【ホッケー(女子)】惜敗に終わるもTEAM2019の集大成見せる/女子第27回早慶ホッケー定期戦

女子ホッケー

4年ぶりに早慶戦で得点を決めた慶大

ついに迎えたTEAM2019最後の試合。スタンドがいつも以上の観客で沸くなか、慶大は格上の早大相手に一進一退の攻防を繰り広げる。第2Qに先制を許すも、第3Qには小泉理央(政4・慶應湘南藤沢)のタッチシュートで同点に。しかしその5分後には勝ち越しのPCを決められてしまい、そのまま1-2という悔しい敗北に終わった。

 

第27回早慶ホッケー定期戦

11/24(日) 13:15試合開始 @駒沢オリンピック公園第一球技場

 

 

第1Q

第2Q

第3Q

第4Q

合計

慶大

早大

 

スタメン

 

GK 山田寛子(経4・慶應女子)

 

DF 安達理紗(法3・慶應湘南藤沢)、津田美友佳(理1・立命館)、西本明日美(政4・慶應湘南藤沢)、祖山彩夏(政4・慶應女子) 

 

MF 森田真衣(経3・慶應女子)、笠原瞳(経4・学芸大付属)、花田ともみ(政3・慶應湘南藤沢)

 

FW 野村茉以(経3・慶應女子)、内藤梓(政4・立川)、小泉理央(政4・慶應湘南藤沢)

 

 

有終の美を飾るために。関東リーグでは目標を果たせずに終わってしまった彼女たちに最後に残された試合こそ、伝統の一戦、早慶戦だ。スタンドには彼女たちの戦いを見届けようと多くの観客が集まった。

第1Q、慶大はディフェンスから攻撃へと上手くつなぎ敵陣までボールを運ぶなどDF・西本明日美(政4・慶應湘南藤沢)やFW・内藤梓(政4・立川)が起点となって攻撃のリズムを作る。しかし一方の早大も鋭いドリブルとスティックさばきでサークル内に侵入し、7分にはシュートを打たれたがここはGK・山田寛子(経4・慶應女子)が食い止める。しかし8分、耐えきれずに相手にPCを献上すると、ファールでもう一度PCのチャンスを与えてしまい、そこでシュートを決められてしまう。貴重な先制点は早大に奪われる形となった。

相手PCに苦しんだ

続く第2Q、慶大は、安達理紗(法3・慶應湘南藤沢)から花田ともみ(政3・慶應湘南藤沢)、小泉理央(政4・慶應湘南藤沢)へ、DF→MF→FWとボールをつないでチャンスを作る。そして4分にはPCを獲得し、ヒッターの西本による強烈なシュートが繰り出されるも相手キーパーに阻まれゴールを割ることができない。一方の慶大GK・山田も「自分が想像していた通りのボールが来た」と相手に追加点は与えず、慶大は1点ビハインドで前半を折り返した。

攻撃力が光った内藤

 

迎えた後半戦。ハーフタイムには「焦ることはない」(西本)と話し、慶大はより一層力を増した攻撃を展開して見せる。そして2分、DF・祖山彩夏(政4・慶應女子)がサークルの中にパスを出すと、それを内藤が受け取って笠原瞳(経4・学芸大付属)へつなぎ、笠原がゴール手前にいた小泉にボールを流して、「もう決めるしかないと思った」(小泉)とそのままタッチシュート。4年生4人がつないだ同点弾だった。ここからさらに勢いのついた慶大は、加藤ひより(環1・学芸大附属)らがさらに攻撃の見せ場を作るも、勝ち越しとはならず。同点に追いついたのも束の間、相手に自陣までボールを運ばれ7分にPCを献上。決定力のあるシュートにGK・山田も太刀打ちできず、早大に勝ち越しを許した。 

得点を決めた小泉

 

DFから攻撃へとつないだ西本

最終Q、5分に相手のファールで一時的な数的有利の状態に。そんなチャンスの中、慶大は花田ともみ(政3・慶應湘南藤沢)がシュートの見せ場を作り、1年生ながらスタメンに名を連ねている津田美友佳(理1・立命館)がサークル際で巧みなボールキープを見せ、さらには西本がサークル内へ惜しいロングパスを出すなど、フィールド上の選手たちも、ベンチで控えるメンバーも、そして慶大を応援する観客も、全員が最後まであきらめなかった。そして残り1分、野村茉以(経3・慶應女子)がカウンターからチャンスを作り、どの選手も最後まで走り続けた。しかし同点に持ち込むことはできず、フィールドには試合終了のブザーが鳴り響いた。

