慶應スポーツ新聞会

【アイスホッケー】春季早慶戦連覇へ 最後の最後まで諦めず走り抜くも遠い1点 第65回早慶アイスホッケー定期戦

昨年度の春季早慶戦における慶大の43年ぶりの歴史的勝利から、両校はそれぞれの1年を経て新横浜に戻ってきた。早慶戦は年に2回の特別な舞台。春季早慶戦連覇を目指し、慶大は勝利へ執念を燃やしていた。第1ピリオドは慶大が早大の良さを封じ込め拮抗した展開に。しかし第2ピリオドでは観客の肝を冷やすようなプレーが続き、8分に先制を許してしまう。しかし慶大はGK小池丈二(経4・浦和)の好セーブを中心にピンチの連続を1失点で守り切り、第3ピリオドでの巻き返しへ望みを繋げた。FW笹山大智(法1・慶應義塾)をはじめ全員が最後の瞬間までまずは1点を返すべくハードワークを続けたが、その中で3失点を許し0-4で早大に軍配が上がった。この敗戦の悔しさをバネに、主将FW田中陸(政4・慶應義塾)率いる慶大がこれからどう化けるか。今後の成長から目が離せない。

チームで早大に対峙した

2019年5月11日(土)16:30F.O. @コーセー新横浜スケートセンター

試合結果

 

1P

2P

3P

TOTAL

慶應義塾大学

0(8)

0(8)

0(12)

0(28)

早稲田大学

0(9)

1(21)

3(16)

4(46)

※()内はシュート数

春季早慶戦の舞台で慶大が43年ぶりに早大を下した日からはや1年。代替わりを経て早慶両校は慶大ホームの新横浜に再び集った。直近の慶大は、冬季早慶戦に完敗、今シーズン最初の公式戦である春大会でも8位と思うように結果を残せない苦しい時期が続いていた。しかし早慶戦はプライドとプライドがぶつかり合う年に2回しかない特別な舞台。山中武司コーチの退陣に伴い、4年生とっては1年生の頃より指導を受けた日本一のコーチと共に戦える最後の1戦となる。春季早慶戦連覇だけを信じ、特別な思いを胸に試合に臨んだ。

氷上でたなびく三色旗

早慶戦の醍醐味の1つが開会式だ。暗闇の中を色とりどりのライトに照らされながら選手が登場し、1人1人にスポットライトを当てた選手紹介が行われ、4年生の紹介時には一際大きな歓声が集まった。新1年生もお披露目となり、FW笹山は代々1年生の中で1人だけが任される三色旗の旗手を堂々と務め上げた。ジュニア時代に同じチームでプレーし、今大会ともにCマークを胸に付けた主将FW田中と早大副将小澤田が固い握手を交わし、フェイスオフ。

東京出身のアイスホッケー少年、早慶戦の舞台で再会

気合十分

第1ピリオド、慶大は勝利の方程式「ロースコアゲーム」を高い集中力で体現する。効果的なパス回しとスピードが持ち味の早大に対し、慶大はパックへの詰めを早くすることで早大に自由なプレーをさせず、DF瀧澤慎之督(経4・慶應義塾)らがボード際で早大の自陣への侵入を封じた。しっかりと守り切った慶大はここで攻勢に転じる。FW立島栞大(政2・慶應義塾)の粘りからFW大島浩輔(商4・慶應志木)がシュートに繋げるなど慶大のチャンスが度々訪れた。FW十文字陽亮(経2・慶應義塾)とFW十文字開紀(商4・八戸)の兄弟コンビが早大ゴールにあと一歩まで迫り、中々1点を決めきれず焦りを感じていた早大の反則を誘った。

細かいスケーティングで早大を翻弄したFW立島

4年生としてチームを引っ張るFW大島

乱闘寸前に

第2ピリオドは第1ピリオドから一転、早大に本領発揮を許してしまう。Dゾーンでの時間が次第に長くなり、8分にはキルプレーで早大に狙いすましたシュートを撃たれ先制点を献上、1点のビハインドとなった。しかし試合をロースコアで進めることが勝利に不可欠である慶大はまだまだ崩れない。ピンチをGK小池の大きな体を生かしたセーブでしのぎつつ、DF瀧澤のシュートに見せかけたパスをFW振津直弥(政2・埼玉栄)がディフレクションするなど同点へ向け攻撃の手を緩めることなく戦った。

