慶應スポーツ新聞会

【ラグビー】最後まで貫いた前進の姿勢。起死回生のトライで大接戦を制す。関東大学春季大会 vs拓殖大戦

 同志社大との100回目の定期戦に敗れた慶大は7日、中2日で拓殖大との春季大会第2戦に挑んだ。立ち上がりは、慶大の積極的に縦を突いていくラグビーが見事にはまった。2分、FB権正拓也(政4・慶應)が鮮やかな先制トライを決めると、それを口火に最初の13分間で26点を挙げる。だが、逆にそこからペースを戻した拓殖大の猛反撃に遭う。6連続トライを奪われ、前半を33-36でリードされて折り返す。迎えた後半は一進一退の展開になった。一時は10点差まで点差を広げられたが、最後は佐藤武蔵(経3・慶應)、中山和政(総3・桐蔭学園)の連続トライで逆転。57-55で劇的な逆転勝利を収めた。慶大は次戦、21日(日)に関東学院大と激突する。

 

最後まで懸命に縦を突いた慶大が乱打戦を制した

2017/05/07(日)関東大学春季大会第2戦 13:00 K.O.

@慶應義塾大学グラウンド

 

得点

慶大

 

拓殖大

前半

後半

 

前半

後半

5

4

T

6

3

4

2

G

3

2

0

0

PG

0

0

0

0

DG

0

0

33

24

小計

36

19

57

合計

55

 

ポジション

 先発メンバー

 交代選手

1.PR

渡邊悠貴(経3・慶應)

→後半27分 松本拓弥(総2・常翔学園)

2.HO

安田裕貴(政2・慶應)

 

3.PR

菅公平(政3・慶應)

→後半27分 坂田拓海(経3・慶應志木)

4.LO

植竹創(商3・慶應)

 

5.LO

川端隼人(理2・國學院久我山)

 

6.FL

辻本大河(法3・慶應)

 

7.FL

齋藤柊(環3・濁協埼玉)

 

8.No.8

小林嵩基(経4・慶應)

 

9.SH

小田嶋啓太(環4・桐蔭学園)

→後半0分 西谷悠太郎(環3・桐蔭学園)

10.SO

森清泰介(総3・國學院久我山)

→後半0分 佐藤武蔵(経3・慶應)

11.WTB

荒井史也(経3・慶應志木)

 

12.CTB

今泉宏健(総4・清真学園)

 

13.CTB

栗原由太(環2・桐蔭学園)

 

14.WTB

安西浩昭(政2・慶應)

 

15.FB

権正拓也(政4・慶應)

→後半20分 中山和政(総3・桐蔭学園)

 

 激戦の末敗れた、同志社大との定期戦から中2日で迎えた春季大会第2戦。慶大は3日前の出場選手とは大きく顔ぶれの異なる、フレッシュな布陣で挑んだ。相手は昨季関東大学リーグ戦5位の拓殖大。近年の対戦成績(15人制)では大きく勝ち越しているものの、とにかく押して押しまくるスクラムと、突破力に長けたBKを武器にするチームで、決して与しやすいとは言えない相手である。トップチームでの試合経験の浅い選手たちが、どういった戦いを見せるのかが大きな見所となった。

 

鮮やかな先制トライを見せたFB権正

 最高の立ち上がりを見せたのは慶大だった。2分、FB権正拓也(がタックラーを跳ね除けながら敵陣中央を突破し、鮮やかに先制のトライを奪う。するといきなりの完璧な崩しに焦りが出たか、拓殖大はなかなかディフェンスの足並みを揃えることができない。5分、再び権正のゲインからオフロードでWTB安西浩昭(政2・慶應)につなぐと、そのままインゴールまで走り抜け、トライ。11分にPR菅公平(政3・慶應)、13分にWTB荒井史也(経3・慶應志木)もトライを決め、慶大はわずか13分で拓殖大に26点の大差をつけた。

 だが、「思っていたよりアタックがうまくいきすぎて、そこで浮き足立ってしまった」(CTB栗原由太=環2・桐蔭学園)。今度は逆に慶大の調子が狂い始める。18分に相手右WTBに右エッジを抜かれ、FB権正が抑えにかかったものの、捉えきれずトライを奪われる。続く19分も同様に大外での相手の突破をタックルで防ぎきれず。あえなくトライを献上した。この日は終始、慶大の持ち味であるはずの低く突き刺さるタックルが決まらなかった。この後完全にペースを取り戻した拓殖大に、セットプレーなどを起点に6連続トライを奪われ逆転を許してしまう。前半終了間際、SO森清泰介(総3・國學院久我山)の左サイドへのキックパスから、最後はFB権正がトライ。33-36の拓殖大リードで前半を折り返す。

