慶應スポーツ新聞会

【ラクロス(女子)】日本一シーズンを終えて/4年引退インタビュー④〜主将・出原佳代子〜

4年引退インタビューの最後を飾るのは主将・出原佳代子(#99・経4・慶應女子)。全日本優勝の17チームを率いた主将のインタビューをお届けする。今回は出原選手の大親友の白子未祐選手(#96・文4・慶應女子)。そして5年前の創部初の日本一も経験し、2013年の主将だった出原選手のお姉さんの出原由佳子さん(政卒)にもコメントをいただいた。

 

 

 

日本一おめでとうございます。改めてお気持ちを

一週間くらい経って何回思い返しても、本当に嬉しいという気持ちでいっぱいです。試合内容を振り返ると後半の途中まですごく苦しい展開だったんですけども、本当に今年の5月の早慶戦以外に今までの11試合でそんなに苦しい試合っていうのがなくて。その中でいつ苦しい試合が来てもいいように準備はしようっていう風にチームでやって来たので、最後の最後に来なくてよかったものが来てしまいました。最終的にはいつ来てもいいようにってずっと準備して来たのが勝利につながったんじゃないかなと思います。

 

苦しくなる想定は毎試合していましたか

ブロック戦5戦はそこまで想定していなかったんですけども、FINAL4からはしました。私たちはFINAL4に行っている代ではないので、経験者は少ないんですけども、コーチ陣を筆頭にFINAL4からはどこかしらで本当に苦しい戦いが来るよって言われてて。FINAL4が思ったより良い形で勝てて、じゃあFINALは苦しくなると言われて。FINALも前半は苦しかったけれど、後半は立て直すことができて、そこまで苦しくなくて。じゃあ全日本大学選手権で来るよって言われてこなくて。決勝の同大戦の前もコーチ陣から「苦しい展開になるよって言いたいけど、このチームはならなかったから苦しくならないよ笑」みたいな感じだったんですけど、いつそうなるかわからないので準備して来てよかったです。

 

全日本決勝の4点ビハインドは想定内でしたか

想定内ではなかったです笑。さすがに4点差つくとは思ってなかった。ついて2,3点くらいかなと。でも、普通だったら4点差ついたら焦ったり負けるかもと思うところを今ビデオを見ても、なんでこれで負けるって思わないんだろうって思うくらい不思議です笑。本当に負ける気が本当にしなかったです。

 

決勝に決まってからの一週間。勝っても負けても最後となる中で何を意識していましたか

やっぱり一週間だと練習回数も限られていて、もうこれしかこのチームでラクロスできないんだっていうことが悲しくて寂しかったっていうのが一番でした。でももう3、4回しかないんだったら全てを出し切ろうと思って。チームとしてもそれまでは相手に合わせて細かく練習して来たんですけど、どんな相手に対しても10試合やっていれば一通りの形はやったので、そこにとらわれることなく、自分たちが何をしなければならないかっていうのを再確認していました。

 

一週間は自分たちのしなければならないことだけを考えていましたか

そこまで来たら絶対勝たなくちゃいけないし、勝ちたいっていう気持ちが強かったんです。でもこのチームでやれるのももう最後50分の試合しかないということで楽しむのももちろんですし、1年間の集大成だってことを考えていました。

 

試合前はどんな声をかけましたか

とにかく楽しもうってことを私は言っていて。楽しんだらいい流れがくるし、絶対に勝てる相手だと思っていたので、とにかくこのメンバーでできる最後の試合は楽しむことだけを考えて、運動量では絶対に負けないということを50分通してしようと話しました。

 

前半は苦しかったが、同点に追いついた瞬間はどうでしたか

「来たな」と思いました笑。でも「なんだ同点か」とも思って。実際に残り90秒で、「まあ90秒あれば1点取れるな、そこで決めて勝てばいいな」と思っていたらまさかのサドンデスで。その時は50分しかないの寂しいねって言ってたから、思い叶っちゃったなみたいな笑。チーム内でも私たちもう少しラクロスできるねっていう前向きな声がチーム内でもあったので、本当は緊張するべきシーンだったんですけども、いい意味で緊張感がなかったです。

 

後半が終わってベンチに戻る時の選手の表情も明るかったですが、チームとしてもまだ試合がしたいという感情だったんですね

勝ちたいというのもありましたが、このチームでできるのが50分は悲しいと思うメンバーも結構いたので、その思いが叶っちゃったねって感じでした。

 

最後に主将自らゴールを決めましたが、今振り返っていかがですか

今振り返っても正直そこまで覚えてはいないですね。さわこ(#33・西村)からのリスタートでボールをもらったシーンでこれは私いけるなって自信が持てていて。これは私が絶対決めて終われるなっていう風になって、さわこからボールをもらって、そのあとは自分はGしか見えてなくて。後から見直したらDFカバーが来てたんですけど、私の中ではどフリーで進んでいるように思っていて、絶対あそこに打ち込もうみたいなシーンでした。

