慶應スポーツ新聞会

【バレーボール】終わりと始まり/新旧主将対談 伊藤祥樹×マルキナシム

左からマルキ新主将、伊藤前主将

全日本大学選手権の戦いを終え、約1ヶ月が経過した。今回は、主将としてチームをまとめ上げてきた伊藤祥樹前主将(総4・清風)と、1年次からコートに立ち、今月新たに主将に就任したマルキナシム新主将(総3・川越東)のお二人の対談をお送りする。

 

(※この取材は、2018年12月16日(土)に行いました。)

 

 

2018年シーズン

 

 

――まずは2018年シーズンについてお伺いしたいと思います。伊藤主将体制になってから、どういったところが変わりましたか?

マルキ 最初のミーティングが一番変わったというか。代が代わったときのミーティングはチームスタイルの話とかをするくらいで、組織のことを考えることってその時の4年生とかしかやってこなかったんですけど、祥樹さんの代から全員で考えようって。なんか縦割りでミーティングみたいなのやりましたよね?

伊藤 したね。

マルキ 4グループくらいに分かれて。その時の記憶がすごくあります。

 

――どんなことを話しましたか?

伊藤 色々じゃない?方針もそうだし、チームスタイルもそうだし。

マルキ あとは1年間どうやって計画立ててピークにもっていくかっていうことも、細かいところまでやっていました。

 

キャプテンマークを付けるマルキ新主将

――マルキさんはコートキャプテンも務めていらっしゃいましたが、お二人で何かお話はしていましたか?

マルキ 2人で話をしていたというよりは、祥樹さんから「コートの中にいる上級生になったんだから、良いときも悪いときも軸にならなきゃだめだよ、周りを観なきゃだめだよ」っていうことを言ってもらっていたんですけど、実際のところは、コートキャプテンらしいことはできていなかったのかなと思います。

 

――マルキさんはどんな選手でしたか

伊藤 最初の方はずっとマルキに「コートの中は頼む」って。それは太凱(富澤太凱=経3・慶應)にも祝太郎(吉田祝太郎=政2・慶應)にも捺暉(小出捺暉=環1・駿台学園)にも言っていなくて。コートの中を任せるのは全部マルキにしようと思ってやっていたんですけど、マルキはマルキでやっぱり自分のプレーのことにも集中したりとか。まあコートの中はコートの中なので、あまり状況良くなかったのもあってマルキに負荷かかりすぎた。そこからは、マルキには最初の方で伝えるべきことは伝えたので、特に何も言わずにやってくれたっていう感じです。

 

――伊藤さんはどんな主将でしたか

マルキ 強烈なリーダーシップを持った主将ですね。みんな言いますよね。本当にその言葉の通りで。練習も、練習が終わっても。この前多分立木さん(立木智大=H30政卒)も言っていたんですけど、試合が終わって電車で帰るとき、みんな基本的に寝てたり、試合のことをぼんやり反省してたりするんですけど、祥樹さんはその日の試合の反省とかを考えてずっと試合の動画を見ていて。一緒にご飯行くことが最後増えたんですけど、本当にバレーのことをすごく考えているんだなって。本当にアツい主将でした。

 

 

――この1年間を春から順に振り返ってください

伊藤 合宿か。

マルキ 筑波行って、別府行って、企業合宿行って。一番大きかったのは筑波合宿らへんから、清水(清水柊吾=総2・広島城北)がけがしちゃって、樫村(樫村大仁=環2・茨城高専)も膝か、ジャパンの合宿でいなくなっちゃって。別府らへんから祥樹さんがまたプレイヤーに戻るみたいなことになったのがすごく記憶に残っています(笑)。

伊藤 そのときしてたっけ?(笑)

マルキ してました。もう片波見(片波見和輝=文3・成田)と祥樹さんで鬼のリードブロックを(笑)。

伊藤 (笑)そんなこともあったね。

マルキ その時期はリードブロックでこの1年頑張ろうって言っていたんですけど、実際に春リーグが始まって、関東の1部相手にはうちが冬やってきたリードブロックが通用しなくて。

伊藤 うん。まあ色々うまくいかなかった。最初、4戦4敗したんだよね。どうしようどうしようってずっと考えていて。自分たちのプレーが出せてなかった。

マルキ 合宿で結構仕上がっていただけに、リーグで力出せなくて、どうしようってチーム全体がそういう雰囲気になって。初めて勝ったのどこでしたっけ?

