慶應スポーツ新聞会

【端艇】4種目入賞、引退レースに花添える/第46回全日本大学選手権大会

順位決定戦で1着となった男子エイト

全日本選手権から4ヶ月、夏の期間を経て全日本大学選手権が戸田漕艇場で開催された。4年生の引退試合となる今大会。結果、男子エイト、男子舵手なしペア、男子舵手なしフォア、男子シングルスカルでの入賞を果たした。

第46回全日本大学選手権大会

 

9/5(木)〜8(日) @戸田漕艇場

 

・大会結果・詳細

 

 

 

男子エイト

 

C:福原涼介(経4)

S:朝日捷太(経2)

7:新井勇大(経4)

6:本多進之介(経4)

5:宮嵜裕之(法4)

4:村上廉太郎(政3)

3:鈴木魁(経4)

2:三輪崇(商4)

B:栗野稜平(政4)

 

 

レース

500m

1000m

1500m

2000m

結果

予選D組

01:25.42

02:54.81

04:27.48

05:56.98

1着→準決勝へ

準決A組

01:29.52

03:01.75

04:37.22

06:09.82

3着→順位決定戦へ

順決

01:34.86

03:10.99

04:47.34

06:23.42

1着→5位入賞

 

9月の初旬、突き抜ける青空と強烈な残暑の中、全日本大学選手権が開催された。

ボートにおける花形種目、男子エイトには慶應最速の9人が選ばれた。そのうち7人が今大会で引退となる4年生で、まさしく集大成となる大会だといえる。

「家族以上の存在」だと主将の新井勇大(経4・慶應志木)が語るメンバーと挑んだ最後の大会。くじ引きで決まる予選レースの組み合わせは、慶大にとって、かなり有利なものとなった。

前評判通り、予選レースではスタートからゴールまで他の艇の追随を許さずダントツの1位。しかしレース後、反省の言葉がクルーの口から出る。得意としているスタートに手ごたえを感じつつも、レース中盤での粘りに課題を感じていた。

準決勝では日本大、仙台大と日本一を目指すにあたって避けては通れない強敵との対戦となった。4艇中2位以上が決勝進出の条件の中、慶大は得意のスタートで1位になることが出来ず、想定外のレースプランを強いられる。苦しい展開の中、ロングラストスパートをかけるも無念の3着。日本一への道はここで潰え、順位決定戦が4年生にとってラストレースになる。

レース前、スタート位置に向かう男子エイトクルー

順位決定戦は5位から8位を決めるレースになるが、奇しくも早慶レガッタで敗北を喫した宿敵早大も同組に。レースプランは「最初から最後まで1位」(福原涼介=経4・慶應志木)。その宣言通り、スタートから飛び出した慶大クルー、1000m地点で2位と一艇身差をつける会心のレース展開。しかしここから、早大、東北大の猛追が始まる。一漕ぎごとにその差が詰まってゆく。「結果を残せなかった」と副将の宮嵜裕之(法4・慶應志木)はこれまでの自分たち代を振り返る。早慶レガッタ、全日本選手権と、周りの期待と反して思うように結果が出なかった。このまま抜かされてしまうのかと、負けたレースの残像が頭をよぎる。しかし、これまで積み重ねてきた努力、敗北、悔しさが彼らの体を動かした。追いすがる他校を決死のラストスパートで突き放し、一着。9人は歓喜に包まれた。今年の端艇部のスローガン、「意地」を体現したかのようなレースだった。

スタートから首位を保ち、有終の美を飾った

「最高の漕ぎが出来た」と4年生の三輪崇(商4・慶應志木)は慶大端艇部らしさが詰まっていたこのレースを振り返った。ただその一方、最高のレースだったからこそ「もし自分たちが決勝でこの漕ぎができてたらな(本多進之介=経4・慶應志木)」という悔しさもやはり心のどこかに残った。

このレースで、4年生の日本一にこだわり続けた4年間は終わりを迎える。その集大成は5位、数字だけを見れば決して満足のいくものではないかもしれない。しかし、日本一という結果だけを目指して血のにじむような努力をした彼らの握るオールには、常人では一生体感できない程の熱量が宿っていた。彼らのレースを見ると、“過程”が“結果”を超えて、胸が熱くなる。今はただ、彼らの4年間に敬意を表し、お疲れ様でしたと言いたい。

 

 

 

男子舵手なしペア

 

S:古谷高章(商3)

B:八木志洋(文4)

 

 