 

サドンデスになった瞬間自分で決めてやるって思いましたか

自分で決めたいなとは思ったんですけど、誰が決めてもいいから絶対に勝ちたいなって思いが強くて。サドンデスになった時に大久保HCから「点決めたいやつが最後は点決めろよ。誰か決めたいやついるか」って聞かれて全員が手を上げていて。ふざけているようで緊張感がほぐれる感じの言葉をいただいたので。フィールドに立っているオフェンスメンバー全員が私が決めてやるって気持ちでやっていたと思うので、最後は私がいい形で運良くもらえたのが本当にラッキーでした。

 

「日本一」になりましたが実感はありますか

意外と日本一になったんだみたいな感じで。日本一だからどうとかそういうのはなくて。1年の時から日本一になるためにやって来てたので、最後の最後で日本一になれてよかったんですけど、日本一の実感はないです笑。でも江戸陸の景色は最高でした。

 

 

 

今季を振り返って

私たちが入部してから成績が右肩下がりで、今年も2部降格もありえるよってことまで言われて。でも日本一になりたいし、そこで目標を変えるのも嫌で。絶対に日本一になるって思いだけを持っていて、そのために何が必要かをずっと学年でもチームでも話し合いましたし、やはり運動量というところでひたすら毎日アップから走りじゃくる。トレーニングでも今までのシーズンで一番きついくらい走って、でもそれを誰も文句も言わずにやりきったことが日本一につながったなと思いますし、全日決勝のラスト15分くらいで追い上げられたのも、今季始まってからずっと走ったのが最後の最後に結果につながったなと思います。逆にあれだけ走って日本一になれないわけがないとトレーニング中も思っていて、正直辛くてこれで日本一になれなかったらなんのために走って来たんだろうって思ってました。試合中の苦しい時間帯もあのトレーニングを思い出して、あんだけ走ったんだから絶対大丈夫でしょうっていう自信に変えられたのは4年間やってきて今年のチームだけそう思えたので良かったです。

 チームの一つの目標の3冠という中では準リーグは準優勝で終わってしまうという結果は悔しいんですけど、準リーグメンバーが頑張ってくれたからこそ、リーグ戦で力が発揮できたし、練習中から質の高い練習相手として入ってもらえて。そこでお互いを高め合えてチームとして良かったです。

 

個人としてはいかがでしょうか

去年までは自分がどう活躍するかとか、自分が点取れたかどうかにすごく目がいってて。自分が活躍できなかったら落ち込んだし、自分ができたら嬉しくて、チームの結果よりも自分のためにラクロスをしていました。でも主将になって自分よりもチームのこと、後輩が活躍してくれる姿が嬉しくて。気づいたら自分のためというよりかはチームの日本一のためにすごく楽しくラクロスができて、それは良かったです。もっとプレー面でもチームをまとめる部分でももっとできたところはたくさんあると思っています。100人の他の部員全員が色々サポートしてくれて、特に同期が声をかけてくれたり強い姿を見せてくれて、私自身も支えられてできたので、自分一人では何もできなかったけれど、いろんな人に支えられて、この結果がついてきたのかなと思います。

 

一番印象に残る試合とその理由は

9月最後の早大戦です。FINAL4に行けないまま引退するかもしれない試合で。特に早大は苦手意識も強いチームで緊張感も高くて、一週間前から食欲がなくなるくらい緊張して、どうやって倒すかっていうことばかりを考えて考えた結果、勝つことができたのは印象に残っています。

 

主将として1年間の最初に立てた決意はありましたか

100人を越える部活で一人一人が様々な思いを持つと思うんですけど、最後日本一になった時に全員が純粋に喜んでくれるチームにしたいなと思って。すごく嬉しかったのが、全日決勝で終わった後スタンドに挨拶に行ったら、結構1年のメンバーが泣いててそれがすごく印象に残っていて嬉しかったです。正直、1年や2年ってチームの日本一やリーグ戦の勝敗が直接的なものではなくて、スタンドから見ていて勝って欲しいとは当然思うけれども、そこまで感情が入らないところが私自身あって。でも日本一になるチームって部員全員が日本一になりたいって思わないとなれないと考えていたので、特に1年はトップの選手と関わりがなかったり、気持ちが入らないところが大きい中で勝って喜んで泣いてくれた姿は嬉しかったです。

 

