【ホッケー(女子)】ロースコアのゲームでわずかに見えた差。早慶定期戦の勝利はまたもお預けに/女子第26回早慶ホッケー定期戦

女子ホッケー

試合終了後崩れ落ちた山崎

均衡した展開の中、わずかに上回ったのは永遠のライバル早稲田だった。序盤は早大ペースで進む中で、PSを獲得するが決めることができず。その後は徐々に慶大にペースが生まれ、最終クオーターは敵陣で幾度もチャンスを迎えた。しかし、4Q10分にこの試合唯一与えたPCを決められ、万事休す。今年も1点に泣き、12年ぶりの勝利を収めることはできなかった。

 

女子第26回早慶ホッケー定期戦

 

11/24(土) 13:10試合開始 @駒沢オリンピック公園総合運動場第一球技場

 

 

1Q

2Q

3Q

4Q

合計

慶大

早大

 

スタメン

GK 杉山留菜(経4・慶應女子)

DF 冨田里沙(政4・東洋英和女学院)、三宅美紅(経4・慶應湘南藤沢)、西本明日美(政3・慶應湘南藤沢)、木崎渚早(経4・日比谷)

MF 上口華(経2・慶應湘南藤沢)、荒川理佳子(経4・慶應女子)、花田ともみ(政2・慶應湘南藤沢)

FW 雑賀水紀(経4・慶應女子)、内藤梓(政3・立川)、山崎ほのか(商4・慶應女子)

 

今年も駒沢で行われた早慶ホッケー定期戦。両校を応援する者が観客席を埋め尽くし、TEAM2018の集大成を見せつける最高の舞台が用意された。

入場する選手たち

 

 

三宅主将は最後まで攻守でチームをけん引した

試合は、第1Qの開始直後から早大ペースで進む。自陣ゴール前でのプレーを強いられ、出だしから再三のピンチ。しかし、GK杉山留菜(経4・慶應女子)のセーブや、DF陣が粘りを見せ、なんとかピンチを脱していく。その中で最初に絶好のチャンスを迎えたのは慶大。留学生リーヴが自陣でボールを奪うと、カウンターで敵陣サークル内へ。GKとの一対一でファールを誘うと、PSを獲得。しかし、この絶好のチャンスを任された三宅美紅主将(経4・慶應湘南藤沢)が決めきれず、先制はならなかった。

 

第2Qも、ペースは依然早大。やや苦しい展開の中で、山崎ほのか(商4・慶應女子)が自陣からのカウンターを仕掛ける場面も見られたが、相手ゴールは遠い。FW陣では、内藤梓(政3・立川)、雑賀水紀副将(経4・慶應女子)が裏へのパスを受けようとするも、決定的なチャンスにはつながらなかった。終了間際には、ゴール前へ詰め寄られるピンチも迎えたが、GK杉山のキックセーブにより失点は免れ、互いにスコアレスで前半を折り返した。

ハーフタイムにはチーム全員で円陣を組んだ

なんとか先制点が欲しい慶大は、後半から徐々に流れを早大から奪っていく。5分には、リーヴが右サイドから起点を作って、サークル内へ侵入するとPCを獲得。ここはストップミスで得点とはならなかったが、敵陣でのプレー時間を長くしていく。ポゼッションでも少しずつ優位な展開に持ち込み、強化してきた守りからの組み立ても随所に見られた。しかし、このクオーターを終えても、互いに得点は生まれず、勝負の行方は最終クオーターへと持ち越された。

 

ドリブルでボールを運ぶ木崎

迎えたTEAM2018最後の15分。ここでもポゼッションで優位を保つ慶大は、いきなりゴール前でチャンスを迎えたが、密集の中でシュートを打ち切れず。3分には、山崎の左サイドからの仕掛けからPCを獲得するも、ここも相手ゴールを割ることはできない。続けて、PCを獲得したものの、三宅のシュートは相手GKがセーブ。立て続けのチャンスに、慶大の観客席にも押せ押せムードが生まれていく。しかし、貴重な1点を奪ったのは早大。9分にカウンターからPCを与えると、ストレートのシュートがGK杉山の手の横を抜け、ゴールへと吸い込まれてしまった。残り5分、慶大も必死のプレーで最後まで得点を狙うも、早大のディフェンスは甘くはなかった。60分の終わりを告げるホーンが鳴り、慶大は0-1での惜敗を喫した。

 

幾度もあったチャンス。それを決め切る力の、本当にわずかな差が現れる結果となった。「勝てた試合だった」。そんな声が試合後の選手たちも漏れてきた。しかし、攻守両面で4年を中心に献身的に体を張って、相手と競りに行く場面も多く見られた。多くの選手たちが口にしていた「泥臭く」プレーするスタイルは、しっかりと見せつけることができたと言えるだろう。

