3度目の正直とはならなかった。秋季リーグ10戦目を迎えた今日の対戦相手は現在1勝8敗の順天堂大。入れ替え戦を回避すべく、今回こそ勝ち切らねばならない試合であったが、相手の強烈なスパイクにブロックを崩され、1セット目を先取したものの、その後3セットを連続奪取され試合は終了。セットカウント1−3で敗戦を喫した。
10月14日(土)秋季関東大学男子1部バレーボール第10戦 慶大×順天堂大@専修大学総合体育館
得点 | ||
慶大 | セット | 順天堂大 |
26 | 1 | 24 |
22 | 2 | 25 |
23 | 3 | 25 |
17 | 4 | 25 |
第1セット。相手のスパイクが次々と決まり少々出遅れた慶大であったが、相手のサーブミスや富澤太凱(経2)の連続サービスエースなどで4連続得点し、なんとか同点まで追いつく。その後もマルキナシム(総2)のスパイクや佐藤康平(環4)のフェイントなどで得点を重ねるが、相手の鋭いスパイクや自身のサーブミス、相手のブロックなどに苦しみ、なかなかクロスゲームから抜け出せない。しかし、黒田彪斗(環4)のスパイクや清水柊吾(総1)のブロックが光り、先にセットポイントを獲得したのは慶大。ここで相手のスパイクが決まり、24−24でデュースに突入するも、マルキのスパイク、そして富澤の強烈なバックアタックにより2連続得点をあげ、26−24で慶大が1セット目をもぎ取った。
第2セット。開始より互いにブロックアウトやレシーブミスなどのミスが目立ち、攻撃での得点があまり見られない。5−5の同点を迎えてから、佐藤のクイック、黒田のスパイクなどで慶大の攻撃が決まり始めると、相手も同様にスパイクを決めだし、自身のミスや相手のサービスエースなども相まって14−16とリードを許す展開に。すかさずタイムアウトで流れを変えようと試みると、富澤のバックアタック、マルキのブロックで同点に漕ぎ着く。そこからは一進一退の戦いで大きく差をつけることができなかったが、22−21の局面で相手がタイムアウトをとると状勢は一気に変わった。慶大は相手のスパイクや自身のブロックアウトで2連続得点を許し、たまらずタイムアウトをとるが流れは変わらず、最後は自身のミスにより22−25でこのセットを献上した。
セットカウントを1−1に戻され、どうにか取り戻したい第3セット。序盤から両校がブロックアウトやクイックを交互に披露したが、相手のクイック、サービスエース、慶大のスパイクミスで、3−6と相手にリードを許してしまう。その後も佐藤のクイック、富澤のスパイク、清水のフェイントなどで着実に点数を重ねるが点差を埋められないまま、サーブで狙われていたマルキに代わって岩本龍之介(商3)を投入し、慶大は流れを引き寄せようとする。しかし戦況は変わらず、相手のブロックの吸い込み、互いのミスなどが目立った後半、一時は16−17と肉薄するが、相手のスパイク、2度のサービスエースなどで17−21まで点差を広げられてしまう。タイムアウトを取った慶大はブロックの吸い込みで1点を失うも、岩本の2度のスパイク、強靭な3枚ブロックによりなんとか2点差まで漕ぎ着く。ここで相手はタイムアウトを取り、スパイクを決めるが、佐藤のクイックと相手のスパイクミスで22−23まで詰め寄る。富澤のスパイクが決まるも、先にセットポイントを獲得した相手に1歩及ばず、23−25でこのセットも落とした。
緊迫した空気の中迎えた第4セット。もう後がない慶大。両校スパイクやクイックを決め合い、点取り合戦を繰り広げるが、相手のキレのあるスパイクに3連続得点を献上し、すかさず慶大はタイムアウトを取る。タイムアウト直後、相手のブロックアウトで得点するも、相手のフェイントやスパイクに翻弄され、またも3連続失点し、5−10と大きく突き放されてしまう。2度目のタイムアウトを取った慶大であったが、その後も相手の勢いは止まらない。吉田祝太郎(政1)のツーアタック、再び出場したマルキや、富澤のスパイク、そして佐藤がクイックを連発するなど、攻撃は十分していたが、それ以上に相手の攻撃は止まるところを知らず、パワフルなダイレクトアタックやスパイクに対応することができないまま17−25でこのセットを落とし、最終的にセットカウント1−3で敗れる結果となった。
今リーグは残すところ明日の駒沢大との試合1戦のみとなった。入れ替え戦がかかった重要な試合であることは間違いないが、「気持ちを切り替えて、次の試合に挑みましょう」という宗雲監督の言葉や、佐藤の「とりあえず勝っていい形で終われるように頑張ります」といった言葉からもわかるように、入れ替え戦のかかった試合だから勝つのだという心持ちなのではなく、常に勝つのだという思いで試合に臨むのが慶大だ。このチームなら、今日の結果を引きずることなく、明日の最終戦にて有終の美を飾るであろうと信じている。
