【ソッカー(男子)】 第2節 苦い初黒星…昇格組相手に0封負け 東京国際大戦

開幕戦で勝利を収め、好スタートを切った慶大。第2節は、今季より1部に昇格した東京国際大学との一戦となった。慶大は立ち上がりからパスをカットされてしまうなど、なかなか安定せず、リズムを作れない。決定機を迎えることができないまま20分に先制を許し、1点を追う展開となる。後半での逆転勝利を狙ったが、その後も乱れたままのリズムを修復できずさらに失点を許してしまう。選手たちも焦り始めシュートを多く放つが、どれも相手の守備の前に屈し、無得点で試合は終了。昇格組相手に得点を挙げることができず、第2節はまさかの結果で黒星となった。

第91回関東大学サッカーリーグ戦 第2節

 

2017/04/30(日)14:00KO @江東区夢の島競技場

 

慶應義塾大学0-3東京国際大学

 

【得点者(アシスト者)】

 

【東国】20分 進昂平(安藤輝)47 安藤輝(進昂平)902分 池添勘太郎(宇高魁人)

 

慶大出場選手

GK上田朝都(総2・横浜F・マリノスユース)

DF手塚朋克(環4・静岡学園高)

DF沼崎和弥(商2・暁星高)

DF岩崎湧治(商3・ベガルタ仙台ユース)

DF北城俊幸(総2・青森山田高)

MF小谷春日(環3・藤枝東高)→61分 杉本崇太朗(政1・名古屋グランパスU-18)

MF落合祥也(商2・横浜FCユース)

MF片岡立綺(総4・桐蔭学園高)

MF 近藤貫太(総4・愛媛FC)

FW ピーダーセン世穏(経2・FCトリプレッタ)→61分 宮川類(環2・流通経済大学付属柏高)

FW 渡辺夏彦(総4・国学院久我山高)

 

慶大のスターティングメンバー

慶大側スタンドには應援指導部も駆けつけ、試合前から盛り上がりを見せていた。開幕戦で法大から2点を奪い勝利を収めた勢いに乗って、リーグ開幕2連勝を目指す。いつにも増して声援が大きく、「良い雰囲気の中で」(手塚)勝利することをみな望んでいた。前節、出場停止だった渡辺夏彦(総4・国学院久我山高)と沼崎和弥(商2・暁星高)の2人が今季リーグ戦初スタメンとなったが、目新しい起用などはなし。第1節と同じシステムで、2連勝に向けて今節に臨んだ。

 

2試合続けてセットプレーから失点を喫した

前半は両チームとも立ち上がりから安定しない。試合開始早々、パスを受けて右サイドを駆け上がろうとした小谷春日(環3・藤枝東高)が倒され、東国大の選手にイエローカードが与えられる。小谷は10分にもPA内で倒されるが、ここでは主審の笛は鳴らず。ボールを持っても東国大のフィジカルの強さの前にすぐに対応されてしまい、慶大の選手たちは流れを作れず苦しむ。その後もボールはなかなか地面に落ち着かず、攻撃を仕掛けることができないまま、11分には初めて慶大のゴールが脅かされる。カウンター攻撃を受け、左サイドからシュートを打たれたが、GK上田朝都(総2・横浜F・マリノスユース)が好セーブを見せ、DF陣がこぼれ球もきっちりクリアした。危ない場面を脱し、何とか先に得点を挙げたい慶大だったが、20分に右からのCKをヘディングで合わせられ、ボールはクロスバーすれすれでゴールネットに突き刺さった。先制を許し、まずは1点を返さなければいけない状況となった慶大は次第に攻撃を仕掛けていく。パスをつなぎ、何度も相手ゴールに迫るが決めきれない。決定的なチャンスを作れないまま、0-1で前半を終えた。

 

