ついに2018年秋季リーグが、ホーム・日吉ホッケー場で開幕する。相手は昨春1部6位の東大。リーグを勝ち進める上で昨春1部7位である慶大は、ほぼ同格である東大を下す必要性は明確だった。第1Qはシュートチャンスを生かせずスコアレスに終わるが、続く第2Q開始1分に相手に先制点を許し暗雲が立ち込める。しかし2分にPCからDF吉川大地(政3・慶應)が得点を挙げ瞬時に追いつく展開に。その後もPCやフィールドゴールで得点を重ねた慶大は、結果4−1で快勝を収めた。
平成30年関東学生ホッケー秋季リーグ Bプール vs東大
9月9日(日) 11:15試合開始 @慶大日吉ホッケー場
| 第1Q | 第2Q | 第3Q | 第4Q | 合計 |
慶大 | 0 | 1 | 1 | 2 | 4 |
東大 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 |
スタメン
GK 小川修平(政4・慶應)
DF 吉川大地(政3・慶應)、望月慎之介(経2・慶應)、片岡賢治朗(経2・慶應)、飯室隼(経1・慶應)
MF 金田翼(経4・慶應)、安田武大(政2・慶應)、中山正楎(経1・慶應)
FW 大久保遼(政4・慶應)、大橋俊介(政4・慶應)、永野裕太(政4・慶應)
2部降格の危機まで追い込まれた昨季。得点力の低さ、団結力の欠如が招いた苦しい経験を胸に、夏の間どれほど課題を解消したかが見ものだ。
第1Q開始4分、DF吉川大地(政3・慶應)のアシストでFW永野裕太(政4・慶應)が右前からシュートを放つも、惜しくもゴール上に抜け得点ならず。その後6分に獲得したPCでも正面からのシュートを相手GKがせき止めこれを得点にできない。両校自陣、敵陣を行き来し、どちらが点を取ってもおかしくない状況が続くが、互いに決定打を打ち込めずこのQはスコアレスに終わる。
なんとか先制したい第2Q。しかし開始わずか1分に、慶大がシュートミスをすると、相手はそのままカウンターで駆け上がりゴールを揺らした。まさかの失点で動揺するかと思われた次ぐ3分、獲得したPCをDF吉川のシュートでものにし、瞬時に同点に追いつく。もう1点追加したいところであったが、攻守が幾度と入れ替わり、一向に出し抜けないまま後半に差し掛かる。
追加点が欲しい第3Q。3分に獲得したPCは得点とはならなかったが、次ぐ4分にDF吉川の放ったシュートがまたも得点となり、ついに同点を抜け出した。その後もFW大久保遼(政4・慶應)やFW永野、1年生のMF田畑智哉(政1・慶應志木)が果敢にサークル内に踏み込み、ゴールを狙う。しかし得点につながることなく、1点リードで最終Qを迎える。
さらに突き放せるか。第4Qは2分、獲得したPCでMF金田翼(経4・慶應)のシュートが弾かれるとそれを塚本大吾(法3・慶應)が押し込み見事ゴール。続こうと直後5分MF金田のアシストからMF田畑がシュートを放つも得点とはならず。ところが9分、失点危機となった慶大。自陣プレーから立て続けに3度のシュートを浴びせられるが食い止め、MF安田武大(政2・慶應)がサークル外に弾き難を逃れた。このまま追加点をあげることなく試合は終わるかと思われた終了1分前、FW永野のドリブルからボールを受けたMF金田がそのままサークル内に侵入しフィールドゴールを決め、主将の意地を見せると試合は終了。見事4−1と初戦で快勝を収めた。
春にはあまり見ることのなかったフィールドゴールを初戦にして見せた金田主将は「得点を決めることはあまりないので、本当に久々に決めてすごく嬉しかったです。」と喜びをあらわにした。今回は1年生も多く活躍し、PCの成功率も高まっており、夏の練習の成果が見られた。ただ、結果から見ると3点差での勝利であるため、初戦から好調なように見えるが「先制されたところから始まっていますし、全てが良かったわけではない」(吉川)とやはり反省すべき点は少なくない。次戦は3週間後の山学大戦。強豪ではあるが、今日の試合内容を見ると善戦が期待される。慶大ホッケー部男子の秋の躍進に目が離せない。
(記事:津田侑奈/写真:重川航太朗)
次戦 9/30(日) VS山学大
13:00 試合開始 @山学大ホッケースタジアム
