シーズンの幕開けにふさわしい、すがすがしい勝ち方を見せた。4月23日(日)、関東大学春季大会の開幕戦が行われ、昨季対抗戦4位でBグループに回った慶大は青学大と対戦し、53-5で勝利を収めた。試合は序盤から慶大が力強いランプレーとテンポの良いパス回しを展開し、4分にCTB堀越貴晴(総4)が先制トライを挙げる。早々に試合の主導権を握った慶大は以降も切れ目のない連続攻撃を幾度となく繰り出し、終始青学大を圧倒した。慶大は次戦、同志社大との100回目の定期戦(5月4日)に臨む。
4/23(日)13:00K.O.関東大学春季大会グループB vs青山学院大学戦
@慶應義塾大学グラウンド
得点者(慶大のみ)
T=川合3、永末、松村、堀越、宮本、高木、柏木
G=高木3、堀越
得点 | ||||
慶大 |
| 青学大 | ||
前半 | 後半 |
| 前半 | 後半 |
4 | 5 | T | 1 | 0 |
2 | 2 | G | 0 | 0 |
0 | 0 | PG | 0 | 0 |
0 | 0 | DG | 0 | 0 |
24 | 29 | 小計 | 5 | 0 |
53 | 合計 | 5 |
ポジション | 先発メンバー | 交代選手 |
1.PR | 細田隼都(商4・慶應) | →後半15分 松本拓弥(総2・慶應) |
2.HO | 中本慶太郎(経3・慶應) | →後半15分 安田祐貴(政2・慶應) |
3.PR | 中島雅大(環3・桐蔭学園) | →後半33分 菅公平(政3・慶應) |
4.LO | 永末千加良(法4・慶應) |
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5.LO | 佐藤大樹(総4・桐蔭学園) | → 後半21分 田中芳樹(政3・慶應) |
6.FL | 中村京介(文4・明和) | →後半21分 辻本大河(法3・慶應) |
7.FL | 川合秀和(総2・國學院久我山) |
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8.No.8 | 松村凜太郎(商4・慶應) |
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9.SH | 江嵜真悟(商3・小倉) |
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10.SO | 古田京(医3・慶應) |
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11.WTB | 金澤徹(商4・慶應) |
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12.CTB | 堀越貴晴(総4・茗渓学園) | →前半28分 柏木明(経4・慶應) |
13.CTB | 豊田康平(総3・國學院久我山) |
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14.WTB | 宮本瑛介(経3・慶應) | →後半21分 権正拓也(政4・慶應) →後半31分 小田嶋啓太(環4・桐蔭学園) |
15.FB | 高木一成(商2・慶應) |
試合は青学大のキックオフで開始された。前半4分、小気味の良いパス回しを絡めてフェーズを重ねつつ徐々に前進すると、最後はCTB堀越がインゴールに飛びこみ、慶大が先制する。10分、マイボールスクラムからNO8松村凜太郎(商4)が力強い突破でトライ寸前のところまで押し込むと、SO古田京(医3・慶應)が右サイドがら空きのアウトスペースにキックパスを出し、走り込んだWTB宮本瑛介(経3)が悠々トライ。続く19分には、ラインアウトのキャッチミスを捕球したFL川合秀和(総2)が抜け出し、17-0へとリードを広げる。その後CTB堀越の負傷退場などで一旦流れが落ち着いたものの、33分にNO8松村がトライ。その後自陣ゴール前での相手ボールラインアウトをモールドライブされ、5点を返されたところで前半終了。24-5で後半を迎える。
後半、慶大の勢いは更に増した。4分、青学大の必死のディフェンスに遭いながらもSO古田が軽快なステップで相手タックラーをかわし、最後は高木一成(商2)がグラウンディング。その後も11分に再びFL川合、14分にCTB柏木明、23分にLO永末千加良(法4)がトライを奪い、順調に得点を積み重ねていく。そして32分、今日絶好調のFL川合が最後に観客の度肝を抜いてみせた。自陣10mライン中央でのスクラムからボールを受けると、瞬く間にギャップを突破し、追いすがる相手選手を飛び越えてそのままゴールラインまで駆け抜けた。試合終了間際はブレイクダウンで青学大のプレッシャーを受ける形になったが、なんとか耐えきってノーサイド。53-5で慶大が開幕戦白星を飾った。
スコア通り、充実の内容だった。トライの大部分はフィールドプレーが起点になったもの。まずは前に出て突破を試みる、そういったアタックへの積極的な姿勢が功を奏した。青学大も随所で良いタックルを見せたが、密集へのサポートの速さで相手を上回り、相手のターンオーバーをほとんど許さなかった。特にFL川合は持ち前のフィットネスの高さをいかんなく発揮し、計3トライの大活躍を見せた。
だが、今日の試合の出来について、LO佐藤大樹主将(総4・桐蔭学園)は「結局点差は付いたんですけど、もう少し付いても良かったのかなと思っていて、ちょっと上手くいかなかったところというか、ミスで終わってしまったところがありました」「まあまあ良い、って感じですね」とあくまで厳しめの自己採点。アタック時のゴール際での詰めやスクラムを始めとするセットプレーなど、まだまだ今後に向けて改善の余地がないわけではない。来週の同志社大との定期戦(5月4日)、再来週の拓殖大との春季大会第2戦(5月7日)を見据え、勝って兜の緒を締めた。
(記事:江島健生、写真:重川航太朗)
以下、コメント
佐藤大樹(総4・桐蔭学園)
——53-5で完勝を収めました。ご自身の手ごたえは
もう少しやれたのかなという思いがあります。結局点差は付いたんですけど、もう少し付いても良かったのかなと思っていて、ちょっと上手くいかなかったところというか、ミスで終わってしまったところがありました。
——具体的にはどういったところ
試合の入りとラストは、敵陣で攻めていても最終的にトライで終われない場面が結構あって、形としてはそんなに悪くなかったですし、ディフェンスも悪くなかったんですけど、詰めが甘いというか、もうちょっとかなと思いました。
——ペナルティーの数としてそれほど多い印象は受けなかった。詰めが甘かったというのは
そうですね。ただノットリリースザボールは目立ちましたし、ブレイクダウンも姿勢が甘いところで、最後の方はプレッシャーを受けてリズムが崩れていたところもあって、そういうところですかね。
——ご自身の今日のプレーに関して
全然だったと思います。まだまだこれからだと思います。
——特にどういったところが良くなかった
あまり今日はタックルをできなかったです。相手がスタンドから当ててくるチームだったので、コンタクトがなかったのもしょうがなかったと思うんですけど。もう少しディフェンスでもアタックでも存在感を出せたらと思っていたので、今日はちょっとあんまりだったなと思います。
——チームとしてはテンポ良く得点を重ねられていた
そうですね。チームの状態としては良くなってきていますし、やっていることができるようになっていると思います。まあまあ良い、って感じですね。
——次戦に向けて
次は同志社大ですよね。1週間練習をちゃんとやって、もっともっと良い慶大のラグビーができるようにしたいと思います。