レース

500m

1000m

1500m

2000m

結果

予選B組

01:41.75

03:29.71

05:21.49

07:11.41

1着→準決勝へ

準決D組

01:39.90

03:26.59

05:16.15

07:00.41

2着→順位決定戦へ

順決

01:42.35

03:32.42

05:23.94

07:07.53

3着→7位入賞

 

 

今大会で男子舵手なしペアを担うのは、八木志洋(文4・逗子開成)と古谷高章(商3・慶應志木)。2人は昨年の東日本選手権で男子舵手なしペアを組んだ経験があり、練習やレースについて「そこまで大きな障害もなくできた」と古谷は語った。8月中旬にペアを組んでからというもの徐々に完成度が増していき、このレースにはもちろん日本一を目指して、自信を持って臨んだ。

 

予選は1回目のレースということもあり、少し硬さの残る状態でのスタートだった。とはいえ序盤から他を突き放し見事1着に。

 

準決勝では惜しくも2着に

続く3日目の準決勝。1500m地点まで先頭を守っていたものの、最後の最後で後続していた京大とデットヒートを繰り広げる。慶大がこのまま逃げ切るかと思われたがまさかの0.11秒差での2着、悔しくも決勝進出とはならなかった。しかしながらこの時のタイムは全体2位。こればかりは組合わせを憎まざるを得ない結果だった。

 

最終日の順位決定戦。これまで「先行逃げ切り」のレースプランを基本としてきた彼ら。しかし、思うように2人の体は動かなかった。第1クオーターから抜き出ることができず、これが後をひき、少しずつ他の艇に差される展開に。最後の第4クオーターでなんとか一橋大を差し3着になると、全体7位で終えた。

 

7位入賞という結果に終わった男子舵手なしペア

「今までの試合に比べたら確実に見えるところに日本一があった」。古谷はこのレースを終えて、率直にこう述べながら悔しさをあらわにした。そして4年生である八木はこのレースで引退となることから、「なんとか最後に…」という気持ちがあったものの、「力不足だった」と責任を感じている場面もあった。

 

しかし八木は「古谷は4年間組んだクルーの中で一番合ったと思っている」と古谷とのペアについての好感を語った。今回もレースまで「本当に楽しい1ヶ月間を過ごすことができた」という。ボート未経験で入部した八木は、はじめこそ試合に出られない時期を過ごしたが、「今年の早慶戦では第二エイトに出場して勝利し、全日本、インカレでは最終日まで戦えるようになったのはあの時期に耐えて練習をしてきたから」とこれまでの日々を振り返り、最後に「苦しい時に頑張ってよかった」と一言添え、ボート人生に幕を下ろした。

 

古谷は来年端艇部としてのラストイヤーとなる。今後については変わらず「より速く、より強く」。その目には最高学年としての覚悟が映る。目標を達成するのに近道などない。ただ「1つ1つ積み上げていくしかない」。“日本一”という大きくもすぐそこにある目標を、代々先輩方が引っ張ってきた慶大端艇部で叶える日はそう遠くない。

 

 

男子舵手なしフォア

 

S:鍛冶田有史(政3)

3:永田大智(環3)

2:コントレラスピート遥介(経4)

B:勝野健(経2)

 

 

レース

500m

1000m

1500m

2000m

結果

予選A組

01:34.58

03:13.82

04:52.87

06:29.28

1着→準決勝へ

準決B組

01:37.49

03:21.26

05:04.42

06:46.48

3着→順位決定戦へ

順決

01:36.59

03:15.73

04:54.88

06:32.61

1着→5位入賞

 

コントレラスピート遥介(経4・東京都市大学付属)、永田大智(環3・清風)、鍛冶田有史(政3・慶應)、勝野健(経2・慶應)という学年も経歴も異なる4人が集った男子舵手なしフォア。奥只見での厳しい合宿を乗り越え、今大会で引退となるピートが「クルーとしていい感じに仕上がっている」と口にするほどの手応えと自信を持って臨んだ。

 

大会初日の予選。「前半のスタートダッシュが武器」(鍛冶田)であるクルーであったためスタートから飛び出すというプランで臨んだ。しかしどの大学もこの日のためにすべてを懸けて臨んでくる今大会はプラン通りには進まない。最初の500メートルではオーバーペース気味で入った中大、同志社大に先行を許してしまう。それでも慶大は「上げるぞって声を出」すことで「みんなでまとまれて4人で船を動か」し徐々にその差を詰める。そして1500メートル地点では他艇を見事に振り切り、見事予選1着で準決勝に駒を進めた。

 

