7月15日(土)、等々力陸上競技場にて“第68回早慶サッカー定期戦~早慶クラシコ~”が開催される。己と己のプライドだけを懸けたこの一戦。ケイスポでは、6年ぶり定期戦勝利を目指す慶應義塾体育会ソッカー部の選手・スタッフたちに意気込みをうかがった。
第4弾となる今回は、マネ部屋対談をお届けする。大学の部活動では、組織の運営にも学生がスタッフとして携わっている。ソッカー部には現在4年生の主務が1人、3年生の副務が1人、マネージャーが計13人おり、早慶定期戦の運営に向けても尽力中だ。今回はその中から主務の林草太郎(商4・清水東高)さん、副務の松井隆明(経3・慶應湘南藤沢高)さん、マネージャーからは駒野誠一(経4・慶應義塾高)さん、浜田真帆(総3・湘南白百合学園高)さん、梶浦つばさ(政2・慶應義塾女子高)さん、三浦亜由美(経1・慶應義塾女子高)さんにお越しいただき、日々の活動や早慶戦について迫った。
[取材日:6月20日(火)]
――まずは自己紹介をお願いします!
林 4年主務の林草太郎です。
松井 3年副務の松井隆明です。
駒野 4年マネージャーの駒野誠一です。
浜田 3年マネージャーの浜田真帆です。
梶浦 2年マネージャーの梶浦つばさです。
三浦 1年マネージャーの三浦亜由美です。
――みなさんの具体的な仕事内容を教えていただけますか?
林 簡単に言ったら、主将がサッカーチームのリーダーなら主務は組織のリーダーです。組織の運営もそうですし、体育会との関係や対外的な関係、それから早慶戦の運営をしています。
松井 僕は事務的なことが多いです。例えば部費の徴収など経理を担当したり、体育会の資料を作ったり、それから…。
駒野 ちょっと硬くない?(笑)
――主務と副務では違うお仕事をすることが多いのでしょうか?
林 一緒の仕事はあんまりしないよね。「こっちやっといてー」みたいな感じです。チームのこととかは話しますけど。あと早慶戦に関してはこれから共同作業も増えていくと思いますけど、今のところは共同作業はあまりしないです。
――マネージャーのお仕事にはどのようなものがありますか?
駒野 5つくらいにしときましょうか。メール対応、ツイッターやフェイスブックなどSNSの管理、OB会の運営、選手たちが活動する環境作り、あとは…えー…じゃあ4つで(笑)。
――マネージャーは学年によって担当するお仕事が違うのでしょうか?
駒野 違いますね。
林 駒野はあぐらかいてるだけです。
駒野 そうですね。僕はあぐらをかく仕事…馬鹿野郎(笑)。基本的にはまず下級生がチェックしたものを上級生が見て、最終的なチェックを僕がして、僕が責任を負います。だから作業は下級生の方が多いのかな。そして責任は上級生です。
――お互いに仕事をしている時の印象を教えてください!
林→浜田 4年生のマネージャーが少ないので3年生にはすごく期待してるんですけど、みんな自分の役割をきちんとこなしているという印象があります。でももうちょっと頑張ってほしいかな(笑)。これから早慶戦もあるので、ここから3年生には期待してます。真帆はすごくサッカーが好きなので、なんていうか、もっとガンガンきてほしいかなと思います(笑)。
浜田→林 チームのことを一番に考えている人です。これまでは主務は対外的な仕事が多いので副務に比べてあまりマネ部屋では会わないイメージだったんですけど、草太郎さんはよくマネ部屋に来てマネージャーとコミュニケーションを取りながら仕事をしてくれます。早慶戦でも主体となって新しいことを率先してやってくださっているのでとても頼もしいです。
駒野 お互い誉め合っただけかよ気持ち悪いな(笑)。
松井→梶浦 副務になって2年生と話す機会が増えたんですけど、わりとコツコツ頑張っているイメージがあります。1年生が入ってきて仕事を教えなければいけないので自分の仕事が後回しになったりすると思うんですけど、それでも頑張ってやってくれているなと思います。ただ静かというか…。もっと言ってくれていいのにって。マネ部屋では静かなのにLINEで要求してくるんですよ(笑)。直接こいよ!って。
梶浦→松井 いつも夜遅くまで頑張っているなという印象があります。
――それだけですか?(笑)
松井 マネ部屋いないんですよ僕(笑)。例年は主務があんまりマネ部屋にいなくて副務がよく行くんですけど、今年は逆なんです。
三浦→駒野 私はまだ入って1カ月なので駒野さんがあまりどういう仕事をしているのか分かっていないんですけど、同じマネージャーだけど3歳違うじゃないですか。3歳違うと結構大人というか…。
林 パパ?