 

逆転のコンバージョンを成功させたCTB今泉

 とにかく展開の早かった前半と対照的に、後半の入りは落ち着いたものになった。お互いに何度かピンチに瀕したものの、ようやくゴールライン際のディフェンスに粘りが出てきた。均衡を破ったのは後半16分。マイボールスクラムからWTB安西が右隅に押し込み、逆転する。だがすぐさま拓殖大も連続トライで再度逆転。ここから互いに一進一退の展開が続き、勝敗の行方は最終盤までもつれることになる。後半29分、キックカウンターからFL辻本大河(法3・慶應)がビッグゲインを見せると、最後はCTB今泉宏健(総4・清真学園)がインゴール中央にトライを決める。だが、31分にスクラムで大きく押し込まる。後は相手BKの突破を許し、失トライ。再度突き放される。

 しかし、ここから慶大が踏ん張りを見せた。35分ペナルティーからのクイックリスタートで作ったチャンスを素早く展開し、佐藤武蔵(経3・慶應)がトライ。そして40分慶大は最後の猛攻を見せ、一時はゴールライン間近まで迫ったが、痛恨のノックオン。相手選手にボールが渡り、万事休すかと思われた。だがキックはタッチラインを割らず、逆にそこで拓大に生じた一瞬の弛みを見逃さなかった。鋭く相手のギャップを突いてつなぐと、最後は中山和政(総3・桐蔭学園)がインゴールに飛び込んだ。この起死回生の同点トライの後、CTB今泉がしっかりゴールを決めた。逆転に成功し、ノーサイド。Bチーム主体のチームながら、57-55で拓殖大にしっかり勝ち切ってみせた。

 

セットプレーとディフェンスには課題を残した

 慶大らしい勝ち方ができたか、と言えばお世辞にもそうと言えない。スクラムやモールでも終始劣勢を強いられた上に、相手のBKの突進に対していとも簡単に抜かれ過ぎた。「ディフェンスが総じて悪く、慶大のラグビーができていなかった」(今泉)、「二人目のタックラーが少し遅くなって、オフロードされたりゲインされたりした」(安西)と語ったように、ディフェンスだけにフォーカスすれば、大いに反省の残る試合だった。

 

 だがそれでも今回は、アタック時に見せた、とにかく懸命に前を目指す姿勢をポジティブに評価したい。シーズンの早い時期から、普段はリザーブの選手たちがライバル校のフルメンバーと、しかも公式戦の舞台で1試合を戦い切れた意義は大きい。しかも最終的には勝ち切ったのだから、改めて慶大の層の厚さを示す試合になった。もちろん出場した選手たちの中でも出来の良し悪しはあっただろうが、全員が何らかの部分で自信を得られたに違いない。今試合での奮闘は、レギュラーの選手たちにとっても良い刺激になったのではないだろうか。

 

 春季大会の次戦は21日(日)の関東学院大戦。今回活躍を残した選手たちが、今後定位置争いに本格的に絡んでいくようになれば、慶大はますます面白い存在になってくる。

 

(記事:江島 健生)

 

掲載が遅れたことをお詫び申し上げます。

 

以下、コメント

 

PR菅公平(政3・慶應)

 

——劇的な逆転勝利を収めました。今の心境は

 

スクラムのところで押されてしまって、そこが一番試合の中でまずかったと思います。

 

——勝ったことよりも悔しさの方が先立つと。

 

はい。僕はスクラムの一番前のところで組んでいるので、そこで負けてしまったことが(この試合の中で)一番印象に残っています。

 

——トップチームの公式戦に初めて先発出場でしたが、どういう気持ちで臨みましたか

 

やっぱり黒黄を着て、先発で3番をつけるということを意識して試合には臨んだつもりなんですけど、スクラムで押されてしまったのはふがいなかったと思います。

 

——試合全体の流れを振り返って

 

アタックはいけていたと思うんですけど、ディフェンスのチームなのにそこで止めきれなかったのはまずかったと思います。

 

——ボールキャリーとしては良いプレーを見せていたように思いますが

 

ボールキャリーは何回かできたんですけど、もう少し自分の間合いで当たれれば良かったと思います。そうすればもっとゲインを切れたのかなと思います。

 

