【野球】先制を許す苦しい展開も終盤の猛攻で逆転 慶大が先勝 東大①

伊藤主将の選手宣誓で秋季リーグが開幕

9月10日(土) 慶大―東大 一回戦

2011年秋季リーグの開幕戦として迎えた慶東一回戦。両者無得点で迎えた7回表、東大に2点を先制され苦しい展開を強いられるもその裏、阿加多(法3)の2点適時打ですかさず同点に追いつくと、8回には山﨑錬(商3)の勝ち越し打などで一挙3点を奪う猛攻を見せ、見事な逆転勝利を収めた。

   
東大
慶大 ×
慶大:○竹内大、福谷―阿加多
東大:●鈴木―田中

慶大出場選手

  ポジション 選手名(学部学年・出身校)
[8] 辰巳(文3・郡山)
  [8] 松本大(環2・桐光学園)
[4] 金田(政4・土佐)
  [H] 田中聡(商4・慶應)
  [R] 齊藤雄(政3・慶應)
  [4] 大川武(環3・済々黌)
[5] 山﨑錬(商3・慶應)
[9] 伊藤(環4・中京大中京)
[3] 伊場(政4・慶應)
  [R]3 渡邊暁(商2・慶應)
[7] 宮本(政4・慶應)
[2] 阿加多(法3・慶應)
[6] 福富(商3・慶應)
[1] 竹内大(環3・中京大中京)
  [H] 影山(総3・鎌倉学園)
  [1] 福谷(理3・横須賀)
春季リーグ戦では勝ち点5での完全優勝を決めた慶大。20年ぶりとなる春秋連覇をかけて臨む2011年秋季リーグ戦が、残暑厳しい蒸し暑い熱気の中開幕した。

慶大は4季連続の開幕戦マウンドとなる竹内大(環3)が先発。対する東大の先発は2年生エース鈴木となった。

4季連続で開幕投手を務めた竹内大

初回、竹内大は2番内海に右安打を許すも、続く岩崎脩をセカンドダブルプレーに仕留めるなど上々の立ち上がりを見せる。対する鈴木も初回を3者凡退に切って取ると、3回には初めて得点圏に走者を背負うも後続を断ちきり、リズム良く慶大打線を抑えていく。

4回表、先頭の内海にまたしても安打を許すと、バッテリーミスも絡み二死三塁のピンチを招く。しかし5番田中を内野ゴロに打ち取り簡単には得点を与えない。

4、5回ともに3者凡退に倒れるなど、ここまで1安打に抑え込まれていた慶大打線は6回裏、先頭の福富(商3)がチーム2本目の安打で出塁。ここで積極的に盗塁を仕掛けるも福富は盗塁刺。続く竹内大が安打を放つも上位打線が凡退。折角の走者を生かせず得点の糸口をつかめない。

スコアボードに12個の0が並び、息詰まる投手戦となり迎えた終盤7回。ここまで東大打線を3安打に抑えてきた竹内大だが、先頭の岩崎脩に出塁を許すと一死後、この試合2個目となる暴投で走者を一気に三塁まで進められる。このピンチで5番田中に対しツーボールからの3球目、打ち取った当たりの小飛球が前進守備の内野の頭を越す適時打となり走者が生還、遂に均衡が破れる。その後二死までこぎつけるも、7番成瀬にも適時打を浴び更に1点を失い、重い2点がのしかかる苦しい展開となる。

春の覇者として負けられない慶大は直後、先頭の山﨑錬(商3)が出塁すると、伊場(政4)がフェンス直撃の二塁打を放ち、二死二、三塁と同点のチャンスを作る。ここで迎えた阿加多(法3)が詰まりながらも打球をレフト前に運び二者が生還、すぐさま同点に追いつく。

山﨑錬は持ち前の勝負強さで勝ち越し打

これで勢いづいた慶大は8回、先頭の代打・影山(総3)が右中間を破る三塁打で出塁すると無死満塁とした後、勝負強さが売りの山﨑錬に殊勲の勝ち越し打が飛び出し、この試合初めて慶大がリードを奪う。更に途中出場の渡邊暁(商2)にも二点適時打が生まれ、この回一気に3得点を挙げる。

最終回は守護神・福谷がきっちりと3人で締め試合終了。5-2と接戦を制した慶大が、このカードを先勝した。

春季最下位の格下東大相手に、一時は2点ビハインドという苦しい試合展開を強いられるも、終盤に王者の意地を見せ逆転勝利で開幕戦を白星で飾った慶大。春秋連覇へ向けてまずは勝ち点1を手に入れ、幸先の良いスタートを切りたい所だ。

By Takayuki Fukui

選手のコメント

伊藤主将
(今日のゲームを振りかえって)なかなかきつい展開だったが、勝てて良かった。(鈴木の印象は)丁寧に投げているな、という印象。(この夏の過ごし方は)しっかりバットを振ってきた。チームとしても充実した夏だった。(ラストシーズン、今季の目標は)チームとしては連覇、その先にある日本一。個人としてはそれに貢献すること。(明日への意気込みを)東大だからと言って楽な展開にはならない。気を抜かずに勝ちにいく。