予選で快漕し、1着で準決勝へ駒を進めた

1日挟んで迎えた準決勝。目標とする金メダル獲得のためには、まずこの試合で2着以上になり決勝に進む必要がある。ただ、慶大クルーは予選のタイムだけを単純に比較すれば1着になれる力を持っていることは明白だった。「どちらも決勝にいけるのに1、2着で競ってしまうのは(体力的にも)もったいない」(ピート)と、ただ熱くなるだけではなく、冷静さも忘れずに目の前の試合に臨んだ。スタートから明大に少し出られる展開となるも、3位の日大の様子をしっかり見続けながらその差を保って2位で1500メートル地点を通過する。このままいけば明大とともに決勝進出が決まるプラン通りの展開だったが、残り500メートルでその希望を打ち砕かれてしまう。1500メートル地点で1位の明大と4秒近く差が開いていた日大が早い段階でスパートをかけると、そのまま艇速をぐんぐん上げていき、慶大、明大を一気に抜き去り結果的に2着の明大と4秒もの差をつけて1着でゴール。これを目の当たりにした慶大クルーは焦ってしまったことで、「クルーの統一ができず」3着でゴール。この結果無情にも決勝に進むことはできず、順位決定戦に回ることとなった。

 

順位決定戦で1着となり、5位入賞を収めた

そして迎えた翌日の順位決定戦。スタートでは立大に後れをとってしまうものの、その後予選と同様に4人でまとまりリードを奪う。そして準決勝で涙をのんだラスト500メートル。準決勝の悔しさを晴らすべく、前日の日大を参考に「朝ちょっと練習した」というラストスパートをこの大一番で挑戦。すると、これが「うまくはまった」ことでスパートをかけてきた立大から逆にリードを広げ見事1着でゴール。今大会5位入賞となった。

 

この試合で引退となってしまうピートだったが「まだ実感がわいていなくて、続けたいぐらいなのが正直なところで、最後のレースまで成長できていたので、このままずっと漕いでいたら優勝を狙えるくらいに成長できた」と充実感の中にも悔しさをにじませた。この悔しさをしっかりと受け止め雪辱を果たすことができるのは共に戦った後輩だ。新体制を迎えることになる慶大端艇部だが「あまり心配はしていない」という。「今回の試合でも本当に後輩に助けられたし、力をつけているなっていうのをひしひしと肌で感じていた」からこそ「引き続き貪欲にボートに向き合っていれば自ずと結果はついてくるんじゃないかな」と後輩への期待を口にした。勝野をはじめとした2年生以下は10月の末に全日本新人選手権大会を控え、3年生は来春の早慶レガッタを見据えて冬に向けて動き出さなければならない。「4年間しかないし、それが体育会のスポーツ」(ピート)。この限られた期間でいかに成長し、結果を残すことができるのか。4年生の期待を背負った3年生以下の今後の飛躍が楽しみだ。

 

 

 

男子シングルスカル

 

大下 陽士(法1)

 

 

レース

500m

1000m

1500m

2000m

結果

予選B組

01:46.65

03:35.76

05:30.41

07:26.07

2着→敗者復活戦へ

敗復H組

01:52.72

03:48.37

05:45.41

07:39.40

1着→準決勝へ

準決A組

01:48.82

03:42.60

05:36.88

07:26.07

2着→順位決定戦へ

順決

01:47.19

03:38.49

05:30.38

07:21.01

1着→5位入賞

 

男子シングルスカルには大下陽士(法1・慶應)が出場した。準決勝から勝ち上がることが出来なかった春の全日本選手権。今大会、果たしてリベンジなるのか__。

初戦、大下は予選B組から出場した。強豪、仙台大も属する組である。この試合に関して大下は「強敵だからこそ最初から全力で漕いだ」と振り返る。言葉通りの力強い漕ぎで2位につくと、レース1000メートル地点を自己ベストのタイムで通過。しかし後半、先行する艇に食らいつくも、徐々に引き離され、大きく差をつけられる。結果2着となり、敗者復活戦に回ることとなった。

 

敗者復活戦での独漕は観るものを圧倒した

「とにかく1位にならないと」。そんな気持ちを抱えて挑んだ2日目の敗者復活戦。「後半にタイムが落ちないようリズムよく漕ぐ」ことを意識したという。スタートの合図から一気に前へ出ると、500メートルごとに10秒、20秒と差を広げていき、2着と43秒の差をつけてゴール。最後まで相手を寄せ付けないレースであった。

 

