今年も関東大学アメフトトップリーグ・TOP8が開幕。開幕戦は2年続けて早稲田大学vs慶應義塾大学の早慶戦となった。昨年は完封負けを喫し、今春は善戦するも21-32で敗れた。捲土重来を期して挑んだ伝統の一戦は、WR・久保宙(経3・慶應)に2本のタッチダウンが生まれたものの、相手オフェンスの進撃を止められず28-13で敗戦。白星は次戦に持ち越された。
※掲載が大幅に遅れましたことをお詫び申し上げます。9月14日の明治戦の記事につきましては、9月20日までの掲載を予定しております。
8月31日(月)@アミノバイタルフィールド TOP8第1戦
慶應義塾大学 UNICORNS | 早稲田大学 BIG BEARS | |
第1Q | 7 | 14 |
第2Q | 0 | 0 |
第3Q | 0 | 7 |
第4Q | 6 | 7 |
計 | 13 | 28 |
試合会場の調布市・アミノバイタルフィールドは試合開始直前にゲリラ豪雨が襲来。観客席通路はぬかるみ、まさに泥沼の決戦を予想させる、超弩級のバッドコンディション。パスが通りづらい、ボールが手につかないなど、普段とは異なる状況での試合展開を余儀なくされる難しい試合が幕を開ける。
第1クォーター(以下第1Q、他Qも同様)、慣れない状況下で両大学とも決め手に欠く展開が続く攻防。中でも両者ともファンブルによるボールロストが目立った。先に見せ場を演出したのは慶大。6分にDB・沼田航平(商4・慶應)が早大のパスをインターセプト。ラストシーズンの幕開けに相応しいプレーを見せる。しかしその後は攻撃が続かず、ファンブルでボールを奪われると、早大RB・安藤慶太郎(社3・早大学院)にタッチダウンを許した。しかしその直後に慶大もやり返す。キックオフボールをフィールドやや右側で掴んだWR・久保はそのまま早大ディフェンスに斬り込む。左へと大きく展開しながら86ヤードを爆走し、そのままエンドゾーンまで駆け抜けてリターンタッチダウン成功。トライフォーポイントはK・佐々木雄大(経4・慶應)が冷静に決め、わずか15秒で同点に追いついた。その後の早大の攻撃は、7プレーで77ヤードをじわじわと押し込まれる形に。LB・倉田直(理4・南山)による決死のタックルなどでなんとか早大を止めにかかるも、早大はそのまま今日2本目のタッチダウンを決め突き放された。
第2Qは両者譲らず一進一退の展開を続ける。慶大オフェンスの要・水嶋魁(商4・海陽学園)もパスを何度も繰り出すが、豪雨の中ではなかなか繋がらない。一方の早大もランを中心に押し込むが、なかなかファーストダウンを取りきれず。慶大ディフェンスは第2Qでのファーストダウンを1回に抑え、これ以上の失点を避けたいなかでなんとか踏ん張った。前半終了時点で14-7、春はこの時点で24-7だっただけに、後半に望みを繋ぐ形で試合を折り返した。
第3Q、こう着状態の試合をどちらが崩すかで試合の流れが大きく変わる状況で、先に動いたのは早大。慶大42ヤード地点からボールを得た早大は、QB・八木義仁(政経4・早大学院)からWR・入江優佑(商4・関西大倉)への黄金プレーにより一気に38ヤードの前進。このまま押し込まれ、慶大は痛恨の追加点を献上。これで21−7となる。なんとか反撃したい慶大だったが、次の攻撃では2回のファーストダウンを獲得し早大30ヤードまで迫るも、第3Qラスト1プレーが早大によってまさかのインターセプト。貴重な攻撃権を明け渡してしまった。
後がない第4Q、明け渡した攻撃権を1シリーズでピシャリと抑え、反撃に出たい慶大。ファーストダウンを獲得しなんとかフィールド中央までは押し返したものの、後が続かない。さらにパントの場面でのファンブルで一気に陣地を喪失すると、次の攻撃を抑えきれずとどめの一撃を食らってしまう。これで21点差となり、かなり厳しい点差をつけられてしまった慶大だが、決して諦めない。試合残り2分から、QB・水嶋からWR・水野覚太(政4・慶應藤沢)へのロングパスを決めて陣地の回復に成功。最後は水嶋から久保への綺麗なパスを決め、今日2本目のタッチダウン。強力なライバル相手に一矢報いてみせた。このまま試合は終了し、慶大は開幕戦白星とはならなかった。
試合後インタビュー
WR・久保宙(経3・慶應)
ー試合の感想
チーム力の差で早稲田に負けてしまったと感じています。雨の中でもプレーを遂行しきる力が早稲田にはあったのに対して、慶應は安定したプレーが出来なかったのが敗因だと思います。
ーオフェンスのGood/Badポイント
悔しいですがオフェンスは良かった点がなかったと思います。終始自分達が準備したことができず点が取れませんでした。
良くなかった点としては、雨でパスが投げれない中ランを出せなかったことだと思います。春からの課題であったランを出すというのが改善できなかったのがオフェンスの反省です。
ーディフェンスのGood/Badポイント
ディフェンスの良かった点はオフェンスが点を取れない中粘り強く耐えていたことだと思います。
悪かった点としてはタックルミスによるゲインを大きく許してしまった点だと思います。
ー雨の影響は
雨の影響は大きかったと思います。ボールが滑ることでパスが上手く機能しないことや、両チームともにファンブルにより攻撃権を相手に渡してしまうことが多発していました。
ー次戦に向けて
全日本選手権出場のためにはもう負けられないので、一人一人が与えられた役割を徹底して行い明治にオフェンス、ディフェンス、キッキングの全部で圧倒できるように頑張ります!
(記事・写真:東 九龍)