【ラクロス(女子)】〈新体制企画〉受け継がれる意志。今年こそ、「真の日本一」へ清水珠理主将×安西美久副将対談

女子ラクロス

目標は「圧倒的支配、全戦全勝」

 

昨季はFINAL4で悔しい思いをした慶大ラクロス部女子。「真の日本一」を目指し、清水珠理主将(商4・慶應女子)と安西美久副将(商4・慶應女子)を先頭に新チームが舵を切った。スローガン「RISE‘n‘ROAR」を掲げ、全員で勝利をつかみ取る。今回の対談では、2人に動き出した新チームについて伺った。

【※取材は2月28日に行いました】

 

―慶應の強さを最初から見せつける―

 

――自分たちが主導するチームとなって感じることはありますか

 

清水:今、客観的に自分たちがチームを見れているのかは分からないんですけど、最上級生って熱が入り突っ走りがちになるので、下級生と同じモチベーションで巻き込んでやっていきたいと思っています。4年生だけにならないように巻き込んでやりたいと思いますが、客観的に見たときに出来ているのかなとは思います。

 

――「下級生を巻き込んでやっていく」中で、下級生の雰囲気はどう見えますか

 

安西:3年生に関しては、再来週くらいから私たちが就職活動で練習を抜けてしまうので、代わりにチームを引っ張っていく代として一時期チームを任せることになります。そういう意味で責任感は上がってきていると思います。2年生に関しても、昨年1年間は1年生チームとして主に活動していたんですけど、それが解散されて専任のコーチがいなくなり、自分たちで自分なりに頑張っていると思います。

 

――昨年のシーズンを振り返って

 

清水:4年生の方も仰っていたと思うんですけど、昨年10人制のルールに変わったこともあり、慶應が強みにしていたことが通用しなくなりました。そこから慶應がどうやって戦っていくかをゼロから幹部の方をはじめ、ヘッドコーチの大久保さんとも考え、模索しながら始まった年でした。正直、最初の頃は不安がありました。ヘッドコーチはリーグが開幕した時、チームは全然完成していなかったと仰っていて徐々にチーム力が上がり慶應が強みにしたい、「個」ではなく「組織」として勝ちに行くスタイルが見えてきました。今季は1年かけて見つけた慶應の強さを最初から生かしていきたいです。

20チームの主将を務める清水

 

――荒井理沙主将の代の印象は

 

清水:ルールが変わるというのが決まった時に、4年生の方々が「みんなで変えて行こうね」と仰ってくれました。「全員幹部」という気持ちで下級生にも投げかけてくれました。

 

「紅い炎」「青い炎」

 

――お互いがどのような主将と副将として捉えていますか。まず、安西選手から見た清水選手はどう見えますか

 

安西:えーどのような選手…。難しいな。似てると思わない?

 

清水:似てるかな…?

 

安西:実力があって日本一に向けてまっすぐ。

 

清水:恥ずかしいよ、ちょっと…(笑)

 

――ケイスポの定番ネタである選手をある選手に紹介してもらうというのがあるんですけど…

 

安西:無理無理無理無理(笑)

 

清水:じゃあ、私言っていいですか?あの、「青い炎」(笑)

 

安西:(笑)

 

清水:美久は「青い炎」です。というのは、「紅い炎」は見ただけで熱いって分かるじゃないですか。でも、「青い炎」というのは静かに燃えているイメージで、でも実際紅よりも熱いんですよ。美久って本当にその通りであまり感情を表に出さないし熱いってキャラじゃないんですけど、実際に思っていることは強いんですよ。それが言葉や行動からひしひしと伝わってくるなって思っています。あと、みんなが気づかないところや、みんなが見過ごしそうなところに気づくので本当に頼りにしています。

 

――安西選手はどうですか

 

安西:「青い炎」か「紅い炎」かで言ったら「紅い炎」ですね。実力もある分言葉にも重みがありますし、背中でも見せられるし、行動でも見せられます。行動がある分、言葉にも重みがあり全員が文句なくついて行きたくなるような主将です。

20チームの副将を務める安西

 

――話を聞く限り、清水選手は主将っぽい印象を受けますね

 

清水:そうですね。主将として「見せる」ことも大事な仕事だなと思っていて、プレーもそうですし自分が思っていることを前面的に発信していくことも主将の役割だと感じているのでその辺は意識していますね。

 

――主将、副将が決まった経緯というのは

 

清水:最終的に立候補したんですけど、うちの組織が技術面のチーム幹部とそれとは別に運営をする主将、副将がいます。私は最初日本一をとる上で自分が貢献できるのは技術の面だと考え、練習メニューなどを考える技術系の幹部をやることで貢献したいなと思っていました。それでトップ幹部に立候補をしてやらせていただくことになり、その後に主将と副将を決めることになりました。まず、チームビジョンを話した後にそれに合った主将像、副将像を全員で話し合いました。そして、主将像が明確になった時に自分の中で「これがチームの理想とする主将像なら自分が合うんじゃないか」と考えて自分が主将に立候補しました。

 

―全員のおかげで勝てたと思えるチーム―

 

――その話し合いの時に出た「チームの理想像」とはどのようなものだったんですか

 

清水:まず、熱量が一番大切。あと、プレーだけだと憧れは生まれるかもしれませんがついていこうという気持ちにならないと思うので、最終的に日本一を達成した時に全員で喜ばないんじゃないかということで、全員の総意として、全員を巻き込めるチーム、全員のおかげで勝てたと思えるチーム、というのが4年生の総意だったので、主将も同じく実力だけでなく広い視野で言動ができる人みたいな感じで上がりました。

 

――スローガンとも密接に関連している

 