3日目に行われた準決勝は手に汗握る試合となった。対戦相手全員が1年生であることを意識し、「気持ちで負けたらだめだと思った」と大下は言う。「前に出られないようについて行く、最後に自分が出られたらいい」というレースプラン通り、レース中盤まで4艇が横並びの状態が続く。全体2位を維持したまま、1500メートル地点からは早大との一騎打ちとなった。その差は0.24秒。春の大会では負けを喫した相手である。ここで雪辱を果たすことが出来るのか。観客の熱い視線が注がれた。

__結果は早大の勝利。あと一歩だった。僅か0.11秒、まさに紙一重の差である。結果2位となり、順位決定戦へと進んだ。

大下はこの試合を「最後に実力差が出てしまった」と振り返る。しかし、前回大会では2秒だった差が今回で0.11秒に縮まったのだ。これはこの夏の成長の証だといえるだろう。

 

全日本選手権の屈辱を晴らし、5位入賞を果たした

そして迎えた全日本大学選手権大会最終日。この日に行われた順位決定戦では試合開始後すぐに周りからリードを奪うと、最後まで2位の選手との間に一定の距離を保ちながらゴール。手堅く勝利を収めた。この試合について大下は「一艇身あくまではスパートを緩めない」ことを意識したと振り返る。「300メートルくらいで(一艇身)あいてからは突き放そう突き放そうという気持ちで」漕いだというこのレース。周囲の状況にも目を配りながら自身の納得いくレース展開に持ち込めたのではないだろうか。

 

今大会が引退試合となった4年生。その後ろには頼れる後輩たちいると証明された。これからの端艇部を引っ張る一人となるであろうルーキーの、更なる飛躍に期待したい。

 

 

女子シングルスカル

 

松原 佳代子(商4)

 

 

レース

500m

1000m

1500m

2000m

結果

予選E組

02:08.43

04:21.90

06:35.09

08:47.94

5着→敗者復活戦へ

敗復E組

02:11.53

04:24.29

06:39.86

08:53.31

4着→敗退

 

男子ダブルスカル

 

S:安本壮瑛(経3)

B:田上諒(経2)

 

 

レース

500m

1000m

1500m

2000m

結果

予選B組

01:43.01

03:31.82

05:24.64

07:14.74

4着→敗者復活戦へ

敗復A組

01:42.21

03:27.89

05:18.86

07:13.99

3着→敗退

 

 

男子舵手なしクォドルプル

 

S:堀江直人(経4)

3:小宮山息吹(経3)

2:武岡大雅(政2)

B:佐藤晴信(経2)

 

 

レース

500m

1000m

1500m

2000m

結果

予選D組

01:33.52

03:10.72

04:51.49

06:31.76

4着→敗者復活戦へ

敗復E組

01:38.77

03:20.10

05:03.45

06:41.31

3着→敗退

 

 

女子舵手つきフォア

 

C:水谷智咲(環3)

S:遠藤佳奈(商3)

3:根岸彩子(政3)

2:青木遥南(法4)

B:流石章代(総3)

 

レース

500m

1000m

1500m

2000m

結果

予選A組

01:52.75

03:45.08

05:42.25

07:37.39

3着→敗者復活戦へ

敗復B組

01:57.83

03:56.40

05:58.52

07:56.71

3着→敗退

 

 

男子舵手つきフォア

 

C:向井新(経3)

S:王田恭之(商3)

3:田村直親(政3)

2:浦敬太郎(経3)

B:亞厂拓海(経2)

 

レース

500m

1000m

1500m

2000m

結果

予選H組

01:38.77

03:20.69

05:05.40

06:49.98

1着→準決勝へ

準決B組

01:43.97

03:29.79

05:16.18

07:01.64

3着→敗退

 

 

女子舵手つきクォドルプル

 

C:杉森春奈(商1)

S:山崎絢乃(政2)

3:伊地知真優(環1)

2:松井萌(経1)

B:江藤祐実(経4)

 

 

レース

500m

1000m

1500m

2000m

結果

予選B組

02:22.25

04:45.28

07:10.76

09:34.62

5着→敗者復活戦へ

敗復D組

02:07.29

04:08.26

06:08.82

08:11.57

4着→敗退

 

 

女子舵手なしペア

 

S:弘田千乃(理2)

B:笠原万緒(政2)

 

レース

500m

1000m

1500m

2000m

結果

予選B組

01:53.97

04:02.54

06:07.93

08:19.03

5着→敗者復活戦へ

敗復F組

02:44.39

05:28.20

08:17.39

11:04.20

5着→敗退

(取材:津田侑奈、東修司、宮崎柚子、辻慈生、佐藤有)

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