伊藤 日大か。それで勝ち方みたいなのがわかってきたよね。

マルキ 後半からちょっとずつコミットブロックも使い始めて。ミーティングもそこから結構変わりましたね。試合前から細かく戦略を考えて、それを祥樹さんが試合中にコートの外から伝えて、ってやっていって、なんとか勝ちが増えて、8位で終えられたかなっていう感じの春リーグだったと思います。

 

多くの観客が駆け付けた早慶定期戦

――では次に早慶定期戦について

マルキ 毎年春リーグが終わったあとには1週間くらいオフがあったんですけど、今年は早慶戦を大きなものにしようって幹部の人たちもやってくれていたので絶対に勝とうって、オフ返上で2~3週間みっちり練習して早慶戦に臨んでいました。一番記憶に残っているのが、当日もそうなんですけど、前日の練習後のミーティング。それまでもずっと祥樹さん言っていたんですけど、「感謝の気持ちを伝えるために俺らはやっているよね」っていうことを確認するために、一人ずつ何のためにやっているかっていうことを洗い出して。そういうミーティングをやったことがすごく記憶に残っています。それですごく頑張ろうって思いました、本当に。試合に関しては、まあフルセットで負けちゃったんですけど、早稲田は毎年1・2セット目はスターティングメンバーを使ってこないので、1セット目落としちゃったんですけど、2セット目取り返して、スタメンの人たちを引きずり出して。で、3セット目は…取ったんだ。3の途中で捺暉が攣っちゃって、4セット目に太凱も攣って。樫村もコートの中で「僕も攣りそうっす」ってずっと横で言っていて。

伊藤 (笑)

マルキ 太凱が5セット目コートからいなくなっちゃったのもあるんですけど、そのとき初めて、コートで上級生1人っていう感じがあって、踏ん張んなきゃだめだなって。まあ環境のせいなんですけど頑張れたというか。こういうふうにやっていかなきゃいけないんだな、太凱がいるときでもこういうふうに自分がプレーで引っ張っていかなきゃいけないんだなっていうことが分かった試合でした。

伊藤 プレー面は良かったんじゃないですかね。みんな一番プレーの質が良かったし、楽しそうにやっていたのかなと思います。早慶戦は、幹部の人たちが色々やってくれたっていうのが一番大きくて。前日にミーティングやって、何のためにバレーやっているかっていうのを認識してやっていたんですけど、観客が自分たちに注目してくれることによってそれが現実味を帯びたというか。そういった意味でも特別な試合でした。自分たちにとって貴重な経験です。

 

――2週間後には東日本大学選手権が

伊藤 東日本は早稲田に負けたでしょ?

マルキ そうです。その前日に国際武道と駒澤と2連戦して。国際武道ってストレートでしたっけ?

伊藤 いや、1セット取られた。

マルキ その時期からですかね。僕ら、勝てるチームに3セット目落としちゃう。

伊藤 あー、そうだね。

マルキ 結構ありますよね。まあそれは置いておいて、その日、国際武道と駒澤と試合して。駒澤は何セットでしたっけ?

伊藤 フルだよ、フル。

マルキ フル。大学バレーって1日で2試合連続するのってあんまりなくて、すごく疲れちゃって。早稲田戦は手も足も出ず…早慶戦の良いイメージをもって臨むことはできたんですけど、正直なところ身体が追い付かない、っていうのが中の人たちの状況だったと思います。まあでも、トーナメント戦で勝ち上がれたことがあんまりなかったので、良い経験になったなって思います。

 

夏の練習中

――夏はたくさん合宿に行かれたそうですね

伊藤 夏は色々あったね。韓国行ったし、企業も行ったし。

マルキ そうですね。8月まで基礎練をしていたイメージですね。

伊藤 春はブロックとレシーブで勝負しようって言ってスパイクをほとんど打っていなかったんです。そこから夏に向けて攻撃、サイドアウトやろうって言って、練習した。サーブレシーブとスパイクの打ち分けとか。ファーストサイドアウトを切るっていうことをテーマにやって、それで合宿を迎えて。ファーストサイドアウト切れる確率高かったし、夏合宿終わるまで結構いいと思ったんですけどね。狙ったところまで行けてた。…色々ありすぎてさ、何話していいかわからなくない?(笑)