関東リーグデビューを果たした杉本

ハーフタイム、須田芳正監督は選手たちに檄を飛ばす。「気持ちが入っていなくて練習試合みたいだと言われた」(ピーダーセン)選手たちは後半での挽回を目指した。しかし、後半開始直後に早速失点を許してしまう。再びカウンター攻撃を受け、左サイドから攻められると、飛び出した上田がフェイントでかわされ、最後は無人のゴールへと簡単に決められてしまった。その後もゴールを脅かされ、攻撃の場面では相手に安易にボールを奪われてしまうなど、苦戦を強いられる。この日は雲一つない晴天で暑さのせいか選手たちの足も止まりだしてきた。慶大は61分に小谷に代えて杉本崇太朗(政1・名古屋グランパスU-18)、ピーダーセン世穏(経2・FCトリプレッタ)に代えて宮川類(環2・流通経済大学付属柏高)を投入。杉本はこれが関東リーグデビューとなった。この交代後、慶大は攻撃のエンジンをかけ出す。64分、手塚朋克(環4・静岡学園高)がミドルシュートを放つが、これは相手GKが正面でキャッチ。65分には投入されたばかりの杉本がシュートも放つも、枠を捉えきれなかった。70分の左サイドからのFK時には、近藤貫太(総4・愛媛FC)がチームメイトに前線へ上がるように指示。確実に慶大は攻撃的になり、ゴールを狙っていた。片岡立綺(総4・桐蔭学園高)や近藤といった中盤の選手たちも積極的に攻めていく展開となるが、ゴールネットを揺らせない。対する東国大はカウンター攻撃を仕掛け続けるなど、攻撃の手を緩めずに慶大選手たちの体力を奪っていく。試合終了も近づき、1点でも返したい慶大は猛攻を見せるが、逆に終了間際に3点目を献上。結局慶大は得点することが許されないまま、試合終了のホイッスルを迎える。昇格チーム相手に手痛い敗戦となった。

 

無得点に終わり、全体的に見ても「良くないゲーム」(手塚)となってしまった今節。ただ、くよくよしてはいられない。3日には駒大戦、7日には専大戦が控えている。次戦の駒大戦では「半分以上メンバーを変えていく」と須田監督が明言したように、これからも出場機会をめぐって熾烈な争いがあることは間違いない。しかし、目標である関東リーグ優勝のためにはチームが勝利に対して貪欲になり、ひたむきになって選手間でも競争することが大事だろう。基本的な部分だが、今節の内容で痛感した選手も多いはずだ。この結果をしっかりと受け止めて、多くの選手が口にするように「気持ちを切り替えて」今後の試合に臨むしかない。まだシーズンは始まったばかりだ。「凡事徹底」。今年のスローガンを選手全員が忘れることなく、1試合も無駄にすることなく、ここから勝ち点を積み上げたい。

 

(記事 椙本彩愛)

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試合後コメント

 

須田芳正監督

(試合を振り返って)見ての通りだよね。サッカー以前の問題。ひたむきにやるとかさ、謙虚にやるとかね、慶應はそういうところを忘れちゃうとこういうゲームになるし、うちらは別に上手いわけじゃないしそこのところで選手はこういうゲームをやっていちゃだめだよね。(東国大に対しての対策などは)やっぱり真ん中がすごく強いというところだよね。だからそこの守備のところを。攻撃に関してはもちろんサイドの裏というところで。(敗因は)戦っていないじゃない。サッカーの問題じゃなくて、我々がひたむきにやる、全力を尽くすとかさ、それがないんだもの。そうするとああやって相手のボールに対して行けなければ、フリーな状況でやられる。それは相手のほうが上手いよね。(1失点目までは良い流れだったと思うが、それ以降流れが変わってしまったのか)まあ前半も立ち上がりからあんまり良くはなかったね。相手のほうが見ていて、上手いじゃん、分かるように。そういうチームに対して、ボールに行くとかさ、それが無かった。それが全てじゃないの。寝ていたんじゃないの。練習試合のようだったでしょ。本番じゃないよ。(この暑さというのもあって選手たちの体力の消耗も激しかったのでは)相手もそうだもん。相手も一緒のことだから、そんなんで体力を消耗するようだったら大会をやめちゃったほうがいいと思う。大会だから毎日練習をやっていてさ、この試合に合わせてコンディションを整えてきているわけだから、体力の消耗が最後の最後、後半の30分からきつかった、動けませんでしたって言うけれど、最初から動けなかったっていうのは違ったところに原因があるんじゃないの。何か勘違いしている人もいるだろうし、次のゲームでは半分以上メンバー変えていく。要は全力を尽くさない人は戦う資格がないし、出すあれ(機会)もないから。半分くらい戦っていないもの。(中2日で選手を変え強化すべきところは強化するのか)うん、だから今それを思っている。だって、やる気があるのか無いのか分からないやつを出したって、しょうがないでしょ。慶應を背負って立って戦おうとしているわけなのに、こんな試合やっているようじゃ、責任はこっちが取るけれども、それを出すのが僕だから、そういう(戦う気のない)人はいらない。半分以上変える。とんでもないよ。勘違いしているんだもの。いい加減にしてもらいたいと思うよ。(次戦駒大戦に向けては)駒澤に関してはまずこっちが何かとか、やるのは選手だから、選手たちの試合に対してどう臨むか、そういう姿勢、取り組む姿勢から変えたほうがいいんじゃない。それをこっちがケツ叩いて「じゃあ頑張りましょう」?そんなレベルの低い大学、うちら?主体的にやる、学生が主体的に何でもやるというのが我々の特徴でしょ。それがなんだかわからないけど、やらされているとか、こっちが檄飛ばしてから頑張りましょうじゃ、このチームこのままだから。そこらへんも含めてメンバーを入れ替えるしかないでしょ。