三浦 そうです(笑)。どちらかと言うと父親のような感じです。
林 まあ老けてるからね。
駒野 そうね…。
三浦 ちびっこが来たときとかもすごく話すのが上手で、とても頼もしい父親のようだなと思います。
駒野→三浦 そうですね。娘のような感じです(笑)。やっぱり3つ下のマネージャーってすごく可愛く思えて、被る時間は短いけどその間に全部伝えてあげたいなと思うところもあります。やっぱり最初みんなすごく気合いが入ってるんですよ。でも色んなことに対して初めてだから初々しさも残ってて、そういう子たちを教えるのはすごく刺激になることも多いです。今年は1年生が5人いるんですけど、中でも彼女はサッカーが一番好きで、サッカーの話もよくするよね?
三浦 はい。
駒野 本当に結構通な話をするんですよ。同期ともこんな話しないってくらい。この情熱を持って4年生まで突っ走ってもらいたいなと思って頼りにしてます。
――みなさんが今の役職に就いた経緯やきっかけを教えていただけますか?
三浦 先ほど駒野さんが仰ってたように、サッカーが好きです。
駒野 まあ本当にそれに集約されるよな。
三浦 はい。大学4年間をなあなあに過ごすのは嫌で、それで何か頑張りたいって思ったときに、やっぱり自分の好きなことに関われるのが一番だと思ったので、入部しました。
梶浦 私も4年間1つのことに打ち込みたいなと前々から思っていて、私も結構家族でサッカーに関わっている機会が多かったので、ソッカー部を選びました。
浜田 私は高校時代から大学サッカーを見ていて、そこで慶應にはグラウンドマネージャーという役職があることを知って、仲間のためにプレーすることを辞めてまでコーチになろうという熱い人たちがいるのを知りました。私が慶應ソッカー部に携わるにはマネージャーしかないじゃないですか。それでマネージャーをやりたいと思いました。
駒野 僕がこの組織に憧れたのは中学2年生の時に早慶戦を見てからで、その時は漠然と「この組織の一員になれたら良いな」と思っていたんですけど、選手としてよりもマネージャーとして携わった方が、このチームを勝たせることができると思ったし自分自身もやりがいを感じられると思ったので、男ですけどマネージャーという道を選びました。全く後悔はないし、良い毎日を送っています。
林 僕と松井は特殊で、3年生からこういう業務を始めたわけですけど、どちらかと言うと自分の意思でって感じじゃないよね? 学年の中で副務を決める時(3年次の副務が次年度の主務になる)に、最初は周りの人に推されたから考えるようになって、言い方は悪いですけどやらなきゃいけない状況になって、そこから自分の中でやろうと思えたのは、自分のサッカー人生の最後になる大学サッカーで、選手としてもプレーできるし組織面にも関われるというのはすごく恵まれた役職だなと思ったからです。仕事もしながらサッカーをするというのは選手としてはマイナスになる部分もあるとは思うんですけど、それを差し引いても、選手としてもマネージャー業でも両方の面でサッカーに関われるという機会はそうそうないと思うので、サッカー人生の最後にやりたいことを全てやって結果を残せたらそれは一番良い終わり方だなと思って、僕は副務になりました。
松井 僕も周りから推されたりしてやらなきゃいけない状況になって、小1から続けてきたサッカーを最後どう終わるかっていう時に、やっぱり何かを残して終わりたいと思いました。僕は内部進学で、AO入試とかで入った強い高校の人たちもいる中で僕の実力はやっぱり下の方で、このままだとただ下の方でサッカーやって終わるぞと。でも、例えばこれまでできてきた友達なんかも8割9割はサッカーのつながりで、本当に僕の人生そのものだったサッカーをただなんとなくやって終わるというのはどうしても自分は納得がいかなくて、プロも出るようなこういった大きい組織の中で最後に何かやりきったと思えるようなことをしたくて、副務になりました。
――特に主務、副務のお2人にお聞きしたいのですが、役職に就いて以前と変わったことはありますか?
