慶應スポーツ新聞会

【フェンシング】22年ぶり制覇は逃すも、町田・和田・宮脇らの活躍で2勝! 第69回早慶対抗フェンシング競技定期戦大会

第69回を迎えた早慶対抗フェンシング競技定期戦大会。“史上最強の慶應”を目標に掲げ、慶大フェンシング部は22年ぶりの早慶戦優勝を目指した。男子フルーレこそ大敗を喫したものの、女子フルーレ・男子エペ・女子エペ・男子サーブル・女子サーブルでは主将の町田拓哉(商4・慶應義塾高)や和田花子(環4・湘南高)、宮脇花綸(経2・慶應義塾女子高)らの活躍で接戦を繰り広げ、女子エペと男子サーブルで勝利。早慶戦制覇は逃したものの、かつては大きな戦力差があった早大から2勝を挙げる価値のある大会となった。

慶大は22年ぶりの早慶戦勝利を目指した

慶大は22年ぶりの早慶戦勝利を目指した

 

第69回早慶対抗フェンシング競技定期戦大会

 

2016年12月11日(日)@早稲田大学17号館体育館地下一階フェンシング場

 

男子フルーレの部 ※フルーレ・・・有効面は胴体部分。

慶應義塾大学             早稲田大学

       選手 突破 スコア スコア 突破 選手

①   田中健人  1  1   5  5  竹田陸人

②   北島慎也  1  2   10  5   松山恭助

③   梅山 幹  3  5      13  3  三好修平

④   北島慎也  5  10   20  7  竹田陸人

⑤   田中健人  3  13  25   5  三好修平

⑥   梅山 幹  0  13  30  5  松山恭助

⑦   北島慎也  1  14  35   5  三好修平

⑧   梅山 幹  2  16  40  5  竹田陸人

⑨   田中健人     6  22  45  5  松山恭助

第1種目、男子フルーレの部で勝利を収め22年ぶりの早慶戦勝利へ勢いをつけたい慶大。しかし、序盤からリードを大きくつけられる苦しい展開に。最終的にはダブルスコアでの大敗を喫し、慶大は幸先のいいスタートを切ることができなかった。

 

女子フルーレの部

慶應義塾大学             早稲田大学

    選手 突破 スコア スコア 突破 選手

①   和田花子  1   1    5   5  狩野愛巳

②   宮脇花綸  6   7   10   5  永瀬夏帆

③   谷麻也夏  3   10   13    3  佐々木陽菜

④   和田花子  2   12    20  7  永瀬夏帆

⑤   谷麻也夏  0   12    25  5  狩野愛巳

⑥   宮脇花綸  15    27    28  3  佐々木陽菜

⑦   谷麻也夏  4   31    31   3  永瀬夏帆

⑧   和田花子  3   34    37  6  佐々木陽菜

⑨   宮脇花綸     6   40   45  8  狩野愛巳

宮脇はさすがのプレーを見せた

宮脇はさすがのプレーを見せた

続く第2種目、女子フルーレには東京五輪世代期待の星・宮脇花綸(経2・慶應義塾女子高)ら3選手が登場。勝利へ期待が懸かる。1人目の和田花子(環4・湘南高)が波に乗り切れず迎えた慶大の2人目は、宮脇。主審の厳しい判定に時折苦しんだが、何とか点差を縮めた。そして6人目として再び登場した宮脇が圧巻のプレーを見せる。次々と点を奪い、13点差を一気に1点差まで追い上げた。谷麻也夏(総4・東葛飾高)・和田も何とか引き離されまいと健闘したものの、最後は宮脇が力尽き、この種目も敗戦。

 

男子エペの部 ※エペ・・・攻撃方法は突きのみで全身どこをついても有効。

慶應義塾大学             早稲田大学

    選手 突破 スコア スコア 突破 選手

①   武田 仁  5   5    3   3  加納虹輝

②   上田昌弘  5  10   6   3  小野真英

③   華原浩鷹  2  12   6   0  安 雅人

④   上田昌弘  6  18   20  14  加納虹輝

⑤   武田 仁  2  20    25  5  松山恭助

⑥   平野裕也  3  23    30  5   小野真英

⑦   上田昌弘  6  29    32  2  安 雅人

⑧   平野裕也  5  34    40  8  加納虹輝

⑨   武田 仁     8  42    45  5  小野真英

健闘した上田

健闘した上田

この種目を落とすと早慶戦勝利に向けていよいよ後がなくなる慶大。武田仁(商4・慶應義塾高)副将と上田昌弘(商4・慶應義塾湘南藤沢高)副将の活躍で慶大が序盤は試合を優位に進める。しかしここから相手の猛攻を受けてしまい、リードを守り切ることができず。3点差での惜敗となり、慶大は崖っぷちに追い込まれた。