2人:そうですね

 

――安西選手はどのような経緯で副将に

 

安西:まず1つは、主将が先に決まり珠理が主将になるということなので、トップ幹部のうちの1人が主将になります。主将にもなりトップ幹部にもなるととても力が強いので、主将に対してキチンと意見が言える人という話になりました。

 

清水:美久だったら私に意見が言えるという話になりましたね。

 

安西:最初は推薦されてその時は全然やる気なかったです。そのあと、主将像を話したように理想の副将像を話した時、私自身が理想の副将像のようになりたいしそれに近づく1年にしていきたいなという風に思ったので。それなのに立候補しないのは覚悟が足りないのかなと思ったので、覚悟の表現として立候補しました。

 

――清水選手笑ってますけど(笑)

 

清水:思い出しちゃって(笑)

 

安西:今、思い出しながら言ってます(笑)。

 

清水:副将やるなら覚悟決めないとって話になった時に、スタバをやめるみたいな、ちょっと小さめの覚悟が…(笑)

 

安西:甘い物をやめるという意味で(笑)いま、食べまくってます(笑)

 

清水:ダメじゃん(笑)私はそれを聞いて覚悟決まってるなと思いましたけど、もうやめちゃってたんですね(笑)

 

安西:食べちゃいました(笑)

 

清水:でも、その時期は相当な覚悟で可愛めの覚悟を決めていました。

2人の抜群のコンビは取材中も垣間見えた

 

――清水選手は主将になった時にこれだけはやるぞ、と決めたことはありますか

 

清水:ないよね?(笑)

 

安西:グルテンフリーは?(笑)

 

清水:あ!グルテンフリーは最近始めたんですけど(笑)

 

安西:(笑)

 

清水:私は捻挫をしがちなんですけど、その捻挫の理由を大久保ヘッドコーチが「絶対に体重のせいだ」と言ってきて…(笑)言われた時はムカついたんですけど、たしかに今より体重を少し落としたら捻挫もしにくくなるし実際早く走れるんじゃないかと思って、同期にグルテンフリーダイエットをして大成功をして、すごかったよね?

 

安西:うん(笑)

 

清水:腹筋も割れて、成功していたので始めました。

 

安西:覚悟ということで言うと珠理は1年生の時から試合も出ているし、改めて自分たちの代になるから覚悟を決めたということではないと思います。

 

清水:ナイスフォロー(笑)

 

―目標となるようなチームに―

 

――シーズンが終わった時に、どのようなチームになっていたら主将、副将としてやってきて成功だったと言えますか

 

安西:まず、日本一を取ること。取った先で、ほかのラクロスチームとかが「なんで慶應は日本一になれたんだろう?」って研究してくると思うんですけど、戦術的な面だけでなくてラクロスとの向き合い方、応援の仕方といったチームの部分でも目標となるようなチームになりたいと思っています。

 

清水:同じで、あとは全員で勝ちにいきたいと思っています。日本一になった時、全員が喜べるチームが理想です。そのために全員が何かしらに貢献できているという実感を持ちながら部活に取り組んで欲しいです。日本一になることを考えた時にそれぞれ自分に与えられた役割、自分が何で貢献できるか、何ができるかを考えながら専門性を持ってその場その場で100%を出せた時に日本一にグッと近づけるし、そうでないと日本一になれない。それぞれが自分ごととして、日本一を目指して取り組むことが大切だと考えます。

 

――それに向けて、何か新しくはじめたことはありますか

 

安西:今まで細々とやっていたことを大々的にやるとかはありますね。武者とか。

 

清水:武者修行ですね。

 

安西:今年は「愛されるチーム」というのを裏目標として掲げています。チーム内外から愛されるチームになりたいということで、積極的に他大のラクロス部の方々と交流する機会を作っています。応援も今年変えたいなと考えています。まだ、それは準備中なんですけど。

 

――じゃあ、今年は応援も注目ですね

 

2人:はい、注目してください!

 

――具体的なイメージもあるんですか

 

清水:結構具体的に考えていますね(笑)

 

安西:2人とも応援係に入っています。主将・副将という役職とは別に。応援について考えるみたいな(笑)

 

清水:それも愛されるチームになるためにファンをもっと獲得したいし、応援しているところを見て慶應ラクロス部に興味を持ってくれる人を作りたい、という理念の元応援の強化を考えています。

 

――ライバル視しているチームは

 

清水:それはね…

 

安西:立教ですね

 

清水:あと、早慶戦もあるのでもちろん早稲田もです

 

――個人的な目標は

 

安西:ゴーリーの私は、チームが勝つためにシュートを分析して、「こうしたら入りやすくなるよ」とやっていました。ただ、準決勝の最後で自分がセーブできなくて負けてしまいました。そこでもう一度立ち返ってチームの勝利のために自分がもっともっと頑張りたいという気持ちがあります。

 

清水:私はプレーで言うと「大事なところで大事なプレー」というのをずっと続けること。それで日本一に貢献できたら良いなと考えています。あと、幹部として全員が自信を持った状態で試合に臨めるような準備をする、その環境を作ることがとても大事な仕事だと思っています。「ここまでやったから勝てる」というのを全員が思った状態で試合に臨めるようにしたいです。

 

―「真の日本一」へ―

 

――最後になりますが、チーム全体の目標をお願いします

 

清水チーム全体の目標は「日本一」、「真の日本一」。クラブチームも含めて。「真の日本一」を取るために一年生の新人生であったりサブチームの優勝も欠かせないということを全員が自覚しているので、その勝利に向けても全員が戦っていきます。

 

――お忙しい中、ありがとうございました!

 

(取材:菊池輝 写真:野田快)

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