春先にはチーム内でも対立があったと聞きました

1月末から2月初めのキックオフ前のチームの方針を決めるときでした。すごい苦しくて同期の学年ミーティングで色々な意見が出て、私も傷つけるようなことを言って。でも本当にわかってほしくて。スローガンにもあるようにぶつかり合って高め合うっていうのを今年のチームではやりたくて。特に私たちの代は悪い意味で優しすぎるってずっと言われていて、厳しい声をかけあう機会が少ないっていうのをわかっていてもやれなくて。今年のチームが始まる時にチームを変えるためにそういうことしないといけないと思っていて、しっかり思っていたことは言ったんですけど、思った以上に自分も辛かったしみんなのことも辛い気持ちにさせてしまって。これなら辞めたいなと思うこともあって。その場はバチバチにはなったんですけど、みんなで声を掛け合ってなんとか、頑張ることができました。

 

春合宿では3年から厳しい意見があったという話も聞きました

3年からは「4年怖すぎます」みたいなのを言われて。あとは練習態度とか3年が色々意見を言ってくれて、最上級生として後輩はこうやってみてくれているんだっていうのを改めて認識させられて。最上級生としてどうあるべきなのかを本当に考え直す機会をくれて、そっから3年との距離も縮まって。本当に3年が今年は意見や思ったことを伝えてくれたので、そこはすごいありがたかったです。

 

それでも結束できたのは日本一という一つの目標があったからですか

本当にそうだと思います。日本一になるためにはそれぞれいろんな道があって、それでも最終的には日本一のためにお互いわかり合うかは難しいんですけども最終的にはうまくまとまれたと思います。

 

成績が右肩下がりで、2部降格もあると言われた中で目標にした日本一。当初は現実的ではなかったとは思うが、その中で日本一が現実的になったのはいつでしたか

早慶定期戦勝利が大きかったです。今年のチームが始まってから練習試合でも負けたことがなくて、そういうところは自信にはなっていたんですけど、去年まで日本一になれるって言いながらもかけ離れたところで終わって。やはり日本一は簡単なものではないって思ってはいたんですけど、それを経験したメンバーは今年のチームには誰もいなくて。どうやればいいのかわからない中でやるしかなかった。その中迎えた早慶戦であの苦しい中でなんとか勝つことができたのはチームの中でも盛り上がったし、それぞれの自信にもつながった試合になったと思って。あれで勝ってなかったら自信を失ってチームとしても暗い方向に行ってました。内容は良くなかったけど、勝てたことがすごく自信につながったと思います。それでいて内容が良くなかったから焦りも生まれてすごく良かったです。

 

部員101人を結束させるために何を一番意識していましたか

主将になるって決まった時に、いろんな部活の主将や他大の主将に話を聞きに行った時に多かった意見が「一対一の関係を強く持った方がいい」と言われて。私たちはトップチームのメンバーと関わる機会は多いけれども、1,2年生やサブチームでプレーしているメンバーは入部してから一緒にプレーしたことも話したこともないし、100人もいる部活だったら話さなくても引退できちゃうくらいだと思うんですけど。それは嫌だし、私がどうして日本一になりたいかとか後輩たちがどういう思いでやっているかを分かり合えれば、もっとまとまるんじゃないかという話を聞いて、私は一対一の関係を大切にしようと思って。練習時間外で積極的に1年と交流を図るようにしました。

 

全員とコミュニケーションをとっていこうと

100人全員とはさすがに難しくて、それは反省点なんですけど、なるべく多くの部員とコミュニケーションをとると距離感は近くなるし、人に頑張って欲しいと思ってもらえるし、逆に私も応援したいと思いました。Vリーグや新人戦の応援が自分自身でもすごく楽しくなりました。

 

自分にとってもすごくプラスでしたか

そうですね。そういう風に見てくれてたんだとか、見られてるんだっていう自分の想像とは違う意見が出てきて、もっと自分のことも考えさせられてすごく良かったです。

 

—今回はサプライズで出原選手の大親友の白子選手からメッセージをいただきました

日本一の主将になったね。主将決めでも色々あったけど、やっぱり主将はかよこしかなかったよね、って17日の夜飲みながらりきと話してないてた笑 色々あったけど、きっと皆そう思ったと思う。ラクロス続けてよかったな!!笑最後までポロる主将だったけど、お互いどっちかが調子悪い時はどっちかが調子良くて、とるとこしっかり点取る感じはアッタクらしくて好きだった。粗相のフォローの件に関しましては、本当申し訳なかったね!笑改めてメッセージと言われても、なかなか浮かばないけど、

慶應生活ラスト4年間も共に、熱く過ごせて最高だった!