 

 

 

女子エペの部

慶應義塾大学             早稲田大学

    選手 突破 スコア スコア 突破 選手

①   和田花子  5   5   2   2  伊藤由佳

②   脇 成実  4   9   9   7  山村彩和子

③   宮脇花綸  0   9   9   0  澤浦美玖

④   西久保夏実 6  15   16   7  伊藤由佳

⑤   和田花子  9  24   20  4  狩野愛巳

⑥   宮脇花綸  4  28   23  3  山村彩和子

⑦   西久保夏実 2  30   26  3  狩野愛巳

⑧   宮脇花綸  4  34    29  3  伊藤由佳

⑨   和田花子    11  45    33  4  山村彩和子

女子エペの部に勝利し、待望の1勝目となった

女子エペの部に勝利し、待望の1勝目となった

「踏みとどまって3-3に持ち込める雰囲気を」(宮脇)と意気込んで臨んだ第4種目。ここで輝いたのは、女子フルーレの部で悔しい思いをした和田だった。3度登場しそれぞれ5-2、9-4、11-2の大活躍。慶大に待望の1勝目をもたらした。まさに文字通りの快勝で、残る男女サーブルの戦いに向けて弾みをつけた。

 

男子サーブルの部 ※サーブル・・・斬りが主体で突きもできる競技。有効面は腰骨より上(頭や両腕も含む)

慶應義塾大学             早稲田大学

    選手 突破 スコア スコア 突破 選手

①   小村 諒  0   0   5  5   安部 凌

②   町田拓哉  10  10   9  4  高木良輔

③   加太達也  3    13  15  6  山本隼太

④   小村 諒  3    16  20  5  高木良輔

⑤   加太達也  3    19  25  5  安部 凌

⑥   町田拓哉  11  30  28  3  竹下昇輝

⑦   加太達也  4  34  35    7  高木良輔

⑧   小村 諒  3  37  40   5  山本隼太

⑨   町田拓哉     8  45  43  3  安部 凌

 

気迫あふれるプレーを見せた町田主将

気迫あふれるプレーを見せた町田主将

女子エペでの勝利によって生まれた良い流れに続くべく臨んだ第5種目、男子サーブル。しかし1人目の小村諒が1点も奪うことができず、嫌な雰囲気が立ち込める。ここで2人目として登場したのは主将・町田拓哉(商4・慶應義塾高)。その町田が、気迫あふれるプレーでムードを一変させる。一気に10点を奪い1点リードにすると、その後6人目、9人目としても登場し11-3、8-3の大活躍。大接戦をものにした慶大が、2勝目を手にした。

 

 

 

女子サーブルの部

慶應義塾大学             早稲田大学

    選手 突破 スコア スコア 突破 選手

①   谷麻也夏  5   5    1  1  永瀬夏帆

②   梅山紗南  4   9   10  9  佐々木陽菜

③   福島涼香  3  12   15  5  狩野愛巳

④   梅山紗南  5  17    20  5  永瀬夏帆

⑤   谷麻也夏  8  25   23  3  狩野愛巳

⑥   工藤渚沙  5  30    29  6  佐々木陽菜

⑦   梅山紗南  5  35    34  5  狩野愛巳

⑧   工藤渚沙  4  39    40  6  永瀬夏帆

⑨   谷麻也夏     2  41     45  5  佐々木陽菜

祈るように戦況を見つめる

祈るように戦況を見つめる

そして迎えた第6種目、女子サーブル。勝って五分に持ち込みたい慶大は、1人目の谷が快調な滑り出しを飾る。その後登場した梅山紗南(経4・Stonyhurst College)、福島涼香(文2・慶應義塾湘南藤沢高)、工藤渚沙(総1・青山学院高)が一進一退の攻防を見せ、勝負の行方は39-40の状況で9人目・谷へ。しかし最後は相手の勢いに押されてしまい、41-45で敗戦。惜しくも勝利を逃した。

 

総合成績は2勝4敗で、22年ぶりの早慶戦勝利とはならず。それでも、この2勝は慶大フェンシング部にとって大きな「成長」(町田)だ。地道な努力で、早大との差を一歩一歩縮めてきた。その成果は着実に結果に表れている。慶大がその歴史に再び早慶戦勝利を刻む時は、そう遠くないうちに訪れるはずだ。慶大フェンシング部のさらなる発展に、期待したい。

 

(記事 小林将平、写真撮影 氏家滉登)

 

試合後コメント

 