マルキ 毎年冬にやっていた慶関戦が、夏になって。そこから韓国に行こうってなると移動がすごい。その中で僕が思ったのが、定期戦や合宿ってなると、全員が出られるわけじゃない。そういうところのモチベーションの維持を、祥樹さんは頑張っていたのかなと…

伊藤 めちゃめちゃ難しかったよ。

マルキ 難しいんだろうなって思いながら僕は見ていました。

伊藤 夜中3時くらいまで4年生で話し合った。どうしようって。そこで結構チームの良いところも悪いところも出たというか。みんな良い方向向いたら本当にAチームを引き上げられるけど、みんなの気持ちが一つにならなかったら、しんどいことをやっているので、どうしてもモチベーション的にも自然と下がってきちゃったりだとか。そういうのが外から見ていて明らかに変わっていたから、どうしようかなって。まあでも、4年の林(林大介=経4・慶應湘南藤沢)と湯通堂(湯通堂弘起=商4・市川)を中心になんとか頑張ろうと。Bチーム以下は試合とか出られないですけど、雑用とかやってくれていたりとか。バレーやっている時間だけは集中しようと、そういうことをやってくれていたので、それでなんとかもったかなという感じでしたね。

 

――9月からは秋季リーグ戦が始まりました

マルキ たしかに夏合宿の完成度が高かったからか、力は出せたんですけど、出し切って勝ち逃げすることができないまま勝ちを逃しちゃったのが最初の日体と順天。そこで祝太郎がけがしちゃって。僕も夏合宿から腰痛が出ちゃって、そのまま満足な練習ができないまま。秋リーグはけがに悩まされたリーグだったかなと思います。

伊藤 樫村もけがしていたし。

マルキ そうですね、それでもずっと頑張ってくれていて。けがに悩まされたっていうのもありますし、今まで下の方の底上げをできていないっていう慶應の欠点というか、慶應の層の薄さが見えたのかなと思います。

 

入替戦勝利直後の伊藤前主将

――秋季リーグ戦を12位で終え、1部・2部入替戦へ出場しました

マルキ 正直祥樹さん入替戦どう思っていました?やる前。

伊藤 やる前?

マルキ なんかみんなは、青学さんに失礼なんですけど、「いける」みたいな雰囲気が出ていて。油断していたわけではないんですけど。僕は青学に対して勝手に苦手意識を持っていたので、ちょっと不安なところがあって。その時期練習していなかったのもありますし。不安な感じで迎えた入替戦でした。

伊藤 本当にトントンだなって思ってた。勝てるとも負けるとも思っていないというか。でもその時期、父親に「負けている事実に対して、ちゃんと受け入れろよ」って言われて。そうだなって思った。負けて落ち込むことはあるんですけど、それをしっかり受け入れているかって言うとまだ難しくて。本当に受け入れるっていうのは、自分の実力を知って、次どういうふうに行動していこうかって考えるところまでだと思うんですけど、負けっていうことだけを受け入れて雰囲気を落としちゃっていた。まあ冷静に見て実力的にもそこまで高くないし、一つ一つのプレーのレベルみたいなところも、まあたしかに他の1部のチームよりは劣っているのかなと思っていたんですけど、でも一発の爆発力みたいなところはあるから、そこを引き出すのが一番大事かなと思ったので、4年生でとりあえず雰囲気上げていこうって。

マルキ 結構雰囲気っていう言葉が合言葉みたいになっていましたよね。

伊藤 負け続けて、負け癖みたいなのが…雰囲気上げることは結構大事だなって思う。

マルキ これからも大切に、それは。

 

――早慶明定期戦については

マルキ 早慶明は、明治にフォーカスして。もう早慶明の1週間前くらいに、全カレの組合せが決まって、明治を倒すのを目標にやろうってなったので、明治の対策をすごくしていて。それの練習と捉えてやっていました。

伊藤 今思うと明治本気出してないよな。

マルキ そうですね。全カレ終わった直後にも思いました。

伊藤 全然質が違う。

マルキ 僕らとしては立てていた戦略がはまったところがあったので、全カレ行けるかもっていう感じが出たんですけど、明治が本気を出していなかったので、そういう意味ではこっちがはめられたっていう感じでした。

 

全日本インカレにて

――最後に、全日本インカレについて

マルキ 僕らは2回戦は大商大、3回戦は明治っていうふうに想定していて。全部関西の1部と関東の1部だから楽に勝てる試合は1個もないなって思ってやっていました。立命館戦は、1試合目だったからかわからないですけど、まあがちがちで、自分たちのプレーが出せなくて。2試合目は、予想とは違って立教大が上がってきて。立教大は関東2部リーグで身長も高くなかったので、こっちの高さで勝てたっていう感じだと思います。明治戦はさっき言った通りで。明治調子良かったですよね?

