【ソッカー(男子)】第7節 後半立ち上がりの3失点に沈む…2戦連続の惨敗で窮地に 東洋大戦

前節、慶大は日体大に完敗を喫し、降格圏に転落してしまった。優勝に向けて暗雲が立ち込める中迎えたこの一戦は、試合序盤こそ慶大がペースを握ったが、東洋大の強固な守備に阻まれてしまい得点できずに前半を終える。すると後半開始直後、サイドからのクロスによる失点を皮切りに、まさかの3失点。その後1点を返すも及ばず、惨敗に終わった。

 

第91回関東大学サッカーリーグ戦 第7節

 

2017/05/27(土)14:00KO@県立保土ヶ谷公園サッカー場

 

慶應義塾大学1-3東洋大学

 

【得点者(アシスト者)】

〔慶〕78分 近藤貫太

〔東〕48分 宮吉悠太(坂本涼斗)、49分 松崎快、56分 坂元達裕

 

◇慶大出場選手

GK上田朝都(総2・横浜F・マリノスユース)

DF井出悠介(環3・桐蔭学園高)→58分 松岡瑠夢(総1・FC東京U-18)

DF岩崎湧治(商3・ベガルタ仙台ユース)

DF沼崎和弥(商2・暁星高)→73分 片岡立綺(総4・桐蔭学園高)

DF中井健太(総4・青森山田高)

MF落合祥也(商2・横浜FCユース)

MF八田和己(総2・桐蔭学園高)

MF手塚朋克(環4・静岡学園高)

MF小谷春日(環3・藤枝東高)→59分 渡辺恭平(商4・新潟高)

FW近藤貫太(総4・愛媛FC)

FW渡辺夏彦(総4・国学院久我山高)

 

慶大のスターティングイレブン

前節の敗北で降格圏に転落してしまった慶大は、昇格組で勢いに乗る東洋大との対戦となった。スタメンには中井健太(総4・青森山田高)、井出悠介(環3・桐蔭学園高)とリーグ戦初先発の選手が名を連ねている。

 

 

リーグ戦初先発となった井出

 

試合は、10分を過ぎたあたりから徐々に慶大がペースを握っていく。12分には手塚朋克(環4・静岡学園高)が折り返したパスを近藤貫太(総4・愛媛FC)がシュートするも守備に阻まれ、CKを獲得。さらにそのCKから小谷春日(環3・藤枝東高)にボールが渡ると、すかさず回転をかけたシュートを放つ。わずかに枠の外だったが、慶大がペースを握り続けて攻撃を続ける。風上で攻撃ができる前半の内に得点したい慶大は、36分にも小谷と近藤の連携でディフェンスラインをこじあけゴールを奪いに行くが、シュートは枠外へ。試合はそのまま慶大が攻め続ける展開で前半を終える。

 

後半立ち上がりに連続失点

今節から1列前で起用された手塚に、須田芳正監督は試合中も「中に入っていけ」と指示を飛ばし続けていた。手塚もチャンスシーンこそ演出するが、相手DFからのマークも激しくうまく入っていくことができない。流れは良いが、どこかが噛み合わない、そんな印象で始まった後半に悪夢が待ち受けていた。48分、東洋大は左サイドからクロスをあげ、マークがずれた慶大の隙を突いてヘディングでゴールを奪う。これでまさかの先制を許した慶大はさらに49分、選手間の連携ミスからパスをカットされてしまい、立て続けに失点。一気に2点を奪われ、慶大の守備は完全に崩壊した。56分には相手DFが上げたロングパスを簡単に通されてしまい、GK上田朝都(総2・横浜F・マリノスユース)と一対一の場面を作られる。シュートこそ決死の守備で防ぐも、判定はPK。上田にもイエローカードが出されてしまう。PKを難なく決められ、まさかの3失点に沈む慶大。松岡瑠夢(総1・FC東京U-18)ら攻撃的な選手を投入してなんとか反撃を試みるが、きっかけを全くと言って良いほどつかめない。78分に近藤がPKで1点は返したものの、3失点が重くのしかかり、敗北を喫した。

 

下を向いている暇はない――

次節から流経大、明大、順大と上位陣との対決が控える中、手痛い敗戦となった。試合後にはキャプテン交代という声すら聞こえるような危機的状況のチームは、これからどのような戦いをしていくのか。荒鷲軍団は岐路に立たされている。