 

 

白子選手はどういう存在でしたか

親同士が仲良くて、2歳くらいの頃から会ってない日がないんじゃないかってくらいで。幼稚園が別々でも終わったらどっちかの家に行って遊ぶって位、仲が良くて。それで小学校からずっと一緒で一番の親友でした。やっぱりラクロスを続けられたのもみゆうがいたから続けられて。みゆうは運動神経も良くて、ラクロスもうまくて。他のメンバーに負けるのは悔しかったんですけど、みゆうに負けるのは気持ちが良かった。活躍しているのがすごく嬉しくて。すごい特別な存在。2年の早慶戦の時に私がベンチに入れなくて、それが悔しくて、その頃は下手くそな自分が受け入れられなくて、練習もしたくないし、自分のこと評価してくれないチームなら辞めてしまおうって思う時期もあって。本当に辞めようかなってすごく考えたんですけど、みゆうが頑張っていて。すごいみゆうは誰よりも自主練していて、あそこまで頑張っているからああいうプレーができるんだなっていうのを見ていて思いました。

 実はみゆうって1年の新人戦が終わってやっぱりバスケがやりたいから本当に辞めようとしていて、それなら私も辞めるって軽く私は思ったんですけど、やっぱり私はラクロスが楽しいし、まだ続けたいけど、みゆうが辞めたら続ける自信がないなと思って、その時はみゆうに死ぬ気で「絶対日本一になるから、お願い一緒にやろうよ」って約束をして二人で頑張り始めました。3年まで日本一になれなくて、正直みゆうと約束してたのにさせることができないままなので、今年日本一になりたい思いはチームとしてもあったんですけど、個人的にもみゆうに日本一になって欲しいという思いが強かったので、最終的に日本一になれて良かったです。

 

 

 

 

 

4年間を振り返って

今振り返れば嫌なことや辞めたいなと思うことはあって楽しいだけではなかったんですけど、本当にやりきって良かったです。正直今までいろんな試合で勝っても自分の反省で悔いが残ったりしてたんですけど、全日本決勝は結構やりきったなという達成感が強くて。結果があるからかもしれないんですけど、何よりも4年の集大成で日本一になれたのがすごい達成感です。4年間で辛いことから逃げずにやってきて良かったです。

 

後輩選手に向けて

何よりも単純にラクロスを楽しんで欲しくて、私自身楽しめなかった時期もあって、そういう時って全く成長できないなと今振り返れば思うので、苦しい時こそ楽しむことを忘れずに続けられるといいと思います。絶対に日本一になって慶應が強いってことを見せつけて欲しいです。

 

4年の同期に向けて

全然頼りない主将でプレー面でもミスが多くて、迷惑をかけたんですけど、最後までしっかり前を見させてくれたのも同期のおかげなので、本当にありがたいです。

 

最後に一言お願いします

4年間はあっという間じゃなくて、いろんなことがあったし、長かったんですけど。振り返ったら覚えてない時期もあったり色々ありました。このメンバーで戦うことができたのは今までの人生でないくらいの達成感ですし、結果がどうであれ、最高の仲間でしたし、このメンバーで日本一を取れて幸せでした。

 

 

出原選手のお姉さんからもメッセージをいただきました!

4年間お疲れ様!私が妹に伝えたい想いは、ありがとう!これしかないです。小さい頃から何かと4歳も年上の私と比較されていた妹。他の競技を選ぶこともできたのに、私の大学4年時のリベンジをしようと自らいでの妹として見られてしまうラクロスを選んでくれました。とにかく気の強い妹。負けず嫌いでプライドの高い佳代子には、厳しすぎる壁がたっくさんあったと思います。

主将をやる、と覚悟を決めたものの不安と緊張が混ざる1年前の顔。2017関東リーグ終え、他チームへの感謝がプラスされたキラキラ顔。全ての壁を乗り越え、自信もプラスされた全日前の強い顔。この1年で佳代子の顔は本当に変わったと思います。

大久保HC5,6年前から?ずーっと強いチームが勝つんじゃない、勝ったチームが強いんだ。と言っていますが、佳代子は本当に強くなりました。沢山の壁を乗り越えて、武器を身につけて、勝ち運まで引き寄せられるほど強くなりました。

生まれつき“(運を)もってる姉妹とよく言われますが、自分と向き合い努力で結果を掴んだ妹を心から尊敬しています。結果からではなく佳代子の成長から感動をもらいました!本当にすごいよ!かよぴーありがとう!!

 

 

—-出原選手ありがとうございました!インタビューにご協力いただいた白子選手、出原由佳子さんご協力ありがとうございました。

(取材:森田悠資)

 

今年度の女子ラクロス取材は全て終了となります。2月のシーズン最初から12月の全日本までたくさんの対談や取材にご協力いただいた慶應女子ラクロス部の選手、スタッフ、全ての関係者の皆様にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。私自身、2年間の女子ラクロス担当でたくさんの経験をさせていただきました。最後に日本一の取材をさせていただいたことは一生忘れません。

来年以降の慶應女子ラクロス部のさらなる発展を陰ながら応援しております。本当にありがとうございました。(慶應スポーツ 女子ラクロス担当)

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