——最後に今季の目標をお願いします。

 

まだBチームなので、もっと上に出られるように、今日(課題として)出たスクラムのところを修正できればなと思います。

 

CTB今泉宏健(総4・清真学園)

 

——ゲームキャプテンとして今日はどのようなことを意識して臨みましたか

 

ディフェンスで前にでることと、コミュニケーションをとって横とのバランスをとることをチームとして意識して臨みました。

 

——今日の試合を振り返ってどうでしたか

 

ディフェンスが総じて悪く、慶大のラグビーができていませんでした。

 

——選手同士、試合前どのように試合をしていこうと決めていましたか

 

アタックというよりも、まず守備からはいって、低くレッグタックルをして前にでていこうというのがメインで決めていました。守備で流れを作ってからいいアタックをしようというのがチームの方針でした。

 

——序盤得点を重ねられた要因は

 

みんなが前に出ようとする意識が良かったです。縦のプレー、ダミーを使って、裏で外を余らせることができました。

 

——なぜ守備がうまくいかなかったのでしょうか

 

フォワードの広がりが遅く、外に拓大の選手が余るということが多かったです。

もう少し前を見て、相手とスペースを見ながらディフェンスセットをするというのが今日はできていなかったので外で突破されてしまいました。

 

——終了間際に逆転しましたが

 

キックはなしでトライだけを取りに行くという意思統一ができていたので、みんなが迷いなくプレーできたのが逆転に繋がりました。

 

——次の試合に向けて

 

ディフェンスを完璧にして、慶大らしく前にでてレッグタックルをするラグビーをお客さんに見せていきたいです。

 

CTB栗原由太(環2・桐蔭学園)

 

––今日の試合を振り返って

 

元から予想していた接戦になって。慶大らしいラグビーをしようと話していたんですが、ディフェンスの方で受けに回ってしまって、やられてしまう場面が多かったので課題が残ります。

 

––前半開始早々はすごく流れが良かったですが

 

思っていたよりアタックがうまくいきすぎて、そこで浮き足立ってしまって。それで慣れてきた頃に相手のペースになって、取り返せずにそのまま行かれてしまいました。

 

––自身の今日のプレーを振り返って

 

フィジカルの部分で僕は勝とうと思って、体を当てようと思っていたんですけど、相手に外国人選手もいて、その中でもしっかりフィジカルを生かせていけたのでそこは良かったと思います。

 

––トップチームでの初めての試合でしたが

 

去年1年間の大学生活はリハビリで、肌でトップチームを感じることがなかったので、今回こうして出場して、自分のフィジカルが通用していくことが分かったので、さらに伸ばしていければなと思います。

 

––金沢HCの開幕特集インタビューでも期待している選手として名前が挙げられていましたが

 

期待に応えられるように頑張ります。去年1年間は何もできなかったので、チームの日本一に少しでも貢献したいです。

 

––自身の今季の目標は

 

黒黄ジャージを着て日本一を1プレーヤーとして達成することです。

 

––今後に向けて

 

ここから春を糧にして、夏秋となると思うので、しっかり1試合1試合を無駄にしないで意味のある試合にして、秋に優勝したいと思います。

 

WTB安西浩昭(政2・慶應)

 

——今日の試合を振り返って

 

ディフェンスにフォーカスしていたんですけど、そこでやられてしまったのは課題です。オフェンスは思うように出来て、慶大らしい内容だったと思います。

 

——初めてのトップチームでの出場となりましたが

最初の方は緊張したんですけど、後半は慣れてきてちゃんと集中してプレーができたと思います。

 

——今日は2トライを奪いましたが、自身のプレーについて

 

オフェンスはとても良かったと思います。ただディフェンスの部分で、(もう少し)上がりの判断や、コミュニケーションが取れたら、(もっと)良かったかなという感じです。

 

——ディフェンス面についてチーム内で意識していたことは

 

外国人選手などもいたので、レッグタックルで相手に対して低く入って、しっかり一発で倒そうと言っていたんですけど、二人目のタックラーが少し遅くなって、オフロードされたりゲインされたりしたので、ディフェンスの流しの部分をもう少し修正していけたらと思います。

 

——今日の試合での収穫は

 

相手のミスマッチからゲインができてチャンスに繋がったので、自信になりました。

 

——今後に向けて

 

Aチームで出場していけるように頑張りたいです。

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