この日はスタメンで出場した上口

この試合をもって、三宅主将率いるTEAM2018は終了。どちらかと言えば、悔しい結果が多かった1年間だったかもしれない。悔し涙を流したこともある。だが、この日の選手たちからは悔しさ以上に、充実した表情が浮かんでいた。1年間共に戦い抜き、切磋琢磨を続けた仲間と培った様々な力は、試合を重ねるごとにチームを強くした。来年以降も、競争あるチームを作っていくことが、これまでを越える結果に直結していくはずだ。

生まれ変わったホッケー部女子に期待だ

果たせなかった先輩たちの思いを胸に。新しく生まれ変わったホッケー部女子なら、きっと――いや、必ず歴史は変えられる。

 

(記事:重川航太朗/写真:新池航平、澤田夏美、菊地輝)

 

 

以下、コメント

 

三宅美紅主将(経4・慶應湘南藤沢)

--今のお気持ちは

試合始まる前に悔いのないようにやって勝ちたいと思っていたので、悔いの残るシーンはあるので、悔しく思います。

 

--試合内容を振り返って

今までの早慶戦の中でも、一番攻めれて、自分たちのホッケーができた試合だったかなとは思います。ただ、シュートチャンスがたくさんあった中で決められなかったのが、勝てなかった要因だと思います。

 

--相手のプレーは想定していた通りでしたか

相手のキーマンがフォワードに入ってることなどは、リーグ戦の偵察などである程度想定していました。

 

--PCやPSのチャンスもありましたが

PCもPSも、たくさん取れたのにも関わらず、自分が決めることができなくて、本当に申し訳ないです。

 

--この1年主将を務めてきて感じたことは

ホッケーはチームスポーツですし、44人もチームメイトがいて、一人一人の力が必要なんだなと試合をするごとに感じました。本当に学年関係なく、今日の試合でもみんなが走ってくれて、チームメイトに助けられて、やってこれたなと思います。

 

--目指していたチームにはなれましたか

最終的には学年関係なく、みんながチームのためにできることをやり尽くすということができたのかなと思います。

 

--ホッケー部での4年間を振り返って

大変なこともありましたが、コーチやチームメイト、同期に恵まれて、すごく楽しかったですし、試合で勝てた瞬間は言葉では表せないくらい嬉しかったので、私の人生の中でも忘れられない4年間になったかなと思います。

 

--同期に伝えたいことは

最後まで頼りない主将でしたが、本当に支えてくれて、チームとしても引っ張ってくれてありがとうという気持ちと、これからはホッケー部として関わる機会は減りますが、4年間を一緒に過ごせて良かったなと思います。

 

--後輩たちに向けて

試合に出ている人も出ていなかった人も、いろんな思いがあると思うのですが、その思いを忘れずに、日々の練習にぶつけて、悔いのないようにやってほしいなと思います。

 

 

雑賀水紀副将(経4・慶應女子)

--今の率直なお気持ちは

やり切ったという気持ちと、勝てた試合だったなという、それでも結果が出ないんだなという悔しさがあります。

 

--試合展開としては振り返っていかがでしたか

やっているときは夢中で分からなかったですが、終わってから攻めている時間も多かったと言われて、今までの試合よりも自分たちのホッケーができたのかなと思います。

 

--チャンスも幾度かありましたが

PCの出しを止められなかったり、ストレートが入らなかったりで、あと何回かあれば決まっていたのかもしれないですが、精度が低かったのと、運が悪かったのかなと思います。

 

--早稲田との差はどこで感じましたか

早稲田には何人かキーマンになる選手がいて、そことの基礎的な技術の差と、最後はここというところで決め切る強さが、早稲田の方が上だったなと思います。

 

--1年間副将を務めてきて感じることは

プレーで引っ張れるような副将ではなかったですし、なんで自分が副将なんだろうと悩むことも多かったですが、理佳子(荒川)と美紅と万莉奈がいてくれて、同期がいてくれて、4年生みんなでこのチームを引っ張ってこれて本当に良かったです。

 

--4年間のホッケー部での生活を振り返って

私にとって今までで一番の挑戦でしたし、今後の人生でもこんなに何かに打ち込めるのも最後だと思っていたので、今は悔しい気持ちが強いですが、いろんな先輩や後輩への感謝の気持ちでいっぱいです。

 