林 結構あるよね。
松井 チームのことを考えるようになって、えー…。
林 ないじゃん(笑)。
松井 いやいや(笑)。まあでも僕は元々リサーチっていう仕事を2年生の時にやっていて、その頃からチームにコミットしたいなという気持ちでやっていました。仕事内容はリサーチとは変わりましたけどあまり意識のところは変わっていません。最近考えていることは何を優先するべきかということで、これまでずっと仕事メインでやってきていたんですけど、あと1年半しかサッカー人生がないってなった時に、このまま仕事を最優先しちゃダメだなという気持ちになっています。この1年間は、仕事を夜とかに回しながら、日中は純粋にサッカーを楽しんでみようかなと。そういう仕事との兼ね合いの考え方にはすごくこだわるようになりました。
――お仕事をされていて、良かったと感じる時、やりがいを感じる時や、逆に辛いと感じる時はどんな時ですか?
浜田 私はサッカーが小さい頃から好きで、中高は女子校だったこともあって、なかなか日常生活でサッカーに関わることができなかったんですけど、大学でマネージャーをやって日頃からみんなのレベルの高いサッカーに携わることができるのが幸せに感じています。
梶浦 去年初めて早慶戦に関わったんですけど、私は早慶戦を見るのも初めてで、最初は何が何だかわからない状態で始まって、とりあえず準備が大変な時期が続いて、当日になって会場の空気を感じた時に、やりがいと言うか、大変だったけどもその瞬間に幸せを感じたのがすごく印象に残っています。
――辛いことよりは楽しいことの方が多いですか?
林 辛いことね…。辛いことあった?
松井 辛いこと、うーん…。
林 まあ怒られることは増えるよね。俺ら責任取る立場だし。
――あまり辛いことはないですか?
駒野 いや、いっぱいありますよ(笑)。例えば、OBって今1000人いて、OB会の運営は僕らがやるんですけど、1000人に連絡を取ってお金を集めたりとか。そういう責任ある仕事を任せてもらっていて、最初はやってる意味が分からなかったんですけど、でもOBがすごく現役のことを思ってくれているというサイクル、僕らもOBになったらそう思うと思うんですけど、そういうサイクルは早稲田よりも慶應の方が絶対あると思っています。それは日常業務から学んだことです。本当におじいちゃん世代のOBから幼稚舎世代の子どもまで、サッカーを通して色んな人と知り合うことができたし、早稲田や明治など他大学の人とも知り合う機会ができて、人間の幅は広がったんじゃないかなと思います。
林 辛いことじゃないじゃん(笑)。
松井 あと、副務って日曜の夜仕事がよくあるんですよ。ソッカー部は月曜日がオフなので日曜の夜はみんな遊ぶんですよ。だからフェイスブックとかツイッターを見ると寂しくなるんですよ…。だから僕もうSNS辞めたんです(笑)。LINEとかもほとんど業務用じゃないですか?
林 分かる。BチームLINE、CチームLINE、マネージャーLINE、はいはいはい…。
松井 女の子からもLINEないし…。
駒野 ちょっとはあるだろ(笑)。
松井 マジでないんですよ!見せていいですよ!
駒野 見さすな(笑)。
松井 そこが本当に…辛いと言うか、寂しいですね。
――最高の主務、副務、マネージャーであるために日頃から意識していることはありますか?
駒野 マネ部屋の中ではもちろんですけど、チームの中でも、自分にしかできないことってなんだろうと日々考えています。自分のポリシーとして、人と同じじゃいる意味がないと思うし、自分にしかできないことを考えています。
――三浦さんはまだ入部して1カ月ですが、意識していることはありますか?
駒野 朝ちゃんと起きること?
三浦 それはばっちりです。綺麗にするところからですかね。駒野さんによく言われるんですけど、玄関、マネ部屋、整理整頓、そこからかなと思います。
――今季のチームについてお伺いしたいと思います。成績はあまり良くないですが、見ていてどう感じていますか?
