【バレーボール】あと一歩が届かず惜敗 vs日体大/秋季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦

バレー戦評

二段トスを上げる岩本副将

 

いよいよ開幕した秋季リーグ。慶大は、2セットを先取するも、第3セットからブロックにスパイクを阻まれ、自陣ミスも重なるなどして、思うように得点できなくなってしまった。第5セットも最後まで粘ってみせたが、あと1点が届かず。開幕戦を白星で飾ることはできなかった。

 

 

9月8日(土)

秋季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦

第1戦 慶大×日体大

@駒澤オリンピック公園総合運動場体育館

 

得点

慶大

セット

日体大

25

17

25

23

24

26

12

25

18

20

 

得点後、コート中央で喜ぶ選手たち

第1セットの立ち上がり、樫村大仁(環2・茨城高専)のクイックがブロックされ、いきなりブレイクを許すが、直後に富澤太凱(経3・慶應)が鋭いスパイクを決め、試合の流れを渡さない。同点で迎えた6-6の場面から、清水柊吾(総2・広島城北)のサーブを起点に6連続得点に成功し、序盤に大きなリードを奪った。その後も、伊藤祥樹主将(総4・清風)が「ファーストサイドアウトはすごく良かった」と試合後に振り返ったように、相手にほとんどブレイクを許すことなく、8点の差をつけて第1セットを先取した。

 

冷静にスパイクを打つセッター吉田

第2セットの序盤も相手に先行を許してしまうが、小出捺暉(環1・駿台学園)のスパイクなどですぐに追いつく。スパイクのミスなどで徐々に点差が広がり、慶大は12-16の場面でタイムアウトを要求。そのタイムアウト明け、清水のクイックでサイドアウトをとり、セッター吉田祝太郎(政2・慶應)の冷静なスパイクや相手ミスなどによって一挙5連続ブレイクし、逆転に成功した。その後も、リベロとして初めてスタメン出場した岩本龍之介副将(商4・仙台第二)が相手のクイックやフェイントを拾い、そのボールを富澤が決め切るなど、随所に好プレーが見られた。最後までリードを守り切った慶大は、2点差でこのセットもとり、勝利まであと1セットまで迫った。

 

笑顔を見せる小出(23番)

第3セット、互いに取っては取られてを繰り返し、試合は1点差で進んでいた。しかし、8-7の場面から、サーブレシーブがネットを超えてしまうなどしてなかなか得点に繋げられず、4連続失点。その後、マルキナシム(総3・川越東)のバックアタックや、樫村の高さのあるクイックなどで得点を重ねていくも、相手のスパイクを止めきることはできず、一進一退の攻防に。24-24のデュースの場面では、谷舜介(環1・徳島城東)がピンチサーバーとして出場するも、クイックを決められて相手のセットポイントに。直後は相手のブロックポイントが決まり、慶大はこのセットを落としてしまう。

 

途中出場で得点を決めた加藤真

切り替えたい第4セットだったが、序盤からブロックポイントを大量に献上してしまい、さらにはスパイクやトスなどのミスも重なった。「バタバタしていた」(宗雲監督)慶大は、なかなか打開策を見つけられず、6連続失点を含む大量失点で10点以上の差をつけられた。慶大は、9-20の場面からマルキの代わりに加藤真(商1・慶應)、吉田の代わりに谷、そして富澤の代わりに加藤靖丈(商1・慶應)を投入するも、点差は縮められず。12-25の大差でこのセットも失った。

 

この日富澤はスパイクだけで31得点

運命の第5セット。立ち上がりからサーブレシーブのミスや被ブロックなどで3連続失点。たまらずとったタイムアウト明け、富澤のスパイクでここを乗り切ると、直後には相手エースを3枚でブロックし、流れを渡さない。その後も常に2点差以内で動いた試合。先にマッチポイントに到達したのは日体大。13-14の場面から、富澤のスパイクでデュースに持ち込み、サーブが回ってきたのはマルキ。鋭い軌道を描いたサーブは誰も触れることなく相手コートに落ち、見事なノータッチサービスエース。コート内もベンチも応援席も、この日一番の盛り上がりを見せた。このまま逃げ切るかと思われたが、相手も冷静に点を取り返す。20点まで到達する激闘。最後は富澤のスパイクがブロックされ、試合終了。慶大は惜しくも敗れた。

 

「勝てる試合を落としてしまったので残念」(小出)――第1・2セットは順調だったがゆえに、それ以降のセットを取り切れなかったのは悔やまれる。しかし、「全体的に、全く悲観していない」と伊藤主将が振り返るなど、決して悪い内容だったわけではない。秋季リーグ戦はまだ始まったばかり。自分たちのプレーを貫き、慶大のバレーを確固たるものにしていってほしい。

 

 

(記事:藤澤薫 写真:内田貴啓)

 

 

以下、コメント

 

 

宗雲監督

 

――今日の試合の振り返り

あと1点が取れなくて結果的に負けてしまいましたけど、選手を責めるようなプレーも全然ないし、夏にやっていたことを彼らは徹底してやろうとしていたので、まあしょうがないですね、残念だけど。