祖山主将のパスから得点へとつながった

今日はまさにTEAM2019の“集大成”と言っていい試合だっただろう。特に、4年がつないだフィールドゴールは、彼女たちの積み重ねてきたものが形になった瞬間であり、早慶戦で慶大が得点するのは2015年以来4年ぶりである。

敗戦という事実に変わりはないが、着実にこのチームは成長を遂げ、その姿をしっかりと早慶戦の舞台で見せてくれた。

そして来年からは試合経験豊富な現3年生がまた新たにチームを作り上げることになる。今日の悔しさを味わった彼女たちなら、4年生が残したレガシーを、またさらに超えていけるはずだ。

試合後、スタンドに深々と頭を下げた

 

(記事:澤田夏美/写真:津田侑奈、國本葉月)

 

以下、コメント

 

祖山彩夏(政4・慶應女子)

――試合を振り返って

本当にずっと最後まで勝てると思い続けていたので、この結果になってしまって無念というか、ただ最後の最後まで全員が強い気持ちを持って相手と戦ってきたのかなという風には思います。

 

――祖山選手のパスから得点につながる場面もありました

あのボールは正直あんまり良くはなかったんですけど、相手のミスでフォワードまでつながったボールだったので、まずはつながって良かったと思ったし、その後ちゃんと決めてくれたみんなのおかげで決まった得点で、素直に嬉しかったです。

 

――今日は自分たちの思い描くプレーはできましたか

練習してきた形を出せる場面もあったんですけど、試合の中で修正していく部分もあって、相手の分析とかもやっていきながら練習にも取り組んでいたのでそれは出せたのかなという風に思います。

 

――主将としてやってきたこの一年間も今日で最後です

やっぱりこの結果で終わってしまった以上、悔いがないと言えば嘘にはなってしまうんですけど、負けたら悔しいし、勝てると思ってたので。ただ本当に今の3年生2年生1年生みんながこの一年間頑張ってくれたので、来年絶対に最後勝ってほしいなと思います。

 

 

内藤梓(政4・立川)

――試合を振り返って

相手の決定力がすごかったなというのが素直な感想なんですけど、慶應としてもやってきたことというのは一人一人できることはできたと思うし、点が決まったのもみんながイメージしていた形で取れたと思うので、すごくいい試合だったんじゃないかなと思います。

 

――先制されたことを受けてハーフタイムで話したことはありましたか

やることは絶対に変えないでフォア―ドは相手にボールを取られても絶対にすぐプレッシャーをかけに行こうと話をして、いつも通り焦らないでやっていこうということでした。

 

――得点シーンには内藤選手も絡んでいました

本当に早慶戦で点が決まったことが私が出た試合では見たことがなかったのですごく嬉しくて、その形も本当にイメージしていた形そのままだったので、今までのゴールシーンの中で一番嬉しかったです。

 

――今日は自分たちの理想のホッケーはできましたか

理想のプレーはできたと思うんですけど、最後決め切るときの緊張感とかそういうところにまだ自分たちが持っていけてなかったと思うので、形自体は思い描いていたものができたかなと思っています。

 

――最後に後輩たちに向けてメッセージをお願いします

本当に一個下は試合経験もたくさんあって支えてくれた代でしたし、2個下も3個下も上手な子たちがたくさんいるので絶対に来年は関東の上位も行けると思うし、早慶戦も勝てると思うので頑張ってほしいなと思います。

 

 

西本明日美(政4・慶應湘南藤沢)

――試合を振り返って

ちょっとまだ冷静に振り返ることはできないんですけど、今までやってきたことを全てみんなが出せた試合だったと思うので、今でも勝てたかなとも思うんですけど、結果がすべてかなと思います。

 

――ハーフタイムで話したことは

まだ1点だったので焦ることはなくて、ロングボールが前半は多くなってしまったのでもう少しショートパスを入れながら自分たちのホッケーをしていこうという風に話しました。

 

――自分たちの思い描くホッケーはできましたか

練習してきた形で点を取ることもできましたし、本当に一人一人が自分の実力を発揮することができたのかなと思います。

 