--スポーツの経験がない中で、努力を重ねてきたと思いますが

最初は走れなかったですし、それは承知の上で入って、やらなきゃいけないのは分かっていました。1年生の時は、みんなが簡単にできるようなのとも自分はすぐにできなかったりもしました。でも、ホッケー部には見てくれる人がいたり、悩んだら助けてくれる人がいて、そういう人に支えられて、悔しいからもういいやではなく、悔しいから2倍3倍頑張ろうと思わせてくれた環境に感謝したいです。

 

--同期に伝えたいことは

本当にこの4年間ありがとうと伝えたいですし、一生の仲間だと思います。副将としてもフォワードとしても、今日は点を決めきれなくて申し訳ないと思いますが、こんな私と一緒にホッケーをしてくれてありがとうという気持ちでいっぱいです。

 

--後輩たちに向けて

こんなに何かに一生懸命になれることもないと思いますし、「人生かけて」とか「人生で一番」とか、大げさではなくてそういう言葉を使えるのは今だけだと思うので、頭のどこかでそれを覚えておいて、残りの時間を大切に過ごしてほしいなと思います。

 

荒川理佳子副将(経4・慶應女子)

--今のお気持ちは

悔しいです。勝てる試合だったと思います。

 

--試合内容を振り返って

内容としても慶應が攻めれている試合でしたが、大事なところで決めきれないというのが、私たちのずっとのテーマで、結局最後も決めきれなくて、悔しい気持ちでいっぱいです。

 

--早大との差はどういった点で感じましたか

やはり決め切りのところです。早稲田はPCを一本しか取っていないのに、それをしっかりと決めてきて、私たちはPCも多く取ったのに点を決めきれなかったので、そこは差があったと思います。

 

--守備ではPCからの失点以外では粘り強く守れていた印象がありますが

サークル外勝負ができていたかなと思います。フォワードもかなり戻ってきて守りをしてくれたので、そこも良かったかなと思います。

 

--4年間の早慶戦を振り返って

今日の試合は4年間の中で一番いい試合だったと思いますし、それでも勝てなくて。本当に勝ちたかったので、すごく悔しいです。

 

--応援などはいかがでしたか

試合前にパッと見た時に、早稲田の応援の2倍くらい人がいて、声も大きくて、私たちがボールを持つと盛り上げてくれて、応援はすごく後押しになりました。

 

--1年間副将を務めてきて感じることは

この1年間本当にいろんなことがあって、実感として長かったのですが、大変な中でもやってきて良かったなと思うし、ホッケーでもそれ以外でも後輩にたくさん支えられました。至らない副将だったと思いますが、私を支えてくれた美紅ややんやん(雑賀)や万莉奈(花井主務)には、本当に感謝しています。

 

--ホッケー部での4年間を振り返って

短かったようで長かったですが、ホッケー部に入って本当に良かったです。本当は早慶戦に勝った代として、後ろにも語り継がれる代になりたかったのですが、なれなかったのでそこは後輩に託したいなと思います。

 

--同期に伝えたいことは

個性派揃いの同期で、いろいろとまとまらないこともあったり、大変なこともありましたが、同期がいたからここまでやってこれたと思いますし、お互いへの理解も深い代だったと思います。みんなにありがとうと言いたいです。

 

--後輩たちに向けて

まずはTEAM2018についてきてくれてありがとうということと、来年以降は結果を残してほしいので、またここから一からチームを作って、頑張ってほしいです。一番そばで一番君たちを応援してるよと言いたいです。

 

杉山留菜(経4・慶應女子)

――今日の試合を振り返って

結果としてはPCで失点してしまって0ー1という形でしたけども、それまでは慶應が攻めている時間も長くて、本当私もプレーしていて、これは勝てるなという自信があった分、最後の失点が響いたことが心残りではありますが、みんな出し切ったかなと思います。

 

――今日に向けてどういう準備をしてきましたか

キーマンもはっきりしているのでそこに対しての対策はもちろんなんですけど、あまりキーマンを意識しすぎずに、私たちがやりたいホッケーというものをしっかりやっていこうということで、メンバー間の連携や組み立ての部分を特に意識して練習してきました。

 

――PCを決められた時の心境は

私と美紅のコース的に一番被ってしまう所で、なかなか難しい所だったんですけど、まだ後5分あったので、このメンバーならまだいけるというように信じて最後まで声をかけ続けることができたので、そこは自分としてもみんなとしても最後の最後まで成長できたかなと思います。

 

――4年間を振り返って

自分は試合に出る機会が少なくて、だからこそこの一年にかけてたところがあって、結果としてはチームに貢献できなかったのは悔しく思いますが、本当に1年生の頃から支えてくださった先輩方やコーチの皆さんの思いをしっかり受け止めた上で今日のプレーが出来たので本当に悔いは無いです。

 