 

(記事 中村駿作)

 

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試合後コメント

 

須田芳正監督

(試合を振り返って)見ての通り、何もないゲーム。負けるべくして負けた。一生懸命にやらない、全力を尽くしてやらないやつらのコメントはできない。(今日の選手起用について)ケガ人が出たことが原因。(次節以降の起用については)分からない。4年生を全員出さないとか、ちょっとそういう刺激的なことをしないと、責任感もないから危機感を持ってできないと思う。何か思い切った、例えば1年生だけにするとかね、そっちのほうが、未来があって楽しそう。キャプテンはあんな意気地なしキャプテンで、意味がない。勇気をもって仕掛けられない選手、0-3になってから仕掛け始めるという選手は好まないので、まずはキャプテンを変えてやるしかない。(前半は攻めている時間もあり、選手はその時間に得点できるという考えがあったように思えたが)ゴールに突っ込んでいないから、勝負勘もない。相手に風下でコントロールされていた。相手からしたら、0で押さえれば後半チャンスがあるだろう、こっちはチャンス感もなかったでしょ。ただ攻めているから良いですよ、って大きな間違いですよ。良い気持ちになっていただけです。勝負所で仕掛けないならどうやって点を取るのか、そこの問題。キャプテンや4年生がいかないと。淡々とサッカーやっていれば得点も取れない。(筑波大戦では気持ちの見えるサッカーをしていたようだったが、なぜここまで崩れてしまったのか)むしろこっちが聞きたいぐらいです。(ケガで選手が変わりはしたが、戦術などの変更はあったか)ない。たぶん気分的なところがあるんじゃないかな。まあ全てはキャプテンだと思う。チームのことを考えていない。自分がどう評価されるか、プロに行けるか、そんなことばかりでサッカーをやっていればチームはまとまらない。たまたまハマっていればいいけど、全体的に安定しないのはそこでしょう。(次節に向けて)まあ、こっちが話すことではないです。やるのは選手たちなので。

 

手塚朋克(環4・静岡学園高) 主将

(試合を振り返って)後半立ち上がりでああやって失点したときに、自分が声を出していけなかったり、自分のプレーで示していったりしなきゃいけなかったのにできなかったので、反省するばかりです。(前半、監督から中に入っていくよう指示を受けていたが)サイドハーフになると、点を取るイメージというのをつけないといけないので、そういう意味でもチームのためにゴールを奪うという意味でもっと中に入って、自分で仕掛けられたらよかったと思います。(1列前のポジションについての意図などは監督から伝えられていたか)自分のストロングポイントは前で仕掛けることだったり、それで相手をひきつけたりするのが強みだったので、それを引き出すために前に出してくれたんですが、それを出していけなかったです。それは勇気だったりメンタルだったりの問題だと思うので、自分で改善していきたいと思います。(次節に向けて)これから負けられない試合が続くので、もっと自分を引き締めて、次の試合に向けて練習で追求していきたいと思います。

 

中井建太(総4・青森山田高)

(試合を振り返って)前半チャンスがあったので、そこで決め切れなかったのが敗因と、後半の入り、スタート15分で先制点を取ろうという話だったんですけど、逆に3失点してズルズル引きずってしまったので、それは責任を感じています。(初先発だったが気合いは入っていたか)そうですね、個人的に気合いは入っていたんですけど、でもチームで勝たないといけないと意識していたので、そこに対して自分も結果を出せなかったのが悔しいし、出せないなら自分の役割はないなと感じました。(前半を0-0で折り返したがそこまでは手応えがあったか)そうですね、チャンスはいくつかあってそこを決め切るだけだったので、守備も攻撃も良くてあとは得点だけっていう感じだったんですけど、とにかく後半の入りが悪かったというのが原因ですね。(先制点を許してすぐに2失点目を喫したあたり少し集中が切れてしまったのかなと感じた)選手同士は集中は切れていないと思っていたんですけど、たぶんどこかでズレがあったので、結果そういうふうに捉えられてもしょうがないですし、まあ実質そうなのかなというふうに思います。(流れが悪いが、課題は)最終学年の4年生が、トップチームだけじゃなくて全体として引っ張れていないというのが課題だと思うので、責任は4年生にあると思います。(今後は強豪との連戦になる)いやもう勝たないと次はないので、死に物狂いで戦わないといけない、勝ち点3を取らないといけないと思います。

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