GK小池が幾度となくピンチを救った

慶大のディフェンスリーダーDF瀧澤

攻撃で存在感を見せたFW振津

0-1の僅差を維持したまま試合は第3ピリオドへ。DF小嶋遼亮(経2・慶應義塾)の激しいコンタクトプレーやFW田中の意表を突いたバックハンドシュートで慶大は攻撃のリズムを取り戻す。そんな中FW十文字(開)にブレイクアウェイの得点機が到来するも、早大GKのグラブキャッチに阻まれ同点とはならず。しかし直後のプレーでGK小池もグラブキャッチで魅せ、これに応酬した。

DF小嶋の体を張った守り

GK小池得意のグラブキャッチ

慶大は当初の予定通り、ロースコアゲームを続け最後に勝負をかけるプランを遂行すべく、攻撃の手を加速させる。しかしFW十文字(開)からFW振津へのバックドアはパック1つ分枠を逸れ、FW運上雄基(総2・埼玉栄)からFW笹山へのセンタリングも決めきれない。早大がこれを黙って見ている訳もなく、何度もスピードあるカウンターが慶大ゴールに襲い掛かった。それでもGK小池のセーブを軸にDF長谷部大地(政1・八戸)のリバウンド対応などで1点差を守っていた慶大であったが16分、ついに追加点を許してしまった。

足とフィジカルが持ち味のFW運上

早大の強力FWに立ち向かうDF長谷部

残り4分と苦しい時間帯に2点差をつけられてしまった慶大だったが應援指導部の應援もヒートアップ、慶大に諦める理由はなく、攻撃にさらに力が入る。FW笹山をはじめ全員がまずは1点を返すことのみを目指し、最後まで足を動かした。19分にはGKをベンチに上げ、慶大はプレイヤーを1人増やす捨て身の作戦に出るも、がら空きのゴールにパックを流し込まれ失点。しかし勝つか負けるかの早慶戦、残り33秒でもう1度GKをベンチに上げ背水の陣を敷いた慶大だったが不運な形で再び失点。最後までチャレンジを続けたものの1点が遠く、0-4で戦いを終えた。

最後まで諦めない姿が印象的なFW笹山

試合を通じ1人1人の勝ちたいという気持ちがプレーの随所に滲み出た、最後まで手に汗握る1戦となった。得点力に課題が残った一方でチームとして春の大会から修正できた点も多く、特にセーブ率96%をマークしたGK小池の好守とFW笹山をはじめとした1年生の活躍が目立った。

チーム皆で

昨季、早慶戦勝利をはじめ数々の偉業を成し遂げた慶大最大の強みはチーム力であった。掲げたスローガン「For the Team」によってこのチーム力をさらに強化し、慶大の伝統「ひた向きに走り負けない、当たり負けない泥臭いホッケー」と山中武司コーチが遺した「最先端のホッケー理論」との融合で、今季の慶大にはジャイアントキリングを期待したい。この敗戦から何を学び、どう成長していくのだろうか。主将FW田中率いる慶大の1年から目が離せない。

 

(記事:鈴木啓仁 / 写真:左近美月・五十右瑛士)

 

以下コメント

主将FW田中陸(政4・慶應義塾)

チームをひたむきなプレーで牽引するFW田中

――今日の試合のゲームプランは

早稲田のビデオから強みや弱みを分析して、みんなで話し合って戦術を決め練習してきました。

――今日の結果について

4―0という結果にはなってしまったのですが、チームに成長が見られたと思っています。ゲームプランもしっかりとこなせていましたし、みんな気持ちも入っていました。ただ課題として1点が遠かった部分もあります。ポジティブに捉えれば良いところもあったという上で、秋につながる試合になったと思います。