桑原武夫部長

(今年の早慶戦を振り返って)早慶戦はここずっと勝利から遠かったんですよ。私が部長になってから4年目の早慶戦になりますけど、3種目ずつ男女であるので6つの試合があるわけですけれども、1つ勝てたらいいかなという感じで。勝てない試合は大差で、ということでした。早稲田はやっぱりエリートの高校生を獲るという仕組みを持っている大学で、私たちのようにみんな入試を受けてもらうかあるいは内部からの進学しかないというところは大きなハンデがあると。それが表れていた感じなんですけれども、選手はすごく努力しました。私が部長になった時には男女3種目とも全て関東学生リーグの中の2部だったんですけれども、今は男子のサーブルを除いて全て1部に昇格をしています。これは大変なことなんですね。今日は負けましたけれども、オリンピック選手などを全部破って全日本チャンピオンになった選手も出たりとか、全日本3位の選手が出たりというところまで来たんです。今日はそういう意味では今までの早慶戦では様変わり、昨年は全部負けましたけれども今年は全ての協議において戦えていました。ですから、肩を並べるところまでは来ましたね。なかなか慶應が素直なので、素直に行って向こうの作戦にはまってしまったというところはあるけれども、私たちはそういう作戦を取らないけれども勝てるところまでは来ている。だからみんなが応援しましたよね、慶應は見て分かる通り部員数はもう日大か慶應かというくらい多いところまで来ました。塾高からも女子高からもSFCからも、それから外の高校からも来てくれるということで、総合力あるいはチームワークという意味ではさすが慶應ですね。4年見ていますけれども全てチームがまとまって一丸となった戦いでここまで来ました。ですから、次に向けて大きな希望が持てるような、ここまで来たという実感と来年に向けての未来展望が開けたという印象を非常に強く持てたというのが今年の早慶戦でした。(来年、23年ぶりの早慶戦勝利に向けて必要なことは)もうね、何か足りないというものはないと思います。このまま慶應義塾であればいい。彼らは進化のプロセスに入っているので。特に43ある体育会の中でもフェンシング部は一番嫌な上下関係が無くて大変良い上下関係があるようなそういう部に成熟しましたので、慶應義塾のイノベーションの精神、文化を引き継いでこのまま成熟を待てば来年はきっと勝利してくれるんじゃないかと思います。(フェンシングという競技の魅力とは)私は3年前に田中先生へ挨拶するためにSFCの授業に行きました。そうしたら先生に「本当に面白いから、だまされたと思ってやってみて」とその場で靴を履かされて、その後1時間フットワークをやらされて。その時はファイティングはなかったのでそんなものかと思ったんですけれども、もう1回出てみようかと思って実際剣をもって電気をつないでファイティングをやってみたら、これは面白いと。そう思ったら1週間後には私自分のユニフォームと剣を買いに行ってましたから。今はSFCの週2コマのエペの授業と日吉の週1コマのフルーレの授業にほぼ毎回出席をしています。大会にも出るようになって。54歳から始めて今一番ハマってる!面白い!勝っても負けても面白いし、工夫すればするだけのことはあるし。力じゃないんですよね。チョンと触れられて負けたりするのが一番悔しかったり、体制が崩れた中で触られたら負けという組み立てがあり作戦があり経験があり。やってみないと分からない競技ですね。身近じゃないと思ったけど、やってみると大変ハマる競技です。

 

田中由美子監督

(今年の早慶戦を振り返って)勝ち切ることの難しさを毎試合感じるわけで、個々の実力は確実に上がっていてその実力に早稲田とは大きな差があるんですけどそれがチームとなるとここまで頑張れるんだなという、そういうのを私は「1+1=2じゃないよ」と感じるけれど、その中で勝ち切るということの難しさをいつも感じているところです。(来年、23年ぶりの早慶戦勝利に向けて必要なことは)人材を求めることは簡単で、そういう選手を獲ればいい。でも慶應は残念ながらそういう人を獲るルートがないし当然みんなが学問を優先してここまでやってきているわけですから、もう毎日毎日早慶戦を目標に日々精進、努力。これに尽きると。学生たちもリーグ戦も大事だけど最後のゴールは早慶戦だと思って今があるので、また同じことを繰り返して明日からスタートじゃないですけど、人材のことを言ったらこれは勝負にならないので、それはやめて、じゃあできることは努力あるのみでしょうから。(フェンシングという競技の魅力とは)SFCでも日吉でもフェンシングの授業をしております。ぜひそれを1回でもいいから見ていただきたいと思うんですけれども、この年末にフェンシングの映画があるそうです。それも見てほしいし、あとは会場に行って見てほしいなと。道場に来てくださっても大歓迎です。一緒にやってみましょう!