――後輩たちへメッセージをお願いします

まずは今まで本当に一緒にやってきてくれてありがとうという気持ちと、本当にもう悔しくても私たちはもう戦えないので、来年ぜひこの借りを返してほしいなと思います。

 

 

小泉理央(政4・慶應湘南藤沢)

――試合を振り返って

今日全体としてはいつも通り今まで練習でやってきたことをチームとしてしっかり出せた試合なのかなと思っていて、それが残念ながら結果には結びつかなかったんですけど、全体的にみんながしっかり全力で走って全力でボールをつなげていくという今まで通りの、変なプレーとか変に私たちにとっては最後だからという風に変に緊張しすぎないでいつも通りにできたのかなと思います。

 

――自身のシュートシーンについて

FWとして結構ゴール前にいるという戦術だったんですけど、良い所にちょうど6番の笠原がボールを流してくれて、これはもう決めるしかないと思って、ダイレクトでそのままタッチして決められてよかったです。

 

――2-1という結果について

シュート決めたことによって同点になったんですけど、そのあともう一回点を決められてしまって、最後の方は慶應も攻めることができていたんですけど、それが結果につながらなくて、PCとかも取れなかったですし、惜しいシーンも何回もあったんですけど、やはりそこでもう一回追いつく、それで追い越すというのができなくて、それは悔しいなと思います。

 

――早大の強さを感じる場面

早稲田はやっぱりキーマンが何人かいて、そのキーマンに仕事をさせないように囲んでいたりしたんですけど、打開されてしまったり、スクープだったり、色んな慶應にはないプレーがたくさんできているチームだと思います。

 

――4年間の振り返り

2年生の春で初めてベンチ入りして試合に出してもらったんですけど、けがとかも続いたりして、3年でやっとセカンドのローテで入るのに必死で、4年になってやっとずっとスタメンで出させてもらったんですけど、やっぱり4年間振り返ると本当に波があって、でも最終的にはずっと努力して、ポジティブに前を向き続けたから最後の最後にみんなの支えもあってチームに貢献できたのかなと思って、すごく達成感があります。

 

――来年以降を戦う後輩たちに一言

1個下は特に最上級生になってプレッシャーとかも大きくなると思うんですけど、本当に一人一人のスキルも高いので、それは自信を持ってチームを率いて欲しいし、それをサポートできるように今の1、2年生はプレーを伸ばし続けながらも、周りをしっかり見て、しっかり全力でサポートして、打倒早稲田を絶対にして欲しいなと思います。

 

 

山田寛子(経4・慶應女子)

――試合を振り返って

今日の試合は本当に無失点で勝ちたかったっていうのが素直な感想で、最初の1Q目で相手のPCで失点した時は、このままどうなるんだろうっていう不安もよぎったんですけど、そのあとフィールドの子たちが本当に頑張ってくれて、相手の所までボールつないでいってくれて、結果としては負けてしまったんですけど、私自身本当にみんなに支えられたなっていうそんなゲームでした。

 

――早大の攻撃を2点に抑えました

相手の攻めのパターンとかはビデオとか観ていて想定内という感じだったので、自分の中ですごいうまくいったというよりは、自分が想像していた通りのボールが来て、想像通りのプレーができたって感じです。

 

――早大の強さを感じるシーン

早稲田は今人数が結構少なくて交代もないんですけど、上手にキーマンにつないでいく姿とか、相手の方が体力的にきついはずなのに最後まで攻め続ける姿勢っていうのは、本当に早稲田って強いんだなっていうのは感じました。

 

――4年間の振り返り

私自身今まで全くスポーツをしていなかったので、色んな経験をさせていただいたっていうのもそうですし、仲間と一緒に頑張ってチームを作り上げるというのがこんなにも難しくて、こんなにもできた瞬間は嬉しいんだっていうか、今までリーグ戦で勝ったり負けたり色々あったんですけど、勝ちの喜びとか、今まで人生を生きてきて感じられなかったことを感じさせてくれた4年間だったなと思います。

 

――来年以降を戦う後輩たちに一言

私の1個下のキーパーの高橋香織(経3・慶應女子)がいるんですけど、本当に頼れる子なのでその子にも期待していますし、今のチームで中心の戦力になってくれている子たちも1個下の3年生に多いので、今後も期待しています。

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