伊場

(今日の試合を振り返って)辛く、きつい試合だったが同点に追いつけたのでいけると思った。(7回のレフトフェンス直撃の二塁打について)あれがスタンドに入らないというのは「持ってない」なと思う(笑)(夏の間、どのようなトレーニングをしてきたか)守備やバッティングをしっかり練習してきた。(一塁手としての先発出場だったが)まだまだ勉強していかなければいけない。(今季の目標は)チームとしては全勝での連覇。個人としては1試合でも多く出場してチームの役立つ仕事をしたい。

山﨑錬

(開幕戦、序盤は我慢の展開だったが)なかなか点が取れなくて、固くなってしまったと思うんですが、点を取られたあとにすぐ点を返せたっていうのが大きかったです。(8回には貴重な勝ち越しタイムリーを放ったが)あの回に点を取らないと大助に勝ちがつかないので、影山がいい形で出塁してくれて、何とか1点取りたいなと思ってたので打ててよかったです。(7回には先頭打者で同点の足がかりとなる内野安打を放った)伊藤さんにも言われたんですが、何とか出塁しようと思って、泥臭く内野安打打てたのでよかったかなと思います。クリーンヒットだけがヒットじゃないんで、泥臭いヒットが逆にチームに勢いをもたらすこともあるので、内容よりも結果が大事かなと思います。(夏の練習はどのような課題を持って取り組んだか)練習量ですかね。とにかく練習して、他大に練習量では負けないようにしました。連覇するっていう強い気持ちがあったんできつい練習にも耐えることができました。(今季の目標は)とにかく連覇したいです。個人的にはおいておいて、連覇できれば最高です。

阿加多

(開幕戦だったが)うまく試合を運べないのは分かっていたが、点を取られて焦ってしまった。勝って良かったが、明日はもっと楽に試合を進めたい。(試合前先発の竹内大と打ち合わせたことは)東大はまっすぐに強いので、変化球でどんどん打たせて攻撃につなげていこうという話をした。(打撃では同点タイムリーを含む2安打を放ったが)いいところで回ってきたので、打てて良かった。7番だが、伊藤さんの後ろのチャンスで打てるようにと自分で考えている。(夏はどのような課題を持って練習したか)打撃よりも守備を中心にリードやキャッチングに力を入れた。投手から信頼されるキャッチャーになれるように練習した。(今季の目標は)うまくいかない中でも今日勝てたので、全勝優勝したいと思います。

竹内大

(今日の投球を振り返って)まだまだですかね。調子も良くなかったが先制点を取られるまでは抑えないといけない。(点数をつけるとしたら)30点くらいです。(先に点を与える苦しい展開だったが)野手も固かったし、1点取ったら勝てるという状況を作りたかった。3点目を取られたら負けると思っていたし、先に2点取られたのは申し訳なかった。(夏場は主にどのようなトレーニングを)春は調子が悪かったので、一から徹底して基礎練習をした。(春と比べて東大打線の印象は)まぁ振れているかなと。(今季の目標は)もちろん優勝です。

福谷

(今日の試合を振り返って)危なかったですね(9回に登板して3者凡退に抑えましたが、調子は)良くはないですけど、最後を任されたからにはゼロで抑えたいという気持ちでマウンドに向かった。(夏の間にどのような課題を持って練習していたか)(竹内)大助を見習って力を抜くということはずっとやっていた。今日もそれは実行したつもりです。(先発転向という噂もありましたが)それに関しては僕はなにも言えないので、ご自由に想像してください。(今シーズンの目標を)とりあえずチームの優勝。自分としてはゼロに抑えたい。

影山

(開幕戦でしたが)こんな試合になるとは思っていませんでした。もうちょっと楽に勝てるかなと思っていました。(どんな気持ちで試合に望みましたか)普通に今までやってきたことをやって、最初から試合に出られるように結果を残したいと思っていました。(同点にした次の回の先頭で代打として出場しましたが)大助の代打だったんで、交代で大助に勝ちをつけてあげたかったんで、出れば上位打線につながるので、点はとってくれると思っていたんで、出れてよかったです。(夏の練習にはどの様な課題をもって取り組んだんですか)夏はプロや社会人のようなレベルの高いところとやってスイングの速さが違うのがわかったんで、スイングを速くしてなるべくボールを自分の手元で捉えられるようにするということを意識しました。(今季の目標は)スタメンでなるべく多くの試合に出て優勝に貢献したいです。

渡邊暁

(夏の間はどのような練習を)とにかくバットを振り込み、ノックをたくさん受けた。基礎練習を重視した。(初戦への心意気は)調子はそこまで良くなかったので、まず1本(ヒット)出ればと思っていた。(リードされた場面での代走からの出場だったが)足には自信があるので、必ず1本で帰ろうと思っていた。(東大を突き放すタイムリー。どのような気持ちで打席へ)伊藤さんが敬遠されての打席だったのでなんとかランナーを帰して、楽な試合にしようと思った。(今季の目標は)もちろんチームに貢献して優勝すること。個人的には規定打席に達すること。

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