 

町田拓哉(商4・慶應義塾高)主将

(今年の早慶戦を振り返って)3年前くらいまでうちのチームはすごく弱小チームでリーグ戦とかも2部が当たり前みたいなチームだったんですけど、やっと少しずつ強くなってきて今年は早稲田と並ぶかそれ以上の結果を出せてこれたので、22年ぶりに早慶戦に勝ちたかったし勝てるチャンスが十分あると思っていたんですけど、最後は早稲田の勝負強さにやられてしまって。優勝はできなかったんですけど、2勝したのも相当久々なので、成長というのも見せられたかなと思います。(自身最後の早慶戦を終えて思うことは)まだ終わったばかりなのであんまりまだ何も思ってないんですけど、ちょっと寂しいなっていう感じですね。1,2年のころなんてずっと永遠にフェンシングしてるんじゃないかって思っていたので、終わったかっていう感じなんですけど、僕自身は全部出し切れたのですっきり終われそうです。(気迫あふれるプレーが印象的だったが)最後の試合ですし、自分の試合の前に結構みんな負けちゃってたので「みんなの分も」と思って頑張りました。(来年、23年ぶりの早慶戦勝利を狙う後輩にメッセージを)今年は相当強かったんですけどそれでも届かない高い目標だったので、自分たちを超えられるように努力してほしいと思います。

 

武田仁(商4・慶應義塾高)副将

(今年の早慶戦を振り返って)毎年対外試合の結果では慶應の方が上回っているんですけど、いつも勝てないというジンクスみたいなものがあって、今回は(男子エペの)最初の出だしで6点差くらいついたのでこれは勝てるかなと思ったんですね。油断すると負けちゃうんで、一度ここで締め直そうみたいなことを言ってたら相手のエースがちょっと強くてあっという間に巻き返されてしまってそこから悪い流れができてしまったという印象があります。(自身最後の早慶戦を終えて思うことは)自分としては対外試合で結果を残すという方に重きを置いてきたんですけど、OBの方々とかの話を伺うとやはり伝統のある一戦ということで絶対に負けられない試合なんだなということは常々感じてきました。それで勝てなかったというのはすごく心残りというか、他の試合で勝っても早慶戦を取れなかったというのがすごく悔いが残っています。(来年、23年ぶりの早慶戦勝利を狙う後輩にメッセージを)今回僕らの方が強かったのに、こういうふうに勝負というのはその時の流れだったり運だったりというものがあるので、来年は戦力的にうちが下回る可能性の方が高いんですけど、諦めずに最初から思い切って勝負してぜひ勝ってほしいと思っています。

 

上田昌弘(商4・慶應義塾湘南藤沢高)副将

(今年の早慶戦を振り返って)全体としては今年が一番勝てたのかなと思っていて、でも自分の種目も含めて最後勝ち切れなかったのはやはり相手の方が勝つという気持ちが強かったのかなと思っています。(自身最後の早慶戦を終えて思うことは)自分のところで結構展開が変わってしまっていたので悔いが残るんですけど、全日本があるのでそこで巻き返したいなと思っています。(来年、23年ぶりの早慶戦勝利を狙う後輩にメッセージを)武田も言っていた通り、戦力的には向こうの方が上になる可能性の方が高いんですけど、社会人になっても自分がコーチに来たりして少しでも貢献できればいいかなと思っています。

 

宮脇花綸(経2・慶應義塾女子高)

(今年の早慶戦を振り返って)今年は早稲田がフルメンバーじゃないところもあったり、この前後2年間くらいで一番勝つ可能性がある年なんじゃないかなと思ったので、全部勝つつもりで早慶戦22年ぶり勝利というのを目指していたんですけど、正直こちら側の応援の雰囲気が良くなかったのと自分が出た試合、女子フルーレを専門としていて最後そこで勝つことができなかった、途中までは良く回ってたんですけどそこで勝つことができなかったというのはやっぱり悔いが残る試合でしたし、この代で戦える、勝利を狙えるというのは今年だけで2回目はないので、それはすごくもったいなかったなと思います。(女子エペでは女子フルーレのリベンジをという気持ちもあったのか)はい、男子エペも負けてしまって3連敗で後がない状況だったので何とかそこで踏みとどまって3-3に持ち込める雰囲気をと。男子サーブルは結構近年勝っていたので、そこに女子エペ勝って男子サーブル勝って最後女子サーブルに良い雰囲気で繋げられるように、頑張りました。(来年の早慶戦で勝利するために何が必要か)個々のレベルというのは上がってきていて、元々かなり差があったものがかなり縮まってきてはいて、あとはそれをさらにチームとして2倍にも4倍にもする力がまだまだ足りないと思うので、そういった部分をチームとしての試合運びだとか一致団結する雰囲気とかを強められたら来年も勝ちを狙いに行けるんじゃないかなと考えています。(最後に今後への抱負を)来年の4月に世界ジュニア選手権というU-19の試合があるので、その試合に向けて頑張ります。

Comments are closed.