 

手塚朋克(環4・静岡学園高)主将

(試合を振り返って)一言で言えば良くないゲーム。自分たちがやることをできていなかったし、それこそ変に余裕をもって油断してしまってチームとして締まりがないゲームでした。メジャレッツとか應援指導部が来てくれた分、自分たちも良い雰囲気の中でやれるはずなのに相手に飲まれてしまって、情けない試合になってしまったかなと思います。(余裕が生まれたのは昇格したチームが相手だったからか)対策としては、相手のFWがキーポイントだからそこを潰すっていうことと、かつ相手のサイドの裏を敵が狙って仕掛けようとしていたのですが、そこで前半風上を取って勢いを持っていけなかったというのがチームが崩れていった原因だと思うし、意識統一して全員で戦える状況でできなかったというのが原因じゃないかと思います。(敗因というのは意識の面や立ち上がりが上手くいかずにずるずるといってしまったところか)そうですね。(チームとして良かったと思えるポイントは)良かったかどうかは分からないのですが、2失点目をした後に焦りというのを感じたのか分からないのですが、自分たちのサッカーができるようになって、ゴールの前まで行けたなというのは良いことで、ただそれを続けなきゃ意味ないし、あれが良かったプレーかもしれないけど、結果的に見れば最悪のゲームをしてしまったから評価できないです。(試合中かなり須田監督から声をかけられていたが何か指示をされていたのか)前半風上を取って、あれだけ前に押し込もうとしていたのに押し込めなかったからラインを上げて前からプレスをかけろということを言われたのですが、それが上手くいかずにディフェンスラインが相手FWを警戒しすぎて下がってしまったというのもあるので、そこは最終ラインに入っている僕がもっと指示を出して早くから修正しなきゃいけなかったかな、というふうに思います。(次戦に向けて)まずは気持ちを切り替えて、自分たちができなかったことを反省しかつ自分たちが今までやってきたことというのをもう1回再確認して、駒澤も勢いがあるチームだけれど上手く(試合を)コントロールできるように、気持ちを入れて勝ちにいきたいなと思います。

 

近藤貫太(総4・愛媛FC)

(試合を振り返って)非常に情けないゲームをしたなという感想です。(今日の狙いは)相手のサイドバックの裏が空くということだったので、そこの裏を徹底して狙おうということを話していたんですけど、それを前半からやれなかったし、やろうとしなかったというところが、試合の入りという部分で良くなかったところだと思います。(今日はセットプレーが多かったが、意識していたことは)練習もたくさんしてきましたし、自分はもう狙ったところに蹴るだけなので、そこは蹴れていたんですけど、まだ(他の選手の)入り方とかが合っていないところとかもあるので、それはまだ練習していく必要があるのかなと思います。(後半は前半よりもボールに触れる回数が多かったが)結果もそうですし、自分たちはもう前から行くしかなかったので。ただ、気持ちの部分で前半は全然ピッチで表現できなかったという面では、こういう風な雰囲気を作ってくれて、サポーターの方とか、メジャレッツの方とか、スタンドで応援してくれている仲間とかには非常に申し訳ないプレーを見せてしまったなという感じです。(ハーフタイムで修正したところは)全部修正が必要なくらい前半は酷いゲームをしていたので、とにかく守備の時には前からプレスにいくということを意識していて、そこが変われば逆に少しずつ良い方向には向かっていたと思うので、それがボールを保持する時間が長くなったというところにつながったんだと思います。(逆に修正しきれなかったところは)相手ももう守ればよかったんで、引いてきていたので、遠目からのシュートとか、そこにはもっと工夫が必要でしたけど、まあでもそういう状況になってからじゃあもう遅いので、その前にゴールをとる必要があるかなと思います。(中2日で迎える次節に向けて)修正できるところはして、もう待ってくれないので、しっかり準備して臨みたいと思います。