駒野 良い時代を知ってると余計辛いですね…。2年前に優勝争いを経験してるので、すごく悔しいです。それに尽きるかな。
林 勝つのがすごく難しいなと感じます。優勝争いとかもしていて、勝つのが普通とは言わないけれど、良い戦いをすれば勝てるという感覚だったのが、今は良い戦いをするのも難しいし、ちゃんと準備してやっているつもりなのにそれがピッチで表現できていないというのは、トップチームの人たちも感じていると思うし、外から見ていても思います。その中でも僕たちはやるべき仕事をちゃんとやって、良い環境を用意してやるしかないので、そこはぶらさずにやっていきたいと思います。
――状態の上がらないチームのために、それぞれの立場から今できることは何だと考えていますか?
駒野 厳しい質問ですね(笑)。
浜田 4年生がスローガンに掲げた「凡事徹底」を、まさにこういう時こそやっていこうと3年生のミーティングなどでもよく話しています。「4年生も大変だから、3年生が頑張って支えていこう」って。
林 4年生としては、自分たちが掲げたスローガンをそうやって3年生も体現しようとしてくれているし、うまくいかないなかで修正することはあっても軸だけは絶対にぶらさないというのはずっと学年でも言ってきています。主務としてもそこだけは貫こうと思ってやっています。修正はするけれど、ぶれることはなくやりたいです。
――みなさんにとってソッカー部とはどのようなものですか?
三浦 これから先の4年間、自分の居場所になっていくものだと思います。
梶浦 自分にとって成長の場所であり、周りから刺激をもらえる場所だと感じています。
浜田 私はこの部活に入りたくてこの大学を受験したので、高校生の自分に恥じないように、日々色んなものを吸収していきたいと思っています。
駒野 自分作りと、仲間作りの場だと思っています。自分はサッカー選手ではないので、ピッチの上のように自分のスタイルがあるわけではないんです。だから甘いところがあるとそれは必ず結果に出てしまうというのを毎日学んでいます。隙を作らないことや、逆にこういうことをすると人の心に響くんだなとか、そういうことも学んでいますし、ちょっとぼやっとしてますけど、自分作りの場になっています。
松井 人生最後の場っていう感じですね。何回も言うんですけど、自分のサッカー人生はあと1年半で終わってしまうんです。正直今の自分の生活からサッカーがなくなったらどうなるのかは、最近少し考え始めたんですけど全然想像がつかなくて、じゃあ、とりあえずあと1年半、ここで一旦人生が終わると思って、死ぬ気でやりきろうと思っています。そういう意味で人生最後の場です。
林 自分のサッカー人生の集大成になるし、選手としてもマネージャーとしてもこの場を楽しめているのはすごく幸せなことであると同時に、自分のサッカー人生は親や家族に支えられてきたし、ソッカー部の同期や後輩、先輩、OBもそうだし、そういった人たちの思いを背負って自分は主務として動かなきゃいけないと思っています。それはすごく楽しいし、自分だけの仕事なので、責任をきちんと果たして、結果で恩返しできればと思っています。
――特にマネージャーの皆さんにお伺いしたいのですが、ソッカー部の選手の中で特に思い入れがある選手はいますか?
三浦 めっちゃ恥ずかしいんですけど(笑)、岩崎湧治(商3・ベガルタ仙台ユース)さんです。小学生の頃地元が近くて、兄の試合を見に行く時によく見たことがあったんですけど、その頃から本当にスターで、私にとってはその時点でプロ選手のような目で見ていました。後に私が高校生の時に同じ慶應のソッカー部にいることを知って感動しました(笑)。
――岩崎選手の存在もソッカー部に入部したきっかけになりましたか?
三浦 でもいなかったら入ってなかったと言ったら嘘になりますね。
梶浦 私は同期の渡辺亘祐(政2・慶應義塾高)が同じクラスで、去年はずっとBチームで、Iリーグに出られるか出られないかみたいな状況を結構2人で話したりしていました。Bチームから落ちないように頑張らなきゃと言っていたんですけど、今年になって関東リーグにも出て、その時は私もすごく感動しました。サブに入った時点で私は喜んでいたんですけど、彼は結構「試合出られるかな」というメンタルでいたので、出た時は本当に私もスタンドで感動して、思い入れはあります。
浜田 私は田中健太(法4・横浜F・マリノスユース)さんです。マリノスユースの時から見ていて、10番着けて本当にスターという感じで。大学でもやっぱりすごく上手くて、今また10番を着けていることには感動しています。
駒野 3人います。全員同期なんですけど、小川豊(商4・慶應義塾高)、安井迅郎(経4・暁星高)、そして林です。
林 (笑)。
駒野 豊は中学校からもう10年目のチームメイトで、選手をやっていた時からの仲間だし、一番付き合いが長いです。安井とはチームの中で一番お互いのことを分かり合っていると思っています。草太郎は、僕は仕事しかやっていないですけど、彼は仕事と選手を両立しているのは、あんまり普段は言わないですけど、尊敬してます。みんなは感動だったけど、僕は尊敬です(笑)で、逆はないの?