伊藤 調子良かった。小川(小川智大前主将=明大4年)と試合が終わったあとに話したんですけど、「今日調子良かったわ」「明日も行けんじゃない?」「これだったら行けるわ」みたいな。相当良かったぽいですね。

 

 

新旧主将の関係

 

 

 

――次に、お二人の関係について伺いたいと思います。初めてお会いしたのは?

マルキ 僕が一回練習見学に来たのは覚えてますか?

伊藤 覚えてないわ(笑)。

マルキ 僕も見学した記憶が全くなくて。なので多分、僕が入学する前の1月か2月です。

 

――そのときに何かお話しされていましたか?

伊藤 いや、喋ってないと思います。

マルキ 祥樹さんずっと怖かったです。

伊藤 (笑)

マルキ そのとき、手術の前でしたっけ?

伊藤 後じゃない?ちょうどそのくらいだと思う。

マルキ 彪斗さん(黒田彪斗=H30環卒・現FC東京)もけがしていて。多分、球出しとかしてましたよね?

伊藤 多分してた。

マルキ ずっと、清風の青いジャージ着て(笑)。

伊藤 (笑)

マルキ 一人だけ色が違うんですよ。みんな紺とかそういう色なのに、祥樹さんだけ真っ青なズボン履いていて。こわい印象でした。

 

――では反対にマルキさんの印象は

伊藤 おとなしいなって思いました。真面目そうでおとなしいなって思っていたら、その通りでした。

マルキ そんなことないです。

伊藤 真面目ですよ。マルキたちが多分どこか合宿行っているときに、川越東高校に練習に行ったんですよ。自分はもちろん手術してプレーできないですけど、ついていって。

マルキ あのド田舎に行ったんですか(笑)

伊藤 そう、行った。マルキを教えていた高校の監督から「あいつを遊びに連れて行ってやってくれ」って言われて(笑)。

マルキ よく覚えてますね(笑)。

伊藤 それで、「あ、マルキ、高校のときこういう感じだったんだ」って思って、やっぱり真面目なんだなって。じゃあ遊びに連れて行こうかなって思ったら、真面目すぎて、そういう感じでもなかった(笑)。

 

――そんなに遊ばないんですか?

マルキ いや、高校のときは遊ぶところがなかったんです(笑)。家から高校まで自転車で通っていたんですけど、田んぼしかなくて、コンビニが途中で1軒あるくらいで。勉強も必死でついていくために、遊んでいる暇がないっていう感じでしたね、男子校ですし。それを多分監督が勘違いしたんだと思います。まあ間違ってはないですけど(笑)。

伊藤 (笑)

 

――お二人ともドライブ好きですよね。

マルキ 好きです。まあでもちょっとタイプが違いますね。僕は普通に車を運転することが好きなんですけど、祥樹さんは峠道を走ったりするのが好きなので。

伊藤 自分で車をいじるのが好きなんです。

 

――一緒にどこか行きましたか?

マルキ 祥樹さんの横に乗せてもらったりしたことは何回もあります。

伊藤 会場から帰ったりしてたよね?小田原とか。

マルキ そうですね。あとは首都高とか。

 

――お二人は学部も一緒ですよね

伊藤 SFCではあんまり会ってないね。

マルキ 部活でしか会わないですね。

伊藤 でもマルキとは仲いいですよ。メシめっちゃ行くし。

マルキ 温泉とかも行きますしね。

伊藤 行くね。

マルキ 温泉行こうぜって誘ってくれて、一緒に行くんですけど、祥樹さんは先に帰っちゃう(笑)。

伊藤 (笑)

マルキ 普通温泉施設行ったら2~3時間いるじゃないですか。祥樹さんは30分くらいでもう先に帰っちゃって(笑)。そのあと予定あるからって。

伊藤 (笑)

マルキ 一回僕と樫村と祥樹さんで行ったんですけど、取り残されて(笑)。

 

――どうしてそんなに早く?