(記事・津田侑奈、写真・藤澤薫)
・以下コメント
黒田彪斗(環4)
(今日の試合を振り返って)
入れ替え戦がかかった大事な試合だったので、勝ちたかったです。
(勝敗を分けたポイントは)
(相手との)サーブの差がすごく大きかったかなと思います。
(1セット目を取った要因は)
マルキがサーブで狙われてしまい、崩れたのですが、それ以上に1セット目は相手のサーブカットが崩れて、僕らが切り返すことによって点が取れた、という展開を作ることができました。試合前にミーティングしていたことが、そのままできたという感じですね。
(2セット目以降を落としてしまった要因は)
サーブレシーブが相手よりどんどん返らなくなってきて、またサイドアウトが全然取れていなかったです。逆にこちらのサーブも結構入っていましたが、相手のサーブレシーブがすごく(上手く)返っていて、1本で切り返されました。そして要所でサービスエースを取られて、その差が広がっていったという感じですね。
(明日の駒沢大との試合に向けて)
まだ入れ替え戦の可能性がありますが、本当に入れ替え戦には行きたくないので、差がどれほどあるかわかりませんが、とにかく1戦1戦、目の前の点を大事にして戦って行きたいです。監督からは「気持ちを切り替えて、次の試合に挑みましょう」と言われたので、しっかり気持ちを切り替えて明日の試合に臨みたいです。
佐藤康平(環4)
(今日の試合を振り返って)
一言でいうと悔しいです。
(敗因は)
相手も大きいチームでこちらも大きいチームでそういう意味で似たようなチームだった中で、勝ちたいという気持ちはこちらの方が大きかったんですけど、その気持ちが空回りしてしまって守りに入ってしまった感じがあったので、そこをコントロールできるようにもう一皮むけないといけないと思います。
(ブロックは)
結果的にいうと、相手のアタッカーの打点がうちのブロッカーの打点よりも高くて対処しきれない部分もあったんですが、それ以外は比較的よくできていたとは思います。でも、まだまだ速い攻撃や時間差や高い選手にどうするのかということはブロックだけではなく、ブロックと守備の関係から構築していかなければ厳しいと感じました。
(特に終盤で速攻が目立っていたが)
サイドに貼られて苦しい状況だったので(吉田)祝太郎に話して、もってこいという風に言ったので、それがよかったんじゃないかなと思います。
(明日の駒沢大との試合に向けて)
本当は最終戦に向けて上位目指して頑張りますというイメージできましたが、入れ替え戦もかかっているので、(自身の)最後のリーグで後輩たちに残すものもいろいろありますけど、とりあえず勝っていい形で終われるように頑張ります。
岩本龍之介 (商3)
(今日の試合を振り返って)
相手にやられた、としかいえない試合内容だったと思います。
(途中出場だったが、何か意識したことは)
マルキのカット(サーブレシーブ)がとにかく返っていなかったので、とにかくカットだけは返そうという気持ちでした。あとは他の人が打ってくれれば、それが決まればいいので、カットだけは返そうという気持ちでやりました。
(慶大のディフェンス面は)
相手が高いところからブロックを利用して打ってくるチームだったんですけど、それに最後まで対応しきれずに終始やられてしまったかな、というかんじはします。
(今日の慶大のサーブアンドブロックは)
サーブは結構フローターもジャンプも攻められていて相手も崩れていて、ブロックポイントもちょっとだけ出てたんですけど、もうちょっとブロックで仕留める回数が増えればもっと楽に戦えるかな、という感じはします。
(入れ替え戦の可能性が残っているが、明日の試合に向けて)
入替戦行くか行かないかはまぁ置いておいて、とりあえず明日の試合勝てればいいかな、というふうに思います。
サイド | マルキ ナシム(環2・川越東高) |
セッター | 吉田祝太郎(政1・慶應義塾高) |
センター | 佐藤康平(環4・桐蔭学園高) |
オポジット | 富澤太凱(経2・慶應義塾高) |
サイド | 黒田彪斗(環4・富山一高) |
センター | 清水柊吾(総1・広島城北高) |
リベロ | 長澤翔吾(環4・盛岡第一高) |
松岡海(文4・慶應義塾高) | |
途中出場 | 岩本龍之介(商3・仙台二高) |
尾木将(政4・修道高) | |
樫村大仁(環1・茨城高専) |