 

――以前、慶大は序盤に堅さが出ると話されていたが

セットの始まりは必ず失点から始まるっていうのはあるんだけど、まあでもキャプテンやアナリストが今日やることをはっきり明確にしているので、みんなのベクトルが、サイドアウトのときはこれ、ブレイクのときはこれ、っていう明確な指示が出ていて、それを徹底していたので、だからやりやすかったんじゃないですかね。

 

――ブロックポイントも多かったが

今日はちょっと出すぎというか。向こうが勝手に当ててきて、1枚でのブロックもたくさんあって。逆に2枚のときはリバウンド取られたりブロックアウト取られたりと仕留めきれなかったですね。まあ出ないより出た方が良いけど、今日のブロックは1部ではそんなに出ないです。

 

――第4セットは13点差がついてしまったが

向こうの良いところが出たり、サーブも含めて。こっちがちぐはぐなことをバタバタしていたので、序盤に点差が開いてしまったので。正直あそこでひっくり返せるほど甘くないのでね。自分たちのやることが空回りしだしたっていうのは、まあ極端な話、相手の大学も1セット目そんなことしていたし。バレーにはまあありがちなことなので。まああのセットはもうあまり気にしていないというか。そのためにスタメン3人変えて休ませて、っていう風にしたので。全日本でもあのぐらいはありがちなので、仕方ないです。

 

――今日の収穫は

収穫はいっぱいありますよ。点差が離れているような自分たちが悪い状況でも、絶対に気持ち切れないでやる、って取り組んでいたし、セッターもずっと気持ち切れずにやってくれていた。まあ細かいこと言うとあれですけど、よくできていたと思います。

 

――明日の順大戦に向けて

順大もすごく強いですけど、それでも勝つ可能性は十分あると思うので、まあチャレンジして勝ちたいと思います。

 

 

伊藤祥樹主将(総4・清風)

 

――今日の試合を振り返って

夏やってきたファーストサイドアウト(サーブレシーブから始まるプレーで切るサイドアウト)はすごく良かったんですけど、ちょっとサーブが入らなくて、ブレイクで…めちゃめちゃ悪いとかそういうわけではないんですけど、そこがちょっと取り切れなかったのが敗因かなって思います。

 

――ブロックが好調だったか

相手に対して、まあコースとか特徴とかしっかり掴めていたので、そこなのかなと思います。

 

――クイックを使っていきたいと話されていたが

今日はクイック主体でできていたのかなと思います。

 

――課題または収穫は

全体的に、全く悲観していなくて、合宿を通しても、かなり自分たちで完成度の高いバレーができていたと思っています。これがスタンダードになって、ここから詰めていくのはサーブとか結構細かいところなので、これをベースにすることが次の試合の課題かなと思います。

 

――明日の順大戦に向けて

勝ちます。

 

 

清水柊吾(総2・広島城北)

 

――今日の試合振り返って

今日は勝てた試合でしたが、負けてしまったので悔しいです。

 

――勝ち切れなかったポイントは

チャンスが回ってきたのに点に繋げられなかったからですかね。

 

――第1・2セットで、自身のサーブから連続得点のシーンがあった

向こうがきっちりトスまとめてこっちがブレイクという形が多かったので、たまたまじゃないかなと思います。でもサーブはこの夏に練習してきたので、その結果かなと思って頑張ります。

 

――初戦だったが連携などは

今日の試合に関しては、前々から準備して詰めてきたので最初の2セット取れたのはそのお陰で、相手が対応してきてからのこっちの連携が上手くいかなかったことが反省かなと思います。

 

――クイックをあまり打たせてもらえなかった

ラリー中とか、僕があまり上手く入れていなくて、向こうのブロックを見て吉田が判断していたので、あまり気にしてはいないです。

 

――次戦に向けて

今日すごく悔しかったので、この悔しさを糧にして、次は強いチームですが気を抜かず頑張りたいと思います。

 

 

小出捺暉(環1・駿台学園)

 

――今日の試合振り返って

勝てる試合を落としてしまったので残念です。

 

――落としてしまった要因は

3セット目を取れば勝てていましたが、コンビネーションが合わないことが多かったことと、途中で集中力が切れて、連続失点してしまったことですね。

 

――サーブレシーブ良かったですね

相手のサーブが弱かったので。自分はサーブレシーブとか守備中心に入っているので、頑張りました。

 

――初戦だったが、チーム内の連携などは

ミーティングした通りしっかりできたと思います。

 

――次戦に向けて

今日は負けてしまいましたが、明日は気持ち切り替えて、試合の入りから100%の力を出せるように頑張ります。

 

 

出場選手

サイド

小出捺暉(環1・駿台学園)

センター

樫村大仁(環2・茨城高専)

オポジット

富澤太凱(経3・慶應)

サイド

マルキナシム(総3・川越東)

センター

清水柊吾(総2・広島城北)

セッター

吉田祝太郎(政2・慶應)

リベロ

岩本龍之介(商4・仙台第二)

途中出場

谷舜介(環1・徳島城東)

 

加藤真(商2・慶應)

 

加藤靖丈(商1・慶應)



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