◎関東学生ホッケー秋季リーグ Bプール 星取表・日程表(9月9日時点)
| 慶大 | 東大 | 明大 | 山学大 | 勝ち点 | 得失点差 |
慶大 | × | ○4−1 | 10/14 | 9/30 | 3 | 3 |
東大 | ●1−4 | × | 9/16 | 9/22 | 0 | −3 |
明大 | 10/14 | 9/16 | × | ●1−2 | 0 | —1 |
山学大 | 9/30 | 9/22 | ○2−1 | × | 3 | 1 |
以下、コメント
金田翼(政4・慶應)
——今日の試合を振り返って
公式戦で結果が大事な試合だったので、4-1で勝つことができて純粋に良かったと思います。
——今日はフィールドゴールで得点を挙げていましたが、そのシーンの感想は
得点を決めることはあまりないので、本当に久々に決めてすごく嬉しかったです。点差もある程度開いているところだったので、余裕を持って打てたところもありますが、良かったです。
——今日は全体的にPCがよく決まっていました
春にPCの精度は課題に上がっていて、ずっとPCの精度を上げる練習をしてきたので、今日は本当に結果が出て良かったです。報われました。
——勝ち試合であった今日でも改善したい点はありましたか?
序盤に先制点を取られてしまったところは、結果追いつけましたが、前半の試合の作り方はこれからずっと課題に上がっていくし、直していきたいと思っています。
——次戦の山学大戦に向けて
勝つしかないと思っています。優勝を目標に掲げているので、全勝に向けて頑張っていきたいと思います。
塚本大吾(法3・慶應)
——今日の試合を振り返って
先制点を取られて悔しい展開だったのですが、いつもは先制点を取られるとそのまま流されちゃうので、逆転できたのは、精神的に良かったなと思いました。
——PCでの得点シーンの感想は
こぼれ球を詰めるだけだったので、やれることはやりました。
——PCの成功率が上がっていましたが
春以前からPCでの得点率を上げていこうというのはあって、春はなかなか上がらなかったのですが、秋は初戦から何点か取れたので良かったと思います。
——金田主将からキーとなる選手として挙げられていましたが
素直に期待してくれているのは嬉しかったし、その期待に応えたいと思いました。
——次戦の山学大戦に向けて
今日よりは全然強い相手なので、練習からしっかりやって勝ちたいと思います。
吉川大地(政3・慶應)
——今日の試合を振り返って
まずは勝てたことはすごく良かったです。ただ内容としては、先制されたところから始まっていますし、全てが良かったわけではないので、次の試合まで詰められる課題もあるなと感じました。
——開幕戦でしたがチームの雰囲気は
良い感じで入れたと思います。東大だから力を抜くわけでもなく、力を入れすぎるわけでもなく、丁度いい雰囲気で試合に臨めたのは良かったところだと思います。
——東大への対策などは
ビデオをたくさん見たりとか、去年までも何度か対戦はあるので、そういった対策はしました。ただ東大だからこうというのはなくて、今まで自分たちがしてきたホッケーをできるかどうかに重点を置いて、今日はそこが上手くハマったのかなと思います。
——PCを奪う場面が多く見られました
そうですね。ただPCはまだまだ課題が多いなと思います。全てのポジションにおいてまだ精度が良くなくて、これだけ取っていても得点はきれいな形とも言えないですし、もっとチャンスになるパターンだと思うので、しっかり詰めていかなければいけないと思います。
——PCから2得点を決めましたが
任せていただいていますし、僕にチャンスが多く回ってくるのは分かっているので、責任を持って決めなければいけないと思っています。今日は決めることができたので、そこは良かったのですが、僕のイメージとは少し違う入り方だったので、もっといい決め方を追求していきたいと思います。
——次戦まで期間が空きますがどういった調整をしていきますか
まずはPCの部分はしっかりと練習したいと思います。やはり任せていただいているので、しっかりと決められるようにしていきたいです。チームとしても今回出た課題もありますし、次の相手は格段に強いので、相手を意識した練習をしていきたいと思います。