――後輩の皆さんに伝えたいことは

学年が上がれば上がるほど責任が生まれてきてそれをプレッシャーと捉えてしまう子もいるんですけど、最後の最後はホッケーを楽しむ気持ちであったり勝ちたいという思いが自然と結果と自分をつないでくれると思うので、仲間を信じてみんなを信じて最後まで楽しみながら頑張ってもらえればなと思います。

 

山崎ほのか(商4・慶應女子)

――早慶戦をどのような気持ちで迎えましたか

絶対に勝つぞという気持ちでやはり臨みましたし、勝つなら今年だって本当に思っていました。

 

――今日の試合を振り返って

やりたいことはすごくできましたし、もちろん悔いが残るシーンも今何個も出てくるんですけど、ホッケーを4年間やってきて自分が今までやってきたことを本当に全部ぶつけられた試合だったかなと思います。

 

――後半になるにつれて慶應がかなり攻めていましたが

自分たちがコートに立っていてもすごくその慶應の流れっていうのは感じていて、早稲田さんにもすごい攻められてはいたんですけど、そのあとボールをとった後、後ろの人が前につなげてくれて前の人が攻めてくれてっていう、本当にチームワークと今までやってきたことがすごく出せた後半だったかなと思います。

 

――4年間を振り返って

やっぱり辛いこともたくさんあったんですけど、私はすごくホッケーが好きで、ホッケーっていうスポーツがすごく楽しくて、ここまでやってこれてすごくよかったなって思います。

 

――後輩に伝えたいことは

例年の先輩がいつも言ってくださることかもしれないんですけど、私たちの代はいい結果を残すことができなくて、すごく後輩にも悔しい思いをさせてしまったかなと思うので、本当に私たちの悔しい気持ちを来年再来年そのあとに晴らしてほしいってすごく思います。

 

 

内藤梓(政3・立川)

――今日の試合を振り返って

今日は一人一人が今までやってきたことは出せたと思います。もちろん反省点もありますが、全部出し切ることはできたと思うので、それでも早稲田のほうがPCを一回で決め切ったりできていて、実力的に向こうのほうが強かったんだと思います。

 

――今日に向けてどういう準備をしてきましたか

去年の早慶戦では緊張して何もできなかったので、緊張しないように自分の苦手なトラップとかドリブルを重点的に練習したりとかみんなで連携を強められるように練習してきました。

 

――PCを決められた時の心境は

今日の目標の中で無PCというのがあって、相手はPCの決定率が高いというのはわかっていたのですが、取られてしまった後は、前半も攻めることができる時間があったように、絶対に取り返そうという気持ちでやっていました。

 

――今年度を試合を振り返って

本当に今年は4年生の技術が高いチームだったと思うので、その中で4年生に頼りすぎないようにすることを意識しないといけなかったし、強い人がいる中でも勝てないシーンが多かったなと思います。

 

――来年に向けて

来年は3年生に特別上手い選手があまりいないので、みんなでプレーすることによって強く、技術以外の面でしっかり連携して勝てるチームにしたいです。

 

 

花田ともみ(政2・慶應湘南藤沢)

――早慶戦をどのような気持ちで迎えましたか

絶対勝つというところで、去年も0-1で負けてしまったんですけどいい試合だったし、春も0-0で、あとそれ以外の練習試合もPC以外はフィールドゴールは決められてなくて結構チャンスがあると本気で思っていたので、絶対勝つという気持ちで迎えました。

 

――今日の試合を振り返って

今日の試合はたぶん、今まで早稲田とやった中で一番攻められていたし、早慶戦に限らずみんなが一番気合のこもってた試合だったと思います。

 

――後半になるにつれて慶應がかなり攻めていましたが

相手のキーマンの6番の方がいつもはディフェンスラインにいるんですけど、前線にいたことで、1回ラインをあげて攻めることができたらそこでボールをとって攻撃につなげられるっていうお話をハーフタイムの時にいただいてたので、それを意識してできたのが後半の攻撃に繋がったかなと思います。

 

――4年の方はこれで引退となりますが

本当に4年生の方々に引っ張っていただいて、ホッケー面もそうですしメンタル面もいろいろお世話になったりとか、面倒も見ていただいたので、本当に寂しいです。

 

――今季を振り返って

なかなか結果がでない試合が多くて、でも公式戦が終わった段階でみんな早慶戦に向けて気持ちを切り替えられていたので、そこでやっぱり勝って終わりたかったんです。ゲーム内容としてはこのチームの中で今日が1番だったと思います。

 

――来年に向けての意気込み

12年連続早稲田が勝っているということなので、来年再来年こそは勝って歴史を変えたいなと思います。

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