 

小谷春日(環3・藤枝東高)

(試合を振り返って)最初の立ち上がりは良い流れのように見えたんですけど、途中から相手のペースになってしまって、前半何度あったチャンスを決めきれていればまた違ったと思うんですけど、それを決めきれなかったのが良くなかったと思います。(前半の攻撃について)個人的には結構調子が良かったのですが、接触で肩が抜ける感じがあって、あとは失点のところで流れが変わってしまったと思います。前半は風上だったので、もっと積極的に行かなきゃいけなかったと思います。(接触プレーでの影響は)個人的にはもっとやりたかったんですが、後半の早い時間に代えられてしまったので、次に向けてケアして万全の状態で出られるようにしたいと思います。(次節に向けて)次の相手は天皇杯で勝っている駒澤で、同じ相手に2度勝つというのは難しいことだと思うので、今日の反省点をしっかり生かして、気持ちを切り替えてしっかり叩きたいと思います。

 

ピーダーセン世穏(経2・FCトリプレッタ)

(試合を振り返って)開幕戦に勝ってその流れに乗ってこの連戦を迎えて、今日はその連戦の初戦で一番大事な試合でした。チームとしても個人としても前半は試合に入れていなくて、ハーフタイムには監督から檄を飛ばされました。「気持ちが入っていなくて練習試合みたいだ」と言われました。気持ちはあったんですけど、空回りしてしまって、うまくプレーで表現できなくて、全然ダメでした。(攻撃の形がなかなか作れなかった)法大戦はしっかりやることを決めて、練習でやってきたことを徹底して試合で出せたのですが、今日は前半の途中うまくいかないぞっていう時に、練習でやってきたことをうまく出せずにバラバラになってしまいました。攻撃で上手くいかないと守備もズルズルうまくいかなくなって悪循環でした。(シュートを打たせてもらえなかった)今日こんなプレーだったので、次出たら点を取らないとポジションが危ういので次こそ点を狙いたいです。(自分の持ち味は)ヘディンガーだと思われたくないです。182センチあるので高校の時も監督からはヘッドを期待されていたのですが、自分としてはヘディンガーになりたくないですね。(次戦に向けて)3連戦の初戦を落としたので次こそ取りたいです。開幕戦勝利を良い方向につなげたいので、気合いをプレーに変えて練習から気持ちを切り替えて頑張りたいと思います。

 

杉本崇太朗(政1・名古屋グランパスU-18)

(試合を振り返って)出た時は0-2でチームとして苦しい状況だったんで、自分が出て流れを変えたいなという。初出場だったので、どこまでできるかも挑戦して自分の良さも出していきたいなというふうには試合には臨みました。(ベンチで見ていて感じたことは)全体的に今日は何かいつものトップチームの選手らしくないという感じが見受けられていて、ハーフタイムではみんなメンタル面の問題かなというふうに話して、確かにその雰囲気はあったかなという感じがしたんで、そこかなとは感じましたね。(投入の際の指示は)いや、須田さんからは「もう自由に、いつも通りやっていいよ」と。自分の良さを出して、全力で自由にと言われて、楽な気持ちで入れました。(初めての関東リーグのピッチでそれはどれくらい表現できたか)まだ100%出せたわけじゃなくて。自分の良さを出せた部分も多少なりともあったと思うんですけど、まだまだ「もっとやれるな」という部分も感じて。そこを追求して、ゴールという結果で表していきたいなと思います。(今後再び出番が回ってくると思うが)次もし出ることができたら、結果にこだわってゴールを目指して点を取ったりアシストしたり、あとは守備では走ること。ハードワークしてチームに貢献して、結果勝つことができたらいいなと思います。

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