――今日の収穫とは

春シーズンのリーグ戦では良い結果を残せていなかったので、いろんな部分を修正したのですが、反省を生かして足を動かせていたし、守りの姿勢も良かったと思います。

――去年の春の早慶戦では43年振りの勝利を挙げただけに、かける思いは強かったか

もちろん去年のチームを越えたいという強い思いはあります。また僕たちのコーチである山中武司さんが今年の夏から留学に行ってしまうということで、今日が最後の試合だったこともありどうしても恩返ししたいと思っていて、そういった意味で本当に勝ちたかった試合でした。

――最後の2失点については

僕たちもどうしても勝ちたいという思いがあったので、キーパーを上げて攻撃に転じたのですが、最後は僕らの実力不足で決めきれなかったので残念な結果になってしまったと思います。

――残り1年の意気込みをお願いします

スタートとして春の大会はあまり良い結果を残せなかったのですが、今日早慶戦を通して、強豪校と戦えるということや勝てることが明確に見えてきたので、まずは夏にしっかりとトレーニングをして、自分達のウィークポイントをストロングポイントに変えられるように、秋はベスト4進出、早慶戦勝利を目指して頑張っていきたいです。

 

GK小池丈二(経4・浦和)

慶大の守護神GK小池

――今日はどのようなゲームプランでしたか

うちは攻撃力が無いというのが特徴なので、守り勝つホッケーがしたくて、ゲームプランとしては1、2Pでは0―0でもいいからとりあえず失点しないことを意識して、そして3Pで勝負かけようと話してきました。ある程度はゲームプラン通りに試合を運ぶことができ2Pまで1―0で来て、3Pの10分くらいまではロースコアの試合が出来たのでそこまでは狙い通りでしたが、最後に1点を取るということが出来ず負けてしまいました。

――小池選手のセーブ率は96%をマークしましたがそれでも負けてしまった原因は

やっぱり得点力の無さなのかなと思います。相手のゴール近くまで行っても、最後の1本が決めきれないといったことが今日は多発してしまいました。ただ、春シーズンを振り返ってみると、攻撃より守備が悪かったところは改善できたかなと思っていて、そこは僕個人としてもチームとしても良かったかなと思います。

――お話にあった通り、1、2Pはいい流れで来ていましたが、どこが今日の試合の分岐点だったと考えているのか

やっぱり僕が分岐点だと思ったのは2点目を取られた時だと思っていて、あれもチャンスでパックを回していた時にディフェンスが少しミスしてしまって、相手に攻められてしまったので、あそこで僕が止めることが出来てれば、もう少し何か違う展開になっていたのかなと思いますが、そこはキーパーとしての実力不足がありましたね。

――今日の反省を今後の1年にどう繋げていくか

先程言ったように春大会やってきて、そこでの課題をこの早慶戦で一回解決、改善することが出来たと思うので、それにプラスして次は攻撃の課題というのをこれからの夏、そして秋に向けて練習していきたいです。

 

FW笹山大智(法1・慶應義塾)

1年生ながら1セット目で起用されたFW笹山

――今日の試合を振り返って

チーム全体としてよく動けていたとは思いますが、やはりディフェンスだけではなくオフェンスもしっかりやっていかないと、試合の勝利にも繋がらないと思いました。

――試合前の旗手はどのような気持ちで務めましたか

伝統のある早慶戦で旗手を務めさせていただくことにプレッシャーは感じていましたが、やるからには振り切ってしっかりと楽しんで旗手をやらせていただきました。

――體育會アイスホッケー部に入部し、高校とのレベルの違いは感じますか

そうですね、やはり体格とスピード、この2つは大きな差があると強く感じました。

――今日は最後まで全力でプレーする姿が印象的でした

自分は1年生でまだ入ったばかりですが、4年生にとっては最後の早慶戦なので、4年生のため、そして今日で最後の山中コーチのために、チームに出来るだけ貢献しようという気持ちをもって全力でプレーしました。

――これから4年間でどの様に成長していきたいですか

4年間と言わず、1年生からいち早く慶應の中心選手になれるように日々努力して、慶應の勝利に貢献できるよう頑張ります。

 

この激戦を再びBS朝日にてご覧になれます。

2019年5月26日(日)13時~『第65回早慶アイスホッケー春季定期戦』

Tagged as: , , , ,

Comments are closed.