカスしてやってきたんですけど、最後少し課題が残ってしまい、そこはちょっと悔いが残りました。(後半、ご自身が蹴ったグラバーを自らに取りに行ってトライを決められました。今日は単独で攻撃を仕掛ける場面が多かったですが、それは意識して取り組んでいたのでしょうか)ポイントサイドが結構空いてたので自分から行きました。そこが詰まっているときは外で頑張って走って来てもらえればと思っていたんですけど、あのときは空いてたので、自分から仕掛けていきました。(相手ボールスクラムから出たボールにも積極的にチャージされていましたが)結構狙っていましたね。(春季大会では3試合に先発出場。更には今日の活躍で秋に向けてアピールできたのでは)そうですね。今回秋に向けて良いところと悪いところがわかったので、秋もスタメン出場を狙って頑張るというよりは、自分の能力を伸ばしてその延長線上スタメンに選ばれればいいかな、ぐらいの気持ちでいます。(これで親善試合を含めて春季は敗と好成績を収めました。この成績をどう捉えていますか)あくまで春は春として捉えています。去年も春は勝って秋に負けているので、夏頑張って秋季に臨んでいきたいです。(最後に今後の抱負を)今年は選手権への出場枠も4枠になっているので、去年よりも厳しい戦いになりますが頑張っていきたいです。

 

WTB 金澤徹(3)

(今日の試合を振り返って)試合を通して慶應らしいラグビーができなかったです。点数の取られ方が原因だと思います。(2週前の早大戦からご自身は復帰されましたが)復帰して2、3週間しか経ったのですが、まだ感覚を取り戻せていないのでもう少し練習をして、ここから調子を上げていきたいなと思います。(試合に出ていない時はどんな思いで過ごされていましたか)去年も春は2試合ほどしか出ることができず、今年も出られなくて悔しかったです。とりあえず体を大きくしようとしました。(ケガですか)足首のケガです。去年と同じ場所で1、2ヶ月くらい治すのに時間がかかりました。リハビリの時は足首がケガだったので上半身の筋トレをして鍛えることができました。(後半は得点が伸び悩みましたが)自分たちのミスと抜けた後に自分たちのミスで相手のトライになってしまいました。いろいろうまくいかないことが後半の方が多く、そこが伸び悩んだ理由だと思います。(バックスの中での課題はあったのですか)バックスというよりは慶應としてディフェンスで勝ち切るというのが今日のコンセプトだったのですが、それができなかったです。バックスもブレイクされている時もありました。後半はケガ人も多く出てしまってポジションがバラバラというのもありましたが、個々のディフェンスがバラバラだったのかなと思います。(相手のフィジカルの強さという面もあったと思うのですが)外国人の選手は強かったです。(最終戦でしたが、今後に向けて)今後また出続けて、秋は去年より良い成績を残したいと思います。

 

Comments are closed.