林 思い入れのあるマネージャー? それを言うと今後問題があるな(笑)。
――主務、副務、マネージャー、それぞれの立場から、選手への要望などはありますか?
駒野 マネ部屋を大きくしてもらいたいです。
林 選手へじゃないじゃん(笑)。
駒野 要望としてね(笑)。今マネージャーがすごく増えてきて、13人いるんですけど、6畳くらいの部屋でやっているので、ちょっと厳しいですね。
松井 期限は守ってねくらいかな(笑)。3秒でできることなんだからやれよって。例えば今だと早慶戦の資料作りで「私にとってソッカー部とは」みたいなのを書いてるんですけど、何人か期限を過ぎたり、パンフレットを作る際もコメントをなかなか出さない人がいたり、部費の期限も守らない人がいたり…。そこに関してはルーズな人が多いからちゃんと守ってほしいですね。
林 相当鬱憤溜まってるね(笑)。
――定期戦についてお伺いしたいと思います。皆さんにとって定期戦とはどのようなものですか?
駒野 全てだよね。
林 うん。松井はまあ1年目だからね。
松井 まだ正直僕にとっては早慶戦とは「仕事」って感じですけど(笑)。僕も今は初めてなので、オリジナリティを出すというよりはこなすっていうことが多いので仕事という感じですけど、これから来年主務にもなる中で、早慶戦というのは必ず大きなやりがいだと思うので、これから頑張っていきたいですね。
駒野 早慶戦は僕をここに導いてくれた試合でもあるし、今の僕を動かしてくれる試合でもあるから、本当に意味のある一戦なんですよね。僕にとっては。すべてというのはそういうことです。
――定期戦に向けてのそれぞれの仕事内容を教えていただけますか?
林 主務にはそんなに決まった仕事はないんですよ。だから例年はわりと暇なんですけど、今年は新しい企画とかやっている関係で、結構1から作っているところがあって、それで色々運営や調整の仕事が多いです。
松井 企画を考えたり、協賛企業と連絡を取り合ったり、あとはポスターのデザインやチケットの印刷など、印刷の仕事を結構やってます。そんなもんですか?
林 まあこっから運営に死ぬほど動いてもらいます。
松井 らしいです(笑)。
――忙しくなるのはこれからですか?
林 そうですね。今までのは全然早慶戦じゃないから。
松井 早慶戦とは「仕事」です(笑)。
三浦 マネージャーでは1年生が主にやっているのはチケット販売です。OBの方にチケット購入の依頼を送り、購入する方にチケットを送っています。
駒野 チケット販売は毎年1年生を中心にやっています。上級生はそれはチェックしたりとか、僕は今年は一貫校をすべて訪ねて、チケット購入の調整をしたり、タイムスケジュール作ったり、色々あります。
――主務や副務の方が早慶戦に向けての仕事は多いですか?
林 いや、あんまり変わんないよね。
駒野 トントンくらい?
――これまでの定期戦を振り返ってみていかがですか?
駒野 僕が一番記憶に残ってるのは僕が高1の時の試合で、1人退場して失点して、1人少ない状況で0-1から逆転して勝った試合です。6年前ですね。黄大城(総卒)さんがMVPになった試合です。
林 うーん…。あんまり満足感を感じたことはないですね。やっぱり勝てないと。自分は選手をやってるからそういう感覚があって、勝ちたいし、ずっと勝ててないので。負けた時はすごく虚無感というか、それまで色々準備してきたからある程度達成感があるのかと思っていたんですけどあんまり感じなくて、今年はそれこそ自分がやってきたことが結果として返ってきてほしいし、その結果を出す舞台を最高のものにしたいと思っています。
梶浦 さっきも言ったんですけど私は見たのも去年が初めてで、スタンドで仕事をしていたんですけど、応援や観客などもリーグ戦とは全然違う雰囲気を感じました。選手たちもやっぱり定期戦には出たいとみんな言っていて、そういう舞台で11人がプレーして、他の部員は全力で応援する雰囲気に去年は圧倒されました。
浜田 私が最初に見たのは駒野さんが言っていたのと同じ6年前の試合で、それ以来慶應は勝てていないので、今年こそは勝ちたいなと強く思っています。印象に残っているのは、去年私はPRTシャツのデザインを担当したんですが、当日スタンドから観客席を見た時に観客がPRTシャツを着ているのに気づいて、すごく感動しました。
――今年の定期戦で注目してほしい選手は誰ですか?