伊藤 いやちょっと予定があったので。

マルキ 人気者なんで、祥樹さん。

伊藤 マルキに恋愛相談するんですよ。そしたらマルキ色々応えてくれるんです。

マルキ 応えているっていってもフォローしているだけです、基本的に。だって僕そんなに知らないですし(笑)。

伊藤 (笑)

マルキ 結構心の中では困っていますよ(笑)。なんて応えればいいんだろうって。

 

 

主将として

 

 

 

――マルキさんの主将就任が発表された経緯をお聞かせください。

マルキ 発表は納会のときですね。

 

――発表を聞いたときの率直な感想は

マルキ 僕はずっと絶対にやりたくないって言っていたんですよ。祥樹さんみたいなリーダーシップを持っていない。なので、向いていないから、頼まれても断るってずっと言っていたんですけど、いざ頼まれたら「やっぱりやらないとな」っていう気持ちに変わりました。

 

――伊藤さんはマルキさんと聞いてどう思いましたか

伊藤 いいと思いますよ。リーダーシップとかいらないですよ、正直(笑)。マルキは背中で見せられるし、人間性もいいから、絶対についていきますよ。みんな協力しようと思うし。同期のやつも優秀な奴らばっかりで、しかも僕らに比べて人数も多いですよね。だったら、別に一人がリーダーシップもつよりも、周りが一生懸命マルキを助けながらやった方がいい。一人のリーダーシップは限られているし。8人でやったほうが8倍じゃないですか。

 

――決まってから2人で何かお話は?

マルキ 結構聞きますよね。あのときどういうふうにやっていたんですか、とか。さっきここに来るときも、僕が不安に思っていたことがあって、こういうのどうしたらいいですねって。そういうことを聞ける、すごく良い主将だと思います。

 

――マルキさんは今どういった主将を目指していますか

マルキ さっき祥樹さんが言ってくれたのもあるんですけど、多分僕が求められているのは、祥樹さんみたいにリーダーシップを発揮することではなくて、それもやらなくちゃいけないんですけどそこじゃなくて、一番求められているのは、プレーで引っ張ったり、自分の個性を生かしてみんなをまとめるっていうことかなと思っています。だから、同期も頼りますし、自分もできる限りリーダーシップを発揮しようと頑張りますし、あとは何よりプレーで頑張らなきゃいけないなって思っています。

 

――伊藤主将体制から続けていきたいこと、いってほしいことは何ですか

伊藤 自分がやってきたことをそのままやれっていうことは言わないし、自由にやればいいのかなって思っているけど、やっぱりどんなアプローチ方法でも、やっぱり勝つことにはしっかりフォーカスしてほしいなとは思う。…でも、どうなんだろう、ちょっとわからないわ。結局さ、努力してないのに勝ちっていうのはいえないじゃん?日本一、センターコートって、えげつないことだと思うのね。今年、結構みんなやっててしんどいっていう感じだったけど、あれぐらいのもんじゃないと思う。だからそこで、本当に、勝ってほしいはほしいけど…けど終わってみて、結果が出ない悔しさもあるけど、早慶戦とか色々みんなでやってきたこととか、なんかそういうことの方が今となってはやって良かったなって思うことだし…早慶戦盛り上げるっていうのも労力使うわけじゃん?小学生のバレーボール教室とかもめっちゃ良いと思うんだけど、なんかそういう時間もあんまりないはずなんだよね、日本一になるってなったら。っていうところも踏まえて、バレー部の在り方っていうのは考えた方がいいなっていうふうに思う。どっちもすごい大事なんだけどね。

マルキ そこ難しいですよね。すごく思います、僕も。

伊藤 難しい。結果を求めるだけが全てじゃないっていう考え方もあれば、結果が全てっていう考え方もあって。どっちも追い求めるんだけど、どっちが大事かってなったときに、自分たちの取り組みに取捨選択が起きてくるじゃないですか。自分たちはどっちもやろうと思ったんですよ。だから感謝の気持ち、ファンとかそういう人に魅せるバレーも追及したし、結果も追い求めてやってきた。でも結果を追い求めるっていうことに関しては、もちろん結果が出てないっていうのもあるんですけど、甘いって思います。自分もやっぱり、選手がしんどいとかっていうときに、自分が求めている理想に対して落としていたんですよね。反感とか、しんどいってなっているとき、そっちに同情してあげたほうが自分としても理解を得られるし、楽なんですよね。自分の場合は、そういうところもちょっとあったんですよ。でも、今考えると、そういうふうにちょっとずつレベルを落としていって、みんなで一緒にやろうよっていうところにフォーカスしていった結果、まあ結果も出なかったし、それでよかったのかなっていうのもある。練習量とか。最後とか、集中力が続かないっていう意見がすごい多くて、2時間とかなんですよね、練習時間が。でも後から考えたら、2時間がっちり集中してやったところで、それが日本一につながるの?そういうのをみて、根性論とか抜きに、普通にこれでは勝てない。そこらへんは難しいと思います。だからそこに対して、次の代はみんなで考えてほしい。真剣にやろうってするのか、魅せるバレーっていうのをやるんだったら、それはそれで追い求めたらいいと思うし。そこはもう僕はキャプテンじゃないし、何か言うつもりもない。判断に任せます。