駒野 さっき思い入れのある選手のところで言い忘れたんですけど。
林 言い忘れた(笑)。
駒野 片岡(立綺、総4・桐蔭学園高)なんですけど、彼とは小学校6年間一緒で、大学で再会したという経緯があるんです。去年最後の方から試合に出始めましたけど、今主力になってるとは去年のこの時期には全く思っていませんでした。立綺には注目してもらいたいです。僕も注目しています。土曜日なので小学校のサッカーチームの親なんかもみんな来るそうなので、立綺には来てほしい…じゃない、見てほしいですね。
林 そりゃ立綺は来るだろ(笑)。なんで欠席するんだよ(笑)。
松井 あとは貫太(近藤貫太、総4・愛媛FC)くんじゃないですか。
駒野 定期戦初めてなんだよね。
林 僕は夏彦(渡辺夏彦、総4・国学院久我山高)ですね。今回彼は早慶戦にも関わって一緒にやっている部分もあって、プレーヤーとしても中心選手なので。プレーしながら自分たちがプレーする環境作りにも関わるというのは、大学サッカーの一つの魅力だと思うので、それを体現している選手はなかなかいない中でそれをやっている夏彦には結果を残してもらいたいし、その結果を残す舞台が大きくなるようにお互いにやっていければと思います。
――渡辺選手が関わっているユニサカとは早慶戦に向けてどういう関係でやっているのですか?
林 早慶戦に関してはあまり境はないというか、ユニサカがこういうことをやりたいと言ったら早慶戦の運営に許可を取って、やっていく感じです。それによって従来の早慶戦と変わるところを調整したりしています。
――満員を目指したり、いつもとはまた違う雰囲気になっていますよね。
駒野 本当に全然違うよね。
浜田 あとは松木(駿之介、総3・青森山田高)…。
林 松木間に合うのかな。
浜田 「早慶戦に合わせてゆっくり治していきたい」と前言っていたので。日頃から熱い人なので、早慶戦に出られたら前期出られなかった分絶対活躍してくれると思います。
――最後になりますが、定期戦に向けての意気込みをお願いします!
三浦 早慶戦がどのようにできていくのかまだ良く分かっていないですけど、任されたことをただするのではなく、2倍3倍にして、先輩方が効率良く仕事ができるように1年生同士で考えながらやっていきたいと思います。
梶浦 2回目ということで、自分の仕事をただこなすだけじゃなくて、周りを見て良くしていけたらと思います。
浜田 3年目ということで与えられた仕事だけじゃなく周りを見ることもできるようになってきたと思うので、これから責任の大きな仕事とかもするようになると思うんですけど、同期と力を合わせてやっていきたいと思います。
駒野 僕自身の経験と重ねて言えば、早慶戦を見ることで人生が変わるかもしれないので、来てほしいなと思います。太字にしといてください(笑)。
松井 初めての運営ですけど、今年はこうやってユニサカとかも絡んで、なつくん(渡辺)などの4年生がすごく大きくしようとしてくれていて、来年のことを考えると自分がしっかりバトンを受け取らなきゃいけないので、そういった意味では自分がしっかりしなきゃという責任感があります。ただ本質はサッカーです。勝つのが一番なので、まずはチームのことをやります。関東リーグの結果は悪いですけど、ここを起点にできるように、早慶戦に勝てるように頑張ります。
林 自分は内部進学でもなんでもないですけど、早慶戦に対する思い入れはとても強いです。ここでやっぱり勝ちたい。関東リーグと並ぶくらいここにはこだわっています。勝ってもらいたいし、勝たせられる主務でありたいと思うと同時に、勝利の舞台を今までで一番大きいものにために、準備もここから本番ですけど力を尽くしていきたいと思います。
――皆さん、ありがとうございました!
(取材 桑原大樹)