マルキ こういう話をずっと一緒に食事行ったときにしてます。

伊藤 マルキと僕はこういうこと言ってもわかるんですよ。他の人がどう思っているか知りたいっていうのはあるよね。

マルキ そこなんですよね。全員が本当にそこまで思えていれば、日本一を目指すってなったときに、どんな練習しても意味があると思ってついてきてくれる。でもどこかに「別にそこまで本気で日本一を目指していない」っていう気持ちがあったら、僕らがやろうとしていることは絶対に達成できないし、やらないほうがいい。やらないで、さっき祥樹さんが言っていた、見てくれている人に感動を与えることを優先にやった方がいいんじゃないかって思うんですけど、決断はできないですね。みんなにそういう意見を聞くこともできないし…

伊藤 みんなも多分、口では日本一になりたいって言うんですよ。それは本当にそうなんですよ。でも練習やったらわかるんですよ。初めてのメニューとか組むと、意図とかも一応伝えているんですけど、でもそれでも「この練習ちょっと違うんじゃないか」って思ったら、適当にやるっていうか、自分から目的を見つけてやるっていう姿勢ではなくて、「これ何のための練習なんですか」みたいになっちゃう。そういうところから顕著なんですよ。でもマルキは、自分が結構グダグダなメニュー組んじゃっても、一番やるんですよ、真面目に。それで、終わったあとに、「ここはこうした方が良かったんじゃないですか」っていうふうに言ってくれる。そういうのを見ていても、すぐわかるもの。そういうところじゃないですか、やっぱり。変えるっていうか、日本一を目指すなら。メニュー作っていると、本当にわかりますよ。家で考えるじゃないですか、これがだめだからこういうふうにしようとか。それをやったときの、みんなの反応というか。マルキも多分これから味わうと思うんだけど、「全然やってくれない…」みたいな(笑)。

マルキ さっきもその話しましたよね。もう味わってますよ、僕。メニュー立てる側の理想が高いのか…そこが僕は一番難しいところかなって。そこで多分僕が妥協してみんなのやりたいようにやっていてもしょうがないし、みんなが頑張れるギリギリのところまで引っ張り出さないといけないと思っています。

 

――伊藤さんからマルキさんへ、先代として伝えておきたいことは

伊藤 えー。ないっすよ、そんな…(笑)。なんだろう、そんな偉そうなこと言えないですけど、実際全然結果も出せなかったし。でも、やっぱり自分を信じてほしいかなって思います。他の人の意見も聞くけど、ぶれちゃいけない部分ってあると思うので、そのぶれちゃいけない部分をぶらさないでほしいなって。あとはまあ、頑張れ(笑)。

マルキ はい(笑)。頑張ります。

 

――最後にマルキさんから、新主将として意気込みをお願いします

マルキ 祥樹さんっていう偉大な…

伊藤 やめろ(笑)。全然偉大じゃないわ。

マルキ 主将が自分の前にいてくれたので、そういう強烈なリーダーシップを自分でもできるところは引き継いで、でも僕に求められるのはそこじゃないってさっきもお話ししたんですけど、プレーで引っ張り、行動で示す、そういう主将になろうと。でもそれだけじゃだめだから、そこは同期だったり後輩だったり、先輩、色々な方に意見をいただいて、それを吸収して部に還元していく。そういう主将になりたいなって思います。

 

――ありがとうございました!

 

 

(取材・写真:藤澤薫)

 

 

◇プロフィール◇

伊藤祥樹 (いとう・しょうき)

1996年9月18日生まれ/総合政策学部4年/清風高/身長190センチ/最高到達点325センチ/前主将・前コーチ

 

マルキナシム (まるき・なしむ)

1997年7月27日生まれ/総合政策学部3年/川越東高/身長192センチ/最高到達点335センチ/新主将・サイド

 

 

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